事故によって女子大生と入れ替わってしまった
サラリーマンの男ー。
入れ替わった状態のまま生活を送る中ー、
彼女からの注文の数々に、彼は次第に疲れや不満を
覚えていくー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
入れ替わってから3日が経過したー。
相変わらず、元に戻れないままの
状況が続く中、
詩織(和樹)は晩御飯を口に運んでいたー。
晩御飯は、サンドイッチとサラダとヨーグルトー。
しかし、その前では、
和樹(詩織)がスーパーで買って来た
美味しそうな弁当を嬉しそうに食べているー。
「ーあ、あのー…
俺もできればもう少し食べたいかなぁ~って…」
詩織(和樹)が、そう言葉を口にすると、
和樹(詩織)は「ダメですー。太っちゃったらどうするんですか」と、
不満そうに言葉を返して来たー。
「ーーーす、すみませんー」
詩織(和樹)は内心で”目の前でそんながつがつ食べられると、
俺も食べたくなるんだよなー…と、そんなことを考えるー。
こちらに色々注文をつけてくる割に、
和樹になった詩織は”自由に”生活している印象だー。
詩織(和樹)は、そんな和樹(詩織)の態度に
日に日に不信感を強めつつあったー。
そんな中、和樹(詩織)は
「あのー…わたしの大学なんですけどー…」と、
そう言葉を口にすると、詩織(和樹)のほうを見つめたー
「えっ…あ、はいー」
詩織(和樹)が戸惑いながら反応すると、
「ずっと休んでると色々問題が出て来るのでー
できたらその、大学に行って欲しいなー…って」
と、元に戻れるまでの間、”詩織のフリ”をして
大学に行って欲しいと、そう言葉を口にしたー。
「ーーーーそ、それは流石にー…」
詩織(和樹)は”お、俺に女子大生のフリなんて無理だぞー?”と
内心でそう言葉を口にするー。
詩織の身体になったとは言え、
自分が友達とキャピキャピするような姿は想像できないし、
詩織の身体になった状態でも
自分がそれをするとなると、オェッ、と思ってしまうー。
「ーー授業に出てくれるだけでいいのでー
お願いできませんか?」
和樹(詩織)は申し訳なさそうにしながら言うー。
色々注文をつけてくるわりに、こういう一面もあって、
彼女が何を考えているのか分からず、戸惑ってしまうー。
「ーーいや、いやー
そうしてあげたい気持ちもないわけではないんですけどー
ただー」
詩織(和樹)はそう言葉を口にすると、
「ー俺に女子大生として振る舞うのは流石に無理というかー…
友達とどう話してもいいか分からないですし、
先に色々聞いておいても、
俺に上手く対応できるかどうかはー…」
と、不安を口にしたー。
が、和樹(詩織)は少しだけ笑うと、
「それなら大丈夫ですよ」と、そう呟いたー。
「え?」
詩織(和樹)が思わず聞き返すと、
「ーわたし、友達いないんで。わたしの振る舞いが
多少変わっても誰も気付きません」と、
和樹(詩織)はどこか自慢するかのような口調で、
そう言葉を口にしたー。
「ーーそ、そ、そ、そっかー…」
詩織(和樹)はそう言葉を口にすると、
和樹(詩織)は「授業を受けてくれるだけでいいので、お願いします」と、
”元に戻れるまで代わりに大学に行ってほしい”と、
改めてそうお願いして来るのだったー。
「ーーー……そ、それならまぁー…」
詩織(和樹)は”まさか俺がこんな形で女子として大学に通うことになるなんてー”と、
心の中で戸惑いつつも、
”まぁ、でも、お互い、仕事も大学も休み続けるわけにはいかないからなー”と、
そう言葉を口にしたー。
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和樹は”詩織”として大学に通い始めたー。
詩織の言う通り”友達”はいないのか、周囲から
必要以外話しかけられることはなく、
無難に大学生活をこなしたー。
ただー…
”トイレでは目隠しして下さい”
”昼食はわたしが毎日指定します”
”大学に行く服装は毎朝わたしが決めます”
相変わらず注文が多かったー。
”大学が終わったら真っすぐ帰って来てください。寄り道はダメです”
そんなメッセージを確認すると、
詩織(和樹)はため息を吐き出すー。
相変わらず”注文”が多いー。
しかもー…
「ーーわたし、大学生なんで社会人として振る舞うのは無理です」
和樹(詩織)は、和樹として会社に行くことを拒否してきたー。
「ーい、いや、でも、このままだと、俺、クビになってしまうんですけどー…」
詩織(和樹)は困惑の表情を浮かべながら言うー。
ずっと休み続ければ、本当にこのままクビになってしまうー。
がー…
「でも、わたしにはできませんから!
仕事の内容も分からないですし、まだ大学生なので!」
和樹(詩織)は、絶対に和樹のフリをして
会社には行かないと、そう言い張るー。
「ー無理なものは無理なんです!
そういうこと言って困らせないで下さい!」
和樹(詩織)はそう言葉を口にすると、
詩織(和樹)は「ーーお、俺だって一生懸命慣れない身体で
大学に行ってるのにー」と、不満を漏らすー。
しかしー、
その言葉に和樹(詩織)は悲しそうな顔をすると、
目から涙をこぼして泣き始めてしまったー。
”俺の顔”で泣かれているー。
そんな状況を前に、詩織(和樹)は
心底困惑するー。
「分かったー…分かりましたー…もういいですからー」
詩織(和樹)は困惑の表情を浮かべたままそう言うと、
和樹(詩織)は「2度とわたしを困らせないで下さい」と、
それだけ言葉を口にしたー。
その日を境にー、”注文”がさらに多くなった
家に帰ると、
「なんだこれは…」と、詩織(和樹)は思わず
呆然としてしまったー。
部屋の壁に
”わたしを困らせない”
”わたしを怖がらせない”
”わたしを泣かせない”
”わたしを怒らせない”
”わたしに命令しない”
などと書かれた紙が貼られていたのだー。
「ーーおかえりなさい」
和樹(詩織)はそれだけ言葉を口にすると、
「ーーーじゃあ早速、お風呂に入りましょうー
わたしが洗うので、目隠しをして下さい」と、
そう言葉を口にするー。
がー
「い、いやー、ちょっと今、帰って来たばかりで
疲れてるからー…少し休ませー…」
詩織(和樹)はそう言葉を口にすると、
和樹(詩織)は「ーーお風呂」と、不満そうに言葉を口にしたー。
「ーわたしの身体を使ってるんですから、
わたしの言う通りにして下さい!」
和樹(詩織)が涙目でそう言葉を口にするー。
「わー、分かったー分かったー入るよー」
詩織(和樹)は心底困惑したような表情を浮かべると、
そのままため息を吐き出しながら、
和樹(詩織)の言う通り、お風呂へと入るのだったー。
しかしー、
その日以降もその状況はエスカレートしていくー。
生活の全てを監視されー、
生活の全てに注文をつけられているかのような、
そんな生活は続いたー。
がー、その裏で詩織(和樹)は”ある作戦”を実行に移そうとしていたー。
元に戻るための方法は
当然、毎日二人で色々と試しているし、
色々と調べてはいるー。
けれども、戻ることは出来ない状態が続きー、
詩織(和樹)は”これ以上、この子と一緒にいたら俺もおかしくなってしまうー”と、
そう思い始めていたー。
自分自身も耐えきれなくなっておかしくなってしまうし、
このままでは詩織(和樹)は和樹(詩織)に対して
いつか、溜まりに溜まった不満を爆発させて、
それをぶつけてしまうかもしれないー。
だからー、”離れる”ことにしたー。
この半月ほどー、
和樹(詩織)には気づかれないように、
”詩織”が元々一人暮らしをしていた家から引っ越しー、
”詩織”として別の家での生活をスタートさせようとしていたー。
つまり、和樹(詩織)から逃げる決意をしたのだー。
もちろん、このまま姿を消せば、
和樹(詩織)は怒るだろうー
けれど、これ以上一緒にいてもー、
この状況の生活を続けたとしても
”お互いのため”にならないー…
詩織(和樹)はそう判断していたー。
「ーーーーー」
詩織(和樹)は”置き手紙”を自分の部屋で
書きながらため息を吐き出すー。
そこには、
協力したいけれど、一方的な注文が多すぎて
これ以上合わせるのは難しいこと、
こちらのことは何も聞いてくれないし、配慮してくれない状況に
不満があること、
そして、このままこの生活を続けても
お互いのためにならないことー、
そういったことを全て手紙に書き刻んでいくー。
本当は直接話し合いをしたかったけれど、
意にそぐわないことを言うと、
和樹(詩織)がすぐに怒り出したり、泣き出したりするから、
こういう方法しか取れなかった、とも手紙に書いた。
「ーーーーー」
詩織(和樹)は書き終えた手紙を見返しながら
小さくため息を吐き出すー。
”今のままではお互いの信頼関係を築くのは難しい”
そう、書いた部分を見つめながら、
その下に文章を書き足すー。
”柚木さんの身体で悪さをしたりするつもりは一切ありません
できる限り、柚木さんとしての生活を続けますー。
もし、考えが変わったのであれば連絡を下さい
ただー、柚木さんが今の考えのままなら
俺も、柚木さんと一緒にいることはできません”
そうハッキリと書いて、
心を入れ替えたら、その時は連絡して欲しいと、
自分のメールアドレスだけそこに書き記したー
電話や、自分が使うSNS系ではなくメールにしておいた。
和樹(詩織)が怒り狂って、尋常じゃない回数の連絡を
入れて来た場合、面倒なことになるからだー。
「ーーーーよし、これでいい」
詩織(和樹)は自分の書いた手紙を見つめると、
そのまま静かにため息を吐き出したー。
そして、翌日ー…
詩織(和樹)は、大学に向かうと伝えて
家を出てー…
そのまま、こっそりと進めて用意しておいた
”引っ越し先”へと向かいー、
和樹(詩織)の元から逃げ出したのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから数日後ー…
詩織(和樹)の元に和樹(詩織)からの連絡はなかったー。
「ーーー何のリアクションもないなー…」
詩織(和樹)は小さくため息を吐き出すー。
”和樹”は既に会社をクビになってしまっているし、
今更元の生活には戻れないー。
ただー、そうは言っても、できれば和樹自身は
自分の身体に戻ることを今でも望んでいるー。
確かに、詩織は可愛いし、
女子大生になっている状況にはドキドキするー。
けれど、それでも彼は
自分の身体に、自分の人生に戻りたかった。
「ーーーー」
”考えが変わったのであれば連絡してほしい”
確かに、そう置き手紙には書いて置いたー。
それでも、連絡がないと言うことは、
彼女には考えを改めるつもりがないー、ということだろうか。
「ーーまた一人で怒り散らかしてるんだろうなー…」
詩織(和樹)は戸惑いの表情を浮かべるー。
入れ替わり生活を始めてから、お互いの連絡に使っていたLINEは
ブロックしているー。
「ーーー」
一瞬、ブロックを解除して、今どう考えているのか聞いて見ようかとも
思ったものの、それをグッと我慢して、
詩織(和樹)は息を吐き出したー。
”引っ越し先のこの場所は知られてないはずだけどー
こうなると大学に乗り込んでくるかもしれないなー”
詩織(和樹)は内心でそんなことを思いつつ、
少し不安そうな表情を浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから、”5年”が経過したー。
和樹(詩織)は、詩織(和樹)に連絡して来ることもなく、
大学に姿を現してくることもなかったー。
後に知ったことではあるものの、
詩織は元々、自分勝手な性格で、
相手を束縛するような癖もあったらしいー。
”詩織”として、実家の詩織の両親と話しているうちに
”かなり性格に難があって、気難しい”性格であることも分かったー。
「ーーーー」
今、和樹は詩織の身体で大学を卒業後に就職した
会社でOLとして働いているー。
まさか、ここまで何の連絡も、アクションもないとは思わなかったー。
数年前には、こっそりと”和樹”が住んでいた家を確認しにいったものの、
既にそこに和樹(詩織)はおらず、引っ越した後だったー。
「ーーーー」
”入れ替わり相手がどうなったか分からない”ー
相手がどう思っているのかも分からないー。
そんな状況のまま、和樹は詩織として
過ごすことになってしまったのだったー。
「ーーーーあの子は、今頃どうしてるんだろうな」
詩織(和樹)は今日もOLとしての仕事を終えると
空を見上げながら静かにそう呟くー。
ただ、それでもー…
あの日、注文だらけの入れ替わり相手から
”逃げる”選択をしたことは後悔はしていないー。
あのまま、あの日々に耐えていたら
きっとお互いに壊れていただろうからー。
「ーーまさか、こんな人生になるとはな」
詩織(和樹)は、少し自虐的にそう呟きながらも、
与えられた環境で、前向きに生きて行こうと
そう決意するのだったー
おわり
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コメント
あえて相手がどう反応したのか、どう思っているのか分からないまま
フェードアウトされちゃった結末でした~★
一切何の連絡もリアクションもないのは
ちょっと怖いですネ~…!
お読み下さり、ありがとうございました~!☆!
★作品一覧★

コメント
詩織の事だから追ってくると思いましたが…何もないのは逆にコワいですネ…
色んな展開が想像できますよネ…
自分は無名さんのカラダと入れ替わったら毎日のケアもしますしメイクやヘアアレンジやオシャレなど勉強しながら女性らしさを研究しますネ(^_-)☆笑
無名さんの知らないコスプレが増えてたり…笑
欲望に負けて…たまに気持ちいいことしちゃいますけどネ(^_-)☆笑
何か言ったらそのまま、音信不通~…!って
怖い思いを前にしたことがあったので
それを物語の結末にしてみました~~!!
何のリアクションもないのは怖いですネ~!!