憑依復讐！コンビニバイトの悲劇①

深夜のコンビニバイト。

一人、コンビニ店内で仕事を続ける彼女に、
ある異変が起きた…

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深夜のコンビニ。

雪村　朱里（ゆきむら　あかり）は
一人、深夜のアルバイトをしていた。

「あ～あ、一人なんてやだなぁ…」
朱里は一人、呟く。

深夜のコンビニバイト。

しかも、女子大生一人。

側から見ればかなり危険なシフトの組み方だ。

このコンビニオーナーは、
何を考えてこのシフトを組んだのだろうか。

「ん～～お客も来ないしなー」
朱里は一人、暇そうにカウンター内でウロウロしていた。

ロングヘアーがよく似合う朱里は、
大学の中でも、人気が高い。

そんな私が何でこんな深夜に一人でバイトしてるんだろう…
と言いたげな表情で一人、バイトをしていた。

そんな彼女の様子をコンビニの外の窓から見つめる男がいた。

年齢は同じ大学生ぐらいだろうか。

男は呟く

「誰だか知らないけど…悪く思うなよ」

男がポケットからトランシーバーのような形の端末を取り出した。

「…本当に効果あるのかよ…？
　ま、無かったらなかったでまた別の手を考えるけどな」

男は呟いた。

男が持っているのは数日前に男がネットで購入した
憑依端末　なる謎の端末。

説明書きによれば人に向けて電波を発進すると、
一時的にその人に乗り移ることができるらしい。

「ウソつけ…」と思いつつ、
男は購入したのだった。

「…あのくそ店長め…
　目にモノ見せてやる」

男は、数か月前までこのコンビニのアルバイトだった。

しかし、レジの金額不足が発生した際に
濡れ衣を着せられ、クビにされていた。

何度も復讐してやろうと思った。
だが、そんな度胸は無かった。

…しかし、今は違う。
この憑依端末を手に入れた。

俺の代わりに、あの娘に復讐してもらうんだ。

別に誰でも良かった。
今日はシフトの都合上、アルバイト一人で勤務するという情報を
事前に手に入れていた。

男でも、女でも、、
復讐の道具に使うのは誰でも良かった。

たまたま、今日いるのがあの女だということだけだ

男は、憑依端末を起動した。

そして朱里にそれを向ける。

すると、男は激しいめまいを感じ、意識を失った。

「うっ…」
眼を開くと、そこはコンビニの中だった。

「え？もしかして本当に？」
俺は呟いた。

声が全然違う。
とてもかわいらしい声がする

「あーーー、あ、、
　え、、本当に　まじかよ！」
朱里が普段言わないような口調で、声を出す

「ハハ、すげぇや」
朱里（中身は男）はちらっと外を見る。

自分の体がコンビニの外で立ったまま、壁に
もたれかかっている。
ちょうどいい。

俺はニヤッと笑う。

普段のこの女が見せないような邪悪な表情で。

「さて…始めますか」
朱里は笑みを浮かべて、コンビニのカウンターから外に出た

「俺がレジからお金を盗った？
　ふざけんじゃねぇよ！」

朱里の声で一人怒鳴りつける。

普段のこの娘なら、ゼッタイにこんなことは言わないだろう。
真面目そうな雰囲気が漂っている。

ふと、コンビニ内にあった鏡に映った自分の顔を見る

とてもかわいらしい顔をしている。

そのかわいらしい顔がとても怒った表情をしている

「へーースゲーなおい。
　この子の全てが俺の思うままか」

何も気にせず、朱里の声で自分の思ったことを言う。

その時、自動ドアが開いた。

気の弱そうなおじいさんが入ってきた。

「チッ…」
朱里は舌打ちした。

これから面白いところだってのに…
邪魔すんじゃねぇよ

「あのーーすみません」
おじいさんがこちらを見る。

その視線に無性に腹が立った

「うるせぇんだよ！失せろ！」

朱里は恐らく今までの人生の中で出したことのないような
恐ろしい声で、おじいさんを怒鳴りつけた。

「え。。。ああ…」
うろたえたおじいさんはそのまま店の外に出ていく

「はっ…邪魔すんじゃねーよ」
外に出ていくおじいさんを見ながら朱里は笑う。

その言動にもはや、元々の朱里の面影はない。

「さて…」
朱里はおもむろに事務所に向かい、そこでシフト表を確認した

「雪村　朱里か…」
自分の名を他人事のようにつぶやく。

そして見ていたシフト表をびりびりに破り捨てて一人呟いた

「朱里、、今からこの店をぶっ壊しま～～す♪」
わざと可愛らしいしぐさをつけて、朱里はそう言い、ほほ笑んだ。。

憑依端末で憑依した男のなすがままに…。

②へ続く