<寄生>欲に塗れた夏祭り②~混沌~

①にもどる!

夏のお祭りの会場に紛れ込んでしまった”寄生虫”ー

人間に寄生し、その欲望を増幅させる
恐怖の寄生虫によって
夏のお祭りは欲望塗れに染まっていくー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「高田!ダメだ!その焼きそばみたいなやつ!!!
 そいつに入られるとみんなおかしくなっちまう!!!」

親友の加藤 竜聖がそう言葉を口にするー。

その言葉を聞いた秀樹は、
何とか”寄生された”30代の女のキスを回避すると、
「い、一体何がー…」と、
そう言葉を口にするー。

それと同時に、周囲でも”似たような騒ぎ”が起きていることに気付くー。

”寄生された”50代のおじさんが
近くにいた女子大生に抱き着いて振り払われているー。

その抱き着かれた子は慌てて警察に通報しようとしていたものの、
直後ー、背後からその女子大生の友達が通報しようとしていた女子大生に
抱き着いて、キスをし始めたー。

「ーーちょ…!?えっ…!?何ー!?」
自分に抱き着いて来たおじさんを通報しようとしていた女子大生は、
友達からも同じように抱き着かれて困惑の表情を浮かべるー

「ちょ、ちょっと!何考えてるの!?」
たまらず友達に対してそう言葉を口にすると、
「ーだって、その唇を見てると興奮するんだもんー」と、
その友達は歪んだ笑みを浮かべながら
押し倒した友達の方に顔を近づけるー。

そして、口元からは”焼きそば”のようにも見える寄生虫が
ペロペロと蠢くー。

”友達”にも寄生するつもりだー。

「ーーた、高田!そ、その子を突き飛ばせ!」
親友の竜聖が、浴衣姿の女から
「わたしを抱いてー!」と、迫られながら、
そう叫ぶー。

「えっ…!?えっー!?」
困惑する秀樹ー。

がー、竜聖は「早く!その倒されてる子まで”寄生”されちまう!」と、
そう叫んだー。

秀樹は困惑しながら「わ、分かったー」と、そう言葉を口にすると、
友達を押し倒した女子大生を軽く突き飛ばして、
倒されていた方の女子大生を救出するー。

「ーだ、大丈夫ですかー?」
秀樹がそう言うと、
「え…あ、はいー」と、戸惑った表情を浮かべながら
助けられた女子大生はそう言葉を発したー。

「い、一体何がーー」
助けられた子はそう言葉を口にすると
秀樹は「お、俺にも何が何だか分かりませんー…」と、
戸惑いの表情を浮かべるー。

そこに、浴衣の女を何とか振り払った親友の竜聖が
近付いて来ると、「無事か?」と、
心配そうにそう言葉を口にしたー。

秀樹は「あぁ…何とか」と、そう答えると、
「この人もー」と、
助け出した女子大生のほうを見つめるー。

がー助けられた女子大生は困惑の表情を浮かべながら
少し離れた場所で、今度は先ほどこの女子大生を押し倒そうとした
おじさんと抱き合ってキスをしている姿を見つめるー。

「ーー…わ、わたしの友達がおかしくなっちゃってー」
そう言葉を口にすると、
秀樹も困惑した表情を浮かべながら
親友の流星のほうを見つめながら
「なぁ…何があったんだー…?状況がサッパリ分からないー」と、
そう言葉を口にしたー。

すると、竜聖は「”焼きそば”だー」と、そう言葉を口にしたー。

「焼きそば?」
秀樹は思わず首を傾げるー。

焼きそばと今のこの状況がどう関係しているというのだろうかー。

そう思いながら話の先を促すと、
「向こうの屋台で売られてた焼きそばの中に
 変な虫が紛れててー」と、竜聖はそう呟くー。

「ーーこ、この状況はその虫のせいだって言うのか?」
秀樹がそう確認すると、
秀樹に助けられた女子大生も「そ、そんなことがー…」と
驚いた表情を浮かべるー。

「ーーー嘘みたいな話だけど、本当なんですー」
竜聖は、高校生である自分達よりも年上の
女子大生に対しては、そう丁寧に言葉を口にすると、
秀樹のほうに再び視線を戻して、言葉を続けるー。

「ーー俺と日葵でチョコバナナを喰ったあと、
 近くの焼きそばの屋台に並んで、焼きそばを買ったんだー
 
 けどー…俺が喰おうとしたら
 ”焼きそば”そっくりの動く物体が入ってて、
 すぐに日葵にも”これヤバいから食べるな!”って言ったんだけどー」

竜聖は悔しそうな表情を浮かべるー。

「ま、まさか、お前ー…村井さんもー…」
秀樹は、竜聖の彼女である日葵の身を案じながらそう言葉を口にすると
ハッとした様子で「か、架純もそこにいたのか!?」と、
そう言葉を発するー。

ここで待っていたはずの架純がいなくなっているー。
もしや秀樹がトイレに行っている間に竜聖たちと合流して、
それでその焼きそばをー…

「ーい、いやー、架純ちゃんは見てないなー
 俺たちとは一緒じゃなかったー」

竜聖はそれだけ言葉を口にすると、
秀樹は少しホッとすると同時に、
親友である竜聖の彼女の身を同時に案じるー。

「ーーむ、村井さんは今どこにー?」
秀樹がそう確認すると、竜聖は「分からねぇ」と
そう言葉を口にした上で、
ちょうど同じタイミングで焼きそばを食べていた
小太りのおじさんと抱き合ってキスをしてたのを見たのが
最後だと、そう答えたー。

その後は、混乱するお祭り会場の人だかりに押されて、
日葵を見失ってしまったのだと言うー。

「ーーくそっ…日葵ー…」
悔しそうにする竜聖を見て、秀樹は
「とにかく、村井さんと、架純を探そう」と、
そう提案するー。

しかし、竜聖は「見つけたところで、
ああなっちうまうとどうにもー…」と”寄生”されてしまった人たちを
元に戻す方法が分からないために、
自信なさげな表情を浮かべるー。

「そ、それでも、このままにはしておけないだろー?」
秀樹は必死にそう言葉を口にするー。

すると、その会話を聞いていた
先程秀樹に助けられた女子大生が言葉を口にしたー。

「ーーあの…
 それなら、”焼きそば”を売っていた店の人が
 何か知ってるんじゃないですか?」

とー。

竜聖は”焼きそば”の中に寄生虫のようなものが
紛れていたとそう言っていたー。

で、あれば、その焼きそばを販売していた業者を
”怪しい”と疑うのは当然のことだー。

「ーーー確かにー…」
竜聖は静かにそう言葉を口にすると、
秀樹のほうを見つめるー。

秀樹も静かに頷くと、
秀樹に助けられた女子大生もおじさんとキスをしながら
気持ち良さそうな表情を浮かべている親友のほうを見つめながら
「わたしも行きますー。
友達をあのままにしておけないしー」と、そう言葉を口にしたー。

秀樹ら三人は、そのまま
お祭りの”異変の元凶”と思われる
焼きそばの屋台へと向かうのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

秀樹と親友の竜聖、
そして秀樹によって助けられた女子大生・根本 和美(ねもと かずみ)は、
三人で、焼きそばの屋台の近くまでたどり着いていたー。

しかし、お祭りの状況はさらに悪化ー、
そこら中で胸を揉みながら笑っている女やー、
服を脱ぎ捨てて、一人で狂ったように笑っている男ー、
抱き合っている男女ー、
恐ろしい光景がそこら中に広がっているー。

「ーー架純…」
秀樹は心底心配そうな表情を浮かべながら
行方が未だに分からない彼女・架純の姿を探して周囲を見渡すも、
やはり、この辺りにも架純の姿はなかったー。

竜聖の彼女である日葵の姿も、見えないままだー。

そうこうしているうちに、ようやく焼きそばの屋台が
ある場所へとたどり着くと、
「お前のせいだぞ!」と、もう一人の男の胸倉を掴んでいる男の姿が見えたー。

「ーーち、ち、ちげーよ!!
 こ、こ、こんなことになるなんて思わなかったんだー!」

”変な虫”のようなものが海外から取り寄せた焼きそばに入っていることに
気付きながらも、”加熱すれば大丈夫だし、見た目も焼きそばみたいだから”と、
そのまま販売してしまった男・嘉助ー。

しかし、お祭りの様子が徐々におかしくなっていくのに気付き、
ようやく”焼きそばのせい”だと気付いた時にはもう遅かったー。

少しお祭り内の様子を見て来た相方の男が、
怒りの形相で嘉助に詰め寄っているー。

そんな状況の中ー、
そこに秀樹と親友の竜聖ー、
そして、秀樹に助けられた女子大生の和美がやって来ると、
3人の中では一番年上な和美が意を決した様子で
嘉助たちに声を掛けたー。

「ーあの、すみません!」
和美の言葉に、
言い争いをしていた嘉助と男が振り返ると、
和美は「ここの焼きそばに入っていた変な虫のせいで、
友達の様子がおかしくなってしまったんですけどー」と、
そう不満そうに言葉を口にすると、
嘉助が口を開いたー。

「ーあぁ、くそっー、俺のせいじゃねぇ!
 俺はただ、あの焼きそばが安いからー」
嘉助はすぐに、和美のほうを見つめながら”言い訳”を始めるー。

が、和美はそんな嘉助に向かって
「今は、誰のせいとかそういうことを聞きたいんじゃなくてー」と、
そう言葉を口にした上で、
「元に戻す方法を知りたいんです!」と、そう言葉を続けたー。

この屋台の店主が犯人だとか
そんなことよりも今は
友達を助けたいー、寄生された人々を助けたいー…
和美が願うのは、それだけだったー。

「ーーあの薄気味悪い虫に寄生された人たちは
 どうやったら元に戻せるんだ!?教えてくれ!」
背後から、秀樹の親友である竜聖も、不満そうに
そう言葉を口にするー。

「く、くそっー知るかよそんなこと!
 俺だって、虫入りの焼きそばを売りつけられた被害者なんだ!
 あの虫が何なのかも、どうすりゃいいのかも知らねぇ!」

焼きそばの屋台をやっていた嘉助が、
そう言葉を口にすると、
既に調理済みの焼きそばのパックを見つめながら
表情を曇らせるー。

そしてーー

「と、とにかく俺は知らねぇ!俺のせいじゃねぇ!いいな!?」
と、嘉助はそう叫ぶとそのまま後ずさって”逃亡”し始めるー。

「ーあ、おい!待て!」
嘉助の相棒だった男がそう言葉を口にすると同時に、
背後から別の女が迫って来て、その男にキスをするー。

「ーうわっ!は、離せ!」
嘉助の相棒だった男が押し倒される中、
その男を押し倒した女を見て、
秀樹の親友・竜聖は表情を曇らせるー。

「ひ、日葵!!」
嘉助の相棒を押し倒したのは、
既に寄生されてしまった竜聖の彼女である日葵だったー。

「ーーっ…む、村井さんー」
秀樹も友人カップルの彼女の変わり果てた姿に困惑するー。

日葵は笑いながらその男にキスをすると、
男のズボンを無理矢理脱がせようとするー。

「ーお、おいっ!日葵!やめろ!」
竜聖がそう言葉を口にしながら日葵の腕を掴むと、
日葵は振り返って不気味な笑みを浮かべたー。

そしてー
口から”焼きそば”のような見た目のミミズのようなものを
吐き出したー。

「ーーぐあっ!?」
竜聖の顔にそれが飛びつき、竜聖がもがき始めるー。

すぐに秀樹が助けに入ろうとするも、
苦しそうにもがいていた竜聖は
嬉しそうに笑い始めたー

「ーお、おいー…か、加藤ー?」
秀樹はそんな竜聖の様子を恐る恐る確認するも、
竜聖は笑いながら、彼女の日葵に抱き着いて
そのまま激しいキスをし始めたー。

「ーー…う… うぅ…や、やってられるかー!」
結果的に助かった”嘉助の相棒”だった男は
そのまま慌てた様子で逃亡していくー。

秀樹は、外であることも気にせず、
大胆に交わっている友人カップルの竜聖と日葵に声を掛けるも
二人はもはや正気ではないー。

日葵が狂ったように喘ぐような声をあげながら、
その耳からは嬉しそうに寄生虫が顔を脱して踊り狂っているー。

「ーーくっ……」
秀樹は”今はどうすることもできないー”と、そう判断しながら後ずさると、
秀樹に助けられた女子大生・和美が
「ーあ、あっちからもー寄生された人たちがー」と、
寄生された人間に囲まれ始めたことを告げるー。

「ーー…」
秀樹は悔しそうに友人カップルを見つめるも、
この場を離れることを決意ー

がー、

「ーー!」
ふと、”寄生虫入り”の焼きそばがまだ売れ残って
パック詰めされている状態で置かれているのを確認すると
”これを警察に持って行けばー”と、
そう思いながら持っていた袋にそれを詰め込むー。

「そ、それをどうするのー?」
和美の言葉に、秀樹は
「これを警察に持って行くんですー。」と、そう答えると、
まだ行方知れずの彼女・架純を探すために
混沌のお祭り会場の中を走り始めたー…

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

次回が最終回デス~!!

寄生虫によって狂ってしまったお祭り会場…!

無事に問題解決できるかどうかは…
明日のお話を見て下さいネ~!

今日もありがとうございました~!★

続けて③をみる!

「欲に塗れた夏祭り」目次

コメント