この世には、決して”戻れない”ものがあるー。
香織は、もう戻れないー。
優等生の転落、最終回!
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「あ、あはははははははははは!」
笑い続ける香織。
たまらず浦野が声をかけた
「お、おい、大丈夫かよ」
その言葉を聞いて、香織が振り返った
「だぁ~~いじょうぶよ」
香織がなおも笑っている
浦野は、怖くなりつい口にする
「お、おい井浦…どうなってんだよ?」
小声で言う
「井浦?」
高野が反応する。
「井浦~~あははははは!
私をあんなヤツと一緒にしないでよ、
私は城咲 香織だし~~」
狂ったようにハイテンションな香織。
「な…」
浦野は驚く。
確かに城咲の中には井浦がいたはず。
一体、どうしてしまったのか?
ふと思い出す。
そういえば、あの薬…
”副作用”があると書いてあったような…
「し・・・城咲さん?」
高野が声をかけると今度は高野の方を向く
「あは…高野君~~
高野君みたいのいじめると楽しいよね~~~
あっちの浦野もそうだけどさ~~~!
人が苦しんでるのって超最高!
あはははは、あはははははあ~~~」
なおも香織は狂ったように笑っている
「し・・・城咲さん」
「城咲さんに何をしたんだ!」
高野が怒っていう。
浦野にもわからなかった。
浦野は動揺して真実を話す。
「な・・・なんてことを」
高野はショックのあまり、その場に座り込んだ
「ありがとっ 浦野君~~~
おかげで私は本当の自分に気づけたから
ああああぁぁ 最高っ!」
そう言うと、香織は空き教室を立ち去った。
「城咲さんーーー」
「井浦ーーー」
残された二人はただただ唖然としていた。
それから数週間。
すっかり変わってしまった城咲香織は、クラスで孤立した。
しかもそれもお構いなしに、周囲への嫌がらせを繰り返す。
優等生だった城咲香織は今やすっかり問題児になっていた。
城咲香織を乗っ取ったはずの井浦は消えてしまった。
そして城咲香織は城咲香織ですら無くなってしまった。
井浦でも香織でもないーーーー
今の彼女は一体…。
高野と浦野は、大切なものを失った傷をなめあうかのように、
仲良くなっていったのだという。
おわり
コメント
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後味悪いけど、浦野みたいに自業自得的になるのも面白い。何せ普通なら奴も得をするはずだったのだから
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> 後味悪いけど、浦野みたいに自業自得的になるのも面白い。何せ普通なら奴も得をするはずだったのだから
ありがとうございます^^
この後が色々と大変でそうですね・・