憑依された朱里は止まらないー。
男の意思と復讐心に支配された朱里がとった
驚きの行動とは…
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雪村朱里は、深夜のコンビニで一人制服を脱ぎ捨て、
自分の私服へと着替えていた。
彼女は今、このコンビニで以前バイトをしていた男に
憑依されている。
今の彼女は雪村朱里であって、雪村朱里ではない。
体も、思考も全てを男に乗っ取られているのだ。
「へぇ…いいもんだな」
可愛らしい声で朱里はそう呟く。
男にとって、スカートをはくのも、タイツをはくのも
はじめての経験だった。
それがたまらなく男にとっては面白かった。
「っと、遊んでる場合じゃねぇよな」
朱里は、その外見には似つかない乱暴な口調で話す。
普段絶対口にしない言葉を口にさせられているのに、
朱里はとてもうれしそうな笑みを浮かべている。
勿論、それは彼女の意思などではない。
「さて…」
私服に着替えた朱里はコンビニ制服を靴で踏みつける
「こんな、けがわらしい服、着てられるかよ」
朱里は憎しみをこめて、今まで自分が着ていた制服を
踏みにじった。
朱里は、店内の方に目をやる
「俺を不当解雇したバツだ」
朱里はそう呟くと再び笑みを浮かべて、
お菓子を陳列している商品棚を思いっきり、押し倒した
棚がいきよく倒れる
「ひゅう!たまらねぇ!」
朱里は無邪気に喜ぶ
自分をクビにしたコンビニに対する攻撃。
それをこんなにかわいい子にさせている。
そして、この朱里という娘は、とんでもない行為を
嬉々としてやっている。
それだけで男は興奮した。
「こ~んなコンビニ、めっちゃクチャにしてあげるんだから♪
ウフ♪」
わざとらしく、女の口調でしゃべる。
朱里は次々と乱暴に商品棚を倒していく。
陳列されたおにぎりやサンドイッチを床に投げ飛ばし、踏みにじる。
この娘が、自分でこんなことをしていると知ったら
ショックで倒れてしまうのだろう。
幸い、この時間にはほとんど客など来ない。
自分も以前、この時間にバイトをしていたからよく知っている。
朱里はひととおりの商品棚を倒し終えた、
店内はもはやめちゃくちゃだ。
「あ~あ、いい眺め♪」
朱里は嬉しそうにジャンプしながら言う。
手にすり傷が出来ている。
なりふり構わず商品を投げ飛ばしたときにけがしたのだろう。
少し血も出ている
しかし、朱里は気に留める様子もなく、手を自分の舌でなめた
「私の体じゃないしねっ!」
朱里はそう言うと、手をなめまわした。
「ちょっと休むか」
そう言うと、朱里はだるそうにカウンターへと向かって行った。
スカートに踏みつぶした弁当の具材などが飛び跳ね、
汚れている。
朱里はそれに気づき、
自分のスカートを舌でなめ始めた
「ウフフ…私ったら、これじゃあ、ヘンタイね」
朱里は自分で、おかしな言葉を口走る。
もはやそこに雪村朱里の面影など無いーーー
そこにあったのは、
復讐に燃え、狂気に染まった女子大生の姿だった。
「っと…これが無くちゃな」
男言葉で話し始める朱里。
朱里はカウンタ-の上に座り、たばこを吸い始めた
「ゲホッ…」
朱里がむせる。むせるのも可愛らしい
「ったく、この娘、たばこすわねぇのか。
・・・・ま、いいか」
朱里は生まれて初めて数であろうたばこを
美味しそうに吸った。
「はぁーーたまんねぇ」
朱里はそう言うと、酒売り場の方へと移動して、
おもむろに高価なワインを開けた。
「1回やってみたかったんだよな、一気飲み」
朱里は祝杯と言わんばかりの態度で
ワインを一気飲みした。
朱里の顔が赤くなる。
整っていたロングヘアーの髪は乱れ、
その表情はだらしない。
清楚な印象を与えるロングスカートは汚れている。
「…っと、そろそろ次のヤツが来る時間だったな」
朱里はそう呟くとニヤッとした。
ーーその時だった。
コンビニに男が入ってきた
「お、、、な、、、なんだコレ」
男が異様な光景を見て、驚きの声を上げる
「あ、、、朱里?」
男は朱里の名を呼んだ。知り合いなのだろうか。
「何、アンタ?」
朱里は鋭い目つきで男を睨みつけた。
「…お、、おいどうしたんだよ?」
無茶苦茶になった店内。
乱れきった朱里の姿を見て男ーーー
そう、雪村朱里の彼氏である、
その男は戸惑っていた。
その様子を見て朱里が邪悪な笑みを浮かべる。
「そろそろこの女から出て行こうと思ってたけど、、
もう少し遊んでからにするか」
朱里が彼氏に向けた笑顔はーーー
朱里本来の優しい笑顔ではなく、
悪意に満ちた笑顔だった。
③に続く
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