憑依小説 ”悪の魂” 番外編 ~堕ちた西原愛華

悪の魂 1~3話で登場した「西原愛華」のその後…。
ジョーが興味を失ったあと、彼女は…。

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ジョーが悪の魂を放り込んだ人間はーーー
もう二度ともとには戻らない。

否ー
悪の魂に飲み込まれた人間はーー、
自らの意思では悪の道へと進んでいくのだ。

優等生なんかやってられるかよ!
馬鹿じゃねーの!!

辞めてやるーーー。

いつも、いつも、私ばかり。

皆、いいように私をこき使って。

ーー西原愛華は豹変した。

ジョーが興味を失い、99人目に悪の魂を放り込みに行った頃ーー

愛華は、今まで自分が守っていたはずの幼馴染、黒滝を
徹底的にいじめ始めたのだ。

「---私をなめてんの?
 ねぇ、アンタどんだけ調子こいてんの?」

黒滝は驚きに目を見開く。

ーーー西原さんはこんな子じゃない…
何故…?

彼女は茶色に髪を染め上げ、
スカート丈は短くなり、
化粧が濃くなった。
そしてーピアスの穴を開け、
愛華とは思えないありさまだ。

「ねぇ…もうやめてよ」
黒滝が泣きわめく。

その様子を見て、愛華はさらに腹を立てた

「---調子こくんじゃねぇよ
 私が今までどれだけアンタの為にがんばったか
 わかってる?

 ねぇ、何でいつも私だけ。
 どいつもこいつも私を馬鹿にしてんじゃねーよ!」

そういうと、愛華は黒滝を蹴り飛ばした。

「に・・・西原さん・・・
 僕は、、いや、他のみんなも
 西原さんのこと馬鹿になんかーーー」

元々黒滝をいじめていたいじめっ子の女子生徒・栗本も
引いた様子で見ている

「---ね、、ねぇ愛華?もういいんじゃない」

そういうと、愛華は不機嫌な様子で栗本を見た

「優等生、優等生。
 そうやっておだててれば私が大人しくしてると思ってたんでしょ?
 ふざけんじゃねぇーよ!

 もう私は好きに生きるから!
 とことん遊んでやるから!」

そう言い、愛華は再び黒滝を暴行しようとした。

ーーその時、生徒指導部の先生が駆け付け、
このところ繰り返し指導を受けていた西原愛華は退学になった。

元々、彼女は「自分は損な生き方してるのかな?」と少し
疑問に思っている部分もあった。
それでも彼女は心からー周りの人に親切にすることを
喜んでいたし、周囲の笑顔で自分も幸せになれたーー

退学になったことを親に告げると親は泣いた

「--」
だがその姿を見ても、愛華はもはや何も思わなかった。

彼女の優しさはーー
憑依した”悪の魂”によって、全て嫉妬や憎悪に変わっていた。

ーそして、彼女は翌日、
家を飛び出した。

そして、自分の体を売り、地元のワルとつるみだした。

メイクはさらに派手になり、髪色は金髪になった。
露出度の高い服装を好むようになり、
もはや、、彼女に元の西原愛華の要素は何一つ残っていなかったーーー。

3か月後ーー

高校生の黒滝は、
とある放課後の作業で帰りが遅くなり、
一人夜の街を歩いていた。

ガラの悪い男女が、一人の男をボコボコにしている

「きゃははは!マジうけるんだけどーーー!」
女が甲高い声をあげる。

金髪で露出度の高い服とミニスカートをはき、
ヒールで男を踏みつけている。

いかにも関わりたくない人たちだーー

しかしーー
黒滝はそんな女の顔を見て驚愕した

「----西原…さん?」

ギャルメイクのような濃い化粧に金髪。。
もはやほとんど面影はなかったが
それでも幼馴染の彼にはわかったーーー

あれはーーー

「あ?何見てんだよ!
 オラ!あっちいけよ!」

西原愛華が黒滝を睨んだ。

口調も、仕草も完全に別人だーーー

「---すみません」
黒滝は”諦めていた”

もう、自分の知る西原愛華は居ないのだとーーー

彼が幼馴染の西原愛華の姿を見たのはー
これが最後だった。。

おわり

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明日は憑依暗殺部隊の続きです。

今日はちょっと息抜きということで(汗

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