本日2本目の小説です!
憑依空間が22万アクセスを達成しました!
ありがとうございます!
今回は記念短編小説として
絶望の二択の後日談をお送りします。
次は23万を目指します!!
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彼女の千穂と、
妹の春奈ー。
決して優劣のつけることのできない存在。
だがー、
堂島 博康(どうじま ひろやす)は絶望の二択を
迫られた。
憑依薬により、
彼女の千穂が憑依され、
”千穂”か”春奈”どちらか助けたい方を選べと
迫られたのだ。
そしてーー
博康は叫んだ。
妹の名を。
妹を優先したわけでは決してない。
ただ、どちらか叫ぶしかなかった。
時間切れになったら”二人とも奪う”
そう言われていたからー。
だから、叫ぶしかなかった。
どちらかの名を。
叫ぶしかー。
「はい、終了~
千穂ちゃんの意識は、、完全に封印しちゃいました!
えへっ♡」
「ーーー最後の最後まで、泣かせてくれたね!あははっ!
え~っと、じゃあ、これからわたし、千穂として
生きていくから、ばいばい!」
最後に見たー
”乗っ取られた”千穂の顔が忘れられないー。
邪悪にほほ笑んでいた千穂にー
少しだけ”寂しそうな”雰囲気が漂っていた。
もしかしたら千穂の意識がー、
最後に訴えていたのかもしれない。
あれ以降、妹の春奈はふさぎ込んでしまった。
自分のせいだと。
博康にはどうすることもできなかった。
そして博康も、深い心を傷を負った。
だが、そんな博康に手を差し伸べてくれた
女子生徒が居た。
幼馴染の長尾 璃乃(ながお りの)。
献身的に博康を励ました璃乃。
いつしか博康も、璃乃に心を開き、
博康と璃乃は、付き合い始めていた。
しかしーーー
”全ては璃乃が仕組んだこと”
千穂から博康を奪う為に、
クラスの太郎という生徒に、憑依薬を提供し、
千穂の体を奪って消えてもらったのだ。
博康は”本当の闇”に気付いていない。
いや……
璃乃は、千穂が奪われてから、
とても博康のことを気にかけてくれた
折れそうだった心を、璃乃がつなぎとめてくれた。
そして、付き合いを始めた。
けれどー。
博康とてバカではない。
博康は薄々気づいていた。
”憑依”していたのはクラスメイトの”太郎”だ。
だがー、
璃乃も何らかの形で関わっている、、と。
だが、確証はないし、
憶測に過ぎない。
博康は、璃乃との付き合いを続けるしかなかった。
ある日。
博康が、とある行事で帰りが遅くなり、
夜の街を一人歩いていると、
見覚えのある姿が目に入った。
「---千穂?」
路地のほうに入っていく千穂。
派手なミニスカート姿の千穂を追って
博康も路地の方へ向かおうとする。
「……誰かと話している…?」
博康が路地の入り口で立ち止まる
「へへへっ!この体エロくて最高だぜ!
・・・で、話ってのは?」
千穂が汚らしく笑う。
やはり、、、
千穂の心はもう消えてしまったのだろうか。
千穂は、自分の足をいやらしく触りながら笑っている。
そしてーー
反対側で、別の女子高生らしき人物が千穂と話している。
だがーー
暗がりでよくその姿が見えない。
「---あれは、、誰だ?」
博康が覗き込もうとする。
「----誰かいる!」
千穂と話していた女子が指を差す。
振り向く千穂。
博康はとっさに逃げ出した。
「はぁっ…はぁっ…」
2人から距離をとった博康は、荒い息でつぶやく。
”誰か居るー”
「……今の声は…」
博康には聞き覚えのある声だった。
今の声はーー
幼馴染の璃乃ではないだろうか…。
では、何故 璃乃が憑依された千穂と
一緒に話していたのか。
「璃乃…まさかお前…」
博康は悲しそうに呟いた。
彼女も”憑依”に何らかの形で関わっているのかもしれない…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
「おはよう 博康♪」
璃乃が元気よく、横に並んで歩く。
昔から、お互いに憎まれ口をたたき合うような
間柄だった璃乃。
しかし、彼女が出来てからー、
千穂と恋人関係になってから
どことなく”溝”が出来たような気がしていた。
「----璃乃…」
博康は口を開く。
その”溝”はもしかするとー。
博康は頭に浮かぶ”嫌な予感”を振り払う。
「--あのさ…」
博康がつぶやくと、璃乃は微笑んで博康の方を見た。
ずっと一緒だったー。
かけがえのない”友”だった。
でもーー。
千穂が憑依されて奪われてから璃乃との
”距離は急激に近くなった”気がする。
あまりにも、不自然だ。
そう、あまりにも…
「----どうしたの?」
璃乃の笑顔を見て思うー。
でも、もし璃乃が憑依に関わっていたら…?
博康は思う。
もしかしたら妹の春奈に何か手を出すかもしれないー。
それに、”大切な幼馴染”の璃乃もーー
自分の前から去ってしまうかもしれないーー
そしたらーーーー
もう、自分にはーーーー
「……今日も可愛いなって」
博康は聞きたいことを飲み込み、ごまかした。
「何よそれ!うふふ・・・変なの!」
璃乃が笑う。
そうだーーー
例え、璃乃が何かに関わっていたとしてもー
たとえ、今の状況が”偽りの日常”だとしてもーー
もう、自分は失いたくない。
春奈もー
璃乃もー。
もう、千穂の時のように、
失いたくないーー
”失うことの恐怖”
博康は、昨日みたこと、
そして疑念を全て振り払った。
これ以上、大切なものを失いたくない。
博康はー
恐怖に支配されて、つかみかけた事実から目を逸らしたー
「--あ、わたし、ちょっと職員室に用があるから」
「そっか…じゃ、先に行ってるよ」
博康が教室に向かう。
璃乃はそんな博康の後姿を見て微笑んだ。
「あなたは私のものーー
誰にも渡さない。
そう、ダ レ ニ モ・・・」
璃乃は口元をゆがめて、一人そう呟いた…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あっはははははははは!あはははははははは♪」
夜の街でチャラい男たちに身をゆだねて大笑いする
千穂ー。
かっての面影はもうそこにはないー。
全てを奪われてしまった千穂―。
彼女の”こころ”は、
今、どこに居るのだろうかーーー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
絶望の二択の後日談でした。
博康を奪いたい幼馴染の璃乃と、
璃乃の計画に突き合わされた太郎の
二人勝ち…というところですねー。
次は23万アクセスを目指します!
コメント
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ほんとにその後を書いただけだった( ˘ω˘ )
妹の方もひどい目に合うのかと思った
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> ほんとにその後を書いただけだった( ˘ω˘ )
> 妹の方もひどい目に合うのかと思った
妹さんの話も頭にはあるんですけどね・・・笑
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アクセス記念カテゴライズしてほしいです。
毎回遡ることになってしまうので…
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> アクセス記念カテゴライズしてほしいです。
> 毎回遡ることになってしまうので…
ご意見ありがとうございます!
カテゴリは1個しか設定できないので、
例えばこの小説の場合「絶望の二択」にカテゴリ分けしているので
別のカテゴリを設定できなかったりします…
アクセス記念だけ見れる、何か別の方法を考えてみます!