<憑依>ムスメの身代金 ①憑依された最愛の娘

娘の亜優美が誘拐されたーーー。

犯人に指定された場所へ向かうと、
そこには娘の姿がーー。

しかし娘は、何者かに憑依されてしまっていた…

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「あ、お父さん、今日休みなんだ?」
娘の亜優美(あゆみ)が階段から降りてきて言う。

今日は平日。
高校の制服に身を包み、清楚な雰囲気が漂っている。

「あぁ、今日は久々にな」
俺は笑う。

俺の名は森田 竜二(もりた りゅうじ)
とある企業の社長をやっている。

自慢じゃないが、俺が立ち上げた会社は凄い勢いで成長し、
今ではなかなかの規模になっている。

まぁ、ここに至るまで強引な手段も使ったが。

「そっか、いつも大変だもんね」
亜優美が笑う。

俺は娘の亜優美を溺愛していた。
真面目で明るく、学校での人気も高いのだという。

生徒会活動をしたり、バイトをしたり、
亜優美も忙しそうだ。

そして彼女は親の俺が言うのもアレだが、
とても可愛い。
愛嬌のある容姿で整った黒髪。
俺の理想のタイプだ。

あ、もちろん、俺は親だから変な気は起こさない。

「亜優美も最近大変みたいじゃないか」
俺が言うと、亜優美が振り返り、優しく微笑んだ。

「うんーーでも、毎日楽しいよ。」

その笑顔は、俺には天使のようにも見えたーー。
かげがえのない幸せ。

亜優美がいるから、俺は頑張れる。

もちろん、妻もそうだが…。

「--じゃあ、行ってきます」
亜優美が可愛らしく手を振る。

俺も手を振りかえした。

ーーーあぁ、幸せだ。

ーだが、、この”幸せ”は予期しない形で
奪われることになる。。
この時の俺は、、まだ知らなかった。

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「へー、亜優美も頑張るねぇ」
親友の美月が、亜優美に言う

「うん、今のうちに頑張っておかないと、
 来年大学受験だし」
亜優美が笑う。

何て事のない、いつもの会話だった。

「じゃあ、私 今日バスだから!」
そう言う、親友に笑顔で手を振り、亜優美は
親友と別れた。

一人道を歩く亜優美。

その時だったーー。
背後から黒塗りの車が近づいてきた。

そして、亜優美の前で停車すると、
車内から飛び出してきた男があっという間に
亜優美を拉致してしまった。

そしてーーー
彼女は謎の廃墟に連れて行かれた。

「…な、、何をするんですか!」
亜優美が恐怖を顔に浮かべて叫ぶ。

「フフ…何もしやしないよ」
男は粘っこい笑みを浮かべた。

「実はね…君のお父さんに俺は恨みがあるんだ。
 その復讐をしようと思ってね。
 で、君に手伝ってもらおうと思って…」

男が怪しい笑みを浮かべる。
夕日が反射して、余計に不気味に見える。

「お父さんに…?
 私が手伝う?
 お断りします!」

亜優美は恐怖におびえながらも毅然として
断った。

「け、、警察を…呼びますからね!」
亜優美がスマホを探ると、
男がより一層笑った。

手に、グラスを持っている。
グラスの中には緑色の液体。

「な…何なの…」
亜優美が泣きだしそうになりながら男を見る

「これはねーー
 飲むと”霊体化”できる特製のドリンクだ。

 たとえば俺が飲むと、俺は霊体になることができる」

男は得意げに言う。

「……な、何を言ってるの…?」
亜優美は普段、目上のモノに対して敬語で話す。
しかし、恐怖と侮蔑から、それも忘れてしまっていた。

「霊体になるとねぇ…
 人の体に乗り移ることもできるんだよ…
 そう、憑依って言うのかな。」

そして、男は亜優美を見た。

「君の体ー
 もらうよ。

 最愛の娘に苦しめられるアイツの姿、
 楽しみだな ウキャキャキャ!」

気色の悪い笑い声をあげ、男は緑色の液体を
飲み干した。
その瞬間、男が意識を失う

「ヒッ…や、、やめて!お願い!やめて!」
亜優美が恐怖からパニックを起こした

そしてーー

「やめて…おねが・・・ひっ!」

変な声を上げると、亜優美がもがき苦しみ始めた

「やめて!やめて!お願い!出てって!
 やめて!やめてぇぇえええええええぇ
 
 ぇ・・ぇえ えへ…えへへへ…ウフフ…」

悲鳴が途中から、笑みへと変わる。

「……私は……」
声を確かめるようにして出す

「私は森田亜優美……
 お父さん…
 これから亜優美がお父さんに復讐するね♪」

そう言うと、亜優美は邪悪な笑みを浮かべた。

そして一人、気味の悪い笑い声で笑い出した。

夜19時。

「あれ?亜優美、今日バイト無いって言ってなかったっけ?」
俺が言うと、妻も「うーんそうね…」と答えた。

オカシイ。

高校はとうに終わっているハズ。

その時だった。
電話が鳴った。

俺は慌てて電話を取る。

「もしもしー?森田さん?」
加工音声のような声が響いてきた。

「もしもし?誰だ?」
俺は苛立ち、返事をする。

「--娘さんを預かりました。
 交渉しましょう。
 今から1時間後、南地区の河川敷、
 100万円用意して一人で来て下さい」

電話の相手は淡々とそう告げた。

ーーー誘拐。。

俺は頭が真っ白になった。

「わ、、分かった。
 行く。行くから。娘に手を出すな」

そう言うと、相手は
”警察に言えば亜優美を殺す”
”他の誰に言っても亜優美を殺す”と宣言した。

電話を切った俺は、慌ててお金をかき集め、
指定された場所へと向かった。

そこに辿り着くと、車が止まっていた。

この河川敷には人通りがほとんどない。

「……」
俺が中心に立ち、あたりを見回すと、
車の中から人が出てきた。

女子高生だーー。

「---亜優美!」

娘の亜優美だった。

亜優美はいつものような笑みを浮かべながら
こちらに歩いてきている。

俺は慌てて駆け寄った

「亜優美!良かった!」
娘を抱きしめる。
怖かっただろう。。

こんな思いを娘にさせてしまうなんて…

「お父さん~?気が早いよ」
亜優美が言う

「えー?」
俺が手を離して亜優美の顔を見ると、
亜優美は、いつも見せないような、
含みのある笑みを浮かべていた。

「ど、、どうした亜優美…
 こんなところにいたら…」
俺が戸惑いながら言うと、
亜優美は笑った

「ウフフ…お父さん、私、まだ人質なんだよ?
 わかってる?」
亜優美はさぞ面白そうに言う。

「……人質…、、な、何かされたのか?」

周囲を見回す。
銃を持った奴が亜優美を狙ったりでもしているのだろうか?

だが、亜優美は手を出して行った

「さぁーーー金を出しなさい」

亜優美が命令口調で淡々と俺に言う

「・・・な、、何言ってんだよ!亜優美…
 ほら、もう大丈夫だから。
 脅されてるんだろ?大丈夫だから」

俺が言うと、
亜優美は笑い出した

「プっ…あっ、あははははは!
 おっかしい~~。
 お父さん~それ真面目に言ってるの?

 プっ…ウフフ」

亜優美がバカにしたように笑う。

「……あ、、亜優美?」

俺が唖然としていると亜優美がポケットから
緑色の液体を取り出した

「おとうさ~ん、これなんだか分かる?」

亜優美が挑発的に言う。
娘は、反抗期も無く、常に優しかった。
そんな亜優美の、挑発的な態度を見るのは初めてだった

「い、、いや…なんだそれは?」

「これね~
 飲むと幽体離脱して、人に乗り移ることができる
 お薬なの!

 凄いでしょ!」

亜優美が楽しそうに大げさな身振りを加えて言う。

俺はその説明に凍りついた。
人に乗り移るーーー
まさかーー
そんなことがーー

「せいかーーい!お父さん鋭いね!」

俺が口にする前に亜優美が笑みを浮かべて言った。

「亜優美ね~
 人質として、体奪われちゃったの~!
 体も心も、、みんなみんな、
 思い通りにされちゃってるの!」

亜優美が満面の笑みで言った。

一気に俺の血の気が引いた。

夜の冷たい空気が、俺の背中に当たる。

そんなことがーー
娘がーー

「お、、、おい冗談よせよ…」
現実を受け入れられず言うと、
突然亜優美が自分の胸を触り出した。

「うっ…はぁん♪ あっ…感じる…
 亜優美…気持ちイイ♪」

亜優美がうっとりとした表情で
軽い喘ぎ声をあげる。

「や…やめろ!」
俺が叫ぶと、
亜優美がバカにしたような笑みを浮かべて俺を見た。

「私、こんなことする?
 しないよね?

 わかってくれた?私が体奪われちゃったってこと!」

俺は現実を受け入れるしかなかった。

そして、、俺は叫んだ

「か・・・金なら払う!
 今すぐ娘を解放してくれ!」

俺が叫んで、封筒を差し出すと、
亜優美が乱暴に封筒を取り上げた

「ウフフ…ありがと♪おとうさん。」
亜優美がお金を乱暴な手つきで数える

そして・・・

「はーい!100万円!
 亜優美とお話しする権利お買い上げありがとうございます~!」

亜優美がバカにしたようにして言う。

「なん…だと?」
俺が亜優美の方を見ると、
娘はなおも、愉快そうに続けた。

「この100万円は、亜優美と会うためのお金!
 私を助けたいなら、これから言う要求を
 ちゃ~んと、やってもらわなきゃ!」

亜優美がスキップしながら言う。
完全に俺を馬鹿にしている。

俺は拳を握りしめた。

「まず、第1ステージ♪!
 私の靴の裏をお舐め、お父さん!

 な~んちゃって!あはははは!」

高飛車な雰囲気で亜優美が俺の前に足を差し出した。

「き…貴様…」
俺は亜優美を睨んだ。

中のヤツに向けて、最大限の殺気を放つ。

しかし亜優美は言った。

「いいの?おとうさん?
 亜優美、知らない男の人に滅茶苦茶にされちゃうよ?

 今の私は操り人形だから、
 喜んで男の人に体も売っちゃうよ♪」」

その笑みには迷いはない。

「や…やめてくれ…頼む」
俺は土下座した。

だが、亜優美は言う

「舐めれるの?舐めれないの?

 亜優美を助けたくないの~?」

亜優美が俺の顔を覗き込む。

だが、プライドが邪魔して、
俺は靴を舐めることができなかった。

どうしても…

すると亜優美が低い声を出して行った

「はぁ…つまんないの…

 お父さん、私を助けたくないんだね」

亜優美はそう言い、愛想なく、車の方に向かう。

「あ、、、亜優美!待ってくれ!」
俺が叫ぶと亜優美が振り返る

「もう5分経っちゃった!
 
 ウフフ…亜優美ね~5分100万円なの!

 また明日ね、
 お父さん!」

そう言うと亜優美は笑いながらつけわえた。

「あ、明日もまた電話するから。
 亜優美とお話ししたければ100万円。
 持ってきてね?

 あとね~
 私も、待たされれば待たされるほど楽しくなってきちゃうから。」

何?
俺は意味が分からず、亜優美に聞き返す。

すると亜優美は答えた。

「ホラ、私、こんなに可愛いし、
 もっと派手な格好とか?色々おしゃれとか?
 してみたい格好とか色々あるの!

 お父さんが私を焦らせば焦らすほど、
 亜優美、変えられていっちゃうの!
 
 私のしたくないこととか、
 い~っぱいさせられちゃうの!

 だからおとうさん!
 早く亜優美を助けてね♡」

亜優美は可愛らしくウインクすると、
馬鹿にしたように笑いながらそのまま車に乗り込み
去って行ってしまった。

「あ、、、、あ、、、」
俺はただ、放心状態でその場に立ち尽くした

②へ続く

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<予告>

2日目ーー
100万円を手に再び指定された場所へ。

しかし、そこに現れた亜優美はー
”ある格好”をさせられていたーー
男の本能のままにーー

そして、なおも楽しそうな亜優美は
父親に次なる要求を突き付けたーーー。

憑依<ムスメの身代金>
憑依空間NEO

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