<憑依>やさしい憑依 ① 彼女の”死”

それは突然だったーーー。

さっきまで元気だった彼女がーー
眠るようにして死んでしまったー。

突然の事に気持ちの整理がつかないー。

これは、そんな彼氏に起こった
やさしい憑依の物語。。

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ーーそれは”突然”だった。。

つい、昨日までーー。
あんなに元気だったのにーーーー。

「---・・・・・・少しは何か食べないと体によくないよ」

彼の隣に隣にいた幼馴染の理恵(りえ)が言う。

彼、倉木 幸信(くらき ゆきのぶ)は大学生で一人暮らし。
昨日も彼女の仁科 留美(にしな るみ)は彼の家に遊びに来ていたーー。

だが、、彼女はーーー。

「わかってるーー」

幼馴染の理恵は、
幸信の彼女が急死したという知らせを聞いて、
幸信を心配して、家に駆け付けていた。

理恵と幸信は小学生時代からの腐れ縁のような
関係だ。

理恵は、幼馴染の幸信に好意を抱いていた。
けれどーー。

幸信は理恵をよくからかった。

そして、理恵も、幸信に小言をよく言っていた。

幼馴染と言う近すぎる距離ーー。
けれども、その距離は決してそれ以上縮めることのできない、
微妙な距離だったー。

理恵が、幸信に告白しようと迷っているうちに
幸信には彼女が出来た。

仁科 留美。
同じ大学のとてもかわいらしく、聡明な彼女。

全てにおいて、理恵は負けていたー。

頭の良さもー
容姿もー愛嬌もー。

だから、理恵は身を引いたのだった。

「----大丈夫。。
 しばらく一人にさせてくれないか」

幸信が言う。

いつものような、ちょっかいを出す、少し意地悪な幸信は、
そこには居なかった。

”ぬけがら”のようになってしまった男がーー
そこにうなだれているだけだった。

「-----・・・幸信・・・」

幼馴染の理恵には辛かった。
こんなに、弱気になってしまった、彼を見るのが。。。

「----じゃあ、私、帰るね」

けれどもーー
理恵には何もできない。

彼の心を癒せるのはーー
死んでしまった彼女の”留美”だけなのだからーーー。

理恵は、自分の力不足に悲しい気持ちになりながらーー
何とかしてあげたいという気持ちを抑えながらー
静かに立ち去った。

「----留美・・・」

幸信は、その日も、彼女の横たわるベットから微動だにしないまま、
セミの抜け殻のように1日を過ごした。

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「---ちょっと遅れちゃった、ごめんね」

彼女の留美が、幸信の家にやってきた。

可愛らしいセミロングの髪、
清楚な服装に身を固めている。

「--お~~留美、ちょっと遅いから心配したよ」

留美が約束の時間に遅れるのは珍しい。
・・・と言っても5分だけなのだが。

それでも彼氏の幸信にとっては心配だったのだ。

「---ちょっと、自転車で途中、転倒しちゃってね~」
留美が笑いながら言う。

「おいおい、大丈夫かよ?」
幸信が言うと、
留美は笑いながらちょっとぶつけただけだから! と笑う。

確かに外傷はない。

「そっか」
幸信は安心して笑顔で言った。

留美が家に来てから1時間後ー。

「ちょっと、頭痛がするなぁ・・・
 風邪でも引いたかなぁ・・・」

留美はそう言った。

頭痛・・・
確かに留美は結構風邪を引きやすいタイプだった。

「しばらくあっちの部屋で休んでなよ」

幸信は”いつもの風邪”だと考えて
留美に休むよう促した。

「うんーーーそうする!」

留美が笑ったー。
いつもと同じ、太陽の光のような笑顔ーー。

幸信には、この笑顔が何よりも大切だったー。

けれどーーー。

それがー
彼女の”最後の笑顔”になったー。

3時間たっても、起きてこないことを
心配した幸信は、彼女が寝ている部屋を訪ねた。

「留美ー
 大丈夫か?
 この寝坊助~!」

ふざけたことを言いながら部屋に入る幸信。

だがーーー
留美はーーもうーーー。

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「うっ!」
幸信は冷や汗まみれになって起き上がった。

「---夢か・・・」

彼女が死んだ日ー。
一昨日の夢ーー。

幸信は、留美の死体の目の前で寝てしまっていた。

まだ、涙がこぼれるーー。

「留美ーーー」

駆け付けた医師が、あの日、教えてくれた・・・。

彼女は直前、自転車で転倒した際に頭を打ち付けていたーー。

そしてーーそれが原因で、急性の頭蓋内出血で彼女はーーー。

こぼれる涙ーーー。

彼女は穏やかに眠り続けているーーー。

「----留美ーーー」

その時だったーーー
突然、彼女のー留美の体がビクンとなった。

「---留美!?」
幸信は叫んだ。
そしてーーー

留美が、ゆっくりと目を開いたーーー

「------幸信・・・」
穏やかな笑みを浮かべる留美。

ー幸信は目を見開いた。

ーーーそんな馬鹿な・・・
留美は確かに死んでいた!

駆け付けた救急隊員もーーー。

彼女はーー死んでいると・・・

目の前の留美が笑みを浮かべるー。

その笑みはーー。
いつも通り、優しい笑みだったーーー。

「----ごめんね。。心配かけて・・・。
 幸信の事が心配で心配で・・・
 戻ってきちゃった・・・」

そう言って笑顔を浮かべる留美ーー。

「-ーーーーーーー」
彼氏の幸信は何か言おうとしたが、
言葉が浮かばず、そのまま涙を流したーー。

彼女を抱きかかえるようにして幸信は言った

「なんだよ、、驚かさないでくれよーー
 本当に、、、、本当に、、心配したんだぞ」

幸信が泣きながら言うー。

そして、留美も涙を流しながら言う。

「泣かないでーー。
 これからはずっと一緒だからーー」

留美が幸信の頬に触れる。

「------・・・・・・留美」

幸信は呟いた。

とても悲しそうにーー。

”彼女”の手はーーー
死人のように冷たかったーーー

これはーー。

もしかするとーー
彼女の死を受け入れられず、自分は”幻”を見ているだけなのかも
知れないーー。

けれどーー。

それを認めてしまうのが怖かったーー。

幸信は笑顔で、少し休んだ方がいいよ、と奥の部屋を
留美に貸したーーー。

あの時のようにーー。

「ありがと」と言いながら部屋に向かう
留美を見るー。

この瞬間が、このまま永遠に続けばいいーー

そう思ったーー。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

部屋に入った留美はため息をついた。

「---あんなに嬉しそうにしちゃって・・・」
留美は複雑な笑みを浮かべたーーー

「私より・・・ずっと可愛いもんね・・・」

そう留美は呟いたーーー。

「本当に・・・本当に・・・こんなことができるなんて・・・」

留美はーー。
帰ってきたわけではない。

幸信の幼馴染、理恵は、幸信の事が好きで好きで仕方が無かった。
彼女の死で苦しんでいる幸信を元気づけてあげたかった。

そして、昨夜、理恵は思い出した。

自宅にー祖父が遺した”憑依薬”という謎の薬があることをー

「そんなことーあるわけないよね」

そう思いながら、理恵は薬を飲んだ。

するとーー
自分が”幽体離脱”したーー

驚きながらも理恵は、すぐに行動に出たーー。

幼馴染の幸信の彼女、留美の死体ーー。

それに、彼女は憑依したー

そしてーー

「はぁ・・・可愛い」
自分の顔を見て顔を赤らめる留美。

少し胸を触ってみる

「ふぁっ・・・♡」
留美の口から色っぽい声が出た

「うぁ・・・すごい感度・・・
 私の体とは大違いーーー」

理恵は留美になった。

幼馴染の幸信を元気づけてあげたいー。

そして、、
あわよくば自分が、、幸信の彼女になりたいーー

彼女はずっと、ずっと、ずっと
幸信の事が好きだったーー

けれどー
素直になれない理恵はー、
幸信に彼女が出来るまで、その想いを
伝えることができなかった。

「---すごいなぁ・・・」
スカートから覗く足を触りながら思う。

留美の足はとても綺麗だったーー。

理恵はちょっとかぶれやすい体質でー、
それが恥ずかしくてー
長めのスカートや、ズボンなどで足を隠すことが多かった

「ウフフ・・・なんだかすごい」
留美は自分の足をこするようにして触った。

鏡を見るー。

鏡の中の留美はーー
ちょっとだけ興奮気味に顔を赤らめていたーーー。

その日からー
幸信と留美は同居を始めたー。

何も変わらない日々。

「留美ーー」
5日が経った頃、幸信が言った。

「---なぁに?」
可愛らしいミニスカートと、ブラウスを着た留美が笑みを浮かべた。

彼女はーー
”自分”ではできなかったおしゃれを留美の体で楽しんでいた。

「------いや、なんでもないよ」
幸信が笑顔で返事をした。

「…・・・・・・・・・・・」
幸信が机の写真を見た・・・

男女数名が写る写真・・・。

そこには幸信本人と彼女の留美、
そして幼馴染の理恵も写っていた。

「ーーーごめんな」

ふいに、彼はそう呟いた

「---え?」
留美が可愛らしく首をかしげた。

「いや、何でもないよ」
幸信は笑ったーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

部屋に戻った留美はーー。

ネットのニュースをスマホで見て、目を見開いたーーー。

”女子大生 変死”

ーーーーそれは、、、自分自身のーーー
”理恵”の死を伝える記事だった。

「----えーー」

留美は驚きの表情でそのまましばらく動けなかった。

留美に憑依している間にーー
自分の体が死んでしまったのだーーー

「------そんな」

しばらく信じられない、というような表情を浮かべていた
留美は、少しして、笑みを浮かべた

「・・・・・・そっか、、
 私は、、留美として生きて行けばいいんだね・・・」

そう言うと微笑んだ・・・

「私は留美・・・ うん、理恵じゃない。
 私は留美ーー 留美・・・」

自分に言い聞かせるようにして呟いた。

念願の幸信を手に入れたんだからーーー
悲しむことなんて何もない。

「あっ・・・やっぱすごい・・・♡」

自分の胸を触って少し喘ぐ留美ー。

”自分の体”ではほとんど味わえなかった快感ーー。

留美はそれにおぼれていたー。
毎晩のように一人、行為を繰り返したー。

早く、幸信と本番を・・・
そんな風に考えていると、自分の下着が少し
濡れているのに気付いた。

「あっ・・・・感じちゃった・・・」

留美がつぶやいた。

その時だったーーーーー

突然、右腕を激しいしびれが襲ったーー

「------えっ・・・」

留美は驚きの表情を浮かべた。

そのまま、自分がどうにかなってしまうんじゃないか、と
思えるぐらいのしびれだった。

だが、それはすぐに収まった

「---なんだったんだろう・・・」

それからも、留美と幸信は幸せな毎日を送っていた。

けれどもーー。

留美の体は次第に、壊れて行ったーーー

自分の部屋で留美は思う・・・

”きっと、、この体はーーもう死んでいたからーー”

「・・・・・・私、、、もしかして・・・」

部屋にある幸信の写真を見つめる。。

ーーこの体は既に死んでいたーー。

一時的に、自分(理恵)が憑依したことによって
活力を取り戻していたけれど、
やっぱりーーー。

そう、留美の体はもう死んでいたーー。

次第に、あるべき姿へと戻っていく。

彼女の体はどんどん衰弱していった。

でもーーー
幸信には何も言えなかったーー。

”本当は自分が留美じゃない”だなんてーー。

そしてーー
”自分の体の調子が悪いだなんてー”

・・・ここで自分が倒れれば、
また幸信が悲しんでしまうからーーー。

ある日、自分の”限界”が近い事を悟った留美は、
幸信に言った。

「---ごめん。
 実家のおとうさんが倒れちゃったみたい」

ーー本当はもう、普通にしゃべることも
苦しかった。

口を開くたびに、激痛が留美を襲ったー。

「---私、一回帰るね

 また、連絡するから」

手短に伝えて、笑みを浮かべて、
背を向けた。

「---待ってくれーー」
背後から幸信の声がした。

留美は振り返ったーー。

そして、幸信が口を開いたー

「行かないでくれーー。
 ”もう帰ってこないつもりなんだろ”

 ・・・・・・留美・・・

 いや・・・・・・理恵・・・」

幸信の言葉に留美は、目を見開いた

そして、幸信は続けた。

「お前なんだろーーー理恵ーー」

ーーーと。

②へ続く

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コメント

ホワイト憑依・・・
ホワイトで書くとH的なシーンが減りますねぇ(汗)

難しいところです。

でも、せっかく毎日書いているので、たまにはこういうのも・・・!

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