意識は混ざり合う。
もう、誰にも止められない。
そう、加奈自身にもー。
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その日を境に加奈は豹変した。
美優に加奈を止めることは出来なかった。
彼氏の高藤は奪われてしまい、
加奈は美優の事を馬鹿にするようになった。
「あんたさ…、私のコト、馬鹿にしてたよねずっと?」
昼休み。加奈が美優に因縁をつける
「そ…そんなこと!
加奈ちゃんの事は今でも大切な友達だと…」
美優がそこまで言うと、
加奈が机を勢いよく叩いた
「そういうの…本当にウザいんだけど…」
ついこの間まで笑って話せる間柄だった加奈。
一体加奈はどうしてしまったのだろう…。
「か…加奈ちゃん」
美優はただただ、変わり果ててしまった加奈を前に
唖然とするしかなかった。
異変はそれだけでは無かった。
あれだけ優等生だった加奈が授業をさぼりがちになった。
そして、男を誘うような行動が増えた。
外見も化粧が濃くなり、少し派手になった印象だ。
本当に加奈は一体どうしてしまったのか?
「…ブス」
加奈は美優にそう言い放った。
「加奈・・・」
美優は、悲しくなって、思わず涙をこぼしそうになった。
ずっと仲良しだった加奈に…何があったのか…
そんな折、美優はクラスメイトから噂を聞いた。
加奈がおかしくなる少し前、加奈が
殺人・暴漢の罪で逃亡中だった男の
死亡現場に居たと言うのだ。
そこで悲鳴をあげていたと。
そういえば確かにそんな事件があったと聞いた。
その時のショックで加奈は壊れてしまったのだろうか…
それとも…
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自宅
近頃の加奈は高藤を部屋に連れ込んでは、
行為を繰り返す日々を続けていた。
今日も加奈は乱れきった様子で恍惚そうな表情を浮かべている
「あぁ…あぁん…♪気持ちイイ…」
力を使い果たしたという様子の加奈を横目に高藤は言う
「まさか…加奈がこんな子だなんて思わなかったよ」
そう言いながらも高藤はうれしそうだ
「うぅ…ん
私もよく分からないの…
なんだか急に今までのことなんかどうでも良くなっちゃって♪
勉強なんかもういい。
私は私の思うままに生きるの
はぁ…ああ♪」
うっとりとした表情で加奈は言う。
高藤もおかしいとは感じていた。
しかし加奈の甘い誘いについつい乗ってしまうのだった。
夜。
加奈は夜も一人で一人で行為を繰り返すことが多くなっていた。
最近は自分のタイツをびりびりに破ったり、
部屋の鏡で自分を相手に激しい行為に及んだり、
周囲に喘ぎ声が響き渡ろうとお構いなしだった。
両親もそんな加奈の様子に困惑していた。。
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翌日。
放課後、美優は加奈を空き教室に呼び出した
「何よ…」
やってきた加奈は美優を睨みつける。
「加奈・・・
もしかしてあの日の死亡事故見ちゃったことで
何か悩んでるの?」
そう言うと、加奈が笑った
「あはは、、
最初は怖かったけど、今は全然」
加奈は笑う
「あの時ね…私 血まみれで苦しかったの…
でもね、気づいたら私は私の中にいた。
最初は何が何だかわからなかった。
自分の中に何かが入ってくる感じがして怖かった
でも…違ったの。
今はね…うれしい…
だって、私、あの事故の時、死んじゃうと思ったのに、
いまこうしてここにいるんだもん」
加奈は満面の笑みで語る
イマイチ要領を得ない。
死んじゃう…?
どういうことなのか
「加奈・・・?あの日、ひかれでもしたの?」
美優は尋ねる
「違うよ、馬鹿じゃないの!
私はね……
あれ……私・・・???」
加奈が突然 困惑した表情を浮かべる
「あれ…私…車を運転してたんじゃない…
え………私・・・・・・あれ?」
加奈が恐怖に満ちた表情を浮かべる
「加奈!どうしたの!ねぇ!」
美優が加奈の方に近寄る
「私・・・私は加奈・・・?
私は幸雄…あれ…何これ・・・何これ・・・
あぁ…もうでもいいじゃない…
あぁぁ…気持ちイイ♪」
そこまで言うと加奈はうれしそうに自分の体をいじりはじめた
「私は加奈だし…私は幸雄だし・・・
あはは、あははははは!」
狂ったように加奈が笑い出す。
「・・・な、何なの…」
美優が困惑する
そして加奈は微笑んで美優の方を見た
「私ね…あの日、見た死亡事故の男の人の
記憶と魂が混ざっちゃったみたいなの…
ウフフ…
二人分の記憶と人格が混ざり合ったっていうのかな…
あは、あははは!」
美優はその言葉を聞いて愕然とした。
まさか、、そんな馬鹿なことが…?
「ね、、ねぇ!加奈を返してよ!」
美優は咄嗟に叫んだ
「何言ってるの~~私は加奈だよ!
ただね~~混ざっちゃったの私。
だから女の体で興奮するしぃ?
あの人の悪い部分が私の中に入ってきて、
優等生じゃなくなっちゃったの!
はぁあああん あぁあああああ♪」
自分の体をいじりながら、喘ぎ声をあげる加奈
「そ…そんな…加奈・・・?」
美優は絶望するしかなかった。
そんな美優の様子を見て
加奈は馬鹿にするような笑いを浮かべて立ち去ってしまった。
「・・・・・・私は、、どうすれば…?」
美優はただ、その場に立ちすくむことしかできなかった。。
⑥に続く(次回最終回)
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