<入れ替わり>写真と全然違うじゃん!①~罠~

入れ替わりたい人同士を結び付ける
”入れ替わりマッチング”ー

そんな入れ替わりサービスで彼は
理想の相手を見つけたものの、
やってきた相手は、写真と全然違っていて…?

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「ーーん~~~…」

20代後半のフリーター男、
高杉 誠也(たかすぎ せいや)は
夢中になってパソコンの画面を見つめていたー。

大学卒業後、就職をしたものの
なかなか会社に馴染むことが出来ずに1年ちょっとで退職ー、
その後はフリーター生活を続けている男だー。

ただー、彼自身、
両親は既に他界してしまっていて、
両親が残した持ち家に住んでいる上に、
独身であることから、
フリーター生活をしていても、十分に暮らしていくことができるために、
別に困っていることはなかったー。

誠也自身、特に結婚する予定もなかったため、尚更だー。

親が生前にローンを終わらせていたこともあって、
既に誠也には”毎月の家賃の支払い”というものが存在しない。

それ故に、誠也は”これ以上稼ぐ必要もない”ーと、言うのが
正直なところだったー。

ただー、最近、誠也は”あるアプリ”を始めていたー。

同じ目的を持つ人間同士を結び付けるマッチング系のアプリだ。

しかしーー
決して”結婚”したくなったわけではないー。
誠也は今でも結婚するつもりはないし、当たり前のように
生涯独身を貫くつもりだー。

彼の人生設計において”結婚する想定”は微塵もないー。

そしてー
”彼女”が欲しくなったわけでもないー。
誠也は恋愛経験がなく、恋愛の楽しさも理解できないー。
ただ単に”面倒臭そう”としか感じずに
負け惜しみなどではなく、仮に、目の前に謎の仙人が姿を現して
”そなたに、恋愛をさせてやろうー”と、言われたとしても
”いや、結構です”と、即答するぐらいに、
彼は恋愛にも興味がないー

そんな誠也が見つめているマッチング系のアプリー…
それは、婚活アプリなどではなかったー。

”入れ替わりマッチング”ー

そう書かれた文字を見つめながら、
誠也はニヤッと笑みを浮かべるー。

彼が見ていたのはー
”入れ替わりマッチング”と呼ばれるサービスー。

この世界では”入れ替わり”の技術が実現していて、
正式に認可された施設で”他人と入れ替わる”ことが
できるようになっているのだー。

つまり、”公的なサービス”として入れ替わりが存在している。

誠也は、その”入れ替わり”を利用して、
可愛い子と入れ替わろうと、そう目論んでいたのだー。

結婚するつもりはないし、恋愛をするつもりもないー。
誰かと身体の関係を持ちたいとも思わないー。

”異性の身体”には、興味はあるー。
ただー、誰かと身体の関係を持つとなれば、
それは一人では完結できないー。

必ずそこには”相手”が存在する。

そうなると誠也は”面倒臭いな…”という気持ちが上回ってしまうために、
異性と身体の関係を持つことにも興味を失っていたー。

がー、”入れ替わり”であれば、
入れ替わったあとにすぐに相手と”さよなら”すれば、
自分自身が女となって、女の身体を堪能することができるー。

それならばー…
興味がある…

そう思いつつ、誠也は入れ替わりマッチングで
理想の相手を探していたー。

入れ替わりマッチングサービスでは
自分の写真からプロフィール、
希望する入れ替わりなどを記載するルールになっているー。

その中には
”入れ替わりの期間”や、
”入れ替わり後の交流”の希望を記述する欄も存在していて、
誠也は入れ替わり後の期間を”永久”に設定、さらには
”入れ替わり後の交流や連絡は望まない”と、そう設定していたー。

”入れ替わったら即サヨナラ”と、いうことだー。

入れ替わりを求める人間にも色々いて、
”入れ替わった後も一緒に色々楽しみたい”という人もいるし
”一時的な入れ替わりを楽しみたい”という人間もいるー。

直接会わずとも”連絡先だけを交換する程度の繋がり”を
持っておきたいと、そういう人間もいるために、
この入れ替わりマッチングサービスのプロフィールの設定は
重要だったー。

「ーーー好みの相手を見つけたら
 面倒臭いことは抜きで、サッサと済ませたいからなー」

ニヤニヤしながらそう呟く誠也ー。

もう親もいないし、友達も恋人もいないため
自分の人生や身体には未練もないー。

だからこそー、好みの子を見つけたら
即座に入れ替わって、そのままその身体でこの先、
生きていくつもりだったー

「ま、女になったからと言って、
 何か大きく変わるわけじゃねぇかもしれないけどな」

誠也は自分でそう呟きながら
自分のプロフィールを見た相手から
何件かメッセージが届いているのを確認すると、
それを一つ一つ確認し始めるー。

一人目ー…
実家暮らしの女子大生ー。

「ーっ、実家暮らしはソイツの親が絡んでくるから
 面倒臭いんだよなー。却下ー」

二人目ー
25歳の一人暮らしのOLー。

「ブスじゃねぇか。却下ー」

三人目ー
21歳の一人暮らしの女子大生。

「ん~~~~~~」
一人目と二人目を即決で却下した誠也だったものの、
三人目は彼の中で見込みがあったのか、
少し迷ったような表情を浮かべながら
プロフィールを細かく見つめるー。

がーー

”入れ替わり後も濃厚な関係を続けたいです♡よろしくお願いします!”と
書かれているのを見て、
「ーふざけんなー。入れ替わり後なんか一言もしゃべりたくねぇよ」と、
不満そうにしながら、そのメッセージも削除したー。

4人目ー。
82歳女性ー。

「ーババアじゃねぇか。却下ー
 ってかプロフィールの希望に同世代って書いたはずだぞ
 ボケてんのか」

不満そうにそう呟く誠也ー。
しかし、82歳という年齢を考えると
本当にボケているのかもしれないー。

いずれにせよ、誠也に82歳の女性と入れ替わるつもりなど
微塵もないー。
そのメッセージを削除すると、
5人目のメッセージを見つめるー。

26歳女性ー。
見た目やプロフィールには申し分ないー。

しかしー…
”入れ替わり前の希望”の欄に
”何度か会って話をしたい”ということなどが書かれていたー。

「ー俺は初対面で入れ替わりたいんだよなー。
 ごちゃごちゃ相手と話す気はないし仲良くなる気もない」

誠也はそう呟くと、少し迷う素振りを見せはしたものの、
そのメッセージも削除したー。

誠也は”入れ替わり前の希望”で、
”初対面で即時入れ替わり”を希望しているー。

がー、”永久的な入れ替わり”を希望していて
”即時入れ替わり”希望の人間はなかなかいないー。

そのため、入れ替わりマッチングで入れ替わり相手を
見つけるのに苦労していたー。

そんな中
6人目のメッセージに視線を移すと、
34歳男性とそう書かれていたー。

「女を希望って書いてあるだろ!?舐めてんのか!?」
誠也は思わず不満を口にすると、
そのままプロフィールも読まずにメッセージを即削除するー。

”やっぱ、今日もロクな奴がいねぇー”
不満そうにそう思いつつ、
”俺の条件と一致するやつはどこかにいねぇのかよ”と、
内心でそう呟くー。

がー、その時だったー。

今日届いていた”最後のメッセージ”ー、
7つ目のメッセージを見つめると、
そこにはー、穏やかな雰囲気の可愛らしい女性の写真が
表示されていたー。

”穂村 加恋(ほむら かれん)”ー。

24歳の女性で、
”即時入れ替わりを希望、入れ替わり期間は”永久”ー、
そして入れ替わり後の交流も一切希望しない、とそう書かれていたー。

”男の人の身体がただ欲しいだけです。
 面倒なやり取りは一切不要、宜しくお願いします”と、
プロフィールのコメントにはそうも書かれているー

「ーーーーーー」
誠也はしばらくその文章を見つめていたものの、
やがてニヤッと笑みを浮かべるー。

「ーー俺にピッタリな子じゃないかー」
思わず、パソコンの画面の前で笑みがこぼれてしまうー。

自分よりも少し年下ではあるものの、
極端に年上でも、極端に年下でもないー。
年齢的にも、誠也が入れ替わりを希望する条件は満たしているー。

その上で、
入れ替わり前の事前交流も不要で、即時の入れ替わりを希望、
永久的な入れ替わりを望んでいる上に、
入れ替わり後の交流は希望していないー。

誠也にとって、これ以上ないぐらい理想の相手と言えたー。

「ーーへへー
 探せばいるもんだなー
 ピッタリの条件の相手」

誠也はそう呟くと、
「こうしちゃいられないー。すぐに返事をしようー」と、
そう言葉を口にするー。

相手は容姿の希望も特に出していないー。
誠也は”極端に容姿が悪い”わけではないために、
恐らくは大丈夫だろうと、そう思いつつー、
その相手ー、穂村 加恋に連絡を取るのだったー。

加恋の反応は予想通りー、と言うべきだろうか。
前向きな反応でトントン拍子で
入れ替わり当日を迎えることになったー。

「ーーへへへへへー
 今日は俺の人生の新たなスタートだなー」
誠也はそう呟きながら、
やってきた”入れ替わりマッチング”の施設を
どこか得意気な表情で見つめるー。

入れ替わりマッチングのサービスで
マッチングが成立すると、
この”入れ替わりサービスセンター”で実際に入れ替わりを行うことになるー

誠也と、相手の加恋のように
”即時入れ替わり”を望む者同士のマッチングの場合は
入れ替わり当日、この施設の中で相手と直接初対面をすることになりー、
入れ替わり後はすぐに解散するため、
入れ替わり相手との対面はごくわずかな時間でおわりだー。

「ーーーーよろしくお願いします」
誠也は、事前に入れ替わりマッチングで予約した際の
画面をスマホに表示して、
それを入れ替わりサービスセンターの職員に見せるー。

「高杉 誠也様ですねー。
 確認できましたので奥の部屋へとお進みください」

受付の眼鏡の女性がそう言葉を口にするー。

誠也は、”この人も入れ替わり経験者で中身が別人だったりするのかな?”
などと思いながら、そのまま部屋の奥へと進むー。

そしてー
しばらくすると、そこに”入れ替わり相手”の、
穂村 加恋がやってきたー。

がー…

「ーーよろしくお願いしますー」
誠也を見て、穏やかな笑みを浮かべながら
頭を下げたその相手ー、穂村 加恋の”顔”はー、
写真と全然違っていたー。

写真のような美人ではなく、
かなり特徴的な顔立ちのー
誠也からすると”ゾンビ”みたいな感じもする、
”美人”と言う言葉や”可愛い”という言葉からは
あまりにもかけ離れたー、
そんな顔をしていたー。

「ーーえっ…?は…????」
誠也は思わず変な声を出してしまうー。

「ーどうかしましたか?
 早速、入れ替わり、お願いしますね」

加恋はそう言葉を口にすると、
部屋を見回すー。

この部屋の中に、特殊な光が放たれ、入れ替わりが
行われる仕組みだー

”ーーーお待たせいたしましたー
 間もなく、入れ替わりを開始します”

入れ替わりセンターの職員の声が部屋に響き渡るー。
スピーカーから発されている音のようだー。

二人とも”即入れ替わり”希望をしているため、
すぐにでも入れ替われ、と言わんばかりの流れだー。

しかし、誠也はたまらず叫んだー

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれー!
 俺は、”穂村さん”と入れ替わる予定でー」

とー。

写真と全然違うー。
この人は、穂村 加恋じゃないー。

そう思いつつ、加恋のほうを見つめると、
「わたしがその穂村 加恋ですけど」と、
不満そうに呟くー。

しかし、誠也も不満そうに反論したー

「しゃ、写真と全然違うじゃん!
 誰だよあんた!」

とー。

すると、加恋はニヤッと笑みを浮かべたー。

”コイツー…”
誠也は直感的に悟るー。
あの写真は別人、あるいは加工されたものだとー。

”…最初からコイツ、相手を騙す気で即決の入れ替わりを希望してたのかー?”
誠也が内心で青ざめながらそう呟くと、
”間もなく、入れ替わりを開始します”という職員の声がスピーカーから聞こえたー。

「い、いや、待ってくれ!コイツ、写真と全然ちがーー」

そう言いかけたものの
無情にも、その部屋に光が放たれるー

誠也はーー
入れ替わりマッチングのプロフィールで
顔を偽っていた女と入れ替わってしまったのだったー…

②へ続く

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コメント

①は入れ替わるまでが中心でした~!

写真に騙されてしまった彼の運命は…?

入れ替わり後は、明日以降のお楽しみデス~!

今日もありがとうございました~!

続けて②をみる!

「写真と全然違うじゃん!」目次

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