市川さくらー。
山西明美ー。
白崎風香ー。
3人の女性アルバイトスタッフが、オタク男の魔の手によって…。
彼女らを救うため、
男の突きつけたゲームに挑む。
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「あははははは!さぁ、引きなさい!1枚目を!」
柱にしばりつけられた状態のさくらが高飛車に笑う。
明るく、愛嬌があって、けれども優しかったさくら。
だが、今の彼女にそんな面影はないーー。
「・・・・・・。」
うつろな目で横に立つ風香を見る。
幼い顔立ちの彼女ー。
高校生の白崎さんは、いつも俺たちをいやしてくれる存在だった。
だがー今の彼女は
うつろな目で、意思なくその場に立つ人形と化していた
「くそっ!今助けてやるー!」
俺はカードを引いた。
「最初に3枚揃ったカードが
ハートだったら、さくら。
ダイヤだったら、明美。
クローバーだったら、風香の体で私は生きていく」
ヤツが言った言葉を思い出す。
そして、スペードの場合は3人全員の体が奪われる。
そんなこと絶対にさせないー。
ジョーカーを引けば…みんな、助けることができる!
「---ダイヤの3」
俺がつぶやくと、
横に居た風香が乱暴にカードを取り上げ、
さくらの方に向けて見せた。
「あは!明美ちゃんがゴールに一歩近づきました~」
さくらが嬉しそうに笑う。
「いやっ!いやだ!いやだ!助けて!」
明美が泣きじゃくる
「ねぇ、先輩!」
明美がさくらの方を見て言う
「お願いですから!もうやめて下さい!
正気を取り戻して!」
明美が叫んだ。
だが、さくらは嫌らしく笑みを浮かべるだけだった
「さくらね…
お客様のコト、笑っちゃったの…
だから、お詫びとしてこうやって自分の体ささげてるの!
ウフフ…
さくら はもう人生滅茶苦茶にされちゃったけど、
それも仕方が無いの…!
あはははっ あははははははは!:」
さくらが狂ったように笑う
「---先輩」
明美の目に涙が浮かぶ。
「---お前は黙ってろ!」
俺は叫んだー。
そして2枚目を引く。
”ハートの6”
風香が再び乱暴にカードを取り上げて
さくらの方にかざした。
「---ハートの6です」
風香が感情のない声で丁寧にそう言う。
いつもの明るい風香からは考えられない。
「---あはは!さくらもゴールに近づいちゃった♪」
縛られた状態でさくらが嬉しそうに言う。
「---くっ・・・」
残り51枚。
いずれかの絵柄が3枚揃う前に
ジョーカーを引くことなんて…できるのか?
「--ねぇ、木藤君。
私、考えたんだけどね~」
さくらがバカにしたような笑みを浮かべて言う。
柱に縛り付けられて身動きがとれないというのに、
さくらは満面の笑みを浮かべていて、嬉しそうだ。
「-よく”廃人”っているよね?
抜け殻みたいな人間。
そう、私みたいな!あはは!」
さくらが笑う
「廃人を社会復帰させる方法だけどぉ~、
私みたいに、こうやって他の人に憑依してもらえばいいんじゃないかな?
ねぇ~木藤君」
さくらが俺を挑発する。
耳を貸すなー
精神を揺さぶる罠だー。
「あはは!シカト?最低」
そう言うと、さくらが俺を睨みつけたー。
バイト時代、俺はさくらの事が好きだったー。
いつも明るい笑顔で俺は癒されていたー。
けれどー。
さくらは滅茶苦茶にされてしまった。
もう、、あの時の笑顔は2度とみられないのだろうかーー。
「--3枚目、引いて」
横に居た風香が言う。
俺は3枚目のカードを引く。
”スペードのA”
これでダイヤとハートとスペードが1つずつ。
”スペード”を揃えるわけにはいかない。
いや…
ジョーカーを引かなくてはならない。
「ねぇ…可愛い子の唇って興奮するよね♡」
さくらが言う。
さくらが舌で自分の唇をなめまわしている。
その姿は、たまらなく妖艶だった
「ウフフ…木藤君、何見とれちゃってるの?
今、さくらは縛られてて動けないから、
このぐらいしかすることないの♡」
イヤらしく舌で唇をなめまわし、
唾液がこぼれ落ちた
どこまでも3人をもてあそびやがってーーー
「4枚目ー!」
俺は宣言してカードを選んだ。
ダイヤの7
まずい。。
ダイヤが2枚揃った
「---ねぇ!真面目にやってよ!木藤先輩!
私、、、こんなヤツに体盗られたくない!」
明美が泣き叫ぶ。
「山西さんーーー」
俺は明美の方を見た。
「大丈夫ーー
俺、引き強いから…
必ずジョーカーを引くよ」
明美が涙を流しながら頷く。
安心させるためにも、俺が弱いところを見せちゃいけない。
「---ウフフ!
む~りよ!」
さくらがバカにしたように笑う
横で縛られている明美がさくらを睨む
「アンタ、ゼッタイに許さないから!
絶対に!
この変態オタク男!」
明美が叫んだー
「あぁっ?」
さくらが突然、怒りの形相に代わり、
怖い声を出した。
さくらがこんな声を出せるなんてーーー
「僕をオタクって言ったな!
ふざけるな ふざけるな ふざけるな!」
さくらのモノマネをすることも忘れ、
さくらがヒステリーに叫んだ
「---引きなさい」
横に居た風香が促した。
俺は、5枚目を引いた。
”クローバーの5”
今、横にいる風香の体が奪われてしまう”クローバー”だ…。
ハート1、ダイヤ2、スペード1、クローバー1…。
「おい、ジョーカーなんて本当にあるのか!」
俺は叫んだ。
カードは確かに53枚ある。
だが、+1枚がジョーカーとは限らない。
「疑うの?」
ハッとして俺は声の主を見た。
ーーー明美が先ほどまでとは変わり
バカにするようにして俺を見ている。
さくらが気を失っている
「貴様ーーー
またーーーー」
明美はニヤッと笑った
「明美、”オタク”って言ったから乗っ取られちゃった うふ♡」
そう言うと、風香が明美の方に歩いて行った。
そして、しばられている明美をほどいて解放する。
「---明美の懺悔の時間♪」
そう言うと、明美がアイドル風の衣装の上から
胸を触り始めた
「んんんっ…あぁっ♡」
「やめろ!」
喘ぐ明美に俺は叫ぶー。
だが明美は笑う
「止めたければ、、はやくぅ…
ジョーカー引きなさいよ!
あっ…あぁぁん♡」
「くそっ…6枚目!」
”スペードの10”
まずい!まずい!
スペードを揃えるわけには行かない!
「あぁぁぁぁっ …明美、、
オカシクなっちゃうううう♡
あっ、、、あっ、、、あああああああああん♡」
明美が盛大にあえぐと、
体をビクッと震わせて絶頂に達し、
その場に倒れ込んだ。
「クソッ…お前の好きにはさせない 7枚目!」
”ハートのK”
ハート、ダイヤ、スペードが2枚…
クローバーが1枚…
「---くっ・・・」
どんなに運が良くても、引けるのはあと2回…
「あぁぁぁっ♡」
絶頂に達したばかりの明美が再び下着を刺激して
楽しんでいる。
明美の顔色が悪く見える
「おい!山西さんの体をもてあそぶな!」
明美がこちらを見る。
だがーーー
「きぃもちぃぃぃぃ!ううぁああああああっ
ひっ、、、ひっ…ひぃあああああああああ♡」
さっき以上に大量の液をばらまいて明美は
その場に崩れ落ちた。
「---うっ」
横に居た風香が声をあげる
そして、
今までとは違い、
”意思のある目”で俺を見た
「ウフフ…早く引いて…
でないと、女子高生の私も壊されちゃう!」
風香がスカートから覗く足をベタベタさわりながら笑う
「---このヘンタイが!」
俺は8枚目を引いたー。
”クローバーのQ”
「…くそっ…どうして」
風香がだらしない恰好で白目を剥いている明美の体を
再び柱にしばりつけた。
そして俺を見るーーー
「なぁ…もうやめてくれ」
俺は言った。
もう、勝ち目がないかもしれない。。
ならば…
「…みんな、怯えてる…
さくらも、山西さんも、白崎さんも・・・
もう十分苦しんだ…
頼む、もう解放してやってくれ」
俺は土下座した。。
だが、風香は俺の頭を踏みつけた
「---調子乗らないでくれます~?
私を怒らせると、風香のエロ動画作って、
ネットにあげちゃいますよ」
そう言って風香がニヤついてスマホを手にする
「くっ・・・・・・」
俺は絶望した。
”コイツ”には何を言っても無駄だ!
「---ヒッ…や、、、やだ…
うっ…うっ…うっ…」
意識を取り戻した錯乱状態のさくらが泣きじゃくる…。
「----さくら」
俺は泣きじゃくるさくらの顔を見るーーー。
意識を失ったままの明美を見るーー
そして、風香を見るーーー。
「最後の1枚、引けよ!」
風香が俺を怒鳴りつけた。
「---くっ」
俺はトランプの方を見る。
残り45枚。
「ここから、ジョーカーを…引けるのか」
俺は呟いた。
「----助けて!お願い助けて!」
意識を取り戻した明美が叫ぶーー
怯えるさくらと明美ーーー。
そうだーー
俺は助けなくてはいけない!
「無駄よーーー」
そう言うと、風香が倒れた
さくらが「ヒッ」と声をあげ、
再び笑みを浮かべた
「さぁ~~あなたの地獄、見せてもらうね!
誰かな~
体とられちゃうの?
明美かな?
それとも風香ちゃんかな?
それとも私かな~~~
うふふふふ!」
さくらがさぞ可笑しそうに笑う
「ホラ!起きなさい!」
さくらが命令口調で言うと、
風香がうつろな目で起き上がった。
「---引きなさい」
風香が言う。
ーーーーやってやるよ。
どんな時だってーーー
俺はやってきた。
そうだ、今回も。
俺が負けるわけがない!
「このオタクが!俺をなめるなぁ!」
俺は叫んだ!
さくらが笑う
「あっははははははははははは!
私の体はどれかなぁ~~~
あっはははははは!」
そして俺はカードをつかみ、
確認せず、カードをさくらの方に投げつけた。
さくらの近くでそのカードは落ちた。
さくらが驚きで目を見開いた。
”ジョーカー”
奇跡が起きた。
「-----え…嘘…」
さくらが言葉を失って唖然としている
「---約束だ!
全員解放しろ!」
俺が叫ぶと、
さくらは悔しそうに歯ぎしりした・・・。
「…あれっ!」
横に居た風香が声をあげる
「白崎さん!」
俺が呼びかけると、「木藤さん?どうして?」と風香が
不思議そうな顔をしたーー。
風香がーー
無事に解放された。
そして俺は風香に微笑みかけると、
そのまま明美の方に歩いて行き、
明美を解放した。
「----木藤先輩…
信じてました…
ありがとうございます」
明美が涙を浮かべながら笑うーー
「言っただろ、負けないって」
俺がほほ笑むと、明美も微笑んでくれた。
彼女は1か月憑依されていたのにも関わらず
自分を保っていたーーー。
思いのほか強い子みたいだ…。
「---まさか……」
さくらが唖然とした表情で俺を見つめる。
「さぁ…」
俺はさくらを柱から解放した。
そして言う。
「さぁとっとと、さくらの体から出ていけ!
このオタク野郎!」
そう叫ぶと
さくらが頷いた。
「そうーーー約束だもんね」
そして俺に手をかけると、俺を引き寄せて
唇を近づけた
「---何をする!」
俺は叫んだ
ーーーー俺は思い出す。
あの店で、
さくらから明美に憑依した時…
確か、、、キスをしていなかったか…
まさか…!
「---ジョーカーはぁ、、
”木藤君の体を貰っちゃうの”
アンタの体で、さくらも、明美も、風香も、
奴隷へと変えちゃうの!
調教してね!
うふふふふふふ!」
さくらがそう言うと、容赦なく俺にキスをしたーーー
好きだったさくらのキスーーー
そしてーーー
俺の意識はそのままーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ヒッ…」
明美と風香がおびえて木藤を見る。
床に倒れるさくら。
そして木藤は笑い出した
「あははははははは!
男の体なんていらねーけどよ!
お前ら3人を、徹底的に調教してやるのも
面白いと思ってな!
今から1か月間でお前らを忠実なしもべにしてやる!」
その言葉に明美が逃げ出そうとする。
しかし、木藤が机に置いてあったリモコンを操作すると
廃工場の入り口が封鎖された
「逃がさないよ~明美!」
先ほどまで、3人を助けようとしていた男ー木藤は、
歪んだ笑みを浮かべて3人に近づいた。
そして机の上のトランプを乱暴にめくった。
めくられていくトランプの絵柄はーー
”ジョーカー”
”ジョーカー”
”ジョーカー”
どこを見てもジョーカー、ジョーカー。
そう、53枚のカードのうち、
ジョーカー以外は8枚しかなかった。
必ずジョーカーを引くように最初から仕組まれていた。
「----さぁ、、、地獄のはじまりだーーー」
意識を失い、倒れているさくらを乱暴に踏みつけると
木藤は言った
「オラ、起きろ!
これからお前らには俺のペットになってもらうーー
ひはははははは!」
邪悪な笑い声が工場内に響いたーーー
③へ続く
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コメント
次回で最終回です!
ちなみに、
”男”への憑依が書きたかったわけではありません。
最終回への過程に必要なだけです(笑)
次回は木藤が解放されるところから始まるので
ちゃんと憑依要素ありですよ!
コメント
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最終的に妹になるのかな?
どちらにしろ楽しみです!
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> 最終的に妹になるのかな?
> どちらにしろ楽しみです!
ありがとうございます^^
最終的には…明日の③でわかります(笑)