念願の憑依薬を手に入れて、
理想の子を見つけ出し、憑依ー…
新たな人生を手に入れようと目論んでいた男ー。
しかし、彼が憑依した相手は
ちょうど、”誘拐されている最中”の子でー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「僕は”姫”を”城”にお連れしようとしているだけだよー」
車を運転している”一見すると優しそうに見える男”が
笑いながらそう言葉を口にするー。
”く、くそっー…最悪の状況じゃねぇかー…”
美鈴に憑依した大輔は内心でそんな言葉を吐き出しながら
不満そうな表情を浮かべると、
男のほうを見つめるー
まさか、この子が誘拐されている最中だとは思わなかったー。
あまりにも自然な形で車に乗っていたために、
一緒に車に乗っている男は、この子の父親だと、
そう思ってしまったー。
「ーーー俺ー、い、いやー、わたしをどうするつもりー…?」
美鈴に憑依している大輔は、辛うじて美鈴のフリをしながら
そう言葉を口にするー。
乗っ取った可愛い子の身体で、自分のことを
”わたし”と言うのはゾクゾクしたものの、
今はそんな場合ではないー。
本当だったら、早速胸を揉みまくったり、
スカートをめくってみたり、
髪を色々いじくり回して遊んでみたり
してみたかったもののー、
この誘拐犯のせいで全ては台無しだー。
「ーどうするー?
ははー、さっきも言ったじゃないかー。
僕はただー、姫を城にお連れしようとしているだけー。
今から美鈴ちゃんをお城に案内してあげるからねー」
男は笑いながら言うー。
”くそっー”
美鈴に憑依している大輔は、背筋が凍るような思いをしながら、
周囲を見渡すー。
”新しい人生”を楽しむためには、この状況をどうにかしなくてはならないー。
美鈴は険しい表情を浮かべながら、
この状況を打開する方法を考えるー。
そして、内心で少しだけ笑うー
”クククーでも、この誘拐野郎も運の無い奴だなー
まさかこんなに可愛い子の中身が
俺みたいなどうしようもない男になったとは思ってねぇだろうなー”
とー。
本来の美鈴であれば、きっと、この状況を前に
只々怯えるだけだったと思うー。
しかし、今の美鈴は違うー。
”身体はか弱い美少女でもー
中身がこの俺になったってことがお前の運の尽きだー”
美鈴に憑依している大輔は、
男から見られないようにしつつ、ニヤッと邪悪な笑みを浮かべると、
近くに”美鈴のスマホ”がないかどうかを確認するー。
しかし、”所持品”は、取り上げられているのか、
周囲には見当たらなかったー。
「ーーへへ…」
そんな状況の中でも、スカートを履いている状態の
美鈴ー、今は”自分自身”となったその身体が視界に入るだけで
少しニヤついてしまう大輔ー。
”あぁぁ~…早くこの状況をどうにかして、
存分にこの女の身体を貪り尽くしてやるんだー”
美鈴は身体中から湧き上がる興奮を覚えながら
ニヤニヤと笑みを浮かべると、
次に、車のドアを見つめたー
ドアはロックされているー。
運転席側には、他の座席のドアをロックしたり
開けたりするためのボタンがあり、
仮に自分の横にあるドアのロックを開けたところで、
また閉じられてしまうか、捕まってしまうかして
脱出するのは難しいー。
「ーーー」
車のドアを開けて強引に逃げる方法は無理だと
判断した美鈴に憑依している大輔は
今一度、チラッと男のほうを見つめると、
内心で笑うー。
”に、しても弱そうなやつだなー”
最初に抱いた印象は”優しそうな父親”ー
しかし、よくよく見ると細見だし、
そんなに力も無さそうだー。
大輔からすれば、実力行使で倒せない相手ではないー。
”俺がぶん殴ってやりゃ、すぐに降参するだろー。
それに今の俺は誘拐されてる可哀想な美少女なわけだから
多少コイツを怪我させても、問題ねぇだろうしなー…”
美鈴の身体で、そんなことを考えつつ、
大輔は”ま、その前にー”と、
自分の中で思いついた作戦を実行しようと口を開くー。
「ーね、ねぇー…あ、あのー…
トイレに行きたくなっちゃったー…」
美鈴のフリをしながら、そう言葉を口にする大輔ー。
わざと、少しもじもじしながら
必死にトイレを我慢しているような、
そんな”雰囲気”も出して見せるー。
「ーートイレーー?漏れそうー?」
誘拐犯の男は、運転を続けながらそう言葉を口にするー。
「ーも、もうー…そろそろヤバいかもー」
”可愛い声だなぁ”と、思いつつ、
美鈴に憑依している大輔が
”あえて”苦しそうな声を出して、
トイレに行きたいと訴えるー。
トイレに行かせてくれるために
車が停車した時がこの男の最後の時だー。
そう思いつつ、車から降りたあとの逃げ方を考える美鈴ー。
しかしー…
「そっかー。でも大丈夫だよー。ここで出せばいい」
男は、運転をしながら満面の笑みを浮かべつつ
まるで”当たり前のこと”を言うかのようにそう言葉を口にしたー。
「ーーーえ…」
呆然とした表情を浮かべながら、美鈴は表情を曇らせるー。
その上で、
「え…で、で、でも、こ、ここで漏らしたらー
車が汚れちゃうしー」と、
美鈴に憑依している大輔は、
咄嗟にそんな言葉を口にするー。
とにかく、トイレのため、という理由付けで
車から降りるチャンスを手に入れて、
そのまま逃走するー…
そのためには、まずは車を停車させる必要があったー。
がーー
「ーはははー心配ないよ
美鈴ちゃんみたいな可愛い子のお漏らしは
聖水みたいなもんだからさー
そこで漏らしていいよ」
と、男は笑みを浮かべながらそう言葉を口にしたー
”コイツー…イカれてやがるー”
美鈴に憑依している大輔は、困惑の表情を浮かべるー。
大輔自身も、他人に憑依してその人生を
乗っ取ろうとしているわけだし、
自分自身もイカれていることは、大輔も自覚はしているー。
しかし、その一方で、大輔には
例え美少女のものであっても”尿”は”尿”でしかなく、
美鈴の身体に憑依した後も、
漏らしてゾクゾクしようとか、そんなことは
想像もしていなかったー。
「ーい…いやー、で、でもー」
美鈴に憑依している大輔は、
車も自分の服も汚れてしまうと
そう言葉を口にして、
何とか車を止めさせようとするー。
が、誘拐犯の男は笑いながら車の運転を続けつつー、
淡々とした口調で言ったー。
「漏らせ」
とー。
顔は笑っている。
がー、その言動には狂気すら感じるー。
”く、くそっー…こ、コイツー…”
トイレと偽って車を下ろして貰い、
そのまま逃走するー…
そんな”トイレ作戦”は失敗に終わったー。
そう思いつつも、”いや、待てよー?”と、
美鈴に憑依している大輔は”更なる作戦”を思いつくー。
”そ、そうだー”
そう思いながら美鈴は
「お、お腹が痛いのー!」と、そう叫ぶー。
「ー!」
車を運転していた誘拐犯が困惑の表情を浮かべるー。
さっきコイツは聖水”だとか何とか言っていたー。
が、流石に”大”のほうを車に漏らされては困るだろうー。
と、大輔はそう思いつつ
邪悪な笑みを浮かべるー。
”ククククー…さぁ、諦めて俺をトイレに行かせなー
車の中が汚ったねぇ状態になってもいいのかー”
美鈴の身体で少しだけ笑みを浮かべつつ、
男の反応を待つ大輔ー。
がー、男はまたにこっと笑みを浮かべると
「美鈴ちゃんが出す便なら、それは宝石みたいなものだから
気にしなくていいよ。」と、そう言葉を口にしたー
「ーーコイツー…マジかー」
思わず、間違えて心の中で呟こうとしていたことを
普通に口で発してしまうと、
誘拐犯の男は笑いながら言葉を続けるー。
「ー気にせず出して貰っていいー。
世間は何て言うか知らないけど、
僕にとっては宝石みたいなもんだからね」
とー。
「ほ、宝石ー…!?!?」
美鈴の身体で思わず変な声を出してしまう大輔ー。
女子高生に憑依してその人生を奪おうとしている大輔でさえ、
”コイツ、やっぱりイカれてやがるー”と、
心底引いたような表情を浮かべてしまう状況ー。
もちろん、逆に、この誘拐犯の男からすれば、
美鈴のような子の身体を乗っ取って
そのままやりたい放題をしようとしている大輔の方に
引くかもしれないー。
今、ここにいるのは、どちらも
危険人物同士であることには変わりはないー。
「ーお前…マジでヤバいなー…」
美鈴の身体であることも忘れて、
そんな言葉を発してしまう大輔ー。
「はははー…美鈴ちゃんにそう言われるなんてー
最高の誉め言葉だよー」
男は、全く罪悪感のようなものを感じる様子もなく、
そんな言葉を口にして笑っているー。
「ーー~~~~~…」
美鈴に憑依している大輔は
”この感じじゃ、トイレに行かせてもらうのも無理そうだなー…”と、
トイレに行くフリをして逃亡するのを諦めるー。
「ーーーー」
しばらく沈黙する二人ー。
やがて、男が口を開くー。
「ートイレ、我慢しなくていいんだよ?
聖水に宝石。早く出してごらん?」
とー。
「ーーっっ…」
”本当は我慢などしていない”ー。
がー、そもそも本当に我慢していたとしても、
この誘拐犯の男にはそんなこと通用しそうにないー。
コイツは只々ヤバいやつで、サイコパスだー。
そう思いつつ、
”トイレ作戦がダメならー…”と、
美鈴は周囲を見渡すー。
そのまま単純に扉をこじ開けるのは難しそうだー。
そして、トイレを理由に外に下ろしてもらうのも
難しそうな状況ー。
こうなったらー…
”ー俺もそろそろ、この状況には我慢できなくなってきたしー、
こうなったら力ずくで外に出させてもらうかー”
せっかく美鈴のような可愛い子に憑依したと言うのに、
”何もさせて貰えない”状況ー。
こんな焦らしプレイのような状況に
これ以上耐えられないー。
美鈴に憑依している大輔はそんな風に思いながら
男を見つめるー。
先程も、大輔が感じた通り、
細身で弱そうな男だー。
”コイツ一人ぐらい、俺なら簡単にKOできるしー、
美鈴に憑依している大輔はそんな風に考えるー。
相手を痛めつければ多少の騒ぎにはなってしまうかもしれないー。
面倒事はできれば避けたいけれど、
多少は仕方がないー。
それに、相手の男が怪我をしたとしても、
相手は誘拐犯ー…
攫われそうになった美鈴が
多少の反撃を試みることは別に何らおかしなことではないはずだー。
”よしー…コイツをぶちのめしてー
さっさと俺は楽しませてもらうとするかー”
美鈴に憑依している大輔は、
そんなことを考えながらタイミングを見計らうー。
そしてーー
ほとんど他の車も見かけない場所で
信号待ちのために停車したタイミングで、
美鈴は突然、男に殴りかかったー。
「ーーぐあっ!?」
美鈴からそんな反撃を受けるとは
思ってもいなかったのだろうー。
誘拐犯の男が苦しそうに声を上げるー。
美鈴は続けて、1発、2発と男をグーで殴りつけると、
男の腹部のあたりを蹴りつけるー。
運転席で苦しそうにしている男ー。
それを見て、美鈴に憑依している大輔は
「ーへへーじゃあなー」と、そう言葉を口にすると、
そのまま助手席側の扉のロックを解除して、
外に飛び出そうとしたー。
男をノックアウトした状態なら、
外に出ることもできるはずだー。
がーー
扉から外に出ようとすると、男は
美鈴の腕を掴みー、美鈴を引っ張って来たー。
「ーーーっ…!しつこい野郎だな!」
美鈴に憑依している大輔はついカッとなって
素の自分の言動をしてしまいながら
男にさらに拳を叩きこもうとするー。
しかし、男に腕を掴まれてしまった美鈴のパンチは、
今度は男には命中しなかったー。
「ーくそっー」
美鈴は、男の腕を振り払おうとするー。
がー
「ー!?」
やせ細っている見た目に反して、男の腕の力が
”妙に”強いー。
「ーーな…」
美鈴に憑依している大輔は一瞬驚くも、
腕をねじられて、
悲鳴のような声を上げるー。
やがて、力強く助手席に押さえつけられると、
美鈴は”コイツ、どこにそんな力がー”と、
呆然としながら男を見つめ返したー。
「ーー悪い子だなー
でも、嫌いじゃない」
男はそう言葉を口にすると、何かハンカチのようなものを取り出すー。
美鈴に憑依した大輔は瞳を震わせながら
今更、あることに気付くー。
”ーーそ、そうかー…こいつの力が強いんじゃなくてー
この女の力が弱いんだー…”
とー
がー、それに気づいた時にはもう手遅れー。
美鈴に憑依している大輔はそのまま眠らされて
男の言う、”城”に連れていかれてしまうのだったー…
③へ続く
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コメント
次回が最終回デス~!!
せっかく憑依したのに、
こんなことになってしまったら、大変ですネ~…!
今日もありがとうございました~!☆!

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