<憑依>暴走憑依男~絶望の宴~ ②GAME

市川さくらー。
山西明美ー。
白崎風香ー。

3人の女性アルバイトスタッフが、オタク男の魔の手によって…。

彼女らを救うため、
男の突きつけたゲームに挑む。

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「あははははは!さぁ、引きなさい!1枚目を!」
柱にしばりつけられた状態のさくらが高飛車に笑う。

明るく、愛嬌があって、けれども優しかったさくら。

だが、今の彼女にそんな面影はないーー。

「・・・・・・。」
うつろな目で横に立つ風香を見る。

幼い顔立ちの彼女ー。
高校生の白崎さんは、いつも俺たちをいやしてくれる存在だった。

だがー今の彼女は
うつろな目で、意思なくその場に立つ人形と化していた

「くそっ!今助けてやるー!」

俺はカードを引いた。

「最初に3枚揃ったカードが
 ハートだったら、さくら。
 ダイヤだったら、明美。
 クローバーだったら、風香の体で私は生きていく」

ヤツが言った言葉を思い出す。
そして、スペードの場合は3人全員の体が奪われる。

そんなこと絶対にさせないー。

ジョーカーを引けば…みんな、助けることができる!

「---ダイヤの3」
俺がつぶやくと、
横に居た風香が乱暴にカードを取り上げ、
さくらの方に向けて見せた。

「あは!明美ちゃんがゴールに一歩近づきました~」

さくらが嬉しそうに笑う。

「いやっ!いやだ!いやだ!助けて!」
明美が泣きじゃくる

「ねぇ、先輩!」
明美がさくらの方を見て言う

「お願いですから!もうやめて下さい!
 正気を取り戻して!」
明美が叫んだ。

だが、さくらは嫌らしく笑みを浮かべるだけだった

「さくらね…
 お客様のコト、笑っちゃったの…
 だから、お詫びとしてこうやって自分の体ささげてるの!
 ウフフ…
 
 さくら はもう人生滅茶苦茶にされちゃったけど、
 それも仕方が無いの…!

 あはははっ あははははははは!:」

さくらが狂ったように笑う

「---先輩」
明美の目に涙が浮かぶ。

「---お前は黙ってろ!」
俺は叫んだー。

そして2枚目を引く。

”ハートの6”

風香が再び乱暴にカードを取り上げて
さくらの方にかざした。

「---ハートの6です」
風香が感情のない声で丁寧にそう言う。

いつもの明るい風香からは考えられない。

「---あはは!さくらもゴールに近づいちゃった♪」
縛られた状態でさくらが嬉しそうに言う。

「---くっ・・・」
残り51枚。
いずれかの絵柄が3枚揃う前に
ジョーカーを引くことなんて…できるのか?

「--ねぇ、木藤君。
 私、考えたんだけどね~」
さくらがバカにしたような笑みを浮かべて言う。

柱に縛り付けられて身動きがとれないというのに、
さくらは満面の笑みを浮かべていて、嬉しそうだ。

「-よく”廃人”っているよね?
 抜け殻みたいな人間。

 そう、私みたいな!あはは!」

さくらが笑う

「廃人を社会復帰させる方法だけどぉ~、
 私みたいに、こうやって他の人に憑依してもらえばいいんじゃないかな?
 ねぇ~木藤君」

さくらが俺を挑発する。

耳を貸すなー
精神を揺さぶる罠だー。

「あはは!シカト?最低」
そう言うと、さくらが俺を睨みつけたー。

バイト時代、俺はさくらの事が好きだったー。
いつも明るい笑顔で俺は癒されていたー。
けれどー。

さくらは滅茶苦茶にされてしまった。

もう、、あの時の笑顔は2度とみられないのだろうかーー。

「--3枚目、引いて」
横に居た風香が言う。

俺は3枚目のカードを引く。

”スペードのA”

これでダイヤとハートとスペードが1つずつ。

”スペード”を揃えるわけにはいかない。
いや…
ジョーカーを引かなくてはならない。

「ねぇ…可愛い子の唇って興奮するよね♡」

さくらが言う。

さくらが舌で自分の唇をなめまわしている。

その姿は、たまらなく妖艶だった

「ウフフ…木藤君、何見とれちゃってるの?
 今、さくらは縛られてて動けないから、
 このぐらいしかすることないの♡」

イヤらしく舌で唇をなめまわし、
唾液がこぼれ落ちた

どこまでも3人をもてあそびやがってーーー

「4枚目ー!」
俺は宣言してカードを選んだ。

ダイヤの7

まずい。。
ダイヤが2枚揃った

「---ねぇ!真面目にやってよ!木藤先輩!
 私、、、こんなヤツに体盗られたくない!」

明美が泣き叫ぶ。

「山西さんーーー」
俺は明美の方を見た。

「大丈夫ーー
 俺、引き強いから…
 必ずジョーカーを引くよ」

明美が涙を流しながら頷く。

安心させるためにも、俺が弱いところを見せちゃいけない。

「---ウフフ!
 む~りよ!」

さくらがバカにしたように笑う

横で縛られている明美がさくらを睨む

「アンタ、ゼッタイに許さないから!
 絶対に!
 この変態オタク男!」

明美が叫んだー

「あぁっ?」
さくらが突然、怒りの形相に代わり、
怖い声を出した。

さくらがこんな声を出せるなんてーーー

「僕をオタクって言ったな!
 ふざけるな ふざけるな ふざけるな!」

さくらのモノマネをすることも忘れ、
さくらがヒステリーに叫んだ

「---引きなさい」
横に居た風香が促した。

俺は、5枚目を引いた。

”クローバーの5”

今、横にいる風香の体が奪われてしまう”クローバー”だ…。

ハート1、ダイヤ2、スペード1、クローバー1…。

「おい、ジョーカーなんて本当にあるのか!」
俺は叫んだ。

カードは確かに53枚ある。
だが、+1枚がジョーカーとは限らない。

「疑うの?」

ハッとして俺は声の主を見た。

ーーー明美が先ほどまでとは変わり
バカにするようにして俺を見ている。

さくらが気を失っている

「貴様ーーー
 またーーーー」

明美はニヤッと笑った

「明美、”オタク”って言ったから乗っ取られちゃった うふ♡」

そう言うと、風香が明美の方に歩いて行った。

そして、しばられている明美をほどいて解放する。

「---明美の懺悔の時間♪」

そう言うと、明美がアイドル風の衣装の上から
胸を触り始めた

「んんんっ…あぁっ♡」

「やめろ!」
喘ぐ明美に俺は叫ぶー。

だが明美は笑う

「止めたければ、、はやくぅ…
 ジョーカー引きなさいよ!

 あっ…あぁぁん♡」

「くそっ…6枚目!」

”スペードの10”

まずい!まずい!
スペードを揃えるわけには行かない!

「あぁぁぁぁっ …明美、、
 オカシクなっちゃうううう♡

 あっ、、、あっ、、、あああああああああん♡」

明美が盛大にあえぐと、
体をビクッと震わせて絶頂に達し、
その場に倒れ込んだ。

「クソッ…お前の好きにはさせない 7枚目!」

”ハートのK”

ハート、ダイヤ、スペードが2枚…
クローバーが1枚…

「---くっ・・・」

どんなに運が良くても、引けるのはあと2回…

「あぁぁぁっ♡」
絶頂に達したばかりの明美が再び下着を刺激して
楽しんでいる。

明美の顔色が悪く見える

「おい!山西さんの体をもてあそぶな!」

明美がこちらを見る。

だがーーー

「きぃもちぃぃぃぃ!ううぁああああああっ
 ひっ、、、ひっ…ひぃあああああああああ♡」

さっき以上に大量の液をばらまいて明美は
その場に崩れ落ちた。

「---うっ」
横に居た風香が声をあげる

そして、
今までとは違い、
”意思のある目”で俺を見た

「ウフフ…早く引いて…
 でないと、女子高生の私も壊されちゃう!」

風香がスカートから覗く足をベタベタさわりながら笑う

「---このヘンタイが!」

俺は8枚目を引いたー。

”クローバーのQ”

「…くそっ…どうして」

風香がだらしない恰好で白目を剥いている明美の体を
再び柱にしばりつけた。

そして俺を見るーーー

「なぁ…もうやめてくれ」
俺は言った。

もう、勝ち目がないかもしれない。。
ならば…

「…みんな、怯えてる…
 さくらも、山西さんも、白崎さんも・・・
 もう十分苦しんだ…

 頼む、もう解放してやってくれ」

俺は土下座した。。

だが、風香は俺の頭を踏みつけた

「---調子乗らないでくれます~?
 私を怒らせると、風香のエロ動画作って、
 ネットにあげちゃいますよ」

そう言って風香がニヤついてスマホを手にする

「くっ・・・・・・」
俺は絶望した。

”コイツ”には何を言っても無駄だ!

「---ヒッ…や、、、やだ…
 うっ…うっ…うっ…」

意識を取り戻した錯乱状態のさくらが泣きじゃくる…。

「----さくら」
俺は泣きじゃくるさくらの顔を見るーーー。

意識を失ったままの明美を見るーー

そして、風香を見るーーー。

「最後の1枚、引けよ!」
風香が俺を怒鳴りつけた。

「---くっ」
俺はトランプの方を見る。

残り45枚。

「ここから、ジョーカーを…引けるのか」
俺は呟いた。

「----助けて!お願い助けて!」
意識を取り戻した明美が叫ぶーー

怯えるさくらと明美ーーー。

そうだーー
俺は助けなくてはいけない!

「無駄よーーー」
そう言うと、風香が倒れた

さくらが「ヒッ」と声をあげ、
再び笑みを浮かべた

「さぁ~~あなたの地獄、見せてもらうね!
 誰かな~

 体とられちゃうの?

 明美かな?
 それとも風香ちゃんかな?

 それとも私かな~~~
 うふふふふ!」

さくらがさぞ可笑しそうに笑う

「ホラ!起きなさい!」
さくらが命令口調で言うと、
風香がうつろな目で起き上がった。

「---引きなさい」
風香が言う。

ーーーーやってやるよ。

どんな時だってーーー

俺はやってきた。

そうだ、今回も。

俺が負けるわけがない!

「このオタクが!俺をなめるなぁ!」

俺は叫んだ!

さくらが笑う

「あっははははははははははは!
 私の体はどれかなぁ~~~
 あっはははははは!」

そして俺はカードをつかみ、
確認せず、カードをさくらの方に投げつけた。

さくらの近くでそのカードは落ちた。

さくらが驚きで目を見開いた。

”ジョーカー”

奇跡が起きた。

「-----え…嘘…」
さくらが言葉を失って唖然としている

「---約束だ!
 全員解放しろ!」

俺が叫ぶと、
さくらは悔しそうに歯ぎしりした・・・。

「…あれっ!」
横に居た風香が声をあげる

「白崎さん!」
俺が呼びかけると、「木藤さん?どうして?」と風香が
不思議そうな顔をしたーー。

風香がーー
無事に解放された。

そして俺は風香に微笑みかけると、
そのまま明美の方に歩いて行き、
明美を解放した。

「----木藤先輩…
 信じてました…
 ありがとうございます」

明美が涙を浮かべながら笑うーー

「言っただろ、負けないって」
俺がほほ笑むと、明美も微笑んでくれた。

彼女は1か月憑依されていたのにも関わらず
自分を保っていたーーー。

思いのほか強い子みたいだ…。

「---まさか……」
さくらが唖然とした表情で俺を見つめる。

「さぁ…」
俺はさくらを柱から解放した。

そして言う。

「さぁとっとと、さくらの体から出ていけ!
 このオタク野郎!」

そう叫ぶと
さくらが頷いた。

「そうーーー約束だもんね」

そして俺に手をかけると、俺を引き寄せて
唇を近づけた

「---何をする!」
俺は叫んだ

ーーーー俺は思い出す。

あの店で、
さくらから明美に憑依した時…
確か、、、キスをしていなかったか…

まさか…!

「---ジョーカーはぁ、、
 ”木藤君の体を貰っちゃうの”

 アンタの体で、さくらも、明美も、風香も、
 奴隷へと変えちゃうの!
 調教してね!

 うふふふふふふ!」

さくらがそう言うと、容赦なく俺にキスをしたーーー

好きだったさくらのキスーーー

そしてーーー

俺の意識はそのままーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ヒッ…」
明美と風香がおびえて木藤を見る。

床に倒れるさくら。

そして木藤は笑い出した

「あははははははは!
 男の体なんていらねーけどよ!

 お前ら3人を、徹底的に調教してやるのも
 面白いと思ってな!

 今から1か月間でお前らを忠実なしもべにしてやる!」

その言葉に明美が逃げ出そうとする。

しかし、木藤が机に置いてあったリモコンを操作すると
廃工場の入り口が封鎖された

「逃がさないよ~明美!」
先ほどまで、3人を助けようとしていた男ー木藤は、
歪んだ笑みを浮かべて3人に近づいた。

そして机の上のトランプを乱暴にめくった。

めくられていくトランプの絵柄はーー

”ジョーカー”

”ジョーカー”

”ジョーカー”

どこを見てもジョーカー、ジョーカー。

そう、53枚のカードのうち、
ジョーカー以外は8枚しかなかった。

必ずジョーカーを引くように最初から仕組まれていた。

「----さぁ、、、地獄のはじまりだーーー」

意識を失い、倒れているさくらを乱暴に踏みつけると
木藤は言った

「オラ、起きろ!
 これからお前らには俺のペットになってもらうーー

 ひはははははは!」

邪悪な笑い声が工場内に響いたーーー

③へ続く

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コメント

次回で最終回です!

ちなみに、
”男”への憑依が書きたかったわけではありません。

最終回への過程に必要なだけです(笑)

次回は木藤が解放されるところから始まるので
ちゃんと憑依要素ありですよ!

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憑依<暴走憑依男>

コメント

  1. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    最終的に妹になるのかな?
    どちらにしろ楽しみです!

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 最終的に妹になるのかな?
    > どちらにしろ楽しみです!

    ありがとうございます^^
    最終的には…明日の③でわかります(笑)