憑依小説 昆虫の逆襲③

”クィーン”と名乗る昆虫に乗っ取られてしまった彼女。

果たして彼女を救う手立てはあるのか…。

そして、自分自身も助かる方法はあるのだろうか…。

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俺は縛られていた…。

玲奈が突然口の中から、糸のようなものを吐きだし、
その糸に俺が縛られてしまったのだ。

俺は縛られながら思う。。
玲奈は…大丈夫なのだろうか?

俺は自分のことよりも、
玲奈の体の事を心配していた。

「…私が心配?」
玲奈がいつものような優しい様子で言う

「……あぁ、心配するさ」
俺がそう言うと、
玲奈が突然、俺をなぐりつけた。

「私たちは殺しておきながら?」
玲奈は不気味な笑みを浮かべて言う。

「私たち…?」

そう言うと、もう一度グーで玲奈は俺をなぐりつけた。

暴力なんて絶対にイヤ!
なんて言っていた玲奈に殴られるなんて…。

「…そうよ。今までどれだけ殺した?」
玲奈は憎しみの視線を俺に向ける。

そうか…今の彼女の中には
クィーンとかいうあの君の悪い虫が居るんだった。。。

私たち…とは
虫の事か。

玲奈はなおも俺を殴る

「どう?自分の大切な彼女を奪われて、
 自分が見下していた虫にこうやって
 殴られる気分は?」

玲奈は俺を罵った。

「……何故、人の言葉が分かる?」

純粋な疑問だった。

玲奈はバカにしたように笑った。

「ん?この女の記憶、全部、私が
 読み取ったのよ…
 まぁ、当然よね?

 この女の脳も支配してるんだから。」

玲奈は頭を指さしながら言う。

そして再び俺を力強く殴った。

俺は痛みに必死に耐えていた。

ふと玲奈の右手を見ると、
俺を力強く殴りすぎたせいだろうか…。
少し皮がすりむけて出血している。

指も内出血しているように見える。

「おい…もうやめてやってくれ」
俺は玲奈が傷ついていることを指摘した。

「俺ならどうなってもいいから…
 玲奈を解放してくれ」

そこまで言うと、玲奈がニヤッと笑った。

俺の背筋に悪寒が走る。

「そっか…自分よりコイツが大事なわけね」

そこまで言うと、玲奈は突然 髪の毛を狂ったように
引っ張り始めた。

トレードマークのポニーテールはくずれ、
整っていた髪はボロボロになる

「なら…お前の目の前で、この女を壊してやる」
玲奈はボロボロになった髪でそう言うと、
台所から包丁を持ち出した。

「お。。。おい何を!」
俺が叫ぶと

玲奈は満面の笑みで自分の腕に包丁を刺した

玲奈の腕から血が流れる

「…どう?」
玲奈が邪悪な笑みを浮かべてこちらを見た

「おい!やめろ!やめろ!やめろ!」
俺は全身でもがいた。
人生で一番力を振り絞っただろう。

しかし、糸は切れなかった。

玲奈は続けて足と腹部に包丁を刺した。

信じられないぐらいの血が出ている

「やめろ!!!!やめろ!!!」
俺は泣き叫んだ。

だが玲奈は苦しみを感じていないかのように
立ち上がり、こちらに近づいてきた。

「神経を遮断しているから…
 痛いのはこの女だけだ」

血を流しながら玲奈は笑う。

「やめろ…玲奈はいつも、虫を逃がそうと言っていた」

俺は必死にそう言った。

「ふぅん…じゃ、、、望み通り解放してあげる」

目の前の玲奈はそう呟いた。

④へ続く

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