さくらを追い詰めていくオタク男ー。
自分をあざ笑った女子大生を”絶望”させていく。
男にとって、それはゲームだったのかもしれない…。
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破れ乱れた服で、上半身を半分露出させながら
笑う鳴海。
さくらは目から涙をこぼしたー。
鳴海はー
たった一人の肉親の母のために、
日々頑張っている真面目な子だったー。
そんな鳴海の人生がーー。
「うふふ・・・♡
さくら…私、悲しい…。。。
せっかく今まで頑張ってきたのに…
こんな風に全部壊されちゃうなんて」
さくらの上に乗った鳴海が笑う。
「----…やめて!鳴海から出てって!」
さくらが叫んだ。
大学内でギャラリーが出来ている。
真面目でおしとやかな鳴海が
突然、自分の服を破り捨てて
さくらを押し倒したー。
それは、
”異常”な光景だったー。
「あははははっ!
わたし、もう人生壊されちゃった!
ははは!!可愛い女の子の人生壊すのって
興奮するぅ!!」
鳴海があまりの興奮に体をブルブルと震わせている。
「---やめてよ!
鳴海は関係ないでしょ!」
さくらが叫ぶ。
だが-、
オタク男はーーいや、鳴海は笑った。
「ダメよ…
”あんたが私を巻き込んだ”のー。
私は復讐のためなら”使えるものは何でも使う”のー」
鳴海の言葉に心優しいさくらはカッとなったー
「どこまで人を弄べば気が済むの!
このオタク!!!!」
ーー普段 声を荒げたりしないさくらが精いっぱいの力で
叫んだ。
ー許せなかったーー。
確かに自分はオタク男を笑ったかもしれないー。
けれど、こんなー
”他の人まで巻き込む”なんてー。
鳴海の顔から笑顔が消えた。
「くっ…言ったな!?お前、言ったな!?
今、僕の事をオタクって言ったな!?」
大人しい顔の鳴海が目に狂気を浮かべて叫ぶ。
「もういい、滅茶苦茶にしてやる!
お前も、、、僕、、いや、私も滅茶苦茶になってやる!」
鳴海はそう言うと、倒れたままのさくらのスカートの
中に無理やり手を突っ込み始めた。
「やめて!鳴海!目を覚まして!」
さくらがもがくー。
鳴海にこんなことをさせるわけにはいかないー。
「---あぁ、さくらちゃんのアソコ、
もう濡れちゃってるねぇ~
うふふふ♡」
鳴海が汚らしく涎を垂らしながら
イヤらしい笑みを浮かべているー
「やめなさいよ!」
さくらが力を込めて鳴海の体を突き飛ばした。
さくらは慌てて立ち上がり周囲を見たー。
破れた服を身にまとい、笑う鳴海―。
既に周囲には大勢のギャラリーが出来ている。
「お、おい…あれ?飯淵さんだよな…」
「鳴海…何やってるの?」
「うほっ!すっげぇ、写真撮るしかねぇなこりゃ!」
色々な声が上がっている。
もうーーー、手遅れ…。
さくらは目に涙をためて、鳴海の方を見たー。
鳴海は笑うー
「あんたが、私を巻き込んだのよ!」
そう言うと、自分のスカートにも手をかけ、
それをそのまま脱ぎ捨ててしまった。
「きゃあああ!」
「ふぉぉぉぉぉぉ!」
周囲から色々な声があがる。
大学のキャンバス内で
服を脱ぎ捨ててしまった鳴海―。
彼女のーーー
母を楽させたいという想いはこんなカタチで、消えてしまうのかー。
「---鳴海…お願い…目を覚まして・・」
さくらはその場に座り込んで涙を流した。
鳴海はそれを見て、
自分の髪を手でかきむしり、ボロボロにしながら、さくらに近づいた。
「--どう?これで理解した?
私に逆らえばーこの女みたいに、アンタの大切なものが
一つずつ壊されていくーーー」
鳴海の言葉にさくらの心は”折れた”
「わたしーーずっと、アンタのこと、恨み続けるから!
あはははははっ!!あはははははははっ!!
女の子の人生壊すの、ほんと最高!!!
すっげぇ興奮する…!!!」
鳴海が笑いながら、イヤらしい液体を体から流している。
口からは涎を垂らし―、
その目にはーー涙が浮かんでいたーー
あの涙はーーー
鳴海本人が流した涙なのかもしれないーー
「---あはははは…じゃ、そろそろもどろっか」
鳴海がさくらに近づいて、さくらにキスをすると、
鳴海はその場に倒れた。
ほどなくして警備員が駆け付けた。
白目を剥いて、ピクピクと痙攣している鳴海は、
そのまま運び出されて…
後日、退学になってしまった…。
そのあと、鳴海がどうしているのかは、
さくらは知らないー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”あの日”以降、
さくらは家に引きこもるようになった。
スマホにはバイト先の店長からLINEが来ていた。
”ごめんな…
これ以上、市川さんを庇えない”
さくらが無断欠勤を続けることに関して、
バイト先の本部から指摘が入ったようだ。
もう、さくらの事は解雇するしかないと…。
「----ごめんなさい」
さくらは目に涙をためた。
さくらはーー
あの日以降、全てにおびえるようになってしまったー。
”あの日のことは…辛いだろうけど…
何かあったらいつでも相談に乗るから!”
バイト先の木藤からのLINE…
”市川先輩…
私・・・心配です。大丈夫ですか?”
明美からのLINE…
”---色々あったって聞きました…
力になれることがあったら、何でも言ってください!
力になりますから!”
風香からのLINEーーー
けれども…それに”答える”ことは許されないー。
”さくらちゃんを、地獄に落としてくのって、本当に楽しいよー”
オタク男の声が脳内に響いた。
”くふふ・・・憑依して
女の子を地獄に落としていく……
まるでゲームみたいだ!”
オタク男が叫んだ。
「---…・・」
さくらは、もう、返事する気力も失っていたー。
白目を剥いただらしない恰好の鳴海が運ばれていく
姿が頭から離れないー。」
「--鳴海…ごめんね…」
さくらはまた、涙を流したー。
その時だった-
「許さないからー」
鳴海の声。
ビクッとしてさくらが振り返ると、
そこには鳴海の姿があったー。
いやー
”実際には存在しない”
さくらの脳にいるオタク男が
さくらの脳を刺激して”幻覚”を見せているのだ。
「---私・・・さくらのせいで人生壊れちゃった…」
鳴海が涙を流す。
「---ごめん。。ごめん、、、ごめんね」
さくらはパニックになってひたすら頭をあげる。
だが、鳴海は恨めしい表情でさくらを見たー。
「---私が今、どうしてるか知ってるー?
大学を退学になってー、
変態女のレッテルを貼られてーーー
あの時、大学に居た他の子が、わたしの様子を
ネットに投稿しちゃって…
もう…地獄よ…」
さらに鳴海は続けたー
「お母さん…わたしのことでショックを受けて
倒れちゃった……
お母さんから悲しそうな目で
「どうしてあんなことしたの…」って言われちゃった…。
わたし・・・・・・もう、、死にたいよ」
鳴海が涙をこぼす。
オタク男が見せている幻覚ー。
けれども、ほとんどは事実だった。
鳴海の母は倒れー、
鳴海は絶望のどん底でふさぎ込んでいる。
「---ごめん……許して・・・」
さくらが振り絞るように声を出す。
「---許さない……
ずっと、、ずっと、ずっとずっと、アンタを恨む――」
そう言って、鳴海の幻影は姿を消した―――。
「---もう、、、イヤ…
もう、、、、助けて…」
さくらはその場で頭を抱え込んだ。
その様子を見てオタク男は笑った。
”僕に、全てを任せなー”
その言葉にも、さくらは反応しなかった。
そしてーー
さくらの体がビクン、としてその直後、
さくらは邪悪にほほ笑んだ
「くふふっ…もう、私は地獄に落ちちゃった…」
さくらはカレンダーを見る。
あと8日ー。
さくらに憑依して22日が経った。
憑依薬によれば1か月前後で、
体から拒絶反応が出て、憑依者もろとも
死んでしまう可能性があるとのことだった。
それを防ぐためには、
元々の体を完全に”奴隷”にする必要があるらしいがー。
「まだ、その時じゃない」
さくらはクスッと笑った。
そして、さくらは笑う。
「あと1週間、、、
この体で”夜”を楽しんじゃおうかな ウフフ…♡」
さくらは不気味に笑うと、
小悪魔風の衣装を身にまとって、
そのまま夜の街へと歩き出したーー
「私はーーー市川さくらーー」
満面の笑みでほほ笑むさくらー。
「私はー”夜に咲く”さくらー
クスッ…」
静かに笑うと、
さくらは”夜の街”へと身を投じたー。
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1週間後ーー
さくらは”バイト先”の前に立っていたー
小悪魔風のミニスカートを身にまとい…。
店内では木藤と明美が話している姿が見えるー。
「次はーー
あなたの番よー。
山西明美ちゃん…」
笑いながら呟いたさくらはー、
そのまま店内へと向かった…
おわり
(暴走憑依男 第2部に続いています)
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コメント
初代と第2部の間の裏側を書いてみました!
鳴海さんはどうなってしまったのかはご想像にお任せします…。
また機会があれば、暴走憑依男関連作も書いていきたいと思います!
ありがとうございました!
コメント
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こんなことになったらそりゃあ精神的にきますわな
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> こんなことになったらそりゃあ精神的にきますわな
鳴海さんはただの被害者…