自殺した一人の男子高生の復讐ー。
同校出身生徒の二人が変死を遂げたー。
男子生徒をいじめていた二人だー。
しかし、
”復讐”はそれで終わりではなかったー。
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彼女は冷たい目で黒板の前に立っていた。
昼間見せる笑顔とは全く別の表情ー。
復讐に満ちた顔で黒板を見つめる。
制服に身をまとい、
夜の高校の教室にたたずむ彼女ー。
その教室の外では警備員が、
うつろな目で立ち尽くしていたー
彼女の中に憑依した怨霊が
一時的に警備員たちを催眠状態にかけたのだー。
彼女は憎しみに満ちた笑みを浮かべる
「これで終わったと思ってるんだろう?」
自分をいじめていた主犯二人は始末したー。
同じ中学出身でありながらー
自分はいつも疎外されていた。
ー絶対に、許せないー
残りの3人もだ。
あいつらは、苦笑いするだけで、僕を助けようとしなかった。
”彼女”に憑依している怨霊・竜二はそう呟いた。
鏡で自分の顔を見るー
憧れだったこの娘にー
こんな物騒なことをさせている。
本人の意思を無視して、夜の高校にやってきては、
毎日、復讐を進めているー
「くふっ・・・・興奮するなぁ…」
彼女は不気味にほほ笑んだ――。
”昼間”は記憶を読み取って
”彼女”を演じているー。
最初の日。
色々な活動で、放課後、夜遅くまで学校に残っていたこの子を
見つけてー、
竜二は喜んだ。
”この子”も同じ中学出身の子の一人。
いつも明るく、可愛くて、憧れだった。
でも、この子も助けてはくれなかったー。
いじめを見て見ぬふりをした。
そして、竜二は、理科室にこの子をおびき寄せて、
その肉体を奪った。憑依したのだ。
今やこの子は完全に竜二の支配下にある。
体も精神も記憶も、全て自分のものだ。
全てを奪われる苦しみー。
それをこの子に味あわせてやるー。
そして、自分の手で大切なものを壊していく苦しみをー
味あわせてやるーーー。
彼女は目をつぶり、一昨日のことを思い出す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
復讐2日目。
LINEで夜の校舎に、亜季紗を呼び出した。
オカルト系話好きなな亜季紗はすぐに理科室にやってきた。
そこでーーー。
「ーーーねぇ、、亜季紗…
わたしね…竜二君に乗っ取られちゃったの!」
”この子”の口調で笑うー。
怨霊の力で、赤く目が光る―。
その様子を見て、笑みを浮かべていた亜季紗は凍りついた。
「え…ちょ、、、冗談よしてよ!」
亜季紗が言う。
だが…”彼女”は止まらなかった。
彼女の耳から、竜二の怨霊が半分飛び出す。
うつろな目で、まるで人形化のようにガクッとなる
”彼女”のからだー。
それを見て亜季紗は震えた
「ね…ねぇ…し、、しっかりして!目を覚まして!」
亜季紗は、同じ中学出身で親しい
”この子”を心配して身をゆすった。
だがーーー
彼女から飛び出した竜二は無言で、
理科室の中央に用意した、首つりのための紐を
指さした。
「い…いやよ!私、死にたくない!」
亜季紗が、泣き叫ぶ。
竜二の怨霊が彼女の体内に戻ると
彼女は微笑んだ。
「だいじょうぶよ。わたしも鬼じゃない。
殺したりはしない・・・。
あなたが苦しむのを見たらほどいてあげるからー」
彼女は微笑んだー。
亜季紗は涙ぐみながら首を振る。
すると彼女は豹変して、
亜季紗をビンタした。
「やれっつってんだろ!
僕を自殺に追い込んでおいて何だその態度は!
お前の体もこの女のように好き勝手してやるぞ!
いいのか???
嫌なら早くやれよ!」
目の前の親友はーーー
確実に怨霊に乗っ取られているーーー
自分はこうはなりたくない。
そう思った亜季紗は台にのり、首に紐をかけた。
”彼女”が乱暴に椅子を蹴り飛ばし、
亜季紗の体が宙に浮くー
「ひっ…ぎっ、、、く、、苦しい…!苦しい!」
そんな亜季紗の様子を”彼女”は理科室の机の上に
座り、楽しそうに足をバタバタさせながら見ていた
「あははは!亜季紗ちゃんの苦しむ顔みてると
すかっとする~!」
限界を感じた亜季紗は助けてくれと
身振りで訴える
しかしーーー
「---僕が約束を守ると思った?」
可愛い顔の彼女が笑う。
そして、冷たい目で―
彼女が絶対にしない表情でハッキリと告げたー。
「死ね――」 と。
亜季紗の意識はそこで途切れた…。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
目を開いた彼女は笑う。
「この体がーー
この子がどんどん罪を犯していくーー
たまらない」
彼女は呟いた。
証拠は怨霊の力で消している。
けれども、この子の手はーー
もう汚れきっているーー
彼女は再び、誰も居ないよるの教室を
見つめながら、”昨日”のことを思い出した
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復讐3日目。
今度はLINEで亜季紗の彼女、
小久保を呼び出した。
怨霊となった竜二をいじめていた主犯だ。
”亜季紗ちゃんを殺した人、
知ってるよ”
そう送ったら、
彼はすぐに夜の理科室にかけこんできた。
自分がホラー苦手なのにも、目もくれず。
「---」
ガラっと音を立てて理科室の扉が開く
「おい…!どこに居るんだ!?
誰なんだ亜季紗を殺したのは!
なぁ…!」
そう叫ぶ小久保。
その時、背中に鋭い痛みが走った。
小久保が驚いて振り向くと、
そこには刃物を持って邪悪に笑うーーー
さっきまでーー
昼間までーーーー
優しい笑顔を浮かべていた”彼女”の姿があった
「あーーー」
唖然とする小久保
彼女は笑った
「あっははははははは!
お前ら全員に復讐してやる!
この、体で!
この体はもう僕のものだ!」
乱れた髪、
赤く光る目。
可愛い彼女がーーー
悪魔に見えた。
「あっははははははは!」
彼女は狂ったように笑いながら
小久保を1回、2回、3回と
めった刺しにした。
小久保はもう死んでいたー。
だが、彼女は狂ったように笑いながら
小久保をバラバラにした。
「いっひひひひひひい!
あっははははははは!」
そこに、普段の彼女の面影はなかった。
血に染まった手ー
そして彼女は這いつくばって
小久保の血を舐めはじめた
「ふふふふふぅ…
あと3人ぃ~~~~ん」
怨霊に支配された彼女の
復讐心はーーー
とどまることを知らなかった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、今日。
彼女は乱暴な手つきでチョークを持つと、
力強く、憎しみを込めて
赤い黒板に文字を書いていく。
髪を振り乱しながら
狂ったように頭を揺らし、
可愛らしい彼女がーー
文字を刻んでいく・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
「おはよう」
清志が言うと、彼女の萌美が「おはよう」と
微笑んだ。
清志はーーー
ほっとした。
同じ出身校の二人が2日連続で死んだ。
今日もーー
なんて思っていた。
だが、クール女子の春歌も昇降口で元気そうに他の
生徒としゃべっていた。
「あらー」
萌美と清志に気付いた春歌が笑う
「--ホラ、あの二人だけ。
私たちが狙われる理由なんてない」
春歌が笑う。
萌美が震えている。
こわがっているのだー。
「そんなに怖がってると
竜二君の怨念に食べられちゃうかもよ!
ふふふ…」
不気味に笑うと春歌は立ち去って行った。
「大丈夫・・・?」
こわがる萌美を心配する清志に
萌美は「うん」とうなずいた。
教室に入った清志は、驚いて目を見開いた。
黒板に赤い文字で
”こ れ で お わ っ た と お も う な
ぼ く は ゆ る さ な い
恨 恨 ”
と書かれていた。
「ひっ…」
萌美が目に涙を浮かべる。
清志も恐怖に身を震わせた。
春歌は何故だか不気味に笑みを浮かべていたーーー。
その日、先生は「悪戯だ」と言って
それをけし、通常通り授業が行われた
「ねぇ…わたし、こわいよ…」
放課後。萌美が言う。
清志は萌美を慰めながら決意した
「誰かの悪戯だーーー
そうに違いない」
清志は、この事件の犯人を捜す決意をした。
自殺した、
竜二の怨念なんて存在しない。
絶対に―。
清志はそう自分に言い聞かせた。
その日、清志は自分の部活動で、帰りが遅くなる予定だった。
涙ぐむ萌美を慰める。
「---ありがとう」
落ち着いた萌美は、「ごめんね 心配かけて」とほほ笑んで、
笑って手を振りながら校門の外へと歩いて行き、先に下校した。
「ふぅ…」
清志は一息つくと、自分の部室へと向かうのだった…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19:00
あたりはすっかり暗い。
「はぁ…早くかえろ」
そう呟きながら昇降口から出た清志がふと、
反対側の校舎の窓を見ると、
そこをゆっくりと歩くーー春歌の姿が見えた。
「杉山さんーーーー?」
彼女は部活をしていない。
何でこんな夜遅くまで…?
「----!!」
彼女の表情…
遠目だからよく見えないけれど、笑っているように見えた。
そして、よく考えてみると、彼女が向かっているのは
方向的に理科室だったー。
「まさかー!」
清志はハッとした。
小久保君も、亜季紗も、春歌がーーー!?
慌てて引き返し、春歌の居た方向へと向かう。
そしてー
見つけた。
ゆっくりと歩く春歌をーー。
その手にはランタンのようなものを持っている
「---ふふふ…ふふふ」
春歌が一人笑いながら理科室へと向かう。
「------」
清志は意を決して背後から声をかけた。
「杉山さん!何してるの!」
清志の声に、
春歌はーーゆっくりと振り向いたーーー
そしてーーー
「あれぇ・・・堀江君じゃない~~~
どうしたの???ふふふふふ…」
春歌が瞳を輝かせながら
不気味の微笑んだ…
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
次回は夜の理科室を舞台とした
最終回です!
春歌と対峙した清志君の運命は如何に!?
続きは明日書きますよ!
コメント
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あれ春歌!?
明日(日付変わったから今日ですが)、待ってます。
・・・少し腑に落ちないが、まあ今日スッキリするんだろうな
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> あれ春歌!?
> 明日(日付変わったから今日ですが)、待ってます。
>
> ・・・少し腑に落ちないが、まあ今日スッキリするんだろうな
表意されていたのは、、
春歌さん…???
夕方に書きます~
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これからどうなるのか!
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> これからどうなるのか!
恐ろしい事になるのです!(笑