憑依小説 失恋の報復⑤

里香の体を使って、
自分を笑った親友を地獄に落とすー。

狂気の笑みを浮かべ、里香は行動を起こしたー。

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俺をバカにした辻本のヤツを葬る。

里香の体を使えば簡単なことだ。

普通の女子は考え付かないことだろう。
だが、俺にはそれが出来るー。

俺は、里香に憑依したあと、里香の記憶を引き出すことが出来た。

バカらしい勉強など止めたー。
女であることを武器に、
男を誘うような格好や仕草を学んだー。

だが、俺はあることだけは徹底していた。

それはーー
”先生からの評判を落とさないこと”

何故かー。
その方が色々とやりやすいからだ。

何をしても、
俺が”金井里香”であるというだけで、
疑いの対象にすらならないのだ。

ーー勿論、そのうちボロが出るだろう。
だが、その時は高校なんて辞めてやればよい。

この体ならーーー
金づるはいくらでもいる。。

放課後ーー

俺は辻本を空き教室に呼び出した。

「ねぇ、、辻本君」
わざと、甘えるような声を出す。

里香は、こんなこと、絶対にしなかっただろう。

「…な、何だよ 話って?」
辻本は既に顔を赤くしている。

「私、最近、色々うまくいかないことがあって、
 ちょっとイライラしちゃっててね・・・」

上目遣いで辻本を見る。

「…私を、滅茶苦茶にして欲しいの」

里香の体で搾り出せるだけの
色っぽい声で辻本を誘った

「マ…マジかよ でもよ、学校じゃ…」
辻本がうろたえる

「大丈夫よ…・・・
 ここなら誰も来ない」

辻本の体にわざと触れる。

「ホラ…早く…私、我慢できない!」

そういうと、辻本が目の色を変えて
俺を押し倒した!

「私を…楽しませてね ウフフ…」

「あぁ、あぁ、勿論だぜ!
 あぁ、、金井さんは最高だ!

 そういや、金井さんさ、
 新庄のバカ どうして振ったんだよ?」

辻本が聞いてきた。

ーーーー。

「……」
俺は言葉を詰まらせた。

俺は知っているーー。

里香の記憶を全て引き出したのだから、当然だ。

そう、、答えを知っている。。

その答えはーーーー。。。

いや、もういい。
どいつもこいつも俺をバカにしやがって。

里香は、俺が憑依して、俺のモノになった。

そして辻本、お前はこれから葬ってやるよ

「あん!気持ちいい…」

少しあえぎ声を混ぜながら、俺は密かにスマホで
里香の親友の松本さんにLINEを送った

「助けて……3階西校舎の空き教室…」

と。。

「ほら…もっと、、あぁぁ!私を、、楽しませて!」

教室にある鏡が目に入る。

里香は顔を真っ赤にしている。
乱れきっている。

俺は自分で興奮した。

そう、里香も喜んでいる。
もう、この体は俺の思うがままなんだ

「あは、あははははは!ひゃあ!ううぅ…気もちいい!」

その時だった。

「・・・おい、辻本!」

「り、、、里香!」

空き教室に生活指導部の教師と友人の松本さんが入ってきた

俺はとっさに涙を流した。
もちろん、芝居だ

「…うっ…う…助けて・・・」
わざとか弱い雰囲気を装う

「えっ…ちょ・・・」
辻本がうろたえる

「…お前…」
先生が辻本をにらみつける。

「ち、、違う!金井さんが!」
辻本が慌てて俺を指差したが
先生が「バカが!そんなことあるわけないだろうが!」と
怒鳴りつけ、そのまま辻本を生徒指導部へと連行した。

「大丈夫…?」
服を脱がされた俺を(正確には自分で脱いだのだが)
心配する松本さんに、
涙ぐんだ顔を向けて、うなずいた。

しばらく松本さんは俺を慰めてくれた。

そして俺が落ち着いたのを見計らって、
生活指導部の様子を見てくる、と松本さんは立ち去った。

「…プッ…女ってすげぇな」
里香の可愛い声で言う。

「男の言い分なんかダメも信じない」
鏡を見る。

そこには、優等生だった里香の姿はなく、
悪巧みの笑みを浮かべる里香の姿があった。

「ウフフ…私は金井里香。。
 こんなに可愛いんだもんね・・・

 この体があれば、何でも出来る・・・

 あは、あはははは、」

俺はたまらなく興奮した。

こんなにばら色の人生が待っているなんて。

優等生だった里香をここまで堕とすことができたなんて。

笑いがこみ上げて止まらない

「ウフフフ、あはは、あははははははは!」
里香のかわいらしい、そして狂った笑い声が空き教室に響き渡った。

⑥へ続く

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憑依<失恋の報復>

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