「変装してお店にクレームをつけたら?」
男の歪んだ欲望に支配された李緒…。
憑依された李緒は楽しそうに、自分を変えてゆく…
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「私は李緒♪」
俺は可愛らしく自分の名を呟きながら、
山村さんのイメチェンをすることにした。
一度だけ、大学の行事のため、
髪を結んで、コンタクトレンズでバイトにやってきた李緒を
見てから、俺は、女の子は髪型や雰囲気だけで別人に見える、ということに
何故か興奮してしまい、
山村さんがイメチェンしてバイト先にクレームをつけたら
他のバイトたちは気づくのかどうか、という妄想をするようになってしまった。
そしてついにそのチャンスを得た
「いまから、李緒、変わっちゃいまーす!」
そう言って拍手すると、鏡の中の山村さんも拍手した。
既に時間帯指定でイメチェンするためのグッズを注文しておいた。
ほどなくして荷物が届いた。
俺は荷物を開け、
山村さんをどのように変えていくかを考えて
一人ニヤニヤした。
山村さんが一人でニヤニヤしている。
「よっし…まずは髪の毛からかな…」
髪の毛はちょっと自分でやるのは
雰囲気が出ないと思い、美容院へと俺は行くことにした。
「……えっと、こんな感じでお願いします」
ロングヘアーの髪をバッサリと切り落とし、
セミロングにした。
そして、髪を茶髪に染めてもらった。
「…李緒ちゃん、いいの?」
ふと、美容院の人に尋ねられた
しまった!
ここに山村さんはいつも来ているのか
「え?え、、あ、はい
ちょっとイメージ変えようかなって」
俺が慌ててそういうと、
不思議そうな顔をしながらも、そのまま作業を進めてくれた
「ふぅ…危なかった」
俺は手鏡で山村さんの姿を見た。
ロングヘアーだった山村さんがセミロングになっている。
そして茶髪に。
これだけでも随分イメージが違って見える
「フフ…これも可愛い!」
自分で自分を可愛いと、嬉しそうに言って、
俺は再び家へと戻った。
「さて…」
俺は山村さんのメイクを思い出しながら、
人生で初めての化粧をした。
いつもより少し化粧を濃く、
口紅もつけてみた
「うわ~~~色っぽい!」
鏡の中の山村さんが妖艶な笑みを浮かべている。
真面目な山村さんがこんな姿になるなんて…
別人みたいだ。
そのまま俺は続けた。
控えめなロングスカートが多い山村さん。
だが、俺は超がつくほどのミニスカートを注文しておいた。
それを穿いてみる。
綺麗な足があらわになった。
「うわ~~~~すご~~い!」
わざとクルっと一回転してみる。
もはや見えてしまいそうだ。
さらに、服も控えめな印象が多い山村さんだったが、
少し派手目の胸を強調した服装を注文しておいた。
「うわーーやっべぇ…もうコレ山村さんじゃないよ!」
鏡の前には妖艶な笑みを浮かべる…
見たこともない山村さんが立っていた。
俺はさらにネックレスを身に着け、
ピアスで耳に穴を開けた。
「ごめんね…山村さん!」
勝手に人の耳に穴を開けるのは気が引けたが、
こんなところで躊躇していられない。
そして、薄いタイツを穿き、わざと絶対領域の部分を強調し、
最後にハイヒールを取り出し、
メガネを外してコンタクトレンズを入れた。
鏡を見る。
そこには、、別人となった山村李緒が立っていた
「フフ…これが新しい私・・・」
茶髪のセミロング。
色っぽい化粧にピアス。
胸を強調し、ミニスカートをはき、ハイヒールをはく その姿は
もはや李緒ではなかった
「…さ、、これからクレームつけに行っちゃいまーーす!」
満面の笑みで山村李緒は家を後にした。
③へ続く
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