<憑依>憑依体験アンビリバボー ②”混乱”

ヤラセのTSF映像を毎週流すバラエティ番組。
憑依体験アンビリバボー。

そのスペシャル番組の生放送中に新人アナウンサーが憑依された。
そして、さらには観客席にいた女子中学生までもが…

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「すげぇことになってんな!」
ビートつよしは騒然とするスタジオを見回しながら
まるで子供のように、無邪気に楽しそうにしていた。

番組スタッフたちは
憑依された女子中学生、菅井 綾(すがい あや)に
命じられ、慌てて放送再開の準備をしていた。

放送しなければ、綾は服を脱ぎ捨ててスタジオの外に
走り去るのだという。

綾は不機嫌そうに腕を組んでその様子を見ている。

まるで、自分が主役と言わんばかりにー。

「--綾!綾!しっかりして!綾!」
母親が泣き叫ぶ。

自分の娘が憑依されたー。
先ほどの新人アナウンサー、夢菜の様子から、
母親は娘が憑依されたことを認めざるを得なかった。

夢菜はスタジオの端っこで、下着姿のまま、
だらしなく唾液を垂らして気を失っている。

娘を、あんな姿にさせるわけには行かない

「綾!綾!」
母は全力で呼びかけた。

だがー。

「うっせぇんだよババア!」
綾が突然罵声を上げた

「お前は黙ってろ!」

綾に今まで言われたことのないような暴言を吐かれ、
母親はその場に立ち尽くした

逃げずに残っていた一般客の男たちは
綾の豹変ぶりを見て興奮しているようだ

「--撮影準備、できました」

ディレクターが冷や汗をかきながら
プロデューサーの方を見る。

プロデューサーは不気味な笑みを浮かべて
頷いた

”撮影しろ”という意味だー。

カメラ回ります!とスタッフが叫ぶと、
綾が笑みを浮かべてカメラに語りかけた

「はーい!みんなお待たせ~!
 綾だよ♡」

わざとらしく、カメラに対して
可愛いポーズを決める

「綾ね~
 今、男の人に憑依されちゃったの!
 
 えへへ…♡

 この番組見てるってことは、みんな憑依とか大好きなんだよね?

 うふふ…
 私もだ~いすき♡」

無邪気なアイドル気取りの仕草で
綾が一人、テレビに語りかける。

「憑依って、やっぱり、
 その子が絶対しそうにないことを
 させることができる!っていうのが醍醐味だよね!

 しかも、それを喜んでやるっていう!

 もう、考えただけで興奮しちゃう!」

綾の足にイヤらしい色の液が垂れている

「---なんだよこりゃあ」
若手イケメン俳優がつぶやく

「---これ、やばいですよね?」
若手女優が戸惑う。

お笑いコンビ二人は口をぽかーんと開けて
固まっている

だが、そんな中でも拍手する男の姿があった。

ービートつよし。

彼は空気を読まず、
この悲惨な状況を楽しんでいた

「おう、いい事言うねぇ!

 憑依の醍醐味。
 俺もそう思うよ」

ビートつよしが席から立ち上がって
興奮気味にそう言うと、
綾がニヤッと笑った。

「---例えば!」

綾はそう言うと、自分のスカートに手をかけた

「テレビカメラの前でスカートをめくっちゃいま~~す♪」

綾は嬉しそうに自分のスカートを上にめくり上げた。

下着がカメラに映り込む

「えへへへへへ♡
 恥ずかしい…
 でも、、、、えへっ……
 見られるって…すっごく興奮する…♡」

彼女の下着が湿っている。
本人の意思に反して、体が興奮しているのだ。

「綾、
 こんなこと本当だったら絶対しないの!

 私、大人しい性格だし、
 こういうこと嫌いだから!

 でも見てぇ~♡」

そう言うと綾はスカートを元に戻して
カメラの前に顔を近づけて笑顔を振りまいた

「今の綾は、それを喜んでやっちゃうの♡

 こ・れ・が 憑依の醍醐味!
 うふ♡」

綾がカメラの前でウインクした。

カメラマンがだらしなく、口元を三日月にして
笑っている。

カメラマンの男も思わず興奮してしまったようだ。

ディレクターは戸惑う

「やべぇよ…社会問題だよ」

プロデューサーの方を見るが、
プロデューサーは呑気にタバコを口に加えて
余裕の表情だ。

「君、いい加減にするんだ」
イケメン俳優の羽柴 友也(はしば ともや)が
綾に近づいて言う

「えへへ…羨ましいの?」
綾が挑発的に言う。

そして自分の胸を触る

「今の綾は、
 こういうエッチなことも喜んでしちゃうよ♡

 まだ、中学生なのに!」

悪戯っぽく舌を出して笑う綾。

イケメン俳優の羽柴は、綾の腕をつかんだ。

「---やめなさい、と言っているんだ」

だが、
イケメン俳優の目を見て、綾は笑った。

そして綾は、
周囲を見渡した。

ビートつよしを見る。

「---そのズボンのベルト、ちょうだい」
綾が笑う。

ビートつよしは
「は?ベルト?何すんだよ」
と笑う

「ま、いいや、お嬢ちゃんの好きにしな!」と
ズボンのベルトをはずし、綾に投げつけた

するとベルトをつかんだ綾が笑う。

「---綾って、暴力嫌いなの…
 でもね~?

 今の綾は!」

綾は突然ベルトを鞭のように振るい
イケメン俳優の顔面を殴りつけた

「むぐっ!」

あまりの痛さにイケメン俳優が頭を抑える

「あはははははは!
 これも憑依の醍醐味♡

 暴力嫌いな綾が~
 喜んで暴力振るってる~~~
 
 えへへへへっ!」

無邪気に笑いながら綾はイケメン俳優の
体をベルトで力強く殴っていく

「やめなさい!綾!」
母親が叫ぶ。
だが、綾は無視してベルトでイケメン俳優を叩き続けた

「おほほほほほほほ!
 ホラ、私を女王様とお呼び!
 うふふふふふ!」

女王様気取りで綾は楽しそうに
イケメン俳優を殴打していく。

お笑いコンビは驚きで固まったまま。

若手女優は恐怖で涙を浮かべている。

「お~~~ほほほほ!」

つよしはそれを見て、
二人に近づいた

おい、もうそのぐらいでやめといてやれー、
そう言おうとした。

だがーーー
叩かれているイケメン俳優の顔を見て
つよしはそれを言うのをやめた。

イケメン俳優は、満面の笑みで気持ちよさそうにしていた

「あっ!!あぁっ!」
殴られながら喜びの声をあげるイケメン俳優

つよしは、失笑しながら言った
「なんだよ、お前、Mだったのか。
 おもしれぇヤツだな」

そう言うと、つよしはニヤニヤしながら
二人から離れた

「はぁ~~~い 終了!」
綾はベルトを乱暴に投げ捨てると、
さっきまで憑依されていた新人アナウンサーの夢野の
体の上に座った。

まだ気を失っている彼女の上に座り、
足を組む綾。

「これが憑依。
 みなさん、ご満足いただけたかしら?」

挑発的にカメラに言う綾。

「この子の全てを支配して、
 この子が絶対やらないようなことを、
 喜んでやらせるー。

 それが憑依の醍醐味」

綾が得意げに語る

「そう。よく言った嬢ちゃん!」
ビートつよしが拍手しながら言う。

イケメン俳優はまだうっとりとしている。

「で、次はどうすんだよ」
ビートつよしが言うと、
綾が微笑んだ

「みんな、見たいよね?綾のす・べ・て♡」

そう言うと、綾が妖艶にほほ笑んで
制服のブレザーのボタンを一つ一つ外し始めた

「ダメ!ダメよ!綾!
 目を覚まして」

母親が泣き叫ぶと、
綾は「うるさいんだよ」と面倒くさそうに言った。

そして綾はブレザーを脱ぎ捨てて、ゴミのように床に投げ捨てた。
その下のシャツも、スカートも脱ぎ捨てる。

そして綾は、夢菜と同じ状態になってしまった

「うふふふふ~
 テレビの前のみんな、
 これが綾の全部だよ♡」

綾が笑う。

「ーーーやべぇ、、やべぇよ」
ディレクターが人生終わった、という表情で絶望する

そして会場には綾の喘ぐ声が響きーーー
綾は絶頂に達して意識を失った。

夢菜の上で行為をしていた綾は、
夢菜の上に倒れ込んだ。

白目を剥き、絶頂の余韻か、体がピクピクしている

「綾ーーー!」

叫ぶ母親。
だが、母親の動きが止まった。

そして、母親はニヤッと笑った

「うるせぇんだよ このババア!
 罰を与えてやる!」

そう言うと母親は突如豹変し、
服を一思いに全て脱ぎ捨て、
そのままスタジオの外に大笑いしながら
走り去ってしまったー

彼女が公然わいせつで逮捕されたのは言うまでもないー。

「-----、、、お、、、おわったーーー」
ディレクターがへなへなとその場に座り込む

プロデューサーは不気味な笑みを浮かべている。

先ほどまで痛みに喜んでいたイケメン俳優は
平静を取り戻し、倒れた二人に声をかける

「しっかりしろ!おい!」

だが、夢菜も綾もなかなか意識を取り戻さないー。

「---」
ディレクターは思う。
綾に憑依した人間はー
このスタジオを知る人物だと。

何故なら、放送の再開を要求したとき、
綾は放送の段取りをよく知っていた。

中にいる人物が関係者である証拠だーー

ディレクターはちらっと背後を見る。

さっきから何故プロデューサーは笑っているのか?
いや…カメラマンも笑ってはいたが…

なぜ、放送の停止を指示しなかったのかーーー?

「はっは…すげぇ台本だったな。
 放送倫理に殴り込みってか!」

ディレクターに近寄ってビートつよしが笑う

「笑ってる場合じゃないっすよ!」
ディレクターが言うと
つよしが
「本当は台本なんだろ~
 言ってみろよ」

と笑う。

この男はどこまでも、事態を把握できていないようだ。

「うふふふふふふ…
 あっははははははははは!」

突然、若手女優が笑い出した。

ディレクターが驚いてそちらを見る

「----まだ生放送開始から1時間20分よ?
 番組は終わってない」

可愛らしいショートパンツ姿で会場に来ていた
若手女優の若菜 恵美(わかな めぐみ)がイヤらしく笑った。

憑依体験アンビリバボーはまだ終わっていなかった。
更なる恐怖がディレクター・出演者たちを襲うーー。

そしてーーー
恵美の中にいる”男”が邪悪な笑みを浮かべた…。

③へ続く

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