<憑依>妙に綺麗な配達員さん①~想い~

彼は、いつも荷物を配達してくれる
配達員さんのことが気になっていたー。

しかし、彼は知らないー…。
その配達員の”重大な秘密”をー…。

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♪~~~

インターホンの音が響き渡るー。

その音と同時に、嬉しそうな表情を浮かべながら、
男子大学生の柿沢 礼司(かきざわ れいじ)は、
すぐに「はいー」と、応答するー。

礼司は、現在一人暮らしー。
その一人暮らしをしている家に、
”荷物”が届いたー。

ごくありふれた普通の光景ー。

しかし、礼司は妙に嬉しそうに
「お待ちくださいー」と、そう言葉を口にすると、
そのまま玄関の方に向かっていくー。

たった今、届いた荷物を”心待ち”にしていたのだろうかー。

いやー。そうではないー。
荷物自体は”生活必需品”を購入しただけで、
特にワクワクするようなものではないー。

食料品とか、シャンプーとか、歯磨き粉とかー、
そういった生活必需品を購入しただけだー。

彼が妙に嬉しそうに玄関の扉に向かった理由ー
それはー”届く荷物”ではなくー…
”配達員さん”が目当てだったー。

「ー柿沢さん、今日はこの2つですねー」
そんな言葉と共に、明るい笑顔を振りまくのは、
最近、この地域の荷物を届けている
女性配達員ー、神代 愛奈(かみしろ まな)ー。

かなり若そうな雰囲気で、
恐らくは礼司と同世代ー、あるいは少し年上ー…
ぐらいだろうかー。

とても可愛らしくー、そして綺麗なー、
そんな配達員だったー。

彼、礼司はそんな愛奈に一目惚れしてしまいー、
最近ではこうして、愛奈が配達に来てくれるたびに
心底嬉しそうにしているのだー。

「ーいつもありがとうございますー」
礼司はそう言葉を口にしながら、
その荷物を受け取るー。

”ー…向こうは仕事だ”ー
そんなことは当然、理解しているー。

こんな風に、配達員さんがやってくることに対して
ワクワクしていること自体、
迷惑だと思うし、礼司自身もそれは理解しているー。

ただー、それでもー…

そんなことを考えつつ、
穏やかに笑いながら荷物を受け取るー。

急に”こっちから”必要以上に距離を詰めようとすれば、
キモイと思われるだろうし、迷惑をかけてしまうことも
分かっているー。

だからーー
こうして荷物を受け取って、たまに雑談するぐらいで、
礼司は満足してー…いや、”するように”していたー。

そんな中、ふと、
配達員の愛奈の方から口を開いたー。

「ーそれにしても最近、暑いですよね~…
 急に変な天気になることも多いですしー」
愛奈が穏やかに笑いながらそう言葉を口にするー。

「ーえ?あ~、あぁ、ははー
 そうですねー。暑いですよねー」
礼司はそう言葉を口にすると、”そうだ”と、そう思いながら
「ちょっと待ってて下さいー」と、そう言葉を口にしつつー、
一旦部屋の奥の方に戻っていくー。

そして、冷蔵庫の中から
ちょうど数日前に購入したっきり、
飲んでいなかった500ミリリットルサイズのペットボトルのお茶を
手にすると、そのまま玄関の方に戻っていくー。

「ーーこれ、良ければどうぞー
 あ、飲みかけとかじゃないので、安心して下さい」
礼司はそう言いながら、
ペットボトルのキャップの部分がしっかりと未開封であることを示すと、
愛奈は「あははー。ありがとうございますー」と、
そう言葉を口にするー。

そしてーーー…
愛奈はしばらくそのお茶を見つめると、少しだけニヤッとしたような
表情を浮かべてから、礼司の背後に広がる空間ーー
礼司の部屋の中を見つめたー。

「ーあの、わたし、これで今日の配達は終わりなんですけどー…
 ーー少し、休ませてもらえませんかー?」

愛奈が突然、そんな言葉を口にするー。

「えっ!?えっ、す、す、少しや、や、や、休む!?」
突然の申し出に露骨に混乱したような声を出す礼司ー。

愛奈は「あ、す、すみませんーわたしってば変なことをー」と、
申し訳なさそうに言うと、
「ーただー、部屋の中から涼しい空気が流れて来てたので、ついー」と、
クーラーの力で冷えている室内の方に視線を向けながら、
”いいなぁ”と言いたげな表情を浮かべるー。

礼司は、そんな言葉にドキドキしながら
背後を振り返るー。

”何か、見られちゃ恥ずかしいようなものがあったかどうか”
頭の中で考えると、
”いや、大丈夫だなー”と、内心でそう呟きながら
再び愛奈の方に視線を向けるー。

「ーーべ、別に俺はいいですけどー…
 ただー」

”愛奈の方が本当にそれでいいのか”心配しながら、
礼司がそう言うと、
愛奈は「え?本当ですかー?柿沢さんなら安心ですし、
わたし、全然気にしませんから」と、そう言葉を口にすると
「お邪魔しますー」と、ぺこりと頭を下げた上で、
「ーあ、もし汗のニオイとかきつかったらごめんなさいー」と、
そう言葉を口にしながら、申し訳なさそうに家の中に入って来るー。

「ーーー~~~~~」
礼司はドキドキしながら、そんな愛奈の後ろ姿を見つめるー。

まさかー…
配達員の女性がこんな形で家の中に入って来ることに
なるとは思わなかったー。

ドキドキしながら、そんあ愛奈の後ろ姿を見つめる礼司ー。

やがて、部屋の奥に到着すると、愛奈は
「あ~~…涼しいー」と、嬉しそうに
クーラーによって涼しくなった部屋を堪能すると、
「ー本当にありがとうございますー」と、
そう言葉を口にしたー。

礼司は「い、いえー…特にこのあと用事もないので
好きなだけくつろいでくださいー」と、
そう言葉を口にすると、
そのままその場所から少し離れるー。

礼司は、配達員の愛奈のことが正直なところ、好きだ。

しかし、それと同時に、
”客”と”配達員”の立場であることも
重々理解しているー。

だからこそ、積極的な一歩を踏み出すことはなかったー。

がー…
まさかその配達員の愛奈の方から
こんな風に家の中に入って来るとは思わなかったー。

「ーーあ、の、飲み物かー、何かお菓子でも用意しましょうかー?」
礼司がそう言うと、
愛奈は「ーーあ!飲み物はさっき頂きましたのでー」と、
先程礼司が手渡したばかりのペットボトルのお茶を手に、
苦笑いして見せたー。

「ーーあ…あ…あぁ、確かにそうでしたねー…」
礼司は照れ臭そうに笑うと、
そのまま「お、お菓子ー、取ってきますー」と、
そう言葉を口にするー。

そんな礼司の後ろ姿を見つめながら
一人残された愛奈は邪悪な笑みを浮かべるー

「ククククー
 好きなんだろ?
 ”俺”のことがー」

愛奈はそう言葉を口にすると、
笑いを堪えきれない様子で、
足をその場で広げて
男のようなポーズでリラックスし始めるー。

「ま、俺もコイツは可愛いと思うしー、
 だからこそ、憑依したんだけどなー」
愛奈はそう言葉を口にすると、
ニヤニヤしながら嬉しそうに自分の手を見つめるー。

そうー、愛奈は”憑依”されていたー。

元々は愛奈は、アパレル関係の仕事を目指して
日々勉強していた女子大生だったー。

しかし、ある日、この男によって”憑依”されてしまいー、
大学を退学、今では運送業の仕事を続けているー。

”この仕事”を続けているのにも
もちろん”理由”があるー。

それはー…

「ーーお待たせしましたー」
ふと、そんな声が聞こえたー。

お菓子を取りに行っていた礼司が、
お菓子を用意して戻って来たのだー。

「ん、あ、あぁーはいー
 ありがとうございますー」
”これから先”のことを頭の中で思い浮かべながら
邪悪な笑みを浮かべていた愛奈は少しハッとした様子で、
そう返事をすると、
「ー急にお邪魔してしまったのにー、色々ありがとうございます」と、
そう言葉を続けるー。

「いえ、俺も特にやることはありませんでしたしー
 いつもお世話になっているのでー」
照れ臭そうにしながらそう言葉を口にする礼司ー。

そんな礼司を見つめつつ、愛奈は
穏やかに笑いながら
”必死に好意とかデレデレしてるのを隠してるつもりなんだろうなー…”と、
内心で礼司をあざ笑うー。

礼司としては好意を隠しているつもりなのだろうー。
しかし、女の立場からすればー、
いや、愛奈に憑依している男からすれば、
そんな感情はバレバレだー。

きっと、愛奈がこんな状態ではなく、
身体も中身も女の状態であったとしても、
同じように礼司の気持ちを察してしまったはずだー。

それほどまでに、礼司は分かりやすい反応をしていたー。

”さてーと、これ以上いきなりやりすぎると
 警戒されるかもしれないからなー
 あくまでも自然にー、だ”

愛奈は内心でそんなことを考えると、
そのまま適度に休みー、適度に礼司と楽しそうに
話をしながら、20分程度滞在した後に、
ゆっくりと立ち上がったー。

「お邪魔しちゃってすみませんー
 おかげで涼めましたし、大分疲れも取れました」

愛奈のその言葉に、
礼司は「あ、はいー。どういたしましてー
お役に立てたのであればよかったですー」と、
穏やかに言葉を口にしつつも、
どこか”残念そう”な表情を隠しきれていないー。

”まだ”好きな人と一緒にいたいという感情が
見え隠れしてしまっているー。

しかし、愛奈はそれに気づかないフリをして、
「ーまた、お荷物があればお届けしますねー」と、
そう言葉を口にしつつ、玄関の方に向かっていくー。

「ーーーいつも本当にありがとうございますー」
礼司は、日々、荷物を届けてくれる愛奈に感謝しつつ、
名残惜しそうに愛奈を見送ると、
愛奈も、家で休ませてくれたことに対する
お礼を口にして、そのまま立去って行ったー。

「はぁ…び、びっくりしたー…」
一人残された礼司は顔を赤らめながら
まだドキドキしている心臓のあたりを触りつつ、
深呼吸を繰り返すー。

「ま、まさか、神代さんの方からあんなことお願いして来るなんてー…」

礼司は、未だに信じられない、という様子で
愛奈が家の中に入って来ていた光景を思い出すー。

”配達先の人の家の中に入るー”
礼司からすれば”単なる客と配達員”の枠を超えているようなー、
そんな感じがしたー。

愛奈に好意を抱きながらも
”俺は客で、あっちは配達員”を弁えて、
今まで何のリアクションも起こしてこなかった礼司ー。

ただ、荷物を受け取って、
時々、天気やら暑さやら、
社交辞令のようにも感じられる雑談をしていればー…
それだけでも幸せだったー。

それが、まさかー…

「ーっていうか、女の人が俺の部屋に入って来たのなんてー…
 母さん以外、初めてだよなー」

礼司は未だに愛奈が家の中に入って来た現実を
夢のように感じながらそう呟くと、
思わず苦笑いしながら首を横に振るのだったー。

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「ーーーククー」
礼司が住むアパートから少し離れながら、
駐車場に停めてあった車に近付くと、
その車に乗り込むー。

「ーー…馬鹿なやつー」
愛奈は静かにそう呟くー。

”お前は、似ているー”
愛奈に憑依している男は、そう言葉を口にしながら
ハンドルを握ると、
「だからー…」と、静かに呟くー。

そして、ガムを噛み始めると、
そのまま自分の車で走り去っていったー。

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それ以降も、愛奈は荷物を届けるたびに、
今までよりも長く立ち話をしたり、
場合によってはまた、”今日も暑いので、休んでもいいでしょうかー?”と、
そんなことも言い出すようになったー。

想像以上に早く、距離を縮めて来る愛奈に対して、
礼司は少し戸惑いの感情も抱いたものの、
それでも、愛奈に対する好意がそれを上回って、
特に大きく、それを気にすることはなかったー。

そして…
大学もバイトも休みのある日ー…

インターホンが鳴ったー。

今日は、誰かが来る予定もないし、
ネットで注文しているような荷物もないー。

そんな状態での来客に、
”どうせ何かの勧誘とかだろ”と、思いつつ、
インターホンに表示された相手の顔を見つめるー。

するとー

「ーーぶっ!?」
礼司は思わず驚いてしまうー。

玄関の前には、配達員の愛奈が立っていたのだー。

しかも、今日は”何かが届く”予定もないし、
そもそも愛奈が、いつもは配達員の格好をしているのに
今日はおしゃれな私服だー

「ーーーえ……あ、は、はいー」
動揺を悟られないようにしながら、そう応答する礼司ー。

するとー、愛奈は言ったー。

”今日、お休みなので遊びに来ちゃいましたー”
とー。

②へ続く

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コメント

気になる配達員さんが
”憑依”されていることを知らずに、
どんどん親しくなってしまう礼司くん…!

なんだか、不穏な気配デス…!

続きはまた明日~!!

続けて②をみる!

「妙に綺麗な配達員さん」目次

コメント

  1. TSマニア より:

    男は単純ですからネ…礼司くんの気持ちは良くわかります笑

    愛奈に憑依してる男も配達員にこだわってるのも何かありますネ…

    愛奈は見た目もいいしアパレル関係を目指してるのなら自分が憑依したらアパレルの勉強しながらレースクイーンやラウンドガールしますネ(^_-)☆笑

    学生レースクイーンもいるしアパレルの勉強も活かせそうですネ!☆

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~!☆

      TSマニア様が憑依人だったら、
      全く違う物語が生まれてそうですネ~!!