そのホテルには噂があった。
「カップルが訪れると必ず不幸になるー」と。
それは都市伝説なのかー
それとも…。
※当サイト内の小説の中でもダーク要素強めなので苦手な方は注意!
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そのホテルは、大勢の利用客でにぎわうホテルだった。
支配人の男、名倉俊之(なぐらとしゆき)は、
今日もスーツに蝶ネクタイ、赤渕メガネという独自の出で立ちで
フロントに立っていた。
一見すると紳士然として見えるその男。
しかしー
彼には”歪んだ”一面と”ある能力”があった。
彼はー何故だか女性にモテなかった。
既に30半ばだが、今までに一度も彼女が居たことはなく、
寧ろ悪い女によられるような始末だった。
そんな名倉は次第に歪んでいった。
今ではー
幸せそうなカップルを見ると滅茶苦茶にしてやりたい衝動に駆られるようになった。
カップルの女も、男も、
地獄に落としてやるーー と。
そして、彼にはそれを実行する力があった。
”人に憑依する力”
何故、彼がそんな力を持っているのかー。
それは誰にもわからない。
だが、事実、彼は人に憑依できる能力を持っていた。
そしてー
その能力を使い、今までに何組ものカップルを
地獄に落としてきたのだーー。
ーーもちろん、その日も。。
「私が持つよ!」
カップルの女が言う。
20代前半だろうか。
セミロングの整った髪型の
目の大きな女性だ。
一般的に”可愛い”と分類される容姿だろう。
「いいよ、俺が持つから」
そして彼氏も同じぐらいの年齢。
長身の男だ。
「え~悪いからいいよ~!」
女が言う
「いいんだよ。こんな重み、
柚子(ゆず)の笑顔を見てればなんてことないからさ」
男が言うと、
「またまた~」と柚子と呼ばれた女が笑みを浮かべた。
グググググ…
フロントに居た支配人の名倉は、
口元を手で掴み、震えていた。
「---ウウウウウウウウウ」
蝶ネクタイをもう片方の手でこすりながら奇声を上げる名倉。
知らない人が見たら完全におかしい人だ。
「---支配人?どうかしましたか?」
スタッフの女が訪ねると、名倉は営業スマイルを浮かべて
言った。
「--ちょっと、仕事を思い出した。
ここはお願いしていいかな?」
名倉が爽やかな笑みを浮かべて言うと、
スタッフの女は「わかりました」 と頷いた。
名倉は、激しい形相で、「支配人室」と書かれた部屋に辿り着いた。
ここなら、誰も入ってこないーー
「-----幸せそうなカップル。
結構な事だ。
今から無茶苦茶に壊してやるぞ フフフフフ」
名倉は気味の悪い笑みを浮かべると、ソファーに腰掛け、
眠るようにして、倒れた。
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「へー、結構いい部屋だね!」
柚子が言う。
落ち着いた感じのおしゃれなワンピースを着ている。
「そうだな…
でもよ…?」
彼氏が不安そうな顔を浮かべる
「このホテルって、カップルが別れたり、
不幸になったりするって、有名だよな?
本当に大丈夫なのかよ」
彼氏は心配そうに言った。
そうーこのホテルでは
”カップルが不幸になる”という都市伝説がある。
それが事実かどうかは分からないがーー。
「え~まだ怖がってるの?
将司(まさし)、怖がり過ぎだよ~」
柚子が笑う
「私と将司の仲なんだから、
大丈夫に決まってるでしょ」
そう言うと、柚子が将司の頬にキスをした。
将司は顔を赤らめて
「お、、おぅ!」と返事をした。
「---あ、悪ぃ、ちょっと汗かいちゃったから
先に温泉入ってくるわ」
そう言うと、「うん、私 待ってる!」と柚子は微笑む。
将司は「30分ぐらいで戻るよ」とだけ言うと、
荷物を持って、温泉へと向かって行った
ーーーーそれがーーーー
”彼女との別れ”になるとも知らずにーーー。
「あ~将司の
ああいう、怖がりなところも可愛いなぁ…」
柚子がつぶやく。
がーーー
その時、異変は起きた。
「えーーーーー!?」
柚子の全身に突然悪寒が走った
「な…なに…
何なの?」
あまりの寒さに体を震わせる柚子。
「---…な、、なんか変…
将司…」
柚子は慌ててスマホに手を伸ばした。
だが…
そのままその場で意識を失ってしまった…
「うっ……」
少しして、柚子が起き上がった。
「----ふん、可愛らしい恰好しちゃって」
柚子が言う。
先ほどまでとは違い、その表情に笑みは無い。
「---フフ♪
支配人さんを怒らせちゃったから、
私、今から地獄におちまーす♡」
満面の笑みで意味の分からない言葉をつぶやく
柚子。
そして、、
「まずはぁ…」
自分のスマホを使い、彼女は自分の姿を撮影し始めた
「私・・・滅茶苦茶になっちゃおっと♪」
そう言うと、柚子は自分の胸を激しく揉み始めた
「ふぅん…あっ…なかなか…
感じるじゃない 私も…
ウフフ…」
柚子が顔を赤らめて言う。
机に置いたスマホに自分の姿が映るようにして胸を揉む
「ふっ…あぁ、はっ…すごい…
結構感じる…
ずるいよな……あの彼氏も、、
私の体で、、、どーせ楽しんでるんだろうし…」
柚子は続けて邪悪な笑みを浮かべた
「だから……
私、滅茶苦茶になってあげる♡
二度と幸せになれないぐらいに…」
そう言うと、激しく手を動かし、
そのまま柚子は絶頂を迎えた。
「あぁ…あ・・・・・・・・・♡」
恍惚の表情で、その場にだらしなく座り込む柚子。
既に下着はグショグショで、部屋にはイヤらしいニオイが漂っている。
「ははぁ……」
柚子は笑いながら、自分の行為の動画をそのままネットに投稿した。
「うふふふふふふ~
はい、私の人生終了しちゃった~あは♪」
自分の恥ずかしい行為をネットにUPし、
人生に大きなダメージを与える行為をしておきながら、
柚子は満面の笑みを浮かべた。
すぐに動画の視聴回数が上がっていく。
そして、柚子は自分自身の記憶で、自分のツイッターアカウントや
フェイスブックのアカウントを開いた。
ツイッターのヘッダーを自分の喘いでいる最中の表情に変えた。
アイコンを、愛液を手でなめている画像に変えた。
そして
「柚子、欲望にまみれちゃった♡」と
自分の愛液まみれの写真と共にツイートしてやった。
「うふふふ…」
柚子の見つめるツイッターの通知画面にはすぐに大量の通知を現す数字が
表示された
心配する声。
喜ぶ声。
柚子はほくそ笑んだ
「私、これからどうするんだろ~あははは!」
そしてフェイスブックには、妖艶に鏡に写る自分を舌で舐める写真を
載せた。
こちらもツイッターと同じ反応だった。
「うっふふふふ…
次は~~~~♪」
柚子は下着を引きちぎるようにして脱ぎ去ると、
ワンピースを乱暴に脱ぎ捨てた。
「次はー?」
テレビの前に置いてあった細いリモコンを見つけて
「あ、これにしよーっと♡」と言うと、
柚子は嬉しそうに自分の秘部にリモコンを思いっきり
突っ込んだ。
「うぅぅぅぅ!?あぁぁぁああっ あぁっあああああ~~~~♡」
あまりの快感に柚子は体がビクン!と跳ね上がり
そのまま盛大にイッてしまった
「あうぅぅぅぅぅ~凄すぎるよォ…」
そして、柚子は、再びアソコを刺激して
喘ぎ始めた
「ひぃぃぃぃぃぃん うぅぅぅ~あぁあああっあああああ~♡」
妖艶な声が響き渡る。
ーーその時だった
「ーーーな、、、、何してんだよ…柚子?」
温泉から戻ってきた彼氏が唖然としている
「ええ~~~うふふぅ…
なんだっていいじゃない!」
柚子は彼氏を無視して、一人行為を続けた。
喘ぐ柚子をたまらず彼氏は、
止めに入った
「ど、どうしたんだよ柚子!
変な事すんなよ!
なぁ…!」
ふと、机に置いてあった柚子のスマホを見て
彼氏は大声を出した
「お前!!!
何やってんだよ!!!
コレ!」
柚子のツイッターを見て
彼氏は、驚きのあまり怒鳴った
「おい、、、何だよコレ…
どうすんだよコレ!
取り返しつかねーぞ!」
柚子の恥ずかしい写真の数々。
既にツイッター上では圧倒的速度で拡散されていた
「うふふ…
私、可愛いでしょ~?
みんなにも見せてあげようと思って!
えへ♡」
可愛らしくウィンクすると、
彼氏が柚子をつかんだ。
「おい!
しっかりしろよ。
何やってんだよ柚子!」
将司はーー
真剣な表情で柚子を見た。
だが、柚子は突然つばを将司に吐きかけた。
「っーーー何するんだよ!」
優しい彼氏がキレた。
柚子は笑う
「そういうラブラブ、要らないんだよね」
なおもそっけない柚子に
将司は声を上げた
「ーーー何なんだよ柚子!
まさかお前、俺と別れるために、このホテル選んだのかよ??
こうやって、俺を絶望させたかったのかよ!」
将司がパニックになってわめいた。
柚子はそれを無視して、全裸で机の上に座り、
彼氏のスマホをつかんだ
「そ~~~~れ!」
彼氏のスマホを思いっきり床にたたきつけると、
それを柚子は踏みつぶした。
「---おい!テメェ!」
彼氏が怒鳴り声をあげる。
流石にここまでされれば、誰だって
怒るだろう。
「---ウフフ…」
柚子は挑発的な視線で将司を見た。
勿論、これらの行動は柚子の意思ではない。
ホテルの支配人である名倉に憑依されての事だーーー。
柚子の中で名倉はほくそ笑む。
「さぁーーー二人の人生を壊す”仕上げだ”」とーーー。
「何すんだよ おい…
ふざけんなよ…」
将司は壊れたスマホを拾いに来た。
そしてーーー
柚子が近くにあった灰皿で
思いっきり将司の頭を殴りつけた
「えい♡」
お茶目な声をだし、
残虐な行為をする柚子ーー。
そして将司はー低いうめき声をあげてその場に倒れた。
2回、3回と柚子は将司の頭を殴った。
そしてーーー
将司は動かなくなった。
柚子はその上に座り、
将司の顔面に愛液を塗りつけた
「ウフフ…
人前でいちゃつくからこうなるの♪」
そう言うと、柚子は将司が
”まだ生きている”ことを確認して、
笑みを浮かべた
「死んでもらっては困るーーー。
”生き地獄”を味あわせたいのだからーー」
柚子はそう言うと、ふっと、力が抜けてその場に倒れた。
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「----ちょっと見回りに行ってくる」
支配人室から出た支配人・名倉は何喰わぬ顔でそう言った。
そしてーー
とある部屋に向かうーーー
ラブラブの若いカップルが宿泊している部屋にーー
そう、彼が今まで”別の体”で居た部屋にーーー。
「いやああああああああ!」
ーー悲鳴が聞こえた。
彼は熟知していた。
”憑依”から解放された人間が、
”何分”で意識を取り戻すか。
「---どうしました?」
平然と、部屋に入った名倉。
そこにはーー倒れた男と、
乱れきった全裸で泣きじゃくる女の姿があった。
部屋はーーー
愛液で汚れていた。
「---き、、、気が付いたら将司、、いえ、彼が!」
涙を流して助けを求める柚子。
名倉は失笑して言った。
「----失礼ですがお客様…
それは、その格好は…?」
「い、、、いや・・・分からないんです!
気づいたらこんな…」
名倉は呆れたように笑った
「お客様、、、
困りますねぇ…
喧嘩でもしたんでしょうけれど…。
今すぐ救急車呼びますから、
あと警察も。」
名倉はスマホで救急車と警察を呼んだ
「わ、、、私・・・本当に何も…」
そう泣きじゃくる柚子に、近づき、
名倉は机にあった柚子のスマホを見つめた。
「----とんだ変態だな」
そこには先ほど、名倉自身が柚子に憑依して
色々いじくったツイッターが表示されていた。
喘ぎ声をあげる柚子の妖艶な様子が
デカデカと写っている。
「えーーー
いやぁあああああああああああ!」
柚子が絶叫するーーーー
あまりの受け入れがたい絶望の光景にーーーー
名倉は赤渕メガネをかけ直して
柚子に言った。
「---申し訳ありませんがお客様、
後は警察の方でお話があると思いますからーーー」
”絶望”の表情を顔に浮かべて泣く柚子を、、
名倉は見下すように見つめたー。
そしてーー
警察がやってきて、柚子は殺人未遂容疑で連行されたーー。
「嶋根 柚子ー。人生終了でございます」
連行されて部屋から出ていく柚子の後姿に向かって、
名倉はそう呟いて一礼した。
後日。
とある病院。
名倉はーとある病室に”お見舞い”として訪れた。
入院患者の名前はー
菅沼 将司(すがぬま まさし)
柚子の彼氏だー。
彼は頭を強打しながらも生き延びた。
いやーー”生き延びさせられた”
名倉は知っていた。
どの程度傷めれば”脳”に障害を残した状態で
生かせるかを…。
花束を持って入室した名倉に、
将司は奇声で答えた
「うぅ~~~~あ・・・」
将司は脳に障害が残ってしまっていた。
もう、普通には喋れない。
「---君の幸せは、潰えた」
名倉は見下すような目線で将司にそう言い放った。
将司は目から涙をこぼす。
そして、名倉は花束をベットの横に置くと、
将司の耳元でささやいた。
「---菅沼将司、人生終了でございます」---と。
そして、奇声を上げて泣き始めた将司を無視して、
名倉は悠々と病院から立ち去って行ったーーー。
そのホテルにはーーーーー
うわさがあったーーー。
「訪れたカップルが必ず不幸になるーーー」と。。。
②へ続く
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コメント
名倉さんゲスすぎて
書いてるこっちまで、暗い気持ちになってしまいました(汗)
あと2話続きます。
明日は女子高生編…。
容赦ない名倉の魔の手が迫ります^^
コメント
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名倉さんのゲスっぷり好き
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これレズカップルとかだったらどうなるんだろう……
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> 名倉さんのゲスっぷり好き
ありがとうございます^^
2話以降も彼はゲスのまま話が進んでいきます(笑)
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> これレズカップルとかだったらどうなるんだろう……
ホテルの支配人の彼が、
男女にしか反応しない可能性も…笑