<憑依>家庭教師の甘い誘惑①~興味無い~

高校生・小野坂 剛(おのさか つよし)

大学受験を控えた彼の自宅に
現役女子大生の家庭教師アルバイト・野本 優芽(のもと ゆめ)が
訪れたー。

しかし、優芽は突然、剛を”誘惑”し始めたー。

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「そろそろ彼女とかできないのか?」

朝。食卓で父の司郎が、息子の剛に尋ねた。

「え~僕はいいよ そういうの」
剛が笑う。

高校生の剛は生まれてから一度も彼女が出来たことが無い。
そして、興味も示さない。
エロゲーや、エロ本にも全く興味が無く、
クラスでも男とばかり仲良くしている。
別にホモと言うわけではない。

全く異性に興味が無いのだ

「--そんなこと言ってると、生涯独身だぞぉ?」

父が言うと、剛は笑う

「別にかまわないよ。
 だって考えみてよ父さん」

剛が指を立てて一つ一つ折りながら言う。

「彼女っていうのは、
 時間がかかるー
 お金がかかるー
 労力もかかるー

 …ね?コスパが悪いんだよ」

コスパとは
コストパフォーマンスのことだ。

父は呆れた様子で笑う。
”時代は変わったものだー” と。

「あ、そうそう」
父が言う。

「ん?」

「今日から家庭教師お願いしてあるからな」
父が写真を見せる。

とてもかわいらしい女子大生がそこに写っていた

「ほぅら、可愛い子じゃないか」
父の司郎の言葉に、息子の剛はため息をついた

「勉強できれば誰でもいいよ。
 むさいおじさんだって、おばさんだって、
 赤ちゃんだって。ヤンキーだって。
 教えてくれれば僕は誰でも構わないよ。

 …じゃ、、行ってきます」

そう言うと、剛は高校へと向かったのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おはよっ!」
高校に到着すると、幼馴染の
田頭 秋代(たがしら あきよ)が話しかけてきた。

「あぁ…おはよう」
剛が返事をする。

秋代は中の上ぐらいに位置する比較的
可愛い方だったが、剛には無論、興味が無い。

ただ、幼馴染としての間柄だ。

「--そういえばさ、クリスマス予定あるの?」
秋代が訪ねる。

剛はその言葉を聞いて笑った。

「クリスマスは家でごちそうを食べる日さ」

得意に言う剛に秋代は首を振った。

「---おぅ、小野坂。
 そんなんじゃ彼女できねーぞ!?」

親友の佐村河内 昇(さむらごうち のぼる)が笑う。
彼はよく人の意見や作文をパクるが、根はいいやつだ。
たまに、壁に頭を打ち付ける奇行に走ることもあるが、
それ以外は優しい人物だ。

「---はぁ…みんなよく彼女とか
 作るよなー」

剛は呟く

「いやいやいやいや、彼女作ってナンボだろこの世は!
 彼女が居ればよ、宿題の作文のゴーストライターに
 なってもらうことだってできるんだぜ?」

佐村河内は言う。

剛は呆れた様子で笑う

「でもさ、コスパが悪すぎるよ。佐村河内くん!
 コスパ!
 この世はコスパが大事なの!」

剛が言うと、佐村河内も秋代も顔を見合わせた。

「---まーた始まった!コスパ談義…」
佐村河内が呆れた様子で、苦笑いした・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

家に帰ると、父が叫んだ

「おーい!あと20分で家庭教師の子
 来るから、準備しとけよー!」

「わかったー!」

剛は返事を返す。
”準備ったって何もやることないけど”

剛は部屋を見回した。

CDに漫画、ゲーム、映画のブルーレイ。

この世には娯楽があふれている。
数千円払うだけで、そこには夢のような娯楽が広がっているのだ。

しかし、彼女はどうだ?
数千円じゃすまないだろう。
プレゼントだの、記念日だの、
そんなものクソ喰らえだ。

ーー剛はそう頭の中で考えて、ニヤっと笑った。

「この世は、コスパだな♪」

そうこうしているうちに家庭教師がやってきた。

現役女子大生の野本 優芽(のもと ゆめ)。
彼女は部屋をノックして入ってくると、
優しく微笑んで「よろしくね」と会釈した。

少し茶色がかった長い髪と、
清楚な雰囲気の服装で身を固めた
ほど良い長さのスカート姿の
可愛らしい子だった。

「あ、よろしくお願いします」
剛も頭を下げる―。

特に可愛い子が部屋に入ってきてきても
何とも思わない-。
彼は女性に興味がないのだ。

「--剛、二人きりだからって変な事
 するなよ!」

父が茶化しながら部屋から出ていく。

「しないよ!」
剛は出ていく父に向かってそう叫んだ。

「--あ、ごめんなさい
 父、ちょっと変なので」

剛が言うと、優芽は微笑んだ

「ううん、優しそうなお父さんじゃない?」

そう言うと、優芽は早速本題を切り出した。

家庭教師のアルバイトをしている優芽は、
これまでにも何人かの高校生を教えてきた。

いつものように、剛にも、丁寧に勉強を教え始めた。

剛も、真剣に優芽の話に耳を傾ける。

「じゃあね…次は、わたしが作った
 このプリントの問題を解いてみよっか」

優芽がほほ笑んでプリントを剛に渡す。

剛は真剣にそのプリントを見つめたあとに
「わかりました」と答えた。

優芽は部屋の隅っこの椅子を見つけて
「あ、これ座って大丈夫?」と優しく尋ねた。

特に断る理由もないので、剛は「あ、いいですよ」と答える。

椅子に腰かけた優芽。

しかしーーーー
その時異変が起きた

(-----え???寒い??)

優芽は優しく微笑んでいた表情をゆがませた。

(体が、凄く寒いーー何これ???
 何か、、何かの病気?)

異常な悪寒。
あまりの寒さに優芽は、混乱する。

一度立ち上がろうとしたがーーー
体が動かなかった。

(えーーー?な、、、何?)

「--あ・・・-------」
声を出そうとしたが、声も出なかった。

(ヒッ…な、、、何なの…
 うっ…か…体の中に何かが流れ込んできている…???)

「---あ・・・・・・・・・・・ひっ!?!?」

ビクンという感触と共に、優芽は意識を失ったー。

「---え?」
机に向かっていた剛が振り返る。

ガクンと力なく俯いている優芽を見て、
剛が異常を感じ、優芽に近づいた。

「あ、、、あの、大丈夫ですか?」

声をかけると、優芽はそーっと目を覚ました

「え……あ、、、、う、、、うん大丈夫ー」
優芽が目を覚ましたのを見て
剛は笑う。

「疲れてるんですねー。
 居眠りするなんて…」

剛が笑うと、そのまま剛は机へと戻る。

そんな剛の後姿を見つめながらーーー
優芽はニヤリと笑みを浮かべたー

(すっごい…可愛いな…)

心の中でそう呟いた優芽。
優芽は何者かに憑依されていた。

(さて…どこまで誘惑に耐えられるかな?)

優芽は心の中でそう呟くと、椅子を、
移動させ、剛の横目に入る位置へと移動させた。

「---うふふ・・・気にしないで」
笑う優芽。

剛は深く考えずに、そのままプリントへと
目を戻した。

「ふぅ~」
甘い声で息を漏らす優芽。

だが、特に剛は反応しない。

「--なんだか、暑くなっちゃったな♡」

優芽はそう言うと、着ていた上着を脱ぎ、
その椅子に掛けた。

優芽が清楚なシャツ姿になる。

「-----」
剛は反応しない。

「---この部屋、
 なんだか あついね?」

そう微笑みながら話しかける優芽は、
シャツのボタンを上から2つほど外して、
胸元がチラリと見える様な格好を作った。

「---、、そ、そうですね」
剛はちらっとその様子を見てすぐに目を逸らした。

「----」
優芽は笑う。
(ちゃんと、男だもんねー) と。

だが、剛はそれ以上反応しなかった。

次に優芽は鞄から、ヘアゴムを取り出して、
その場で髪を結び始めた。

「----」
剛はプリントに集中している。

だが、時々落ち着かない様子でソワソワしている。

優芽はポニーテールを作ると、
「よしっ!可愛くできた!」と満足げにほほ笑んだ。

「-----あ、あの…」
剛が言う。

「ん?なぁに?」
可愛らしく返事をする優芽。

「--気が散るので…
 やめてもらえますか?」

剛が、胸元をチラ見せしたシャツを見て
目のやり場に困った様子で言う。

「ふふふ…ごめんね♡」
悪戯っぽく舌を出して、椅子に座る優芽。

しかし優芽は、反省することなく、
今度は椅子で足を組み、
剛への誘惑を続けた。

時々、足を組み直す。

プリントに集中するフリをしながら、剛は横目で
その様子を見ていたー

(くそっ…何なんだ?僕を誘ってるのか)

剛はそう思いながらも必死にプリントに集中する。

(見るな…見るんじゃない)

剛はプリントだけに集中することにした。

そうだ。集中だ。集中集中。

ふいに、剛の肩に手が触れたー

「え?」
剛が振り向くと、笑みを浮かべた優芽が居た。

「ねぇ…剛くん?
 もうプリントはお・し・ま・い」

囁くようにして言うと、優芽はプリントを取り上げて
それをそのまま破り捨ててゴミ箱に放り投げた。

「ちょ、何するんですか!」
剛が言うと、
突然、優芽が剛にキスをした。

初めて触れる唇の感覚ー。
弾力があって、けれども柔らかいー。
そして優芽のほのかな化粧のニオイが剛に
伝わる…

「あ・・・え…えぇ?」
剛が顔を赤らめてパニックを起こす。

「ここからは…わたしの特別授業のじ・か・ん」

そう言うと、優芽は剛の頬を触って微笑んだ。

「---剛くんに
 いいコトしてあげる♡」

甘い声で囁く優芽ー。

剛は一瞬固まった。

だがーー

「結構です。僕は勉強したいんで。
 すみません。続きお願いできます?」

剛が言うと、優芽はシャツをさらにはだけさせた。

胸元…いや、下着までもが見えてしまっている。

「---うふふ♡ 
 これでも、まだ勉強したいの?」

剛に近づき、その手をつかむ優芽。

優芽の手は冷たくーー
スベスベとしていたー。

そしてその手を優芽は躊躇なく自分の胸へと
持っていき、剛の手と自分の胸を触れさせた

「んふぅ…♡
 どう…わたしの胸…
 おっきいでしょ?」

顔を赤らめて囁くようにして言う優芽。

「ほら…
 今なら好きにしていいのよ…

 揉んでみたいでしょ???
 わたしの胸…」

優芽が笑っているー。

剛は優芽の手を振り払って
優芽を突き飛ばした

「何なんですか、一体!
 僕は勉強したいんだ!

 ぼ、、、僕はそんなことしたいんじゃ」

立ち上がった優芽が自分の胸を
イヤらしく触り声をあげた

「あっ…♡
 こ、、、これが女の子の…
 あっ…♡ あっ♡」

何度もつつくようにして自分の胸を触り始める優芽。

「あっ♡ あ♡ ああっ♡ いいっ♡」

突然の行動に剛は唖然とする。

この家庭教師―
頭がおかしいんじゃないかーーー

と。

優芽は顔を赤らめている剛に
語りかけた

「興味あるでしょ?わたしのからだ…
 素直になりなさい」

そう言うと、剛は首を振った

「ないないないないない、ゼッタイない!」

だがーーー
体は正直だった。

「---むだよ…体はすなお…♡」
優芽が剛に近づき、剛に顔を近づけて囁く。

「わたしのことー
 襲ってもいいんだよー?」

剛はその言葉に唾をゴクリと飲み込んだ…

②へ続く

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コメント

結局誘惑されそうな雰囲気ですねぇ。
果たしてどうなるのでしょうか!

続きは明日です。

コメント

  1. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    耐えられるのかなぁ?

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 耐えられるのかなぁ?

    次回は
    「耐える」「耐えない」の問題以上に恐ろしいことになります!