失恋の報復、最終回です!
果たして里香の運命はーー?
憑依の先に待つものはーー?
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廃工場にやってきた俺は、
微笑んで言った。
「ついたよ」
里香の友人の松本さんは、警戒心を
露にしている
「何…ココ?
ここに何があるの?」
「アンタさ…」
俺は、自分の本性を隠そうともせずに言葉を発した。
突然、アンタと呼ばれて動揺しているのが分かる
「…新庄君のこと、馬鹿にしたよね?」
「え?」
松本さんの表情に困惑の色が浮かぶ。
「…ど、どういうこと?
何で今、新庄君の話なんか?」
「「新庄君って、態度悪いし、なんか怖いよね。」 って、
言ったよなぁ!」
里香の乱暴な口調に松本のヤツは、うろたえている
「え…・・・
ど、、どうしたの里香!」
俺はその様子を見て笑みを浮かべ、
待ち伏せさせていた地元のワル三人を呼び出した。
「おぅ、好きにしていいぞ」
里香の可愛らしい声が廃墟に響き渡る。
最も、話している内容は本来の里香なら絶対に
口にしないような内容だが。
「いや、、やめて、、助けて!」
男3人に囲まれ、乱暴されようとしている松本のヤツが
おびえて、なきながら俺に嘆願する
俺は不良仲間から貰ったタバコに火をつけた。
里香の体はいまやすっかり、タバコにも病みつきになっている
「…罰は受けなくちゃね」
里香は、俺の意思のままに、邪悪な笑みを浮かべた。
用意してあった椅子に座り、
色っぽく足を組む。
ミニスカートであるが故に、その足は大胆に露出されている。
可愛い子がタバコをふかしながら、
友達が犯されていく様子を満面の笑みで見ている
「……り、、、里香!どうしちゃったの!」
仲間に乱暴されながら松本は俺に叫んだ。
「…教えてやるよ。。
実はよ、、俺、新庄なんだよ」
里香の言葉に、言葉を失う松本。
「…え…どういう・・・こと…?」
俺は、里香の体で勝ち誇ったような笑みを浮かべて
言い放った。
「方法は教えないけどよ、俺はコイツの体に憑依して
乗っ取ることに成功したんだよ。
見ろよ!今じゃ里香は全部俺の思い通りだぜ。
こうして色っぽい服装を着たり、
ミニスカートで足を露出するのも、
タバコを吸うのもな!
あははははははは!」
狂ったように笑う里香を見て、絶句しているようだ。
「お前も里香みたくなりたくないだろ?
なら、黙っとけよ。
このことはな…
誰かに言ったら、今度はお前の体をもらって、
里香みたいに壊してやるからな」
不良顔負けの恐ろしい声を出して俺はそう言った。
松本のヤツ、放心状態で言葉も出ないようだ。
俺は再び椅子に座り、満足そうにその様子を見つめ続けた。
ーーもしも里香が見たら、
すぐにとめに入るだろう。
だが、俺の意思によって、その里香が嬉しそうにその様子を見ている。
…たまらねぇ。
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夜、俺が帰宅すると、
母親が「最近遅いのね…」と心配そうに俺を見た。
「…何したって、私の勝手でしょ」
愛想無く、言い放ち、俺は2階へと向かう。
既にメイドカフェでの稼ぎがかなり増えている。
じきに家族も学校も捨てて、一人暮らしを始めるつもりだ。
里香の体がありゃ、金なんていくらでも手に入る
「ウフ…私なら男の人なんていくらでも…」
妖艶な声で俺はわざとそう呟いた。
・・・自分の部屋に戻ると、そこには弟の孝雄が居た
「・・・何、人の部屋に入ってんのよ」
俺が、怒りをこめて言うと、孝雄が振り返った。
そこにはーーー
憑依薬の容器が握られていた
「なっ…勝手に触るな!」
里香の声で俺は、弟を怒鳴りつけた。
「…最後のチャンス…。
お姉ちゃんを…返して」
孝雄は意を決した目で言う。
俺は孝雄を無視して松本に乱暴した際の行為で汚れた服を脱ぎ捨て、
何回か着たショートパンツに履き替えた。
いつ見ても里香の体は綺麗だ。
自分で自分の足を狂ったように触る。
時間を稼ぎながら俺はこの状況をどう打開するか考えていた。
ーー里香のヤツを解放?
確かにそれは可能だ。
「憑依薬」を人に憑依した状態で飲めば、
その憑依している人物は外にはじき出される。
最初に俺が飲んだときとは違い、憑依された側の人間は
死ぬことは無いらしい。
そして俺はまた新しい体をさがすことはできる。
だが…
俺は鏡を見る。
「こんな可愛い体…返すわけないだろ」
俺は里香の声でそう呟いた。
「そう…じゃあ」
すると孝雄が憑依薬のボトルを開けた。
「なにを…?」
コイツ、何をするつもりだ?
そう思った瞬間に、俺は思い出した
”一つの体に憑依できるのは一人だけ
2人以上憑依した場合、先に憑依していた
魂が消えてしまう”
そう、説明書に書いてあったことを。
つまり、、もし孝雄が薬を飲んで、
里香に憑依したら、、
消えるのはーーーー
ーーー俺
「や、、やめろ!!!!
お前、それ飲んだら死ぬぞ!
自分の体を失うぞ!」
鏡の中の里香もうろたえている。
そうだ、、、俺が里香なんだから当たり前だ
「…おねえちゃんを助けるためなら、
それでもいい」
もう孝雄は薬を飲んでいた。
そして、孝雄が倒れる
「や、、、やめろ!やめろ!!!
やめてくれぇーーーー!」
里香の声で見苦しく、汚い言葉で絶叫した。
そしてーーー
何かが入ってくる感触がした
「やめ…」
そしてーーー
俺の意識はーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
もう、、何も考えられなくなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1週間後。。
「おはよう里香」
「うん、おはよう」
松本香苗と金井里香が挨拶を交わす。
「でも良かった~本当に…
里香が元に戻って」
「うん、、ごめんね。色々迷惑をかけて」
里香はいつもの笑顔を取り戻していた。
そして、本来の優しさもーーーー。
メイドカフェでのバイトも辞め、
不良たちとの関係も経ち、
”元の自分”を取り戻したのだった。
「…うん、じゃあまた明日!」
「バイバイ!」
そう言って、里香は家の帰路につき、
帰宅した。
「ただいま~」
台所の母に挨拶を済ませる。
そこには仏壇が増えていた。
弟の孝雄の仏壇だ。
憑依薬を飲んだ彼の肉体は死んでしまった。
あのあと、里香に憑依した彼は、
そのあと里香の体から出るために、憑依薬を再び手に…
ーーー部屋へ戻った里香は、
一人笑みを浮かべた
「……」
タンスにしまってあったチャイナドレスを出し、
それに着替えた。
新庄が里香の体で購入したものだ。
自分の太ももや胸を見て里香は嬉しそうに笑みを浮かべる
「…ごめんね お姉ちゃん」
鏡を見ながら里香はそう呟いた
「…これからは僕が里香として生きていくね…」
弟の孝雄は姉を救うために憑依薬で姉に憑依した。
そしてすぐに憑依薬をもう一度のみ、
別の姉から出て、別の誰かに憑依するつもりだった。
だが、、あの日。
里香に憑依したとき、
ショートパンツと誘惑する服装を着ていた里香を鏡で見て、
孝雄は興奮してしまった。
そして、一人、行為に及んでしまい、
病み付きになってしまった。
もう、、この体から出ることは考えられないーーー
孝雄はそんな考えに支配されてしまったのだった。
里香は自分の綺麗な手を自分の舌でなめた
「最高だよ…おねえちゃん」
鏡の中の里香に向かって、里香はそう呟いた・・・
おわり
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あとがき
救いがあるのかと思えば、
救いの無いお話になってしまい(?)ました。。
助けるために憑依した弟君も、
憑依という魅力に取り付かれてしまったようです。。。
このあとどうなってしまうのかはご想像にお任せデス!
ご覧頂きありがとうございました!
コメント
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自分なんかもう憑依能力こそ至高って思ってますから。
なので一番凄いと言うか強いのは、憑依のような巨大な闇に打ち勝つ事かも
例えるなら、ドラクエダイのヒュンケルみたいな感じかな。