とあるカードゲーム大会に出場していた高校生。
しかし、その大会中に事件は起きた。
彼が使ったカードは現実(リアル)となり、
対戦相手の女子高生を”洗脳”したー。
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とあるカードゲームの大会。
馬田 一郎(まだ いちろう)は、その決勝まで進んでいた。
対戦相手は近くの偏差値の高い高校の
女子生徒、宮松 奈瑠美(みやまつ なるみ)。
美少女で、カードも強いことから、
彼女目当てで、大会に出ている人も多いのだとか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
僕は追い詰められていた。
「くふぅ…」
やっぱ、優勝できないか。。。
そんな風に思った。
油断して、
グレートモスという強いカードを場に出されてしまったのだ。
奈瑠美さんは、
満面の笑みで僕を見つめている。
「---ぼ、、僕は」
やっとの思いで声を出した。
でも、その声は情けない声になっていた。
手札にもう、打つ手はない。
次のターンで、奈瑠美さんの勝利が確定する。
「ーーーー」
僕は手札をじっと見つめた。
手札には…起死回生のカードは無い。
ブルーポージョン、ゴキボール、カタパルトタートル、避雷針。
正直、どうにもならない…。
対する彼女は、ガチガチに守りを固めている上に、
グレートモスという切り札を出している
(こんなの今時使ってる人居るのか、と驚いたけれど)
「---どうかした?」
奈瑠美さんがほほ笑む。
僕と奈瑠美さんは同じ高校生。
学校は違うけれど、何度か顔を合わせたことがある。
「---もう、諦めたら?」
奈瑠美さんが笑う。
呆れたようにー。
そんなことわかってる。
でも、何か手は…?
可愛い顔をして、意外と毒舌な奈瑠美さんの
言葉に苦しみながら、僕はカードを引こうとする。
その時だったーー
”リアルに目覚めよー”
謎の声が聞こえた。
そして、
”お前に、リアルの力を授けようーー”
「---!?」
…ふと我にかえる。
目の前では奈瑠美さんが
不思議そうな顔をしている
「--どうしたの?ターン終了?」
奈瑠美さんの言葉に僕はムキになった。
「-違うよ!カード、ドロー!」
僕はカードを引いたーー
引いたカードは
”洗脳ブレインコントロール”
「---ひっ!」
!?
洗脳を引いた瞬間、奈瑠美さんが声を上げた。
「--どうか、した?」
僕が訪ねるが、奈瑠美さんはうつろな目で虚空を見つめている。
「---へ、、変なの」
僕は戸惑う。
だが、もう打つ手はない。
そのままターン終了の宣言をした。
僕のライフは残り100。
奈瑠美さんは8000。
もう、勝ち目はない。
「・・・・・・・・・・」
奈瑠美さんは口をポカーンと開けたまま、
虚空を見つめている
「ちょ、、ちょっと、奈瑠美さんのターンだよ!?」
僕が言っても何も反応しないー
「奈瑠美さん、ターンを開始して!」
僕が苛立ってそう叫ぶと、
奈瑠美さんが突然動き出した
「はいーーわかりました」
まるで機械のようにーーー。
「えーーーっ?」
ぎこちない動きで、カードを動かし、ゲームを
進める奈瑠美さん。
いつもの笑顔はそこには無く、
ただ、何かに操られているかのように、
奈瑠美さんはカードをさばいた。
そしてーー
僕は負けた。
「おめでとう!」
歓声の中、奈瑠美さんの周りに
ギャラリーが集まる。
だが、奈瑠美さんはうつろな目で座ったまま
「---???」
僕はカードを片づけながら奈瑠美さんの様子を
不審に思った。
「…どうしちゃったんだろう?」
奈瑠美さんのうつろな目を見る。
”そういえばーー”
僕はふと思い立った。
奈瑠美さんがおかしくなったのは、
僕が洗脳ブレインコントロールを使ってから…
もしかして…
僕は、周囲に聞こえないように小声でつぶやいた
「奈瑠美さん…帰るよ」
と。
すると
奈瑠美さんが突然、立ち上がった。
「はいーーー」と。
学校帰りなのか制服姿で来た奈瑠美さんがうつろな目で僕の方に
歩いてきた。
周囲が「え?なんだなんだ?」と騒ぎ始めたので、
僕はあわててそのまま会場を後にした。
人気のない公園。
僕は、奈瑠美さんと二人でいた。
「---ほ、、、本当に…悪戯だよね?」
僕は奈瑠美さんの悪戯だと思い、
聞いてみた。
だが、奈瑠美さんは返事をせずに、ずっと遠くを見つめている。
「--な、、、なるみさん」
緊張で僕の喉が渇く…
もし、本当に洗脳できているのならば…。
「”スカート”をめくってみて…」
まさか本当にめくったりしないだろう。
僕はそんな風に思っていた。
けれど…
奈瑠美さんは「はい」と言うと、
スカートを躊躇なくめくり上げた。
奈瑠美さんの綺麗な足と下着が露わになる
「えーっ?えっ、
ちょ、、、や、、やばいって!元に戻して!」
僕が言うと
奈瑠美さんがスカートを元に戻した。
「--う、、嘘だ…
本当に…奈瑠美さんを洗脳しちゃったのか?」
僕はゴクリとつばをのむ…
だったら…
だったらーー
「奈瑠美さ…ん。。」
僕は緊張しながら呟く
「僕に、キスをして…」
そう言うと、奈瑠美さんは「はい」と答えて、
僕に熱いキスをした。
「えっ!!す、、凄い!
も、、、もっと激しく!」
僕が叫ぶと
奈瑠美さんは腰を振りながら舌を僕の口の中に
絡めて熱いキスをし始めた。
クチュクチュとイヤらしい音がする。
奈瑠美さんはお構いなしに僕にキスを続けた。
美少女高校生の奈瑠美さんにこんなことを…
「も、、、もういいよ!」
僕が言うと、奈瑠美さんは離れた。
僕は不覚にも興奮してしまった。
とても今、人前に出られる状態じゃない。
あ、、あの、、あそこが…。
僕はふと思い出す。
”リアルに目覚めよ”
そうだー
あの言葉…
もしかして…
僕はデッキからカードを引いてみた。
ワイトというモンスターカード。
すると、体に異変が起きる。
「えっ…えぇ~~~!」
公園の鏡で、ふと僕を見ると
僕がワイトというモンスターの姿になっていた
「や、、やばっ」
僕はパニックを起こし、ワイトのカードを破り捨てた。
すると、僕の姿はもとに戻った…。
「--へぇ…、カードを破れば元に戻るんだ。」
僕はニヤリとした。
引いたカードが現実化(リアル化)する。
そしてカードを破けばその効力は消える。
これって、、
僕、最強じゃね?
僕は面白くなってカードをさらに数枚引いた。
”モウヤンのカレー” オイシイ~
”避雷針” 役立たねぇ!
「ん・・・?」
僕は引いたカードを見て手を止めた。
憑依するブラッドソウル。
僕の体が霊体のような邪悪な姿になる
(まさか…
奈瑠美さんに憑依できちゃったり…?)
いやいや…
流石に奈瑠美さんに悪いか・・・
いや…
僕はカードをリアル化できるようになった…
僕は最強なんだ!
細かいことを気にする必要なんか!
人生1度きりー。
楽しまなきゃね!
僕はそう考えて
憑依するブラッドソウルになった自分の体を
奈瑠美さんにかさねた。
「ひぅっ…」
奈瑠美さんが…声を出した。
ーーいや…
僕は確信した。
足がスースーとする。
これは…
僕が下を見下ろすと、そこには綺麗な足があった。
「---うわっ!すっごっ!
僕が奈瑠美ちゃんになってる!」
そう叫ぶと、口から出たのは可愛い声。
「えっ…うぁぁ~たまらない!」
僕はあまりの快感に体を震わせた。
「--僕はーー馬田一郎…
じゃなくて!
私は、、宮松 奈瑠美♪」
わざとかわいらしくポーズを決めてみた。
「……すっ・・・すご…すごすぎるよ…」
僕はハァ、ハァと荒い息で体を見る。
僕の体にはないふくらみがそこにはあった。
僕は思わず笑う。
「あははははははっ!
僕が、いや、私が奈瑠美!
私が奈瑠美になっちゃった!
あはははははははっ!」
公園で一人笑う。
誰かが見たら
可愛い女子高生が一人で大笑いしている
この光景をどう思うだろうか。
僕は自分のデッキを拾う。
「…うふふ、私には、何でもできる」
奈瑠美さんのマネをしながら僕は微笑んだ。
せっかく女の子の体に入ったなら、
楽しまないとね!
僕は家に帰って、
奈瑠美さんの体で遊ぶことにした。
奈瑠美さんの喘ぎ声を聞いてみたいし、
奈瑠美さんに色々な表情や仕草をさせてみたい。
今日、両親は結婚記念日で旅行に行ってるから不在だ。
ちょうど良いチャンス。
奈瑠美さんを存分に遊びつくしてやる!
「うふふ…奈瑠美の全て、
一郎君に見せてあげるねっ♡」
舌を出しながら悪戯っぽく笑う。
あぁぁ…たまらない。
奈瑠美ちゃんは僕のもの。
いや、違う
私が奈瑠美よ!
スキップしながら私は家へと向かった。
このまま、奈瑠美になってしまおうかな♪
そんな風に思う。
家についたー。
「--ちょっと運試し」
可愛らしい声で、僕はカードを引いた。
ウインクしながら可愛らしく。
今度から僕は奈瑠美さんとして
デュエル大会に出るんだ。
可愛さを武器に…
ーーーーーーーー!!!
引いたカードを見て、
僕は、、顔を真っ青に染めた。
”昼夜の大火事”
燃える住宅が写されたそのカード…。
「----えっ!」
ゴウ!
突然、僕の家に火がついた。
火の勢いは凄まじい。
「えっ、えっ、ちょ、、、ちょっと!
や、、、やばっ!」
僕は慌ててカードをちぎった。
ーーーーが、
一度ついた火は消えなかった
「えっ!う、、嘘だろ!
おい、、、消えろよ!おい!火、消えろよ!」
僕は奈瑠美さんの体であることも忘れて
男言葉で叫んだ。
「消えろ!消えろ!おい、ふざけんなよ!」
可愛い少女がわめいている。
そして、火災になった家。
周囲にギャラリーが出来る。
ーーーーーーー!!!
僕は思い出した。
僕のデッキには
”炎を喰らう大亀”というカードが入っている。
炎を食べてもらえば…。
僕はカードを引いた。
ーーーーが!
引いたカードは
”硫酸のたまった落とし穴”
「----ひっ!」
その直後、僕の体は無かったはずの”穴”に落ちた。
そう、硫酸のたまった落とし穴にーー。
「いやぁぁぁぁああああああああああああ~あぁ・・・」
その悲鳴は、途中でプツッと途切れた。
そしてーーー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「どいてください!」
消防隊員が駆けつける。
「---き、急に火が全体に!」
市民が叫ぶ。
”急に”
そう、本当に急だった。
いきなり家中が火に包まれたのだ。
そして…
住民は思う。
さっきまでわめいていた女の子はどこに行った?
突然、消えたような気がしたが…。
その日ー、
”馬田一郎”と”宮松奈瑠美”は、行方不明になったーーーー。
ザッ。
火が消し止められたその場所に、
怪しい男が姿を現した。
「---カードをリアル化する力…か」
男は拾う。
馬田一郎が使っていたデッキを。
そして、笑みを浮かべた。
”この力、研究させてもらおうーー”
おわり
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コメント
今日はカードゲームを題材とした憑依話でした(笑)
1話だけの予定だったので、詰め込むのが大変でした!
これでも4000文字ぐらいありますし…(汗
何で高校生のデッキが初期のカードばかりなのか、
という突っ込みはナシでお願いします(笑)
※知っては居ますが、初期の方が皆様分かりやすいかな~と…
ご覧くださりありがとうございました!
コメント
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すごく見覚えのある世代のカードしかなかったですw
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> すごく見覚えのある世代のカードしかなかったですw
多くの人に分かるカード!ということで、
初期のカードを中心に作りました!
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任意のカードじゃなくて引いたら勝手に発動しちゃうのは怖いですね。融合引いて近くにいた老婆と融合しちゃったりしたらひどいことになりそう
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> 任意のカードじゃなくて引いたら勝手に発動しちゃうのは怖いですね。融合引いて近くにいた老婆と融合しちゃったりしたらひどいことになりそう
任意のカード使えれば最強憑依人(?)になれますね!!
引いたら勝手に…だったら、、私は怖くて使いませんね(笑)