ある日、事故によって
クラスメイトと身体が入れ替わってしまったー。
しかし、彼は知らないー。
そのクラスメイトは”幼馴染”を裏でイジメていることをー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーー」
クラスメイトの愛美と入れ替わった雄輝は
落ち着かない様子で教室へと戻って来たー。
「ーーあ、愛美!
階段から落ちたんだってねー。大丈夫だったー?」
愛美の友人の一人ー、瑠奈(るな)が、
教室に戻って来た愛美(雄輝)を見て
そう言葉を口にするー。
「え…あっ、うんー。僕なら大丈夫ー」
愛美(雄輝)は、早速うっかりと自分のことを”僕”と
言ってしまうー。
「ーー”僕”ー?」
友達の瑠奈も、早速、愛美(雄輝)が自分のことを”僕”と
言ったことに違和感を覚えたのか、そう反応すると、
「頭でも打った?大丈夫?」と、心配そうに
愛美(雄輝)の頭のあたりを触るー。
「ーえっ… あ、だ、だ、大丈夫」
愛美(雄輝)は、女子から急に頭を触られたことに
ドキドキと動揺を覚えながら
何とかそう返事をすると、落ち着かない様子で
息を吐き出したー。
視線を下ろすと胸の膨らみが目に入るし、
椅子に座るだけでスカートの感覚が気になるし、
髪が長いのも気になるー。
とにかく、全てが気になるー。
別に、特別”変態”と言われるような感じでもない
雄輝であっても、女子と入れ替わるということは、
ドキドキして、そして違和感まみれで仕方がなかったー。
そんな中ー、愛美(雄輝)は、
”幼馴染”の円花のほうを見つめたー。
がー、円花は愛美(雄輝)と目が合うと、
”ビクッ”としてそのまま目を逸らしてしまったー。
「ーーー?」
愛美(雄輝)は少しだけ首を傾げつつも、
その時は、その意味が分からず、
それ以上気にすることもなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーお疲れ様ー。
大丈夫だった?」
放課後ー。
雄輝(愛美)はそう言葉を口にしながら、
愛美(雄輝)と、”このあとのこと”を相談するために
空き教室へとやってきたー。
「ーうんー。何とか。香月さんはー?」
愛美(雄輝)がそう聞き返すと、
雄輝(愛美)は一瞬、内心でニヤッと笑みを浮かべたものの
それは顔を出さずに、
「ーわたしも特にはー。さっき色々教えてもらったし」と、
教室に戻る前に打ち合わせした時のことを思い出しながら
そう言葉を口にしたー。
「ーあ、でも、5時間目終わった後
間違えて女子トイレに入りかけたけど」
雄輝(愛美)が悪戯っぽく笑いながらそう言うと、
「えぇっ!?やめてよ!」と、そう言葉を返すー。
男子が女子トイレに入ってしまうー。
そんな姿を見られたら、
大変なことになってしまうー。
「ーふふー冗談よ冗談ー。
流石に入る前に気付くし」
雄輝(愛美)は揶揄うように笑いながら
そう言葉を口にすると、
「でー、家に帰った後のことなんだけど」と、
帰宅後の”入れ替わり生活”について語り始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
帰宅した雄輝(愛美)は、
「ふ~ん、これが森嶋くんの部屋」と、
雄輝の部屋を眺めながらそう呟いていたー。
「ーー…ま、男子って感じね」
それだけ言葉を口にすると、
あまり興味無さそうに
スマホを弄り始めるー。
スマホはー”相手のスマホ”を持った状態ー。
愛美になった雄輝はスマホも交換することを
提案したものの、愛美がそれを拒んだー。
理由は二つ。
一つはー、
”家で他人のスマホを持っていたら、家族が変に思うから”
という理由。
その理由を聞いて、愛美(雄輝)も”た、確かに…”と、納得した。
がー、もう一つの理由はー…
愛美(雄輝)は、雄輝のスマホを見つめながら
ニヤッと笑みを浮かべたー
”今までイヤな思いをさせてごめんねー”
雄輝の幼馴染・円花からのメッセージを見て笑みを浮かべるー
”スマホを交換したら”ー、雄輝に円花をいじめていることが
バレてしまうー。
偶然とは言え、円花の幼馴染である雄輝の身体になったのだー。
もっともっとー、あのムカつく女を困らせたいー。
雄輝(愛美)は内心でそんなことを思いながら、
ニヤニヤと笑い始めるのだったー。
そんなことも知らずー、
愛美になった雄輝は、”いかにも女子”な、愛美の部屋に入って
ドキドキしながら、
「ー落ち着けー僕ー」と、そんな風に言葉を口にしながら
何とか平常心を保とうと必死になっていたー。
そして、その翌日ー。
「ーーーは、話ってー…?」
円花が暗い表情を浮かべながらやってくると、
雄輝(愛美)は、ふと言葉を口にしたー。
「いやー、あんたー、ううんー。円花さー。
”香月さん”のことどう思ってるか、聞きたいな~って思って」
とー。
円花が”愛美”のことをどう思っているかー。
当然、愛美が円花に直接聞いても、円花は素直には答えないだろうー。
しかし、雄輝の身体になった今なら、”どう思っているか”聞き出すことができるー。
「こ、香月…さんー…?」
円花は、自分をいじめてくる愛美の名前が出たことに驚きながらも、
「ど、ど、どうしてー、雄くんが、そんなこと聞くの?」と、
不安そうな表情を浮かべるー。
「ーいいから答えろよ」
雄輝(愛美)が少し強い口調で言うと、
円花は震えながら「ーーべ、別にー……何ともー」と、
”雄くんに心配を掛けたくない”といういつもの思いで
いじめのことを隠そうとするー。
がー、雄輝(愛美)は少し笑うと、
「ーわたー、いや、香月さんからいじめられてるって聞いたよー。」と、
そう言葉を口にした上で、
「隠す必要はないから。素直に、どう思ってるか言ってごらんー」と、
わざと”優しい口調”でそう言葉を続けるー。
すると、円花は戸惑いの表情を浮かべてしばらく考え込んでから言ったー。
”雄くんが、わたしがいじめられていることに気付いている”と、
そう思ったからか、本音を口にしてしまうー。
「ーー…嫌いー…」
とー。
「ーーだってーー…わたし…何もしてないのにー…
この前だって…雄くんに傘貸して貰った日ー…
ホントは、香月さんに傘を取られてー」
円花は泣きながら言うー。
昨日は酷いことを言われたけれど、
”雄くん”とは小さい頃から信頼する間柄ー。
昨日はたまたま機嫌が悪かっただとか、
そんな風に解釈してしまっていた。
しかしー…
”嫌いーーね。
やっぱコイツ、すっごくウザいー”
内心で、本音を聞いた雄輝(愛美)は
さらに円花に対する憎しみを募らせるー。
そしてー、
”雄輝”の立場を利用してー…
言葉を吐き出したー。
円花を深く、深く、傷つける言葉をー。
「ーー僕さー、
香月さんとーー
いいやー、”愛美”と付き合ってるんだよね」
その言葉に、円花は世界が終わったような表情を浮かべながら
「え…?」と、目に涙を浮かべるー。
雄輝は全然気付いていなかったものの、
円花は、”恐らく”雄輝のことが好きだと、
愛美は気付いていたー。
だから、あえて、そう言葉を口にした。
”好きな幼馴染が他の子と付き合ってる”ー
それだけでもショックを与えられるのに、
さらにー…
”好きな幼馴染がわたしをいじめてくる子と付き合ってる”となれば、
円花に与える”絶望”は計り知れない。
「ーー”愛美”のこと
悪く言うなら、”お前”であっても許さないよ」
雄輝(愛美)がそう言うと、
円花はその場で泣きながら激しく動揺し始めるー。
「ーーおい、聞いてる?
ー”愛美”は僕の彼女だー。
僕の彼女を悪く言ったら許さない」
雄輝(愛美)が円花に対してさらにそう言い放つと、
円花は泣きながらガクガクと震えて
やがて、過呼吸になりそうな雰囲気になって、
そのまま逃げるようにして立ち去ってしまったー。
「ーーふんー…ウザッ」
雄輝(愛美)は、そんな態度にも腹を立てながら
そう呟くと、
「ー好きな幼馴染の”雄くん”がわたしと付き合ってるなんて
ショックだよね~~」と、意地悪そうな表情を浮かべながら
そう言葉を口にしたー。
円花の幼馴染である雄輝と入れ替わった時には
心底ビックリしたー。
けれどーー
”こうなったら”この立場を存分に使って
もっともっとあの女を苦しめてやるー、と、
雄輝(愛美)はそんな風に思うのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー~~~~~~~」
円花は目に涙を溢れさせながら教室へと
戻って来たー。
愛美として、無難に教室で友達の瑠奈と会話をしていた
雄輝は「ーー円花?」と、思わず友達との会話中に
そう言葉を口にしてしまうー。
「ー?」
愛美(雄輝)と喋っている最中だった友達・瑠奈は
そんな愛美(雄輝)の様子に少しだけ首を傾げるー。
円花は憔悴しきった様子で、
座席に座ってからも涙が止まらず、
明らかに何かがあった様子だー。
”ーーー香月さんの身体じゃー…
急に話しかけたらびっくりしちゃうかもだけどー…けどー…”
雄輝は愛美の身体でそんなことを考えるー。
ただー、それは”愛美が円花をいじめている”と知っているからではないー。
雄輝は、愛美が裏で円花をいじめているとは知らないー。
単に、人見知りで大人しい円花にいきなりこの身体で
話しかけたらびっくりさせてしまうかもしれない、と
そう思っただけだー。
それでもー…
愛美(雄輝)は、円花のことを放っておくことは出来ずに立ち上がると、
「ーーあのー…大丈夫ー?」と、
そう言葉を掛けたー。
円花は泣きながらビクッと、愛美(雄輝)のほうを見つめるー。
そして、ガクガクと震えるー。
同時に、敵意のようなそんな目線も向けて来ているようにも見えたー。
「ーーな…何か…あったのー…?」
”幼馴染”を相手に、単に”クラスメイト”として話すのは
なかなか辛いー。
がー、何とかそうしながらそう質問すると、
円花は泣きながら「雄くんを、返してー」とだけそう呟いたー。
「ーーへ?」
愛美(雄輝)は混乱したような表情を浮かべるー。
円花は、それ以上何も言わずに
泣きながら逃げるようにして立ち去ってしまうー
「ーあ、円花ー…いや、み、深山さんー!?」
愛美(雄輝)は慌ててそう叫ぶも、
そのまま円花が振り返ることはなかったー。
「ーーーー…放っておきなよー」
背後から、愛美の友達・瑠奈がそう声を掛けて来るー。
「ーーいや、でもー」
愛美(雄輝)がそう言葉を口にすると、
瑠奈は続けたー。
「ーーいつも、自分で”いじめ”てるじゃんー?
急にどうしたのー?」
とー。
瑠奈は、”愛美”の親友ー。
愛美の”裏の顔”まで知っている数少ない人物ー。
「ーーえ…?今、何てー?」
愛美(雄輝)が困惑した表情を浮かべながらそう聞き返すと、
瑠奈は笑いながら「いつもいじめてるじゃん」と、
そう言葉を返したー。
「ーーーー!」
愛美(雄輝)は、
”僕はとんでもない子と入れ替わってしまったのかもしれない”と、
そう思うと同時に、
慌てた様子で、円花の後を追いかけたー。
そしてー…
「ー円花!」
愛美(雄輝)がその名を呼ぶと
逃げた先で円花は涙目で振り返ったー。
「ーぼ、”僕”に何かされたのかー?」
愛美(雄輝)は入れ替わりを隠さずにそう言い放つー。
「ーーな…何を言ってるのー?」
円花は泣きながらそう言葉を口にするー。
愛美(雄輝)はすかさず、
「ーい、今の僕は、僕じゃないんだー
見た目は僕だけどー」と、そう説明した上で
”入れ替わり”のことを明かすー。
円花と雄輝しか知らないことも口にしながら、
必死に説明したー
けれどー
「いい加減にしてー…」
泣きながら、円花はそう言ったー。
「ーー雄くんから、聞いたんでしょー?
もう、いい加減にしてー
わたしのことは放っておいてー」
泣きながら円花は振り絞るようにしてそう言い放つー。
「ち、ち、ち、違うんだ!僕が雄輝でー…」
愛美(雄輝)はそう言葉を口にするも、
円花はそのまま逃げようとするー。
そんな円花に対して
「き、今日の放課後、A組の隣の教室で香月さんと話し合うから!
それを見てくれれば、きっと分かるから!」と、
そう叫ぶー。
いつも、登校時と下校時に、その場所で
入れ替わった者同士、話し合いをしているー。
がー
円花は返事をせずにそのまま逃げてしまったー。
「ーーー…ーー円花ーーー」
愛美(雄輝)は、悔しそうに拳を握りしめると、
入れ替わり相手ー、愛美の”裏の顔”に怒りを滲ませながら
ゆっくりと歩き始めたー…。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
次回が最終回デス~!!!
ハッピーエンドが待っているのか、
バッドエンドが待っているのか、
ドキドキデス…!
今日もありがとうございました~!!!

コメント