<憑依>ダークドライブ~ハンドルの亡霊~② (完)

このドライブに終わりはあるのかー。

彼女の麻友は完全に亡霊に乗っ取られー、
逃げることすら許されない。

この闇のドライブに、
終わりはあるのだろうかーー。

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乱暴に車のアクセルを踏む麻友。

その顔は狂気に満ちていた。
満面の笑みを浮かべている

「あははははは!
 あは!あは!あはぁ♡」

片手で胸を乱暴にさわりながら
麻友は笑い続けている。

「こ~んな可愛い子が、
 こんなとんでもないことをしてる!

 あはははは!

 やっぱたまんねぇや!」

俺はー
そんな麻友の様子をただ茫然と眺めることしか
出来なかった。

「あははーどーしたの?
 そんな間抜けな顔しちゃって!」

麻友がこちらを向き、笑う。

そして言った

「麻友を好き勝手している亡霊さんね~
 車が大好きだったの~。

 でもね、次第にその欲求がエスカレートしていった。

 夜な夜な車で街を爆走するようになった。

 ウフフ…厚英に分かる?
 車をぶっ飛ばす爽快感」

麻友がー
亡霊の思い出を自分のことのように語る。

「でもねー
 亡霊さん、警察に目をつけられちゃったの。
 で、逃げている時に事故に遭って…
 そのまま死んじゃった」

ーーーおかしなヤツめ。
俺はそう思った。

だがーー口には出せない。

「でも、今、亡霊さん、
 ”あのとき死んで良かった”ってそう思ってるみたいよ!

 だってぇ~
 麻友みたいな可愛い子を好き勝手できるんだからね!

 うふふふふふ!
 あはははははは♡」

麻友が再び片手をショートパンツの中に入れ、
体をもてあそび始めた。

既にショートパンツはグショグショになっている

「あぁん・・・
 私ったらこんなに興奮しちゃって…
 
 うふふふ…♡」

麻友はグショグショにぬれた手を
自分の舌で舐めまわした

妖艶にーー。

車のスピードはさらに上がり、
かなり危険な運転が続いている

「やめてくれーー
 頼むーー
 もう、、、十分だろ」

俺は叫んだ。

だが麻友は笑った

「まだまだ足りない!
 うふふ…
 亡霊さん、私のこと気に入ってくれたみたい!

 もっと、もっと、この女を壊してみたい!

 あひひひひひ!」

麻友が下品な笑い声をあげると、
足から愛液がボタボタと流れてきた。

麻友は完全に支配され、
自分の体で感じてしまっているーー。

「うふふふ…
 この服邪魔ぁ~♡」

麻友がそう言うと、片手でブラウスを引きちぎろうと、
引っ張り始めた。

さっきからハンドルを必ず片手で持っているところを見ると、
両方の手が離れると、亡霊の影響下から麻友は解放されるのかもしれない。

「うん・・・!邪魔!邪魔!
 千切れろ!千切れろ!」

麻友がムキになってブラウスを引っ張っている。

ブラウスは次第にビリビリと音を立てて
少しずつ破れて言った。

半端に破れたブラウスから麻友の体があらわになる

「うふふぅぅぅ~~~♡
 たまらない!!

 可愛い私がーー
 すっごい変態なことしてる!!!

 ああああああ~~~興奮する」

俺は麻友の表情を見るーー

完全にその顔はーー
”飢えた獣”の顔だった。

麻友は自分のショートパンツもいじくり始めた。
だが、常にハンドルを片手で持っているため
なかなか上手く脱ぐことができず、苦戦しているようだ。

「---くそっ」
俺は密かに呟いた。

このままじゃ麻友はーー。

俺は決意した。

咄嗟にハンドルを持つ片手に俺はとびかかった。

「テメェ!」
麻友が叫んだ。

車が蛇行運転になる。

「---麻友!麻友!
 しっかりしろ!戻ってこい!」

俺は叫びながらハンドルを握る麻友の手を引きはがそうとした。

ーーーだが。

麻友はもう片方の手で俺を力強く殴りつけた

あまりの痛みに俺は助手席の方に飛ばされた。

「---調子乗るんじゃねぇよ!
 俺が、楽しんでんだろうが!
 邪魔すんじゃねぇよ!」

麻友が激しい形相ーー
男言葉で俺を怒鳴りつけた

「ま…麻友…
 頼む…」

俺は涙ぐんでその場で頬を抑えた。

ふと麻友が車のミラーを見た

「うふふ…
 私の顔…綺麗~~」

そう言うと、ハンドルを握ったまま中腰で立ち上がり、
ミラーに映る自分にキスをした。

クチュクチュと音を立て、
麻友が気持ちよさそうにキスを続ける。

半立ちでで、破れたブラウスを着た、
濡れたショートパンツをはく女が車を運転しているーー

外から見たらーー
どんな風に見えるのだろうか。

麻友が再び席に座り、
狂ったように胸をハンドルに押し付け、
片手でショートパンツの中をいじくり続けている

「うっ…くっ・・・ひぁ、はぁ、、、うぁぁあああん♡」

何度も、何度も麻友は絶頂に達し、
そこらじゅうに液が散らかった。

俺はーーー
どうすれば良いのかーー。

今や、麻友の姿は完全に乱れきっていた。。

ーーそのときだった。

パトカーのサイレン音が聞こえた。

暴走する麻友の運転に、
ついに警察が動き出したのだった。

「----警察」
俺は一瞬、希望を感じた。

警察がこの車を止めてくれれば…

停車すれば、麻友はハンドルから手を離さざるを得ないだろう。

罪には問われるだろう。
だが、それで麻友を助けられるのならばー。

だがーーーーーー。
”闇”に出口などなかった。

”闇”の出口は更なる”闇”。

麻友が笑う

「あ~~~~あ!
 すっごく楽しかったのに、、オシマイかぁ!」

俺はその言葉の意味が分からなかった。
もう、出て行ってくれるのだろうか。

そう言うと、麻友はこちらを向いたーーー

「厚英!いい事教えてあげる!
 5年前の事故知ってる?」

俺は何の事だかわからなかったー

「高齢者の車が暴走して、多くの人を
 ひいちゃった事件!」

麻友が笑いながら、車のスピードをさらに上げた。

片手ではショートパンツの中をまだいじくり続けている。

グショグショとイヤらしい音がする。

高齢者の事故ー。
そう言えば覚えがある。
高齢者の車が暴走して、12人が犠牲になった事件。

そして、その事件最後にその車はーーー
ビルに全速力で追突して、
その高齢者は即死したーー

そんな報道を当時は大々的に…

「まさか…」

俺は”恐怖”に辿り着いてしまった…

「ピンポーン!
 その高齢者も、麻友をこんな風にしちゃった
 亡霊さんに乗っ取られてたの~。

 前回、亡霊さんが乗っ取った体だね!

 でねでね~
 亡霊さんいつも最後にあることをするの!」

俺はーーー
真っ青な顔で麻友を見たーーー

「全速力で壁に正面衝突!うふ♡」
麻友が嬉しそうに笑う。

「警察に捕まれば、どうせ、体はハンドルから
 引き離されて、俺の楽しい時間は終わっちゃうんだよ

 だから最後に、いつも”祭り”をするんだよ!」

麻友が男言葉で言った。

「---やめろ!そんなことしたら麻友が!」

そう言うと、麻友は大笑いした

「あははははは、そうよそうよ!
 そのジジイも、その前の女教師も、
 み~んな最後には壁に車ごと激突して死んでるの!

 もちろん、麻友もそうなっちゃう!」

麻友が満面の笑みで言った。

「頼む!やめてくれ!麻友を返してくれ!」
俺は無我夢中で嘆願した。 だがーー

「だ~~~め♡
 麻友、これから死ぬのに、こんなに楽しそうにしてる
 
 うふふふふふ

 やっぱ憑依ってすごいよね!」

そして麻友は笑った。

「ううん、気にしないで!
 とにかく!
 もう、麻友が”悲しむことは無い”から安心してね!」

もう”悲しむことは無い”

さっきーヤツが言っていたのは
”最初から麻友を解放する気がない”ということーーー

「ほ~ら見て!前にビルが見えてきたよ!

 麻友!あそこに突っ込みま~~す!」

麻友はそう言うと、満面の笑みでアクセルを全開に踏んだ。

「やめろーーーーーーーーーー!」

俺はありったけの力で叫んだ

だが、麻友は笑っていた

「あははははははははは~~~
 この体 すっごくいい!!

 麻友、楽しい!
 麻友、凄く幸せ!!!

 ぁぁあああああああ~~~♡」

そしてーーーー

強い衝撃が走りーーーー

俺の意識は吹っ飛んだーーーー。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「大丈夫かーー?」

・・・

声が聞こえた。

俺は・・・

どうなった…。

なんとか目を開くと、そこには
消防隊員の姿。

そして、血が出ている俺の足。

ボロボロになった車。

1階部分が損傷したビル…

「ま…ゆ…?」

俺は恐る恐る麻友の方を見たーーー

麻友はーーーー
建物の破片が腹部に突き刺さり、
血だらけになってーーー
死んでいたーーーー

でもーーー
その顔にはーーー
満面の笑みが浮かんでいたーー。

「麻友ーーー」
俺の目から涙があふれるーー

彼女は最後のその瞬間までーーー
亡霊に乗っ取られたまま、、死んでしまった。。

最後の瞬間までーー
亡霊の思うがままに操られて…
快感をその体で味わいながら…。

麻友の全ては踏みにじられ、
命まで奪われてしまったーーー。

「うっ…うぅぅ…うあああああ!」
俺はただただ、泣き続けるしかなかったーーー

俺にはーー何もできなかった。

どうすることもーーーできなかったーー!

・・・・・・・・

俺は病院に運ばれ、一命をとりとめた。
だが、心の傷は永遠に癒えない。

何日経っても、彼女の最後が忘れられない…

俺はーーー
麻友を助けられなかったーーー。

一生、、、このことを背負って生きていくことになるだろう…

もう、俺には………
”生きる希望”なんて無くなってしまったーーーーー。

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あれから5年が経った。

穏やかな春ー。
満開の桜ー。

春の景色が広がるその場所で、

とある新婚夫婦が車を購入した。

可愛らしい黄色の車。

喜ぶ夫婦。

妻は子供を授かっているようで、
少しだけお腹が膨れている。

夫が言う
「初運転してみるか?」 とーー。

妻はその言葉に笑顔で答えた
「え~?でも、まぁ…今後しばらく運転できなくなりそうだし…
 今のうちにしとこっかな!」

そう言うと、妻は運転席の方に乗り込んだー。

”ハンドルの中の意識”は笑うーーーー。

あの時 以来かーーー と

また、新たな悲劇が起ころうとしていたーーー

おわり。

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<コメント>

何の救いも無いお話でした…
彼氏さんも憑依された本人もかわいそう…。

壊れた車が何で、廃車にならずに修理されてまた中古屋に
出回るのか?とか気になる方も居るかもしれませんが、
そこはあえて書きませんでした(テンポが悪くなるので)!
※一応設定はあります笑

そのあたりはご想像にお任せです!

お読みいただきありがとうございました~

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憑依<ダークドライブ>

コメント

  1. 匿名 より:

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    ダーク話すきです

  2. 匿名 より:

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    ホラーな感じの終わり方ですね。今度はこの新婚さんが犠牲になるのかと思うと…わくわくしますわ

  3. 無名 より:

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    > ダーク話すきです

    ありがとうございます^^
    いつの間にかダーク小説サイトイメージが(笑)

    明日からの小説も…
    ダークなのです(汗

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > ホラーな感じの終わり方ですね。今度はこの新婚さんが犠牲になるのかと思うと…わくわくしますわ

    ありがとうございますー。

    続編は……あるかもしれません(笑)

  5. si より:

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    知らないうちに犯罪者になっている。本当ぞくぞくします!ダークドライブ本当最高です。
    いつか初心者マークの就活生とか見てみたいなと勝手に妄想してます

  6. 無名 より:

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    > 知らないうちに犯罪者になっている。本当ぞくぞくします!ダークドライブ本当最高です。
    > いつか初心者マークの就活生とか見てみたいなと勝手に妄想してます

    ありがとうございます^^
    ダークドライブは、あれだけで終わりではなく
    定期的に別の人物バージョンも書こうと思っています!