例の老婆と出会った始まりの場所へとやってきたーー。
果たして、優香を救い出すことはできるのかーー。
ペンダントに宿る魂、最終回です!
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私は優香に連れられて、あの日、例の老婆と
会った場所に来ていた
「私の為に、こんなところまで来てもらっちゃって
ごめんね~~~??」
優香が挑発的に私を見る
「…これ以上、優香で遊ばないで。
優香はそんな子じゃない」
私が、優香を睨みつけるつけると、
優香は馬鹿にしたような笑みを浮かべた
「そんな子じゃない?
ははっ、ウケるんですけど…
昔の記憶もちゃんとあるのよ?
今や私が優香そのものなの。
わかる~~?
あ、馬鹿だからわかんないか!
ごめ~~~ん!」
度重なる挑発に、既に私の我慢は限界だった。
思わず、優香の頬にビンタをくらわせてしまった
「…って~~調子乗るんじゃねーよブス!」
優香が豹変した。
いやーー
これが中の男の本性なんだろう
優香が私の胸倉をつかんで言う。
その力は優香のモノとは思えないような
力だった
優香が私を睨む
「お前、自分の立場分かってねぇだろ?
俺に説教できる立場だと思ってんのか?
あぁ??」
優香が可愛い声で凄む。
元の優香であれば、
こんな言葉、一生口から出すことは無かっただろう。
そう思うと、くやしさが込み上げてきた。
優香がーー
自分の意思に反して、とんでもない事をさせられている。
それなのに、目の前の優香はとても楽しそうにしている。
ーこんなの間違ってる
絶体に許せない。
私は負けじと優香を睨みつけて言った。
「早くしないさいよーー
優香の体を返して。。
代わりに私のところに入ってきてみなさいよ!」
抑え込めるーーー
私は昔から頑固だったーーー
こんなヤツに乗っ取られはしない
「あは、、あはははははは!」
突然、目の前の優香が笑い出した
そして、どこから手に入れたのかポケットから
タバコを取り出して、口に咥えた。
「ちょっと!やめなさいよ!」
私が叫ぶのを無視して、優香は煙草に火をつけた
「自分の体、
どうしようが勝手でしょ?祥子」
優香が色っぽく言う。
「自分の体って…
これから返すんでしょ!」
私が言うと、背後から別の声がした
「ようやく来たのかい」
あの時の老婆だった。
老婆はあの時と同じ、ペンダントを持っている
優香は嫌らしい笑みを浮かべてこちらを見ている
「、、さっさと優香の体を返して!
そして、アイツを…」
私が言うと、老婆がニヤッとした。
直感的に嫌な予感がした。
突然、後ろから抑えられた。
優香だ。
「ちょ、何するのよ!」
私が叫ぶと優香が私を踏みつけて言った
「女王様とお呼び…
な~んちゃって!」
私を踏みつけ、見下すような視線で優香が言う
「アンタ、馬鹿ね…
こんな可愛いからだ、返すわけないじゃない。
これから俺が…
いや、私が優香として生きていくのよ。。
この体なら、、男にも困らないだろうし、
金も稼げるからね」
優香が笑みを浮かべる
「えっ…アンタまさか!」
もう手遅れだった。
次の瞬間、老婆があの時のペンダントを私に無理やりつけた。
ペンダントが光る
そしてーーー光の中でーーー
私は何も考えられなくなっていたーーーーーーーーーーーー
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1週間後。
「おはよう、祥子」
優香が親友の祥子に挨拶する
「あ、優香おはよう」
祥子が返事をする
「そういえばさ~
昨日一晩遊んできたんだけど、
出会い系の男ってホント クソばっかり!」
祥子が言う。
「あはは、そんなもんだよ。
あ、そうそう私、メイドカフェでバイト始めたよ!
店長に色目使ったらすぐ合格だった♪」
優香がうれしそうに言う。
祥子も優香も、
普通に生きていれば、そんな事絶対にしなかっただろうー。
そして、そんな事考えもしなかっただろうーー。
老婆のペンダントによって、
行き場をなくした犯罪者の魂を、入れられてしまった
二人は変わってしまったーーー
そして、もう2度と、引き返すことはできないーーーー
おわり
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