<女体化>俺は転校し、わたしは転入した②~転入生~

①にもどる!

ある日、突然女体化してしまったことで、
”学校”にそのまま通うことができなくなってしまった男子高校生。

家族や学校側と相談した結果、
一度自分は”転校”した扱いに、
”転入生”として、女子として生活をしていくことに決まったもののー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「結構可愛いよなー」
「確かにー」
「ー美少女の転入生なんて最高だぜ」

女体化した幸孝は、
”水嶋 深雪”として、転入生の扱いで、
今日、この教室にやってきていたー。

幸孝は転校して学校を去りー、
その代わりに新しく転入生がやってきたー。
そういう扱いにすることで、
女体化した幸孝が、
この先この学校で学校生活を送っていく上で、
出来る限り影響を最小限に抑えようと
学校側が考えた対応策だー。

もちろん”別人扱い”であるため、
今まで通りすぐには振る舞えないし、
幸孝にとっては影響は大きいー。

最初からクラスのみんなのことを知っているような
振る舞いをすることはできないし、
あくまでも”今日初めて学校に来ました”というような振る舞いを
する必要があるー。

ただ、それでもある程度時間が経過すれば
”それなりに自然体”では過ごせるとは思うし、
次第に影響は小さくなっていくはずだー。

もし、女体化した幸孝がそのまま
”ある日の朝、急に女になっちゃった幸孝です”と、
そういう扱いでそのまま学校に登校すればー、
生徒たちも大混乱するだろうし、
学校全体として影響が大きくなってしまうという
そういう判断もあったー。

いずれにせよ、幸孝はこうして
”転入生の女子高生”として、
今まで自分が通っていた学校に通うことに
なってしまったー。

「ーーーーー」
落ち着かない様子で担任の先生から案内された
座席に座るー。

扱いが”女子”になったため、
今まで自分が座っていた座席とは違う座席に
座ることになった女体化した幸孝ー。

「ーーー~~~~」
女子の制服を着ていることにも、
自分が名を偽っていることにもドキドキしながら
ようやく着席してひと息をついた女体化した幸孝は、
隣に座る男子生徒から声を掛けられたー。

「ーあ、え、えっとー、
 俺ー、宮崎ー。宮崎 亮介(みやざき りょうすけ)ー
 分からないことがあったら、聞いてくれれば
 何でも教えるからー」

照れ臭そうにしながら
隣の座席の男子生徒・亮介がそう言葉を口にすると、
女体化した幸孝は、とても気まずそうに
「ーーあ、…よ、よろしくー」と、だけそう言葉を口にしたー。

”本当に俺だと気付かれてないのだろうか”という不安ー、
そしてー…隣の座席の男子生徒・亮介が、
”元々親友と呼べるような相手”であったことから
余計に戸惑いを感じてしまったー。

そんな、余所余所しい反応に亮介も、
少し戸惑いながら、
女体化した幸孝と亮介はそれ以上、
その日は会話が続くことはなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”転入生”扱いということもあり、
授業の合間合間では、クラスメイトたちが
色々興味深そうに話を聞いてきたー。

”女子”扱いであることから、
女子から色々話しかけられる幸孝ー。

女体化する前も、女子と話すことはあったけれど、
幸孝はどちらかと言うと、同性のクラスメイトと
話す機会の方が遥かに多いタイプだったー。

そのせいか、こうして女子に囲まれているだけで
ドキドキしてしまうー。

「ー水嶋さんはどこの学校から来たのー?」
女子の一人がそんな質問を投げかけて来るー。

もちろん、事前に”聞かれそうなこと”は
想定して、答えられるようにはしてあるー。

元々いた学校や、元々住んでいた場所ー、
そんな質問を乗り越えると、
心の中で思わず苦笑いするー

”性別が変わるだけで距離感が滅茶苦茶違うなー…”
とー。

こんな風に女子に囲まれて話をしたことはないし、
何だか別の世界に迷い込んでしまった感じになるー。

ただー、クラスメイトの女子たちの反応が
”女子同士”に対するような反応であっても、
女体化した幸孝からすれば、やっぱり”異性に囲まれている”状態で、
どことなく落ち着かないのも確かだったー。

「ーーあ、ねぇねぇ、昼休みに一緒にお昼食べない?
 色々学校のことも教えてあげる!」

クラスメイトの女子の一人ー、
明るい性格の希海(のぞみ)から、
そう声を掛けられた女体化した幸孝は
戸惑いながらも”なんか、ちょっと楽しくなってきたようなー…”と、
この状況をどこかで楽しみ始めていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ふぅー」
”深雪”を名乗り、女子として
今まで通い慣れた学校に”転入”した
幸孝は少し疲れた様子で家への道を歩いていたー。

クラスの男子たちの反応がー
親友の亮介も含めて、全然変わってしまったー。

下心丸出しなクラスメイトもいたし、
亮介のように女子相手だとドキドキしてしまっているのか
遠慮がちに感じられるようなクラスメイトもいたー。

そして、女体化した幸孝自身、
男子相手だと”今までよく喋っていた間柄の相手が多いからこそ”
どんな風に接していいのか分からずに、
どこかぎこちない反応をしてしまうことが多かったー。

「ーーアイツらと喋ってると、つい素の俺が
 出ちまうんだよなー…」
女体化した幸孝は自虐的に笑うー

今日も一度だけうっかりと「俺」と言ってしまって
周囲から「え?」という顔をされてしまったー。

何とか適当に誤魔化したものの、
女子よりも男子と喋っている方が
色々と”ボロが出そう”になってしまう場面が多かったー。

「ーーいつか慣れるのかなぁ?」
女体化した幸孝はそう言葉を口にしつつ、
ようやく家にたどり着くと、
「ただいま」と、少し疲れた様子で言葉を発したー。

がー、その時だったー。

まだ不慣れなスカートが突然触られて、
ビクッとすると同時に、
何も反応することができないまま
スカートをめくられてしまったー。

「ーぶっ…ぶわっ!?な、な、な、何するんだよ!?」
生まれて始めて”スカートをめくられる”という経験をした
女体化した幸孝は飛び跳ねるようにして
驚きながら、顔を真っ赤にしつつそう言葉を口にしたー。

スカートをめくったのはー、イタズラ大好きな妹・楓だったー。

「ーあはははは!
 お兄ちゃん、すっごい反応ー」
嬉しそうに笑う楓ー。

「い、いやいやいや急にスカートめくられたら
 び、びっくりするだろ!?」
恥ずかしそうにしながらスカートを押さえつつ
女体化した幸孝は思わずそう声を上げるー。

そんな幸孝を楽しそうに見つめながら
楓は「でも前に、アニメか何かでスカートめくられてる子を
見ながら、”大袈裟だなぁ~”って言ってたよねー?」と、
揶揄うようにして笑うー。

「ーむ…むむー」
女体化した幸孝は、確かにそんな言葉を口にした記憶が
あったためか、少し悔しそうな表情を浮かべるとー、
「ーい、い、意外と…びっくりするなー」と、
素直にスカートをめくられた時の感想を口にするのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからも、女体化した原因は分からないまま、
元に戻る方法も分からないままの日々が続いたー。

けれどー、時間が経てば経つほど、
”女子”として学校で振る舞うのには慣れて来て、
最初の頃のように、
”学校にいる間、ずっと演技をしているような状態”には
ならずに済むようになったー。

それだけでも、気持ちの上では
かなり楽になったー…と、言えるかもしれない。

「ーーーー」
ただー、隣の座席に座っている
親友だった亮介との関係はぎこちないままだったー。

亮介は、女体化した幸孝のことを
”可愛い転校生”だと思っているのか
いつもソワソワした様子を見せているし、
女体化した幸孝は幸孝で、
相手が親友だけに、逆に他人と喋りにくい気持ちが
どこかにあったのと、
女子として振る舞うのが何となく恥ずかしい気持ちもあったー。

女子との方が話しやすいのはー、
同性になった故に、相手が変に気を遣って来ないことー、
そして、”元々そんなに深い接点がなかったから”こそ、
”女体化する前のその子”との思い出があまりなく、
寧ろ話しやすかったー。

”ーこうなる前に仲良ければ良かったほど、
 そいつと話しにくいなー…”

女体化した幸孝は、そんな風に思いながら
隣の座席の亮介のほうをチラッと確認すると、
亮介の方もこちらをチラッと見て
ドキッとしたような表情を浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

女子として生活するようになって
戸惑うことはそれだけではなかったー。

「ーーやべっ…」

昼休みー。
”また”男子トイレに間違えて入ってしまったー。

立って済ませようとトイレの前に立って、
自分のスカートを見てー、
いつも気付くー。

”やっちまった”
とー。

慌てて男子トイレの外に向かう女体化した幸孝ー。

もう何度目だろうかー。
ついつい男子トイレに入ってしまうー。

「えっ!?!?」

そして、この日は男子トイレから出ようとしたタイミングで、
クラスメイトの男子の一人がトイレに入って来てしまったー。

「えっ!?えっ!?み、水嶋さんー!?」
驚いた様子の男子生徒ー。

女体化した幸孝は慌てた様子で、
「ーーあ、あ、あ、いやー、お、俺ーじゃないー
 わ、わたしの元々いた学校ー
 だ、男子トイレと女子トイレの位置がぎゃ、逆でー」
と、そう言い訳する幸孝ー。

「あ…あ、あぁ、そ、そ、そっかー
 そ、それは大変だなー」

その男子生徒も戸惑う様子を見せながらも、
納得した様子を見せるー。

「ふ~~…」
ようやく男子トイレから出た女体化した幸孝は
「ーあんまりこれやってると”水嶋 深雪”が変態扱いされちまうー」と、
そう愚痴をこぼすー。

それと同時にー、
「”逆”だったら大変だったかもなー」
などと、そんな言葉も口にするー。

もし自分が元々女子で、男体化でもしていたら、
恐らく男になった状態で女子トイレに間違えて入ってしまうー。

そうなれば、もっと騒ぎになっていたかもしれないー。
事情を知らない人間からすれば、ただの変態でしかない。

そしてー…
5時間目の授業は体育ー。

「~~~~~~~~…」
女体化した幸孝は、体育着に着替えながら
顔を赤らめて、他の生徒たちから目を背けていたー。

そう、体育の授業前には女子として
着替えなくてはならないー。

しかも、周囲は”水嶋 深雪”を、
女体化した幸孝だとは知らず、
普通の転入生の女子だと思っているため、
何も気にしていないー。

”確かに、先生の言う通り、
 俺が幸孝だとみんな知ってたら騒ぎになるだろうしー
 かと言って男子と一緒に着替えるわけにもいかないだろうしなー…”

女体化したことを伏せて、
自分は転校、別人として転入という扱いにされた理由に
納得の表情を浮かべつつ、
今日も戸惑いの中、着替えていくー

”そのうちアレかー…?
 慣れて何とも思わなくなるのかー?”

女体化した幸孝は、
それならそれで早くそうなってほしいと、
そう思うのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー

「ーーあ、あのー」
女体化した幸孝は、意を決して
親友の亮介に声を掛けたー。

以前のような関係に戻ることは出来ないー。
ただー、男女であっても
また、友達になることはできるはずだー

「ーー亮すー…いや、
 み、宮崎くんってー……
 わ、わたしの前に転校した人と、
 仲良かったんだねー?」

女体化した幸孝はそんな話題を振るー。

”自分のこと”を他人のように言うのは
何だか変な気分だったー。

「ん?あ、あぁーー
 親友だったからー…
 そのー急にいなくなって寂しい感じかなー」

亮介は女体化した幸孝に話しかけられたことに
ドキドキしている様子で、そう言葉を口にするー。

”そんな顔しないで普通に喋ってくれれば
 いいんだけどなー”

女体化した幸孝は、そう思いつつも
この日を境に亮介に軽く雑談を振りつつ、
何とか距離を少しずつ縮めて行こうとし始めたー。

しかしー、
それからしばらく経過したある日ー

「ーーなぁ、水嶋さん、俺のこと好きなのかなー?」
亮介のそんな声が聞こえたー

「ー!?」
廊下を歩いていた幸孝は、
そんな声が聞こえて少し戸惑った表情を浮かべると、
身を潜めるー。

「ーえ?ははー。なんでだよ?
 あんな可愛い子がお前を好きになるか?」
別の男子生徒がそう言葉を口にすると、
亮介は言ったー。

「い、いやぁ…でも、なんか最近よく話しかけてくれるしー
 俺のほうをチラチラ見てるしー」

「へへー絶対勘違いだろ」

そんな会話が続くー。

女体化した幸孝は廊下でその会話を聞きながら
”お、俺ー、そういうつもりじゃないんだけどー…!?”
と、驚いたような表情を浮かべるのだったー…

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

次回が最終回デス~!!!

女体化した状態で、転入生扱いとして送る日々…
色々大変そうですネ~!

今日もありがとうございました~!!

続けて③をみる!

「俺は転校し、わたしは転入した」目次

コメント