18万アクセス記念短編!「わたしのすけじゅーる」

憑依空間が18万アクセスを超えました!

ありがとうございます^^
どこまで進んじゃう(?)のでしょう??
私自身、怖くなってきました(笑)

今回の記念短編小説は「わたしのすけじゅーる」。
ツイッターフォロワー様よりリクエスト頂いていた
「スケジュール帳」を題材とした小説です。

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彼女は必死に走っていたー。

「はぁっ…はぁっ・・・どうして私がこんな…!」

女子大生の伊村 咲江(いむら さきえ)。

息を切らしながら走る彼女は、
とある自宅前に到着した。

「兼森」

そう書かれた自宅の前に立つ。

「--もぅ…何なのよ…」

兼森…
彼女と同じ大学に通う子だ。

彼女は、その兼森の自宅のインターホンを鳴らした。

そしてー
彼女は猛ダッシュした。

そう、ピンポンダッシュである。

女子大生がピンポンダッシュをするという異様な光景ー。
彼女は目に涙を浮かべながらため息をついた。

「はぁ…本当に、、馬鹿みたい…」

そう呟く咲江。

その手には
”1冊のスケジュール帳”があった。

そのスケジュールの
”今日の日付”の部分にはこう書かれていたー

21:00 兼森宅をピンポンダッシュ  と。

咲江は、ピンポンダッシュをすることまで、
予めスケジュール帳に書いておくほど几帳面な人物なのかー。

否ー。

彼女は”スケジュール帳”に嫌々したがっていた。
いやー、従わなければならないー。

何故なら…。

数日前。
大学に到着すると、門の前で怪しげな男に
スケジュール帳を手渡された。

怪しい男だったが、ついなんとなく受け取ってしまった咲江。

しかしーー
それが地獄の始まりだった。

男が咲江に手渡したスケジュール帳には
”悪意に満ちた残留思念”が憑依していたー。

その日の夜ー。
スケジュール帳が不気味に輝き始めた。

そしてーーー

「キキキ…オマエノスケジュールキメテヤッタゼ」

スケジュール帳が突如、声を発したのだ。

「ひっ!?」
怯えた様子で咲江が手帳を見つめる。

がー、もう遅かった。

捨てようとしても、
破ろうとしても、
手帳は咲江の前に戻ってきた。

そしてー
咲江に”翌日からのスケジュール”を突きつけたのだった。

その内容はー
滅茶苦茶なものだった。

翌日、大学で、同じく前日に怪しげな男から
スケジュール帳を受け取ってしまっていた
友人が、咲江に話しかけてきた。

「やっぱり咲江も…」

聞けば、彼女も同じように
「スケジュール帳」が突然動き出し、
“スケジュール”を強いられたのだと言う。

「---歯ブラシを30分間する」

咲江の今日のスケジュールはそうなっていた。

スケジュールは他愛のないものから
くだらないものばかり。

「--はあっ、バッカみたい」
友人が笑う。

「--私の方のスケジュール帳には
 ”今日晩御飯ぬき”って書いてあるけど・・・」

スケジュール帳を雑に叩きながら友人は続けた。

「--何で私がこんなスケジュールどおりに
 行動しなきゃいけないのよ!

 あ~腹立つ!
 こんなの無視よ無視!」

友人は腹立たしそうに言った。

咲江もその言葉を聞いて
「ふふ、そうねー」
と笑った。

ただの悪質な悪戯だろうー。

咲江もそう思っていたー。けれどーー。

なんとなく、不気味に感じた。

”歯ブラシを30分間する”

そう書かれたスケジュール帳を見つめて、
咲江は、身を震わせた。

なんとなくだったー。
”なんとなく”怖くなった咲江は
スケジュール帳の指示通り、
30分間歯を磨いたー

「………はぁ」
咲江はため息をつく。

「バカよね…私・・・」

”なに びびってるんだろう”
そう思った。

スマホを開いて、
同じくスケジュール帳をもらってしまった友達にLINEを送る

「そう言えば、明日なんだけどー」

何気ない雑談。

だがー、
友人に送ったメッセージには”既読”すらつかなかったー。

翌日。
大学に言った咲江は”恐怖の事実”を知るー。

それはー、昨夜、
スケジュール帳を持っていた友人がー、
晩御飯の最中に突然発狂して、発作を起こして死んだというのだー。

「--私の方のスケジュール帳には
 ”今日晩御飯ぬき”って書いてあるけど・・・」

昨日の友人の言葉を思い出して咲江は凍りついたー。

そしてスケジュール帳を見る

「まさかーーー
 これって…」

今日の日付のところには
”本屋で万引き”と書かれているーー。

「そ…そんな…!」
咲江は目に涙を浮かべながらスケジュール帳を見つめた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

咲江たちにスケジュール帳を渡した男が、
バイタルが表示されているモニターを見つめていた。

伊村 咲江

未だバイタル反応がある。

あれから1週間経ったが、彼女はまだ
”スケジュール”をこなしているのだろう―。

同じ日に、彼は5冊のスケジュール帳を
5人の学生に手渡したー。

既に4人は死亡しているー。

彼はー。
スケジュール帳に”悪意に満ちた残留思念”を特殊な力で
封じ込め、それを人に渡していた。

そのスケジュール帳の怨念は、スケジュール帳を手渡された子を
蝕む。

そして、最後にはスケジュールを守れなかった子を、
一瞬にして発狂させて死に至らしめる―。

だがー、その時、スケジュール帳に封じ込めた
”怨霊”も一緒に消え去るのだー。

それが、彼の目的ー。

彼は”殺し屋”だった。
だが、彼は悩まされていた。
自分が殺したものたちの怨霊にー。

悩みぬいた末、彼は
古文書からヒントを得て、
スケジュール帳に怨霊を封じ込めて、
それを誰かに渡し、怨霊を消し去っていたー。

「---悪あがきはよせー」
男は伊村 咲江のバイタルを見ながら呟いた…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”夜の遊園地で、服を全部脱ぎ捨てて
 一人エッチ”

スケジュール帳の要求は次第に過激に
なっていたー。

スケジュール帳に憑依している怨霊の
生前の欲望がーーそこに現れるのだ。

咲江の精神はーー
もう限界だった。

遊園地の真ん中で―。
楽しそうなカップルを目にしながら、
彼女は服を脱ぎ始めた。

周囲の人間が、おかしな人間を見る目で
咲江を見るー。

まぁ…実際におかしいのだけれども…

全ての服を脱いだ咲江は
一人喘ぎまくった。

生きるためにー。

そう、全ては生きるためにーー。

「んっ、あっ、、、あっ、、ああぁん!
 こ、、こんなところで、、、こんなところでぇ♡」

咲江は周りの目も気にせず、
そこで絶頂を迎えた。

そしてーうつろな目で呟いた

「わたしーーー死にたくないーーー」

彼女は…逮捕された。

彼女は取り調べを受けていたー。

「この手帳は、何だ?」
警察官が訪ねる。

咲江はハッとした。

”そういえば、今日もスケジュールが…?”

警察官が何気なくスケジュール帳を開いて
呆れた様子で言う。

「--今日のスケジュールは、
 ”大学の同級生と女同士のエッチ” かーー

 変態だなお前は」

警官の言葉を聞いて
咲江は振り向いたーーー

23時45分ーーー

「-----!!」

遊園地エッチは昨日のことーー

つまりーーー

「---わ、、私を今すぐここから出して!」
咲江は叫んだ。

「---は?無理に決まってるだろ?」
警官が言う。

「-お願い!出して!わたし、死んじゃう!出して!」
泣き叫ぶ咲江。

「おいおい、何をいきなり…
 薬でもやってるのか?」

警官が呆れた様子で言いながら笑う。

「カツ丼でも喰って落ち着け―。
 今、頼んできてやる」

警官は取調室を後にした。
背後で泣き叫ぶ咲江ー。

「---正気じゃないな」
警官はそう呟き、取調室を後にした―。

そしてーー。
警官がカツ丼を運んできたころにはー
咲江は既に―ーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

男は、咲江のバイタルが途絶えたのを見て微笑んだ。

「悪く思うなー」

これで自分が殺した”5人分の人間の怨霊”を消し去れたー。

これでまたしばらく、
安心して”殺し屋”を続けられる―。

男は不気味な笑みを浮かべたーーー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

18万アクセスありがとうございます!

以前、リクエストを頂いていた作品なのですが、
思うように上手くいかず、途絶していました。。

が、今回、無理やり完成させた結果が
こちらですね(笑)

とりあえず、何とかカタチにはなったかと思います^^

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小説

コメント

  1. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    操られるんじゃなくて従わないと死ぬ系でしたか( ˘ω˘ )

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 操られるんじゃなくて従わないと死ぬ系でしたか( ˘ω˘ )

    操られるー
    だと、ノートの意のままにと被るので
    あえて変えました!