<憑依>夏空に消える花① 略奪

仲良しの大学生カップルは花火大会を楽しんでいた。

彼は思いもしなかった。

この花火大会が彼女との”最後のひと時”になるなんて…

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「綺麗~!ホラ、あそこ見て!」

浴衣姿の女子大生、大崎 友香(おおさき ともか)が
嬉しそうに隣にいる男子大学生に声をかける

「はは…どれどれ?」
彼氏の黒石 春樹(くろいし はるき)は笑いながら
彼女の指さした方向を見る

二人は、付き合いだして1か月のカップルだった。

とても仲良く、
大学内でも、仲良しカップルとして有名な二人。

明日は彼氏の春樹の誕生日だったが、
友香に用事があり、会えないため前倒しして
こうして花火大会に来ていた。

花火が空一面に広がり、
幻想的な光の空間を作り出す

春樹の手を握り、友香がほほ笑む

その光のような笑顔に、
彼氏の春樹も微笑む返した。

花火が次々と打ち上げられている。

大学内のミスコンテスト候補とも言われる
友香はとても美人だった。

その、友香と付き合うことになったとき、
春樹は夢かと疑ったぐらいだ…。

二人ともまだ19。
初々しい二人は、花火を見上げて
幸せな時間を過ごしていた。

「こんな瞬間がずっと続けばいいのになー」
友香が言う

「え?」
春樹が首をかしげると友香は笑った

「ホラ、だってそうすればずっと春樹と
 一緒に居られるでしょ?」

可愛らしく微笑む友香に顔を赤らめて
春樹は

「お、おう」とだけ答えた。

春樹はスポーツ万能タイプの男子で、
スポーツに打ち込んでいたため、
女性には縁がなかった。

友香が、初めての彼女なのだ。

「ーーーまた来年も来ようね?」
微笑む友香。

「---あぁ」

二人は見つめ合いー
そして、キスをしたー。

最高の時間。

しかしー
それはーーー

「ヒュー!アツアツだね~」

「つーか、あの子、可愛くね~?」

「お、和樹!お前の彼女にどうだよ」

「へへ~いいねぇ!いつものよろしくっす、アキラ先輩!」

近くに陣取っていたガラの悪い男たちの
会話が聞こえてきたー

「---…」
無邪気に花火を楽しむ友香。

だが、彼氏の春樹は警戒していた。

どうやら、さっきから自分たちの事を
話している

「よ~し!行くぞ!」

「ははっ!楽しみだぜ!」

「俺様特製の秘伝のタレ、飲むぜ!」

「ははははは!」

6人組の男たちがバカ騒ぎしている

「--なんだろうね?」
友香も気づいたのか気にしている

「大丈夫。気にするな。
 花火を楽しもう」

そう言って、友香に手をかけ、
花火に集中しようとしたその時だった。

「ひっ…!!!!」

友香が突然悲鳴に似た声を上げる

「--どうした?」
春樹が咄嗟に友香を見る。

友香がガクガクと体を震わせている

「ね…ねぇ、春樹・・
 な、、なんか急に悪寒が…

 な…なんだろ…あれ…
 体が…うごかない…あれ?」

友香が青ざめた顔で
春樹に助けを求めた。

「お、おい、大丈夫か?体調でも悪いのか・・?」

春樹が心配そうに尋ねると

「い、、、いやっ…あっ…ああああ!」

と友香が叫んで、
フラッと体のバランスを崩した。

慌てて友香を支える春樹。

そして、友香は目を覚ましたー。

「私のことー、そんなに好きなんだね
 フフッ」

友香が笑みを浮かべる

「--友香。
 驚かさないでくれよ」

春樹はちょっとお茶目な一面もある
友香のドッキリだと思って、笑った。

しかし、ドッキリなどでは無かった。

「---さて、はじめよっかな」
そう言うと、友香は突然歩きだし、
ガラの悪い男のグループのところに歩いて行った

「はい~大成功~!ぱちぱち~!」

友香が突然、6人の男にそう語りかけた。

「とも…か?」
春樹は突然のことに状況を理解できない

よく見ると、6人組のうち一人が酔いつぶれているのか
寝転んでいる

友香は笑みを浮かべながら、浴衣の下の部分をまくり上げて、
自分の足を眺めはじめた

「うはっ!凄いじゃん!この女!
 体、めちゃくちゃエロくね?」

友香が乱暴な言葉遣いで訳の分からないことを口走る

「ははっ、こんなエロい子が和樹の新しい彼女なんてね~」
友香が言う

”新しい彼女”

どういうことだ?

春樹は不安になり、友香の方に近づく。

「友香ー?」
不安げに呼びかけるが友香は春樹を無視して続けた

「ホラ!この胸も凄くない?
 うっ…あっ、、触るだけで感じちゃう!!
 この体 すっごくエロい♡」

友香がうっとりした顔で自分の胸を弄ぶ

「ヒュー! サイコー!」

「で、名前は?」

6人組の一人が訪ねる

「えっと…ちょっと待って」
友香が言うと、友香は目をつぶり、数秒間沈黙した

「え~っと、私の名前は大崎 友香 19歳。
 彼氏いるんだけど、
 今日、お別れすることになるの!うふっ♡」

嬉しそうに5人の男に告げる友香

”お別れー?”

そして”和樹”と呼ばれた男のそばに行き、
友香はためらうことなくキスをした。

「これから、私、和樹くんの彼女になるね!
 よろしくね♪」

満面の笑みで友香が言う

「えっ…ちょ、どういうこと」

そう呼びかけると、
ようやく友香が春樹の方を向いてほほ笑んだ。

「ど…どういうことなんだよ友香!
 そいつらは?」

春樹が言うと、
5人が嫌らしい笑い声をあげながら言う

「そいつらとはご挨拶だな」

「アキラ先輩、そろそろ教えてやれよ」

そう言うと友香がクスッと笑って
語り始めた

「春樹…ごめんね…
 私ね…このエッロい体、
 乗っ取られちゃったの…」

友香が笑いながら言う

「---えっ…」
春樹は言葉を失った。

体を乗っ取られた?そんな馬鹿な事あるか? と…

花火の音があたりに響き渡る。
だが、今の春樹に花火の音など、耳にすら入らなかった。

「--ここに倒れている、アキラって人に、
 体も、心も、乗っ取られちゃったの!
 
 でもね、私がいけないんだよ!
 こ~んな可愛くてエロい体してる私がいけないの!」

自分の胸や足を触りながら
嫌らしく笑う友香。

周りの5人もケラケラと笑っている

「お、彼氏さん!
 ザンネンだったな!友香ちゃんはもう俺たちのものだ!」
5人の一人が言う

「、、、おい、冗談はやめろよ
 悪戯が過ぎるぞ友香!」

春樹は動揺しながらそう言った。

すると、

「私が、こんなことすると思う~?」

友香は5人のうちの一人、和樹を
押し倒すと、
その上に馬乗りになり、腰を激しく振り始めた。

「うふっ…
 友香が~
 外でこんなエッチなことする子だと思うの?」

和樹もその気になり、
友香と行為を始める。

「あっ…和樹ィ、、いいよぉ…
 友香の体、興奮してきたぁっ…あっ、あっ♡」

心底嬉しそうな表情で
興奮する友香。

笑みを浮かべた口からだらしなく
涎を垂らしながら喘いでいる。

「ふひっ…
 わ、、私、こんなに、、エロいこと
 外で平気でする???

 あっ、、、うああああっ、、、あっ、♡

 しないよね?
 でもぉ、今の私は、、何でもしちゃうのぉ♡」

喘ぎながら言う友香を見て、
春樹は事態の深刻さに気付いた。

浴衣を乱しながら喘ぐ友香ー。

「---や、やめてくれ。わかった、わかったから」

そう言うと友香は笑いながら春樹の方を見た

「うふふ…
 ようやくわかってくれた?
 友香、男の人に憑依されて、体を奪われちゃったの!

 本当は春樹と一緒に花火を楽しんでたいし、
 こんな人たちと関わりたくないの!

 でもね!
 今の私は、喜んでこの人たちの女になるよ!

 今までの人生なんて、ど~でもいいの!」

友香は妖艶にほほ笑みながら言った。

「---と、、友香を返せ!」
春樹が叫ぶ。

すると友香は笑った。

「こんなエロい彼女と、こんなところでいちゃいちゃしてるから
 いけないんでしょ~~?
 春樹ったら、人を誘惑しておいてその言い方はないんじゃない?」

友香が春樹に顔を近づけて挑発するようにして言う。

「やめろ・・・
 友香はエロい話とか…好きな子じゃない…
 お前らが勝手にそういう目で見てるだけだろ!」

春樹は怒気を込めて言った。

すると友香が笑った。

「私にその気がなくても、
 周りから見たら私の体はエッチなの♪
 わかる?

 こ~んな可愛い顔をして、
 こーんな綺麗な唇をして~」

友香が舌で唇をなめまわす

「んふっ…感じちゃった…
 で、、この胸とぉ、整ったスタイル…

 まわりから見たら、わたしは、エッチなの♡」

顔を赤らめる友香。

「ふざけるな!」
春樹が叫ぶ。

友香はなおも笑った。

「私がエッチ嫌い?
 うふふ…今の私はエッチなこと大好きよ?

 ホラ、見て!」

浴衣をめくりあげ、
生足をあらわにする友香

そこには、愛液が流れ出ていた。

「うふっ…ホラ、今の私、
 こ~んなに感じちゃってる♪
 わたしったらエロいんだから!」

周囲は花火に夢中で、
この異様なやり取りに気付かない。

「私ね、今日からここに居る和樹くんの彼女になるの!」
友香がそう言いながら5人の男の一人の腕の中に
抱かれる。

その表情はうっとりとしている。

「ども。和樹っす!」
金髪の男が言う

「彼女さん、頂きますね!いやいや、悪いっすね!」
和樹が挑発的な言動を繰り返す。

「そういうことだから、
 じゃあね、春樹くん

 今日このあと、私は和樹くんの家で
 い~っぱい、喘いじゃうから♡」

意地悪そうな笑みを浮かべる友香。

ふざけるなーー
友香はーーそんな子じゃない。

友香の体で好き勝手するな!

春樹の怒りが爆発した。

スポーツ万能の春樹は、腕っぷしにも自信があった。

「ふざけんじゃねぇ!」
春樹は金髪男、和樹に殴りかかる。

和樹が吹き飛ばされる。

続けて二人、3人と殴り倒す。

花火の爆発音が、
春樹の怒りを表しているかのようだった。

しかしーー

背後から春樹は押さえつけられた

「---調子乗るんじゃねぇよ」
最愛の彼女ー友香だった。

乱暴な言葉を吐き捨て、春樹を地面にたたきつける。

うつ伏せに倒れた春樹の上に、
友香は浴衣をはだけさせて座り込んだ。

「どう?私のお尻に踏みつぶされるのは?
 興奮しちゃう??
 ねぇ、教えてよ春樹~!」

バカにしたようにして笑う友香。

「おい、あれよこせ!」
友香が乱暴な口調で周囲の男に言うと、
周囲の男の一人が友香の口にタバコを咥えさせ
火をつけた。

「お前・・・やめろ!友香はまだ19なんだ…」
春樹は言った

だが、友香は煙草の煙をふかしながら笑った

「今の友香はね…
 な~んでもしちゃうの!

 19だって、どうでもいいじゃない!
 私の人生なんてどうでもいいじゃない!

 和樹くんにご奉仕するのがこれからの
 私の人生なんだから!」

友香が笑う。

「友香……頼む…目を覚ましてくれ」
春樹が嘆願するように、涙ぐみながら言うと、
友香は鼻でそれを笑った。

そしてー。

「そんなに、私を助けたいならチャンスをあげる。」

そう言うと、横に居た茶髪の男が口を開いた

「アキラ先輩の憑依能力はなぁ、
 ”解放(リリース)”って叫ぶことで解除できる

 お前がアキラ先輩の出す”お題”をクリアできたら
 彼女さん、リリースしてやるよ」

春樹はその言葉に、友香に踏みつぶされた状態で
顔をあげ、茶髪男を睨みながら言った。

「---俺は、友香の為なら何でもする
 覚悟はできてんだろうな?」

友香はその様子を見て静かにほほ笑んだ。

「うふふ…嬉しい…
 私の為に…そんなに…」

友香が立ちあがると
タバコを吐き捨て、踏みつぶしながら言った。

「じゃ、はじめよっか♪春樹くん!」

彼女の邪悪な笑みを見ながらー
春樹は静かに立ち上がった…。

花火の音が鳴り響く中、
春樹の戦いが始まったーー。

②へ続く

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コメント

次回を書くのが楽しみデス!笑

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憑依<夏空に消える花>

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
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    NTRいいゾ~

  2. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
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    どうなってしまうのか……
    ダークなんだろうけど……

  3. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > NTRいいゾ~

    いいですね~笑

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > どうなってしまうのか……
    > ダークなんだろうけど……

    解放はされます!
    たぶん・・・(目を逸らしながら)