憑依された根岸さんの誘惑に俺は負けた。
えー?
どうしようも無い野郎だなって??
はは、君も同じような場面に遭遇したら
きっと分かる。
いくら綺麗ごとを言っていても、
いくら紳士ぶっていてもー
目の前の可愛い子から、突然誘惑されたら、
きっと、俺と同じ選択をするさー。
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根岸さんが俺の顔のすぐ横でほほ笑んだ。
「うふっ…正直な子は好きよ…」
そう言うと、根岸さんはその綺麗な手で俺の頬に
触れると、俺に唇を近づけてきた。
「まずはウォーミングアップから♡」
囁くようにして言う根岸さん。
いつもの、明るく、けれども真面目で優しい雰囲気の
根岸さんとは全く違う雰囲気ー。
「--ま、、まじかよ…」
俺はおもわず声を出した。
憧れの根岸さんとキスできるなんてー。
やべぇ、俺のフランクが暴走している。
いや、もうそんなことはどうでもいい。
つーか、俺、キスもしたことねぇや。
いや、、あ、1回あるわ。
幼稚園のころ、親戚のおばさんからキス
されたことが。
あのおばさん今、どうしってかな?
今生きてれば96か?
もう三途の川渡ったかもしれないな…。
そんなことを考えていると、
根岸さんの柔らかい唇が俺に触れたー
「っん ふふ…行くよ?」
根岸さんが甘い吐息を漏らしながら、
俺をそのまま抱きしめた。
根岸さんの胸やスカートが俺の体に当たる。
「あっ…あぁ…」
あまりの気持ちよさに、
あまりの興奮に俺は思わず声を漏らしたー。
根岸さんの舌が俺の舌と絡み合う。
根岸さんが時々、喘ぎながら
イヤらしい音を立てている。
俺は根岸さんに抱きしめられたまま
キスをされ、ただ、根岸さんの思うが儘にされていたー。
柔らかい唇ー。
根岸さんの舌の感触ー。
根岸さんの胸の感触ー。
そして、時々触れるスカート。
全てが俺を興奮させた。
「かっ・・・あぁ、、、あっ!!」
俺は興奮に身を震わせた。
ーーーしばらくして、
根岸さんが体を離した。
「--ふふっ…
張本くんったら、そんなになっちゃって」
顔を真っ赤にした俺を見て
根岸さんは笑う。
「---じゃ、本番いこっか?」
根岸さんの言う”本番”の意味が俺にはよく分かった。
つまりは、アレだ。
根岸さんとヤルってことだ。
・・・待てよ?いいのか?
根岸さん、今、誰かに憑依とやらをされて
操られてるんだよな…?
なのに…
「--あ、、」
俺は気づいた。
そういえばバイト中だ。
お客さんが入ってきたら不味い。
ふと、根岸さんが売り場のヘアゴムを乱暴に開封して、
髪を後ろで束ねているのが目に入った。
「ブッ…」
俺は長い髪を束ねる根岸さんの姿に鼻血を噴出した。
やべぇ…やばすぎる。
今日はトマトジュースが豊作だぜ。
くだらないことを思いながら俺は、根岸さんを見る
「ふふっ…
この子、…ううん、私、髪の毛長くて邪魔なんだもん!」
そう言うと、根岸さんは服に手をかけ、
ボタンをひとつひとつ外し始めた。
「--うふふ・・・
そ~んな赤くなっちゃって…」
根岸さんが服を脱ぎ捨てて、
その綺麗な肌があらわになる。
スカートとブーツ、上半身は下着姿という
何とも不自然な格好。
俺のトマトジュースは止まらなかった。
「---今の私はね…
喜んで体も使うの…!
本当は私、こんなことしたくないのにね?ふふ・・・!
でも、喜んで裸になっちゃう♡」
根岸さんはスカートを降ろす。
下着姿にブーツだけの姿になった根岸さんは
こちらを見て微笑んだ。
「---どうしたの?張本君?
わたしを楽しませてくれるんでしょー?」
根岸さんの誘うような表情。
ーーーさぁ、俺もーーー
ーーーーーんっ?
いや、待て。
待て待て待て待て待て。
そういや、俺、童貞じゃん。
やり方なんてわかんないよ。
そうだよ!
俺はシマウマみたいな草食系を目指していたんだ。
そんな知識はないー。
シマウマが肉を食うなんて誰も思わないじゃないか!
俺はー
ファミレスに入ったシマウマの気分になった。
サラダを食べようとしたら、
メニューに肉しかないことをつげられて
絶望したファミレスのシマウマの気分だ。
「---かっ・・・」
俺は奇声をあげた。
そう、吾輩は童貞なのだー。
「……」
根岸さんが不思議そうな顔でこちらを見ている。
「あ、、、あの…」
俺は呟いた。
「--?」
「---あの、、どうすればいいか、、、
俺、わかんないわ・・・・」
そう言うと、
根岸さんが失笑した。
「つっかえねーな!童貞野郎が!」
ブーツで、肥大化したフランクを蹴られた俺は
その場に倒れ込んだ。
「はぁ~あっ!
せっかく女の快感を味わえると思ったのに」
不愉快そうに吐き捨てる根岸さん。
興ざめと言った様子で、
売り場の惣菜パンを乱暴に開封すると、
それをむしゃむしゃと食べ始めた。
荒々しい様子でパンを食べる根岸さんー
その姿にも俺は興奮した。
途中でパンを床に投げ捨てると根岸さんは
笑った。
「まっ、いっかーー
特別に私のひとりエッチ、見せてあげる♡」
微笑む根岸さんー。
もうダメだ。
今日のネギタイムは最高や。
俺はもう、死んでもいいー。
誰が憑依してるかしらねぇけど、
強盗なんかもうどうでもいい。
そう、人生は楽しむことが大事なのだ。
俺が生きているのはいつか。
過去でもない、未来でもない。
そう、現在(いま)なのだー。
「---確認するわね?
わたし…今、体を奪われちゃって、
こんな風に、勝手に服も脱がされて…
バイト中なのに、こんなエッチなこと
させられてるのー」
根岸さんが突然語り出した。
「--本当はこんなことしたくない!
やめて!やめてよ!
って…わたし、心の中で泣き叫んでる。
だから…
張本くんに選ばせてあげる♡
わたしのエッチ、み・た・い?」
甘い声を出す根岸さんー。
俺は即答した
「---見たい。全部見たい」
と。
「あっははははは!」
根岸さんが笑うと、
自分の胸を力強く揉み始めた
「あっ…なかなか、イケル…
この女、いえ、わたしも、、、
なかなかいい感度!」
目の前の可愛い女性が、
自分で胸を揉み始めた。
俺はいつから、ワンダーランドに
迷い込んだのか―?
と、いうかこれ、夢?
「んはぁ♡
感じるぅ!感じるよ張本くん!
わたしの体、、、、
こんなことしたくないのに、
感じちゃってるよ!
あぁっ♡」
根岸さんの喘ぎ声―。
か、、、可愛い。
こんな風に根岸さんは喘ぐのか―。
いや、何より、
根岸さんのエッチに染まった表情ー
顔を赤らめながら、乱れた表情ー
たまらねぇ。。
もうダメだ。
「はぁんっ♡
あんっ♡ あぁっ♡ あっ♡ あっ♡」
彼女の下着がびしょびしょに濡れている。
彼女の妖艶な喘ぎ声に俺は聞き入っていた。
あぁ…すごい、すごすぎるよ根岸さん
俺は乱れ狂う根岸さんをスマホで撮影した。
「ふへっ、これでいつでも根岸さんがみれるぞぉ!」
そう言っているうちに、
根岸さんは売り場のペンを掴むと、自分の下着までを脱ぎ捨て
それをあの場所へと突っ込んだ
「ひぃぎっ…ああああああっ♡
あっ、、みて、、、みてみてみて張本くん
わたし…も、、、もぅぅぅ♡
いっちゃう!!いっちゃうよぉ♡
はっ♡ あ、っあっあああああああん♡」
彼女が盛大に喘ぐと、
彼女の体から大量の液体が噴き出した。
絶頂を迎えた根岸さんはたまらなくーー
美しかったーーー。
「はぁ…はぁ…」
息を漏らしながら俺の方に近づいてた
根岸さんは、その手で俺のズボンや下着を降ろさせると
既に限界を迎えている俺の…フランクをなで始めた
「うふふ・・・かわいい」
根岸さんの手の感触が俺に伝わる。
俺のフランクはすぐに液体を発射した。
ーー根岸さんの顔に白い液体が
勢いよく飛び散った
「うわっきったな~い!」
根岸さんが笑う。
そして、
彼女がニヤッと笑った
「--実はね?
私の憑依・・・
元の私も「何をしているか」だけは見ることができてるのよ?
私が何をしても、
何をしようとしても、止められないけどっ!」
根岸さんの言葉に俺は凍りついたー
「はーーー?」
ま、まさか…
根岸さんが笑う。
「今、元の根岸さんに会わせてあげるね?」
そう言うと、根岸さんの体がガクッと崩れ落ちた。
へー?
俺、やばくね?
慌ててズボンをはき直す俺。
すぐに根岸さんは目を覚ました
「ひっ、、、、いやっ!いやぁっ!」
パニックを起こす根岸さん。
「ね、、根岸さん」
俺は呼びかけた。
だが、彼女は泣きながら振り返り、
俺にさっきまで彼女が嬉々として体に突っ込んでいた
ペンを投げつけてきた。
「さ、、、最低!近寄らないで!」
彼女が涙をボタボタと流しながら
さっき自分で脱ぎ捨てた服を着ている。
「ーーね、、根岸さん、、お、、、俺は」
そこまで言うと、根岸さんが大声で叫んだ
「---変態!」
俺のメンタルが砕けたーーー。
お、、俺は、、、ヘンタイではない…
俺は、、俺はシマウマのように気高いーーー
いや、、シマウマにも変態はいるのかもしれない…
「---何で!何でたすけてくれないの!
何が「します」よ!
何が「ぜんぶ見たい」よ!!!
最低!最低!本当に最低!見ないで!
私を見ないで!」
そこまで言うと根岸さんは顔を両手で覆って
その場に泣き崩れてしまった…。
「---ね、、、、」
俺は声をかけられず、その場に立ち尽くす。
すると、突然根岸さんが笑い始めた
「っはははははははは!
張本くんももう終わりだね!
ま、いいや!最後にお金貰ってくね~」
根岸さんが乱暴にレジをこじ開けると、
お金を袋に詰めはじめた。
「ははっ!はははっ!
私が強盗!私が強盗!
あはははははっ!」
”元の根岸さん”に罵倒された
俺はーもう何もできなかった。
俺は無力だー。
お金を詰め終わった根岸さんが笑う。
「--じゃ、最後に一つ選ばせてあげる」
その言葉に俺は根岸さんの方を見たー。
「このあと、わたし、仲間のところにお金
持ってくけど、そのあとどうする?
監視カメラの映像は特殊な電波障害で
録画を止めてあるから、証拠は何もない…
でも、強盗事件は通報しなきゃいけないよね?」
語る根岸さん。
そしてー
「---わたしが、仲間にお金を届けた後自首するか、
それとも、あなたが私を助けるために、
わたしの罪を被るか―?」
微笑む根岸さん-。
俺は考えたー。
このままだと、何の罪もない根岸さんが逮捕されるー。
それだけは避けなくてはならないー。
俺は目を閉じ、意を決した。
そう、迷うことなんかないー。
「ーーー俺、逮捕されたくないー」
それだけ言うと、
根岸さんは微笑んだ。
「あはは!自分が可愛いのね!
じゃ、わたし、明日の朝自首して
逮捕されちゃうから!
あ~わたし、可哀想だな!
じゃあね!張本くん!」
最後に根岸さんは俺にキスをすると、
お金を持ってそのままコンビニの外へと歩いて行った。
ーーーこ、、これが根岸さんとの最後の別れに
なってしまうのかー?
いや、ダメだー!
まだ、やり残したことがあるー
「待ってくれ!」
俺が叫ぶと、根岸さんが足を止めた。
「---?」
「一つだけ、頼みがある」
俺は言った。
そう、これだけはやらねばならないー。
「----1度だけでいい。
下の名前で呼ばせてくれないか?」
俺が真顔で言うと、
根岸さんはバカにしたように笑い、頷いたー。
「----香苗ーーー」
俺は彼女の下の名前を心を込めて呼んだ。
満足だ。
もう思い残すことはない。
俺は呟いた
「さよならだー」
「プッ…あははははは!
なんて自分勝手なやつなの!?
超ウケる!あははははは!」
笑いながらー香苗は外へと立ち去って行った…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
俺は落花生を食べながらニュースを見ていた。
店長への報告やら警察の調査やらで色々時間はかかったが
ようやく帰ってこれた。
ニュースでは根岸さんー
根岸香苗の逮捕のニュースをやっている。
そうか。
最近の強盗事件は全部”ヤツ”の仕業だったのかー。
男の犯人もいたけどー
あれは恐らく、憑依された女の子をかばったやつらー。
だが、俺は選択を誤らない。
人間、最後には自分だろう。
自分が可愛くたっていいじゃない。
だって、人間だもの。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
半年後。
俺は今日、喜んでいる。
コンビニの深夜バイト。
半年前、根岸さんの代わりに採用されたのは
別の大学の女子大生。
脇原 早智子(わきはら さちこ)さん。
ショートヘアーの活発な女の子だ。
そう、今日は早智子さんと二人。
”サチタイム”なのだ。
俺がフランクの暴走に耐えながら売り場の整理をしていると、
レジを担当していた早智子さんが背後から俺の肩をたたいた。
「へー?」
俺が振り返ると早智子さんは笑った。
「久しぶりねー?」
は????
俺は意味が分からず首をかしげた。
そんな俺を見て、早智子さんは笑ったー。
「----私が強盗ーー
さ、お金出してーーーー」
俺はーーーー凍りついたーーー
コイツ、、、半年前のーーーー。
だが、、、俺は喜んでいたー。
「お、、、、お、、、おお!!!
お久しぶりです!」
俺は憑依された早智子さんに向かった
深々と頭を下げたー
今日も楽しくなりそうだ。
頑張れ、俺!
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
なんてダメ人間…(笑)
でも、、こういう選択をする人も多いのではないですか??
誘われちゃったら……
ネ?
お読みくださりありがとうございました!
コメント
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もしかしたら今回はあらかじめ予習をしているかもしれないw
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いつも楽しく見させていただいております!
私事ですが、憑依空間さんの小説に触発されて、私も小説を書いてみたりしてみました!
スマホの「ラノゲツクール」というアプリで
憑依 (作者 しあのす)
というタイトルの小説を作ってみました!
よろしければご覧ください・・・!
初めて書いたので稚拙な文章あるかと思いますが^^;
いつも応援しております!
ごゆるりと頑張ってください^^
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> もしかしたら今回はあらかじめ予習をしているかもしれないw
確かに半年空いてますしね…(笑
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ゲスト様>
ありがとうございます!嬉しいです!
機会があれば見にいきますね^^