<憑依>憑依暗殺部隊~遊園地の暗殺任務~①

”憑依暗殺部隊”

暗殺対象の近しい女性に憑依して暗殺を行う
恐怖の暗殺集団。

今回、彼らに舞い込んだ任務はー?

憑依暗殺部隊の新作です。

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夜の公園で、
4人の高校生が騒いでいる。

「はははっ、俺のところの店長、ウゼェからよぉ、
 この前、店長と二人シフトの時にバックレしてやったぜ!」

金髪の男、木川 順次郎(きがわ じゅんじろう)が言う。

それを聞いた、茶髪の男が笑う

「ははっ、木川、お前は優しいよな。
 俺なんか、店長ウゼェから、
 冷凍庫の中に入った写真撮影してSNSに投稿してやったぜ」

それを聞いて他の二人が笑う。

彼らは不良生徒だった。
だが、高校では表向き”普通”を装っているため、
先生たちもなかなか指導できない。

そんな彼らのクラスでは、先週、一人の生徒が自殺した。

4人のうちの一人、
西郷 鉄平(さいごう てっぺい)が主導でいじめを影で行い、
苦しみぬいた末に、一人の生徒が自殺したのだ。

だが、自殺した生徒は遺書も何も残さず、
西郷たちのいじめは闇に葬られたのだった…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「今回はー、高校生4人の暗殺だ」

憑依暗殺部隊。
その隊長格のアルファがモニターに映し出された4人を示す。

「---俺たちのところに”暗殺”が回ってくるってことは
 よっぽど何かしたんだろうな」

ベータが笑う。

ガンマが
「ま、そういうことでしょうね」と同じく笑っている。

その言葉を聞いて、アルファは
「まぁ、そういうことだ」とうなずく。

そして、アルファは4人の暗殺対象をそれぞれ説明し始めた。

西郷鉄平。
4人のリーダー格で、裏でいじめを行い、クラスメイトを自殺させた。

木川順次郎。
陰険な男で、最近ではバイトのバックレや万引を行った記録もある。

室伏楓弥。
茶髪の男で、先日SNSに問題投稿をして炎上している。

夏目流石。
金に汚い男で、特に1000円札を崇拝している。

アルファが説明を終えると、
ベータがニヤつきながら言った。

「んなことはいいからよ…
 今回はどんな可愛い子に憑依するんだよ?」

ベータはもの凄く楽しそうだ。
下心丸出しと言った感じのベータを見て、
アルファはため息をつき、モニターに
4人の女子高生を映し出す。

「--この4人と、さっきの男4人が
 明日の休日に遊園地デートするという情報を
 手に入れた。

 そのデート最中に暗殺を行う」

モニターに映し出された4人の女子高生は
いずれも可愛い雰囲気だ。

アルファが説明を始める。

整ったストレートヘアーでメガネをかけた
優等生スタイルの女子高生
馬淵 華(まぶち はな)

ツインテールで無邪気な雰囲気の女子高生
沢代 友美(さわしろ ともみ)

活発そうなショートヘアーでおしゃれな容姿の
橋爪 琴枝(はしづめ ことえ)

ミステリアスな雰囲気を漂わせる大人しそうな子、
宮尾 和歌子(みやお わかこ)

ベータとガンマがニヤリと顔を見合わせて、
それぞれ、とある女子高生の写真を指差した。

ガンマはーー、
ミステリアス少女、和歌子をー。

ベータは
ツインテールの少女、友美をー

それぞれ指さす

アルファは呆れた様子で首を振り、
もう一人の隊員、デルタの方を向く。

デルタは無言で頷いてから
一人の少女を指さした。
ショートヘアーでおしゃれな琴枝を。

「ーーー」
アルファは無言でうなずき、
自分が憑依する、メガネ女子、華の写真を見つめた。

「--明日10時に遊園地で現地集合となっているようだ。
 現地到着前に憑依をすませておくぞ。」

アルファがそう宣言すると、
3人の隊員は頷いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日、遊園地に向かう女子高生4人組に異変が起きた

「ひっーーー」
ツインテールの友美が突然悲鳴をあげる。

残りの3人が
「友美?どうしたの?」と心配そうに尋ねる。

すると友美は笑みを浮かべた

「えへへ…
 みんなごめんね!
 これから私も、みんなも!
 人殺しすることになっちゃうの…!
 うふふ♡」

いつも無邪気な友美が
邪悪な笑みを浮かべる。

ベータが憑依したのだー。
”憑依は快楽”そう考えるベータは
暗殺もしっかりこなすが、
憑依した女性で”するべきこと”もしっかりこなす。

「---と、、友美、何言ってんのよ?」
活発そうなショートヘアーの琴枝が言う。

「どうしたの…?」
優等生スタイルの華が心配そうに言う。

もう一人の和歌子は、無言で不安そうにしている。

3人の様子を見た友美が突然邪悪な笑みを浮かべて言う。

「--いいから、お前らの体
 よこせってんだよ!」

友美の口調に驚く3人。

そしてー、
3人が悲鳴を上げ始めた。

すぐに、3人の意識は心の奥底にー、
いや、二人の意識は心の奥底に封じ込められた。

「-----なに???」
ショートヘアーの琴枝だけは
意識を保っていた。

彼女に憑依した”デルタ”は宿主の意識を残したまま
暗殺を行う。。

「ひひひっ…いい体だぜ」
ツインテールの友美が笑う。

早速彼女は自分の胸を弄び始めた。

「ーーーふぅ…
 この子の人生が流れ込んでくる瞬間!
 すっごく興奮するー」

ミステリアス少女、和歌子が明るい雰囲気で言う。

「へぇ~~
 この子、まだしたことないみたいですよ」
和歌子(ガンマ)が邪悪な笑みを浮かべた。

ガンマは憑依した際に、
憑依対象の記憶を全て読み取り、
その記憶の入り込んでくる瞬間に
快感を感じている

ガンマ曰はく、
”その子の人生を一瞬にして味わう”感覚なのだとか。

「チッーー」

さっきまで明るく、可愛らしい雰囲気だった
メガネ女子、華が舌打ちをする。

「--どうしたの~?」
本人に”なりきり”憑依を楽しむガンマは、
早速、和歌子になりきっていた。

華(アルファ)がスマホを手に不機嫌そうに
している。

ミニスカートと可愛らしいブラウス姿の
華には似合わない表情で、不機嫌そうに
スマホを和歌子(ガンマ)に見せつけた。

そこには

”悪い…
 1時間到着が遅れるわ!”
という鉄平からのLINEが表示されていた。

華(アルファ)は言う。

「---…・…1時間も待たせるとは」
華は不機嫌そうだ。

アルファにとって、憑依など、
”暗殺”のための一過程に過ぎない。
できることならさっさと終わらせたいのだ。

だがー、
待たされる1時間の間、この子たちを解放するわけにも
行かず、アルファたちは女子高生として1時間
待たなければならなかった。

「えへへ…1時間遅れる…か!」
友美が満面の笑みを浮かべる。

友美(ベータ)は、
和歌子(ガンマ)に声をかける。

「ねぇねぇ和歌子、せっかくだからさ!
 遊園地たっ~ぷり楽しもうよ!」

友美が言うと、和歌子も笑った

「そうね…うふふ…
 私たち、女子高生だもんね!」

控えめなロングスカートの和歌子が言うと、
ショートパンツと、可愛らしい花柄のシャツ姿の
友美(ベータ)が笑う。

二人は仲良く手を繋ぎながら、
スキップして遊園地へと入っていく。

「…遊びに来たんじゃないのだがな」
メガネっ子の花が腕を組みながら面倒くさそうに言う。

「---ま、仕方ないさ」
ミニスカート姿に肩を出したブラウス姿の
琴枝(デルタ)が言う。

1時間の待機時間が出来たことで、
他の3人を不審に思われてはいけないと判断したデルタは
琴枝を完全に支配した。

不機嫌そうに歩く華を見て、琴枝(デルタ)は笑う

「ふふ…
 そんな可愛いのに、そんな不機嫌そうな顔を
 してると、ツンデレみたいだな」

琴枝(デルタ)の言葉に
華(アルファ)は顔を赤くする

「あまりからかうな…。
 私は本来、こんな憑依なんて…」

顔を赤くしながら言う華は
ツンデレ少女のようにも見えた。

「ふふっ…隊長も、その姿だと可愛いな」

「なっ……やめろ。。」
恥ずかしそうに目をそらす華。

琴枝は、コーヒーカップで楽しそうに
ぐるぐる回っている
友美(ベータ)と和歌子(ガンマ)を見つめる。

「いいじゃねぇか。
 たまには楽しむのも」

友美と和歌子はー
本当の女子高生のように無邪気に笑っている。

いやー、今は”本当の女子高生”なのだが。

「--隊長も、昔は家族で来たことあるんだろー?」
琴枝(デルタ)が言うと、
華(アルファ)は
「ああ…」とだけ呟き悲しそうな表情を浮かべた。

アルファは、初任務の時、とある悪事に手を染めていた
”妻”を”娘”に憑依して暗殺した。

後に娘はそれを気に病んで自殺した。

「----ーー」
華は、少しだけ涙ぐんでいるように見えた。
アルファにとって、よほど辛いのか、
それとも、少女に憑依していることによる影響か。

その涙を見て、
琴枝(デルタ)は申し訳なさそうに呟いた。

「悪かった…
 余計なこと言ったな」

「……構わない」

華(アルファ)はコーヒーカップから手をつなぎながら
降りてきて、二人でイチャイチャしている
友美(ベータ)と和歌子(ガンマ)を見て少しだけ微笑む

「あいつらがー
 少しだけ羨ましいな」

”暗殺の仕事”は非常に精神に負担のある仕事だ。

”女性”に憑依して暗殺することにはいくつかの理由がある。

一つは、
暗殺対象の油断を誘えること。

そして、もう一つは、
”暗殺者たちが、精神的に壊れてしまわないように
 安らぎや楽しみ、快楽を与えること”

アルファが隊長になる前の隊長の代から
この方針は続いていた。

最初に誰が言いだしたのかは分からない。

隊員に選ばれたものはーー。

「---ねぇねぇ、華ももっと楽しんだら?」
ロングスカートの和歌子(ガンマ)がいつの間にか
自分のそばに戻ってきていた。

「………」
しかめっ面で和歌子を見つめる華(アルファ)

「………仕方のないやつらだ……
 …分かった。少しぐらい付き合おう」

華が言うと、
ショートパンツ姿の友美(ベータ)が茶化す

「女の子は、そんな口の利き方しない!」
悪戯っぽく言う。

華は顔を赤らめながら言った

「………そ、、、そうね…
 わ、、わたしも楽しもっかな」

華(アルファ)は恥ずかしそうにそう言うと、
二人に連れられてアトラクションに方に向かって行った。

「---いいチームだよな」
琴枝(デルタ)が3人を見つめながら呟く。

そして、軽く微笑みながら、琴枝は3人の後を追った…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1時間後。

”彼ら”が到着した。

「はぁ~あ、遅れちまったな!」
金髪男の木川が笑う。

「仕方ねぇよ、ま、これからタップリ遊ぼうぜ」
西郷が言う。

「友美ちゃん、ヤラせてくれっかな?」
茶髪の室伏が言う。

「--吾輩は変態である」
髭をたくわえた夏目流石がつぶやく。

4人の視線の先にはー
4人の女子高生が待っていたー。

彼らはまだ知らないー
既に4人は”憑依暗殺部隊”に憑依されていることをー

②へ続く

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コメント

本番は次回から!(笑)
明日書きます!

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憑依<憑依暗殺部隊>

コメント

  1. 匿名 より:

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    夏目流石のネタキャラ感がすごいw

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
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    > 夏目流石のネタキャラ感がすごいw

    流石くんは、
    どうなってしまうのか、楽しみにしていてください(笑)

  3. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
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    地味に楽しそうw

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 地味に楽しそうw

    ありがとうございます^^

    これの終了後はいよいよリクエスト頂いていた
    ブラッド・ポルーションです!