その村には掟があったーーー
それは、毎年1人、
”神”に女子高生をささげるという掟。
だが、それは
その村の村長が作り出した”偽りの神”だった。
しかしー、神の名を騙った村長らの前に
”本当の神”が現れて、村を支配したー。
村はーー”神の村”へと変貌を遂げていたー。
「禁忌の村」の続編です!
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あらすじ
村には”神”が居たー。
その”神”は毎年一人、女子高生の体を要求した。
その体を憑代に、神は1年間を過ごすのだー。
そして、逆らうモノや、神を調べようとするモノは
”神の崇り”により抹殺されるー。
そういう”掟”のある村だった。
しかしー
真実は違った。
村の村長とその娘・法子が仕組み、でっち上げた話だったのだ。
”神”など存在せず、
憑依しているのは”村長の娘”
そしてー
神の崇りは、”村長”が憑依薬を使って起こしていたものだった。
そうー
”神”など存在しないはずだった。
村長たちは娘・天音を奪われて怒り狂う父親・泰三を始末し、
ドラム缶につめて川へと放流した。
しかしー泰三は死ななかった。
川のほとりでドラム缶から脱出した泰三は、
再び”禁忌の村”を目指すー。
村長たちから娘の天音を取り戻すため―。
がーー
泰三は知らなかった。
”村”は、
”本当の神”の怒りに触れてしまったことをー。
既に泰三の知る 村は、そこにはないことをー。
村は、、、本当の神によって…
娘の天音は、本当の神によって、支配されているということをー。
矢村 泰三 …天音の父。娘が憑依されてしまう
矢村 天音 …泰三の娘。神への生贄として、村長の娘に憑依されている
村長 …村の村長。偽りの風習で、娘に体を提供していた。
法子 …村長の娘。”神”を騙り女子高生に憑依していた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
泰三が「村」へと辿り着いた。
ゼッタイに許さないー。
憑依されて、
色っぽい服装を身にまとい、
父である泰三を見下した表情で見つめている娘・天音の
表情を思い出すー。
「くそっ…今、助けてやるからな!」
泰三は”村”に戻ってきていた。
”神”が1年に1度、女子高生の肉体を欲す。
そして、献上するために村人たちは毎年一人、
女子高生をささげていた。
1年間、神を名乗る存在に、選ばれた子は好き放題もてあそばれて、
解放される。
だがー、解放された少女たちは、元の生活に戻れるものもいれば、
精神崩壊状態になってしまう子もいる。
昨年の生贄―、娘・天音の親友だった村松 麗(むらまつ うらら)も
解放後は錯乱状態で入院が続いている。
そしてー
”神”は偽りだった。
全ては村長が、”ブス”といじめられ続けた娘に体を提供するために
憑依薬を使ってでっちあげた偽りの神ー。
「----------?」
泰三は村に入って違和感を感じた。
痛む体を抑えながら、
”神”が居る、屋敷を見つめる。
そこで今も、娘の天音が、
”村長の娘”に好き勝手されているのだろう。
決して…許すことはできない。
泰三も良く知る村人たちが、こちらを見て
ひそひそと話をしている。
そのうち一人が、屋敷の方に向かって走って行った。
村長たちに、何か報告でもしに行ったのだろうか。
しばらくすると、
見覚えのある、優しそうで大人しそうな少女が近付いてきた。
”昨年”神に選ばれて、
ついこの間まで憑依されていた少女・村松 麗。
泰三が村長らの真実を知った昨日までは
病院で入院していたはずだがー?
「---麗ちゃん…」
泰三が言うと、麗は微笑んだ
「---天音ちゃんのお父さん…
お久しぶりです」
麗が、ほほ笑んだ。
昨日までの錯乱が嘘のようだ。
「--麗ちゃん…
もう、大丈夫なのか?
神に憑依されていた後遺症は…?」
泰三が不思議に思い、尋ねると麗は笑った。
「えぇ、大丈夫です。
わたしたちは偉大な神様の保護のもと、
生きていくことになりましたからー」
麗の言葉に首をかしげる。
”偉大な神の保護?”
「---どういうことだ?」
泰三が訪ねると、麗は”不気味な”笑みを浮かべた。
「ーー我々人間は弱く、脆い存在です。
ですから、導きが必要なんです。
あの方は、私たちを導いて下さいます…」
麗がうっとりとした表情で言う。
興奮しているのか、
顔を赤らめている。
「---麗ちゃん、どうしたんだ?
何かおかしいぞ!?」
泰三が訪ねると、
麗は笑った。
「---矢村さんにも分かりますよ。
さぁ、神様がお呼びです。
ついてきて下さい」
麗がついてくるように促し、
泰三は後に続いた。
「・・・一体…」
泰三は村を歩きながら思う。
いつものような活気がない。
村人たちがまるで
”決められた何か”に従って動いているかのような、
そんな印象すら受けた。
「---矢村泰三をお連れしました」
麗が屋敷の門の前で声をあげる。
すると、中から村長が出てきた。
泰三は村長を睨むー。
”殺した”と思った泰三が現れたら、村長はさぞ驚くだろう。
そう、思っていた。
だがー
村長は無反応だった。
「--神がお待ちじゃ…はいりたまえ」
村長はそれだけ言うと、泰三に一切反応することなく、
屋敷の中へと泰三を案内した。
屋敷には数名の村人たちが頭を下げている。
「---創造主さま…
お連れ致しました・・・」
麗が頭を下げる。
彼女は、こんな子だっただろうか?
泰三が混乱する中、
最愛の娘、天音が姿を現した。
天音は巫女のような服を身にまとい、
無表情で壇上に姿を現した。
「--面を上げよ」
麗と村長に言い放つ天音。
その様子は娘とは思えないほどに
尊大で威厳に満ちていた。
「----はっ…矢村泰三をご命令通り
お連れしました」
村長が言う。
「---おいおいおいおい ふざけるな!」
泰三が声を上げた。
「--みんな、聞いてくれ!
神なんて居ないんだ!
神というのは村長の仕組んだ罠だ!」
屋敷に集まっている村人たちに向かって叫ぶ。
だが、村人たちは頭を下げたまま反応しない。
「---無礼者が…」
天音が不愉快そうに舌打ちしながら呟いた。
「---あ、、天音」
泰三が天音の方を見てその名を呼ぶ。
だが、当然、反応はない。
そしてー
泰三は天音の目を見て、
様子がおかしいのに気付く。
一瞬、天音の目が不気味に赤く光った気がしたー。
「---天音!しっかりしろ!」
泰三は無反応な村人たちにしびれを切らして、
天音の肩をつかんだ。
「---天音!俺だ!お父さんだ!
頼む!目を覚ましてくれ!」
天音をゆする泰三。
麗も、村長も、他の村人も反応しない。
村長が何か横やりを入れてくると思ったが
それもしないー。
いや…
村長も麗もまるで”操り人形”のようだ。
「あ、、天音!!目を覚ませ!」
ーーその時だった。
天音がもの凄い力で泰三の頬を殴りつけた。
「控えよ、人間」
天音の目が赤く光り、
泰三を冷たい目で見下した。
天音の可愛らしい顔がーー
悪魔のように見えた。
「--な…何なんだ…これは…」
泰三がうろたえる。
「おい、村長!どういうことだ?」
泰三が叫ぶ。
村長は無表情のまま
「我らは神の従者」
とだけ答えた。
すると麗と、他の村人が「我らは神の従者」と復唱した。
続けて―
「神の御心のままに働き、その身を捧げます」
と全員が一斉に呪文のように唱えた。
「---、、、なんだ、これは」
泰三が唖然とする。
「おい、どういうことなんだ!」
村長の娘が憑依しているはずの天音に向かって叫ぶ。
「ーーー薄汚い人間が!」
天音が心底嫌悪するかのように、そう叫んだ。
「--不愉快だ。
我は腹がすいた」
天音が不機嫌そうに言うと、
村長が「ははー」と頭を下げる。
そして、他の村人たちの方を見て叫んだ。
「神様が、お腹を空かせておるー。
誰か、その身をささげるモノはおらぬか」
村長が言うと、麗がほほ笑んで前に出た。
「神様ー、私の身を、お召し上がりくださいませ」
麗が嬉しそうに笑う。
おしゃれなミニスカート姿の麗が天音に近づくと、
天音が無表情のまま口を開いた。
そしてーー
次の瞬間、
天音の口から、不気味な触手のようなものが現れ、
それが麗の首筋に突き刺さった。
「--な、、、、何だこれは!」
泰三が叫ぶ。
目を赤く光らせた天音が触手から何かを吸引
し始めた。
麗が笑い出す。
「あはっ、、ははは、あはははははは!
神様にお召し上がりいただけるなんて、
麗、嬉しいです~♡」
泰三が唖然としてその様子を見つめる。
麗の体がビクン ビクンと痙攣している。
次第にー
麗のミニスカートから覗く足が
”干からびて”いく。
急激に色が悪くなり、
体は急激に細くなり、
その表情から生気が失われていく
「あはは・・・あはは、、、しあわせ・・・です・・」
麗が生気のない目付きで笑っている。
やがてーー
触手が麗の首から離れて、
天音の口の中に戻る。
「フム…なかなかの味だったぞ」
”生気を吸われた”麗が、
干物のような体になって、
目を見開いて笑みを浮かべたままその場に倒れた。
「あり・・・が・・・と・・・ござ・・・ます」
干からびた干物のようになった麗が、
うわごとのようにそう呟いている。
「--お、、おい!麗ちゃん!しっかりしろ!」
だがーー
麗は返事をしない。
村長が村人たちに指示を出す。
麗だった体が、ボロ雑巾のように引きずられていく。
「19人目のお味はいかがでしたかな?」
村長が言うと、
天音は初めて笑った。
「うむ。なかなか美味であった」
19人--?
泰三は村に入ってから人が少ないような気がしていた。
まさかー。
「---お前は、、何者だ!」
泰三がたまらず叫んだ。
すると麗は泰三の方を見て言った。
「我は神ー。
貴様ら人間の醜い争いを見かねて、
この村は、我が統治することに決めた。
この村人は全員、我が眷属ー」
天音が尊大な様子で言う。
もはや、明るく元気な天音の面影はない。
泰三は悟るー。
これはーーー”村長の娘”なんかじゃないー と。
「このモノが、我の名を騙り、
欲望にまみれていたのを見て、
我は貴様ら人間の限界を知った」
天音の言葉に泰三が思う。
確かにー
この村には先祖代々伝わる”神”が住んでいる村と言われていた。
まさか、本当にー
「---お前は…神なのか?」
泰三が言うと、天音は不気味にほほ笑んだ。
「左様ー。
ここは我の村。そう、神の村である
人間よ。そなたも我が眷属となるがよい」
そう言うと、天音は目を赤く光らせた。
だがーーー
泰三は叫んだ。
「何が神だ… 何が眷属だ!
いいからとっとと娘の天音を返しやがれ!」
泰三が叫ぶと、天音が不愉快そうな表情で
泰三を睨む。
泰三も負けじと天音ーーー
いや、神を睨み返した。
「--死にたいのか?人間よ」
無表情の天音の冷徹な視線を浴びる。
だがー泰三は天音の顔をまっすぐ見つめて叫んだ。
「村長だろうが、村長の娘だろうが、
神だろうがーーーーー!
娘を傷つけるヤツはぶっ飛ばす!」
泰三の言葉にーー
天音…いや、神は不気味にほほ笑んだ。
②へ続く
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コメント
リクエスト頂きました禁忌の村の続編がスタートしました!
明日で完結ですが、果たしてその結末はどうなるのでしょうか?
コメント
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続編リクエストした者です。
今から続きが楽しみです。
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> 続編リクエストした者です。
> 今から続きが楽しみです。
ありがとうございます^^
続きも頑張り(?)ます!
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”生気を吸われた”天音が、
天音ではなく麗では?
これからどうなるか楽しみにしながら次を読みます。
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> ”生気を吸われた”天音が、
> 天音ではなく麗では?
>
> これからどうなるか楽しみにしながら次を読みます。
そうでした(笑)
↑じゃ、自分の生気を吸ってることになっちゃいますね^^