家庭教師としてやってきた
女子大生・優芽が何者かに憑依された。
勉強にしか興味の無い小野坂 剛を誘惑する優芽。
憑依している人物の正体はー、
そしてー、
彼女の”誘惑”は思わぬ事態を引き起こす―。
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「お…襲う…?」
剛が冷や汗を掻きながら呟く。
「そうよ♡
こんなに可愛いわたしが、
下着ちらつかせて、誘ってるのよ?」
優芽がほほ笑んで耳打ちした。
「襲ってもいいんだよ♡」--と。
剛は首を振った。
「ぼ、、、僕は勉強がしたいんだ!」
叫ぶようにして言った。
自分はケダモノじゃないー
自分は欲望の塊なんかじゃないー
他の男とは、違うンだ!!!
「--男の子なんだから、素直になろ?」
優芽が剛にキスをする。
その唇の感触に、剛の心臓が限界まで高鳴っていた。
キスの感触に、剛の理性がはじけ飛びそうだった。
優芽が甘い声でささやきながら続ける
「ほら…わたしがいいって言ってるんだよ?」
剛の体をいやらしく触りながら言う優芽。
剛の手をつかみ、スカートの中を触らせる。
剛は絶句していたー。
顔を真っ赤にしながら。
そして、やっぱりこの家庭教師、おかしい!
と思いながらー。
「ふふっ…♡
どうするの?剛くん」
挑発的なポーズをとり、
剛を誘惑する優芽ー。
もう、、限界だった
「うああああああああっ!」
剛は近くのベットに優芽を力強く押し倒した
「きゃっ!」
いきなりの事に優芽は少し驚いた声を出した。
優芽の上に馬乗りになった剛は
”獣のような目つき”で、
優芽の服を脱がせにかかった。
---その時だった。
「はい、そこまで!」
優芽が剛を突き飛ばすと、
驚く剛を余所に、ベットから立ち上がり、
はだけさせた服を元のように綺麗に着なおした。
ポニーテールをほどき、元の状態に戻すと
優芽は笑った。
「やっぱ、剛くんも男の子だねー。
どう?女の子に興味わいた?」
微笑む優芽ー。
だが、剛の中の獣は収まらなかった。
「うっ…うああああああっ!」
なおも優芽を押し倒そうとする剛を
優芽は突き飛ばす。
「だーめ!
実は私ね、今、他の人に”憑依”されて
体を好き勝手されてるの!
驚いた?」
非現実的な言葉に剛は驚いた表情を浮かべる
「ふふっ…だから、勝手にこの体でエッチしちゃったら、
この子が可愛そうでしょ?
私、人に憑依はするけど、悪いことはしないの」
優芽が身なりを整え終えると荷物をまとめたー。
「---う、、、嘘だ」
剛が言う。
だが優芽は首を振った
「ほんとよ…
さっきの続きしたかったら、自分で彼女を作って
やりなさい。いいわね?」
そこまで言うと優芽は一言付け加えた。
「あ、今からこの子の意識、戻すから、
適当に話合わせておいて」
剛が「え!?ちょっ…」と叫んだ時には
既に優芽は体をガクっとさせていた。
「---あ、、、あれ!?」
優芽が意識を取り戻す。
「わー、わたし、あれ?もうこんな時間??
あ、、、プリントできた?」
その言葉に剛は咄嗟に言った。
「あー、、、なんか疲れて寝てたみたいなので
そうっとしておきました。。
起こした方がよかったですか?」
剛の言葉に優芽は
「ご、、ごめんね!」とだけ呟いた。
そして、時間が来て、
優芽は玄関で、剛と父に挨拶すると、
そのまま家から立ち去った。
家から出た優芽の背後から
声が聞こえたー。
「あのーー」
父親だった。
優芽の方に走ってきた父親は
優芽に封筒を渡した
「--本当に助かったよ。
ありがとう。」
父に手渡された封筒を不思議そうな顔で見つめた優芽。
そこにはー、10万円が入っていた。
「えーーー、ちょ、何ですかこれ?」
優芽が驚いて言うと、剛の父は
「いいんだよ、黙ってとっておいて」と言い、
そのまま唖然とする優芽を余所にそのまま家へと戻っていった。
ーーー父は思う。
息子にも、女性に少しは興味を持ってほしい、
その思いから苦労してネットで憑依薬を手に入れて
美人家庭教師を見つけ出して、家庭教師を依頼、
その子に憑依して息子を誘惑したのだったー。
そう、優芽に憑依していたのは、
剛の父親、司郎だった。
学生時代、演劇をやっていたのが役にたった。
父は一人呟く
「これで、剛が女に少しは興味を持ってくれたらいいがー」
父の優しさ―。
息子に幸せな家庭を築いてほしいという優しさ―。
妻は早くに病死してしまった。
父である自分がー、
剛を導いてやらなければならないー。
そのためなら憑依だってなんだってしてやるさー。
あの優芽とかいう子には悪いことをした。
だが、一線は超えていないし、
最大限 気を使った。
父は妻と息子の剛が写った写真をみつめて微笑んだー
だがーーー
その”優しさ”はーーー
”悪魔”を目覚めさせてしまったーー
背後で剛が父の呟きを聞いていた。
「へぇ…父さんが憑依薬を…!!」
優芽に誘惑された剛はーー
性欲におぼれたー。
ギリギリで止められた彼はー
抑えきれない衝動に支配されつつあったーーー
剛は、右手を震わせると、
口元を三日月型に歪めた…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
「ねぇ、ねぇ、田頭さん!」
幼馴染の田頭 秋代に声をかける剛。
「今日、放課後ちょっとお話しできるかな?」
剛の言葉に秋代が「え?」と珍しそうな表情をする
「--大事な話なんだ」
珍しく真剣な剛を見て秋代は「わかった、いいよ」と
笑顔を浮かべた。
そして剛は微笑むと、
クラスメイトの佐村河内のところに歩いて行く。
佐村河内は宿題のプリントを友達に見せてもらって
コピーしていた。
相変わらずのパクリ野郎だ。
「---ん?どした?」
剛の視線に気づいた佐村河内は微笑む。
すると、剛は不気味な笑みを浮かべて言った。
「ぼくー、彼女作ることにしたよー」
「あ?」
佐村河内は突然の言葉に首をかしげた。
「ふふ・・・コスパなんて言ってて損をした。
僕は昨日知ったんだ!
女の子の快感を!」
剛が狂ったような笑みを浮かべたー。
「は…はぁ、、、そっそうか」
佐村河内が「剛のヤツ、寝不足か?」などと
思いながら適当にあしらった。
そしてーーー
放課後。
空き教室に呼ばれた秋代が、その場所にやってくると
剛は微笑んだ。
「ねぇ、田頭さん!
僕、彼女欲しくなっちゃった!」
突然の言葉に秋代は「へ?」と口にする
「ちょ、どうしたの急に?」
秋代は違和感を感じる。
いつもちょっとナヨナヨしていて心優しかった剛。
エロい男子が多い中、そういう感じを一切見せず、
安心して一緒に居ることのできる存在だった剛。
しかしーーー
今の剛はー
目に”狂気”を宿していた。
「田頭さん!僕の彼女になってよ!」
いつものように明るく言う剛。
秋代はーー
その違和感に”恐怖”を感じた。
「---え、、で、、、でも…?」
秋代が戸惑う。
剛は大事な幼馴染だ。
けれどー。
「ご・・・ごめん剛、、急には」
するとーーー
突然、剛が豹変した
「僕もう我慢できないよ!
あんな直前でお預けにされて!!
ぁぁぁああああ、、、もぉぉう!」
狂ったように頭を抱えてかきむしる剛。
「ちょ、、、、ちょっと」
秋代が怯えながら声をかけると、
突然剛が秋代にとびかかり、秋代をそのまま押し倒した。
秋代に無理やり唇を押し付ける剛。
スカートに手をかけ、無理やり―
「秋代!!!秋代ちゃん!!!
あぁっ、秋代ちゃん!」
狂ったように剛が名前を呼んでいるーーー。
”一度はじけ飛んだ理性”が戻るほど―
”何かに集中すると突き進む性格”の剛は器用ではなかった。
昨夜、優芽に誘惑された剛は、性欲におぼれた。
もう、戻れない―。
「バカっ!」
秋代が思いっきり剛を突き飛ばし、そのまま泣きながら
外に走って行ってしまった
「ああぁぁぁっ!またお預けかよ!もう!!!!
いやになっちゃうなぁ!」
剛が叫ぶ。
足をバタバタさせ、床にたたきつける。
そして微笑んだー。
「そうだーーー。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜。
とある自宅の書斎で、
鈍器が何かを叩く音がしている。
血を流した男とー、
鈍器を持って笑う男が居るー。
血を流した男は苦しそうに言う。
「つ…剛…何を…?」
ーーーー
剛が、父を鈍器で殴ったのだった
剛が引出から”目的のモノ”を見つける。
そう、憑依薬を…
「や・・・やめろ」
父が苦しそうに言う。
しかし、剛は笑った
「あの日の優芽さん、父さんだったんだろ!?
最高だったよ!
おかげで僕、女の子に目覚めたよ!
だってそうだろ??
あんなに誘惑されたら誰だって!」
父は悟ったー
”自分は、この子の育て方を間違ったかもしれないー”と。
中学まで、父はスパルタ教育で勉強するように
息子に厳しくあたっていた。
しかしー高校に入った息子を見て、
考えを改めたー。
だがーーー
あの中学までの”厳しすぎるしつけ”が、
剛をゆがめていたのかもしれないー
「---さよなら、父さん!
大丈夫、僕は女の子の体奪うから
犯罪者にはならないよ!」
その剛の言葉とー
頭への強い衝撃を最後にー
父・司郎の意識は途切れた…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3日後。
大学の人気のない場所で、
一人の女子大生が邪悪な笑みを浮かべていたー。
傍にはーーーー
動かなくなった”剛”の体が横たわっていたー
「-うふふふふふふっ、
ついに僕が、、、僕が優芽さんになった!!!
あははは、僕が女の子だ!!!
僕が優芽さんだーーー!」
家庭教師のバイトをしていた女子大生ー優芽は、
剛の狂気の標的にされ、その体を乗っ取られてしまった。
「あはははあ!僕が、いや、わたしが!
私が優芽!私が優芽よ♡
あはっ あはっ あはははははははは♡」
狂ったように笑い続ける優芽ー。
そこに元の優芽のオモカゲはないー。
いや、、剛のオモカゲもー。
「しゅるるるる…」
唇をいやらしくなめまわす優芽。
そして優芽は自分の胸をいやらしく触り始めた。
「うふっ♡ あはっ♡ あははははははっ♡
あはははははははははは~~~♡」
あまりの気持ちよさに目に歓喜の涙を浮かべながら
優芽は狂ったように喘ぎ続けたーーー。
目覚めた狂気はもう止まらないーーーー。
剛に憑依された優芽の狂気がーーー
大学全体に広がるのは時間の問題だったーーーー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
比較的穏やかに進んでいたはずのお話が
一転しておかしな方向に…(汗)
異性に興味がない人ほど、1回爆発すると
暴走するんじゃないかな…というのを
テーマにした小説でした!
ご覧いただきありがとうございました^^
コメント
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タガが外れてしまったか( ˘ω˘ )
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この暴走っぷり好き
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> タガが外れてしまったか( ˘ω˘ )
今まで溜め込んでいた分、はじけてしまったのでしょう…
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> この暴走っぷり好き
ありがとうございます^^
彼も欲望に飲み込まれてしまいました!