地球の調査目的でやってきた
寄生生物…。
彼女は寄生した人間の身体を使い、
時々、お気に入りの首が維持したまま
身体を乗り換えて、地球を恐怖と混沌に陥れていくー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”お気に入り”の香織の首に
現在使っている萌々菜の身体ー…
そんな組み合わせで地球ライフを堪能していた
寄生生物は、
”地球に関する報告書”を作成していたー。
「ーーー…」
口から”地球にはない物質”で構成された
糸のようなものを吐き出す香織の首ー。
もちろん、元々の香織にそんな力はないものの、
寄生生物に支配された香織の首は、
普通の人間にはない力ー、
寄生生物自身の力を手に入れていたー。
糸のようなものを球体上にしたものを
手にすると、それに指を素早くタッチし始めるー。
彼女ら寄生生物の”母星”にレポートを
送信するための道具ー…
彼女ら寄生生物は必要なものをその場その場で
”地球にはない特殊な糸”を用いー、
必要なものを作り出し、使用するという習性を持っているー。
この”糸”で大抵のものは作り出すことができるー。
「ーこの星は最高だわー
必ず、わたしたちが手に入れるのよー」
香織の顔でそう言葉を口にすると、
萌々菜の身体で、球体のような形をした
糸に何度も何度も指を押し付けていくー。
人間には理解できないものの、
”母星”に伝わるための信号を発信しているようだー。
片手で入力作業を行いながら、
もう片手では、萌々菜の胸を揉んでいる寄生生物ー。
寄生生物は”蜘蛛”のような形をしているー。
そのため、地球にやってきたこの寄生生物は
”メス”ではあるものの、
自分たちにはない”胸”という存在は
新鮮だったー。
「ーあぁ~…いい感じー」
香織の顔で笑みを浮かべる寄生生物ー。
どちらかと言うと、下心というよりも、
マッサージ的な、そんな快感を覚えている寄生生物ー。
がー、そんな行動を取りながらも、
彼女が母星に送信しようとしている内容は
人類からすれば、それはもう恐ろしいものだったー。
”地球は楽園のような星”であると、褒めた上で、
”わたしたちが手に入れるにふさわしい場所”だと、
母星にそう報告しているー。
人間たちの身体は非常に使い勝手が良く、
人間たちの文明は、他の惑星と比較して
突出して発展しているわけではないものの、
他の惑星と比較し”娯楽”に満ち溢れている、とー。
だから、この星の知的生命体である人類を
全て乗っ取り、逆らう人間は処分しー、
この地球を頂くべきであると、
香織の首に寄生している寄生生物は
そう、母星に報告を送ろうとしていたー。
その報告を受け取れば、
”香織の首”を、”萌々菜の身体”を、乗っ取っている寄生生物の母星は
ほぼ確実に”侵略”を開始するー。
人間とは善悪の感じ方が根本的に違っていて
”必要と判断したらその星を奪う”ことには
彼女の母星の生命体たちは何の罪悪感も感じないー。
「ーーー…っ」
がー、そんな報告を入れようとしていた香織の首に寄生している
寄生生物は糸で作り出した発信装置を入力する手を止めて
手を見つめたー。
「ーこの人間の手、入力しにくいわねー」
不満そうに、香織の首でそう呟く寄生生物ー。
寄生生物は最初に乗っ取った香織の首は
気に入っていたものの、萌々菜の身体の方は
特に深い思い入れはなかったー。
「ーー入力しやすい身体に乗り換えた方が早いわねー
ついでに、少し遊んでこようかしらー」
”ふふふ”と笑いながら
香織の顔で笑みを浮かべると、
”母星”への地球の報告レポートの入力を中断して、
そのまま外に向かって歩き始めるー。
寄生生物は、地球が気に入ったー。
地球の人間の身体も気に入ったー。
けれどー、
地球の人類の命や”心”には興味がなかったー。
自分たちがこの星を、そして人間の身体を、
地球の文明をそっくりそのまま頂く、ということには
何の罪悪感も持ち合わせていなかったー。
今、地球に生きている人間たちがどうなろうとも、
”どうでも”よかったー。
「さぁー、使いやすそうな身体はー」
萌々菜の身体、香織の首で街を徘徊しながら
「ーー!」と、表情を歪める香織ー
見つけたー。
スタイルの良いギャルな雰囲気の子ー…
あの子の”細い指”なら、入力しやすそうだー。
そんな風に思いながら
香織の顔で寄生生物はニヤッと笑みを浮かべると、
友達らしき人物と歩いていたその子を尾行するー。
「ーーじゃ、あたしはこっちだからー」
ギャルがそう言葉を口にしながら、
「分かったーじゃ、また明日ー」と、手を振る友達と別れるー。
その光景を見つめながら、寄生生物は”チャンスね”と
そう言葉を口にすると、
首から下ー、萌々菜の身体を切り離して
香織の首だけになった状態でそのまま浮遊するー。
そしてーー…
そのギャルの頭の上から”覆いかぶさるように”して、
ギャルの頭を丸呑みにしー、
そのままギャルの身体を乗っ取ったー。
既にー…
”寄生”してから時間が経過したことで
香織の頭の中身は寄生生物に合わせて作り変えられていて、
”見た目”以外は別の生命体に変化しているー、と、言っても
いいほどに変化していたー。
香織の首で、ギャルの頭に覆いかぶさり、
その頭を丸呑みにした寄生生物はー、
香織の首、ギャルの身体という組み合わせになり、
ゆっくりと移動を始めるー。
そして、その途中で指を動かしながら笑みを浮かべると、
「この感じの手なら、入力しやすそうー」と、
今度こそ、母星に対して”地球を奪うべき”という
結論を送信しようと、寄生生物は移動を始めるー。
がーー
その時だったー。
「ーーーー!!!」
香織の顔を歪める寄生生物ー。
”コンビニから出て来た男”
その男を見て、
香織の首、ギャルの身体を使っている寄生生物はー、
立ち止まって、そのまま放心状態のように
その相手を見つめたー。
「ーーーー…ーーーー」
その瞬間、世界が変わったと言ってもいいー。
香織の首、ギャルの身体を使っている寄生生物は
本来の目的も忘れて
その男の方に近付いていくー。
そしてーー
「あのっー」
寄生生物は香織の口を使って、そう言葉を発すると
男は「はい?」と、表情を歪めたー。
そんな男に対して
香織の顔でうっとりとした表情を浮かべながら
「す、好きですー!」
と、そう声を発するー。
「は…はい?????」
男は明らかに警戒したような表情を浮かべるー。
香織の首とギャルの身体を使っている寄生生物は
そんな男の反応もお構いなしで、
「好きです!滅茶苦茶タイプです!一目惚れしました!」と、
香織の記憶を探りながら興奮した様子でそう叫ぶー。
「えっ…???えぇぇ…?」
男が、困惑した表情を浮かべながら
そう言葉を口にすると
「え…?な、何か人違いしてませんかー?」と、
そう続けるー。
が、寄生生物はギャルの手で、男の手を掴むと
「ー人違いなんかじゃないです!!好きです!
今、一目見てもう、こうーーゾクゾクゾクって!」と、
心の底から興奮した様子でそう叫んだー。
「ーー…な、何かの詐欺ですか????」
いきなりの告白にそう言葉を口にする男。
香織の記憶を探りつつ、寄生生物は
「さ、詐欺なんかじゃないですー!
え~っと、こういう時はー」と、ボソボソそう呟くと、
香織の記憶を漁り始めるー。
「そうー、えっと、あまりにもイケメンすぎて、もう涙が出そうでー」と、
香織の記憶にあった”イケメン”と言う言葉を使って
とりあえず男を褒めたー。
がー、男は混乱した表情を浮かべると、
「いやぁ…詐欺ですよね??」と、もう一度繰り返すー。
何故なら彼は、40代前半の独身男性ー
小太りで髪も薄く、顔もイケメンとは真逆で
恋愛経験がないー。
そんな、人間だったからだ。
がー、地球の調査にやってきた寄生生物は
そもそも”人間”とは文化も、感じ方も違うー。
香織の首と、ギャルの身体を使っている状態の
寄生生物からすれば、彼はこの上ないほどの
”イケメン”だったのだー。
「ーー詐欺じゃないですってば!
そ、そうだー、こういう時は早速ー
え~っと、やりましょう!
ホテルで!!ヤリましょう!!!!!」
とんでもない言葉を口にする香織の口ー。
「ーーい、いや…えっ…?」
恋愛経験もなく、彼女いない歴=年齢の男は
寄生生物の謎の勢いに心底困惑するも、
その勢いに押されてついにはホテルに連れ込まれてしまうー。
「ぼ、僕は別にー
こ、こういのはー…」
男は心底困惑しつつそう言うも、
寄生生物は早速服を脱ぎ捨てながらー
「好きー!!とにかく好きです!」と、そう叫んだー。
寄生生物の一目惚れー。
それはまた、人間とは違う感覚なのかもしれないー…
「ーそ、その傷はー?」
ふと、男がドキドキしながら
”香織の首”と”ギャルの身体”のつなぎ目の部分に
気付いて、不安そうにそう言葉を口にするー。
実際には”傷”ではないものの、
事情を知らない男からすれば、傷に見えるようだー。
「ん?
あ~~これはね…」
寄生生物も、香織の首とギャルの身体のつなぎ目の部分に気付くと
そこを触りながら
「小さい頃に、ある手術をしたからー」と、
適当に誤魔化したー
そしてー、
40代のおっさんに一目惚れした寄生生物は
そのままその男とお楽しみの時間を始めるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーお待たせ~!」
それから2カ月ー。
寄生生物は香織の首にギャルの身体ー、という組み合わせで
可愛い服を揺らしながら
”彼氏”である男ー、幸太郎(こうたろう)の元に
駆け寄っていたー。
「ーあ、ど、どうもー」
幸太郎は、あの日、寄生生物に”一目惚れ”された男だー。
あのあとー、あまりにもしつこく”香織”が
アプローチしてくるために
最終的に幸太郎が折れて、二人は出会いから1ヵ月ー、
付き合うことになったのだったー。
「ーそれにしてもー
僕に彼女ができるなんてー…
しかも、香織さんみたいな綺麗な人がー」
幸太郎は心底戸惑った様子を見せながらも、
その一方でどこか嬉しそうな様子も見せるー。
「え~?あははー
でもわたし、幸太郎を一目見て、もう一目惚れしちゃってー」
寄生生物は、香織の顔のままで笑うー。
それまで”名前”は特に意識していなかったものの、
この世界で生きるには”名前”をちゃんと決めておかなくちゃいけない…
ということで、自分の首ー…”香織”を名乗っていたー。
幸太郎からすれば、40代の独身ー
恋愛経験もない自分に、”香織”のような女子大生の彼女が
できるとは夢にも思わず、
最初はずっと”詐欺”を疑っていたぐらいだー。
が、一緒に過ごすうちに
ようやく心を開いたのか、今では”香織”のことを心の底から
大事にしていたー。
「ーーーそういえば、幸太郎くんー。
わたしねー、”レポート”の提出を求められてるんだけどー…」
ふと、”香織”がそう言葉を口にするー。
「ーーレポート?」
幸太郎がそう返事をすると、”香織”は「うんー」と、
そう言葉を口にするー。
「ー”地球を侵略するべきかどうか”報告しないといけないのー。
どう思うー?」
”香織”が、そんな言葉を口にするー。
一瞬、空気が凍り付くー。
がー、人間として数か月生活して、
寄生生物は学んだ知識を元にハッとすると、
「あ、あぁ~、えっと、大学のそういうレポート。
地球を調査した上で、宇宙にいる人に地球の状況を
どういう風に報告するべきかって言うー」
と、そう言葉を付け加えたー。
”嘘”も寄生生物はちゃんと身に付けたようだー。
実はー、”香織”の首を使っている寄生生物は
母星から地球の調査結果の提出を求められていて
もう期限がギリギリになっていたのだー。
そして、香織はどう報告するかを迷っていたー。
「ーーなるほどー…
まぁ、宇宙人からしたら地球はたぶん、魅力的なんじゃないかなー」
幸太郎はそう答えるー。
「ーじゃあ、”侵略するべき”って送った方がいい?」
香織の首で、寄生生物はそう言葉を口にすると、
幸太郎は「”宇宙人”の視点で考えればそうだろうねー」と、頷くー。
そして、その上で続けたー。
「ーーーでも”地球人”としてはそんなことしないで欲しいー
どんな形でも、”侵略”されたら今の世界が壊れてしまうからー。
僕も、香織さんもー」
幸太郎がそう言うと、
香織は「そっかー」と、静かに頷くー。
直後、幸太郎は少しだけ恥ずかしそうにすると、
「い、今ので役に立ったかなー…?」と、
そう呟くー。
香織に寄生している寄生生物は穏やかな笑みを浮かべると、
「うん!」と、そう言葉を口にして、頷いたー。
そしてーーー
その日の夜ー。
香織の首ー、ギャルの身体を使っている寄生生物は
”母星”に報告を送信したー
”地球は毒性が強く、生存に適さないー。
現地に適した知的生命体しか生存不能ー。
私自身も、毒に冒されたため
この場を離れることが出来ず
本報告を持って最後とするー。
他の候補地の選定を急がれたし”
とー。
”地球は侵略に適していないー”
そう返事を送った寄生生物ー。
そして、もう”戻れない”と嘘をつきー、
寄生生物は”ここに永住”することを決意するのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー
「そういえば、香織ちゃんー
この前のレポートはできた?」
幸太郎がそう言葉を口にするー。
そんな言葉に、寄生生物ー
いや、”香織”は穏やかに微笑んだー。
”この星で、運命の人と出会ったー”
”その運命の人が、地球を侵略しないで欲しい、と、
そう言ってる”ー
だったらーーーー
侵略何てきるはずがないー。
「”地球人”としてレポートを書いて提出したよ」
香織はそう言葉を口にすると、
この星で見つけた大切な生きる意味ー…
大切な人のほうを見つめなたら穏やかに微笑むのだったー…
地球は、一人の彼女いない歴=年齢の40歳の男によって
救われたのだったー…
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
最終回でした~!!!☆
「前編」の時にお話した通り、
今回の作品は、む~やん様からリクエストで頂いた作品を
元にしています~!!
リクエストの原文は
・・・・・・・
首乗っ取りもの
地球に降り立った高い知能を持つ寄生生物(性別だとメス)
降りたってすぐに最初に目撃した女性の頭部に寄生し乗っ取り、研究調査を目的とするも
人間の身体に興味を持ちつつ、ナンパされて興味本位で行為に及んだりしてしまったり
時には男の身体になって女性としてしまったり
(やり終えた後首その女性に挿げ乗り替えて去ったり)して当初の目的が変わってく
その後、たまたま見かけて一目惚れした男性に恋を抱きつつ
恋人になって永住しちゃう展開になるお話 (まさかの純愛もの発展)
子供作っちゃったり、見かけたカラダが相手の好みだったら乗り換えて奪ってきたりなど
頭部は最初の女性の気に入っていて 顔変わるとかはない
・・・・・・・
と、いうものでした~!!
今回のお話はここから生まれた作品ですネ~!!
ダーク一直線と思わせつつ、
最後は意外な形の結末を迎える…
そんな作品になりました~~!
お読み下さり、ありがとうございました~!!☆
★作品一覧★

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