とある時代ー。
まるで、女性と間違えられるぐらいに
美しい風貌を持つ剣客が二人いたー。
しかし、実はそのうちの一人は本当に女でー…?
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「ーー秀(しゅう)、
また君は僕の前に立ちはだかるのかー」
そう言葉を口にする”宿敵”ー。
そんな言葉に”秀”は、
長い髪を揺らしながら答えたー。
「ーーへっー
それはこっちのセリフだー。
そう答えた”秀”は、
剣の腕をひたすら磨き、
現在は、色々な依頼を受けながら
剣を振るう、雇われの剣客として生きているー。
その風貌は、まるで女性のような
長く、綺麗な髪に美男子風の整った顔立ちで、
女性とみ間違えられることも度々あるような、
そんな人物だったー。
そんな見た目とは裏腹に、口調は結構軽いために、
”しゃべらなければ、美人に見える”などと言われてしまうこともある、
そんな人物だー。
一方、その宿敵として同じく”雇われの剣客”として
各地を旅している”ユウリ”名乗る剣客で、
偶然、秀と同じく”美貌を持つ”、そんな剣客だったー。
二人はこれまでにも”宿敵”として幾度となく剣を
交えていて、
今日もまた、お互いに別々の任務を受けて
それをこなしている最中に遭遇ー、戦闘が始まろうとしていたー。
「君と僕はー
確か、僕の方が君に多く勝っていたはずだねー」
ユウリがそう言葉を口にするー。
口を開くと”美男子”が台無しになってしまうような
軽い感じの秀とは違い、
ユウリは、どこか女性的な声で、穏やかな口調で話すタイプだ。
「ーーへへへっ…すぐ逆転するさー」
秀がそう言葉を口にすると、
ユウリは「来いー」と、そう言葉を口にして”細剣”を手にしたー。
「へっ!もうちょっと大きい剣を使った方が
威力も増すと思うぜ!」
秀がそう言葉を口にしながら、自身の剣でユウリに攻撃を加えるー。
が、ユウリは素早い身のこなしで、長い髪を揺らしながら
それを回避すると、
「僕より勝率の悪い君にアドバイスされたくないなー」と、
そう言葉を返すー。
「ぐぬぬ…」
秀は少し悔しそうに言葉を返すと、
ユウリの細剣による連続攻撃が秀に襲い掛かったー。
結局、この日もユウリの勝ちー。
秀は撤退に追い込まれて
「ー次は勝つからな!」と、そう捨て台詞を残すのだったー。
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それから、しばらくが経過したー。
”宿敵”であるユウリが、
ある団体と接触して、何かを企てているという
情報を手に入れたー。
”剛刃団”(ごうじんだん)と名乗る
”男のみ”で構成されている荒れくれ者の一団だ。
そのアジトに、最近、ユウリは頻繁に出入りを
しているというのだー。
それを聞いた秀は、剣客として誰かから依頼を受けるのではなく
”個人”としてそのことを調べ始めたー。
そしてーー
「ユウリ!
お前ー、どうして豪刃団なんかとー」
秀がそう言葉を口にすると、
ユウリは剛刃団のアジトの前で、振り返ってため息を吐き出したー。
「仕事だー。君には関係ない」
とー。
が、秀は言うー。
「お前、”僕に悪事は似合わない”っていつも言ってたじゃないか
ーあの言葉はー何だったんだよ!」
とー。
秀も、ユウリも
”依頼”を受けて、剣客としての仕事をこなしつつ
生計を立てているー。
が、二人とも”悪事には加担しない”ことを
心に誓っていて、
”仕事”の選択には慎重だったー。
しかしー…
ユウリはここに来て、荒れくれ者の集団・剛刃団などと組み、
頻繁にアジトに出入りをし始めたー。
「君が何と言おうと、僕は僕の思うままに生きる」
ユウリはそれだけ言うと、
「おいっ!待ちやがれ!」と、そう叫ぶ秀を無視して
そのまま洞窟の中へと入って行ったー。
「~~~~~~…」
自分の長い髪を触りながら、
秀は「ユウリー…」と、そう呟くと、
宿敵が悪の道に進もうとしている…かもしれないことを前に
戸惑いの表情を浮かべていたー。
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数日後ー。
”何とかユウリを止めたい”
そう思った秀は、
剛刃団と、ユーリの関係を何とか裂こうと
そう考えていたー。
そしてー、秀はあることを思いついた。
それは、かつて仕事関係でしばらく滞在したことがある、
とある忍びの隠れ里に足を運ぶー。
秀はこの里の依頼を複数こなし、里を危機から
救ったことがあるのだー。
その里で暮らす人々や忍が秀を歓迎する中、
秀は口を開いたー。
「この里に、確か”転換の薬”というものが
あると聞いたのだがー…
どうして、それが必要なんだー」
と、そう言葉を口にするー。
この隠れ里では”忍術”にあたる
様々な秘薬の研究も行われていて、
”転換の薬”は、そんな秘薬の一つだったー。
転換の薬とはー、
男に対して効果を発揮する薬で
その対象を”女体化させる”というものだー。
もう一つ”男体化”するタイプの薬もあるものの、
そちらは今回、秀の目的には関係ないため、
使う予定はないー。
「ーー他ならぬ、秀さんの頼みとあらば
お聞きしたいところではありますがー、
しかしー……
一体何に使うおつもりですかな?
我々としても、我らの秘術を闇雲に外に
漏らすわけには行きませぬ故ー」
里の長がそう言葉を口にすると、
普段、ユウリの前ではどこか軽い感じの秀も
真面目な表情で
里長のほうを見つめてから、言葉を口にした。
「ーえぇ、それはもちろんです。
事情を説明します」
秀はそう言葉を口にすると、
”宿敵”である剣客・ユウリが、
剛刃団と手を組んでいること、
剛刃団は”男”しか出入りを認めていないために、
ユウリを女にしてしまえば、
剛刃団も、ユウリのことを遠ざけるはずで、
宿敵が悪党に加担するのを何とか止めたい、と、
そう言葉を口にしたー。
それを聞いた里長は
「安心しましたー。私利私欲のために使う、というわけでは
ないようですなー」と、そう言葉を口にした上で、
「まぁ、秀さんなら聞くまでもありませんでしたがー、
これも里の掟ですのでー」と、申し訳なさそうに言葉を口にしたー。
「いや、大丈夫ですー。ありがとうございます」
秀はそう言葉を口にしながら頭を下げるー。
そしてー、”転換の薬”を受け取ると
秀はユウリと食い止めるため、
そのまま剛刃団のアジトの近くに向かって走り始めたー。
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「ユウリ!」
アジトの近くで待ち伏せをしていた秀は、
剛刃団のアジトに向かおうとするユウリがやって来たのを見て、
物陰から飛び出してそう言葉を口にしたー。
”美男子”二人ー。
そう言ってもいいような雰囲気の二人が見つめ合うー。
すると、しばらくしてユウリが口を開くー。
「ーー僕の邪魔をするなら、君でも容赦しない」
とー。
「ーーお前が俺に容赦したことなんてあるか?」
秀は少し冗談めいた口調でそう言葉を口にすると、
”転換の術”の薬が入った
容器を手に、ユウリとの距離を詰めていくー。
が、ユウリは間合いに入らせないように
細剣で鋭い攻撃を繰り出すー。
なんとか、転換の薬の入った容器をユウリに
投げつけようとするも、ユウリの実力を前に
それはなかなか厳しい状態だったー。
「ーーチッー」
秀は舌打ちをするー。
ユウリはそんな秀を見て、
「戦うつもりもないなら、君に用はないー」と、
そう言葉を口にして、そのまま立ち去ろうとするー。
「ーー!!」
ユウリが剛刃団のアジトへと向かって行くー。
そんな光景を見つめながら、
秀は青ざめた表情を浮かべると、
「ーーユウリ!!!」と、そう叫んでから、
転換の薬の入った容器を手に、ユウリに接近ー、
止むを得ず”自分も巻き込まれてしまう距離”で、その容器を叩き割ったー。
自分自身も女になってしまってでも、
宿敵であるユウリが、悪党どものアジトに出入りしているのを、
悪の道に落ちていくのを彼は見過ごすことはできなかったー。
「ーーなんだこの煙は!?」
細剣を手にしたままのユウリが、割れた容器から噴き出した煙を
見つめて驚くー。
「ーへへへ…剛刃団は男の入団しか認めていない組織ー
男以外はアジトに入ることさえ許されないー」
秀はそう言うと、
「お前を女にしちまえばー、お前はこれ以上、剛刃団と
つるむことはできねぇ」と、そう言葉を続けるー。
その上で、この煙は浴びた人間を女に変えてしまう力を持つものだと、
そう説明したー。
その言葉を聞いたユウリは驚いたような表情を浮かべながら
「待て!それじゃ、君が女にー」と、そう言葉を口にする。
しかし、秀は「お前を止めるためなら、そんなことどうだっていい!」と、
そう叫ぶと、ユウリは「いやまて!君はー」と、そう言葉を口にしかけたー。
が、既に転換の術を発生させるための転換の薬は
全体に広がり、手遅れな状遺だったー。
秀は自分の身体に異変を感じて、
少し苦しそうに表情を歪めると、
里から”女体化する際に少し苦痛を伴ったり、一時的に気を失う可能性がある”と
説明を受けていたのを思い出し、
”効果が出てきたかー”と、そう思いながら少しだけ微笑んだー。
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「ーーーく…」
目を覚ました秀は、自分の身体を見下ろすー。
すると、そこには今までの自分にはなかった
胸の膨らみを確認することができたー。
秀は少しドキッとしながらも、
すぐにハッとして”そういえば、アイツはー”と、
宿敵であるユウリの姿を確認しようとしたー。
がー
「ー目を覚ましたようだね」
背後から、ユウリの声が聞こえたー。
「ーー!」
秀が振り返ると、
「ーこれで、俺もお前も女だー」と、そう言葉を口にした上で、
「まぁ、俺たちは美男子だのなんだの言われて、よく女とみ間違えられてた
ぐらいだし、そう生活には影響ないさー」と、
そんな言葉を続けるー。
そう言葉を口にしつつ、同時に
”随分可愛い声になっちまったな”と、内心でそんなことも思いつつ、
苦笑いするー。
すると、ユウリは「君はバカなのか?」と、そう言葉を口にしたー。
「へへー
ま、宿敵を救うために宿敵を道連れにして女になるなんて
確かに馬鹿って言われても仕方ねぇことだとは思ってるさー
でも、それでも俺はお前がー」
秀は、まだ女体化した自分の身体に”慣れない”という様子で
少し戸惑いの表情を浮かべて見せつつ、
そこまで言葉を口にするー。
しかし、ユウリは「君はバカだー」と、そう断言すると、
「ー僕が男だといつ言ったー?」と、
そう言葉を続けたー。
「ーーは…?」
女体化した秀は、戸惑いの表情を浮かべるー。
「ー僕は、元々女なんだがー?」
ユウリのその言葉に、
秀は「はい?」と、間抜けな表情を浮かべながら
そう言葉を口にするー。
が、秀は慌てて
「いや、だってお前、”僕”って言ってるしー
俺と同じでみんなから美男子だって言われてるしー」
と、そう指摘すると、
「ーー”僕”と言ったら男なのか?
それに、美男子云々は、周囲の人たちが勝手に言ってただけだー
僕は何も言ってない」と、
ユウリはそう返して来たー。
「ーーい…いや…え???
お、俺が男同士ー、みたいなことを言った時もーー」
女体化した秀は、心底困惑した様子で呟くと、
ユウリは「周囲から男だと思われていても、別に訂正しなかっただけだー。
僕は否定も肯定もしていない」と、呆れ顔で言葉を発したー
「ーっ…」
秀は、”確かにユウリは一度も”僕は男だ”とは言っていない”と、
頭の中でそう思いながら
「え…お、お前…女だったのかー?」と、そう言葉を口にするー。
「だったら何だー。どっちだっていいだろう?」と、
ユウリはそう言いながら、
女体化した秀を見つめると、
「ーつまり君は、さっきので自分だけ女になったんだー」と、
淡々と言葉を口にしたー。
「なっー……」
ユウリは元々女であったために、
女体化したのは自分だけー。
女になりたい!と願っていたわけでもない秀からすれば
ただの”無駄な行動”だったことに、秀は愕然とするー。
「ーーお、お前ー…」
女体化してしまった秀は”信じられない”という様子で
ユウリの方を見つめると
「も、元々女だったのかー」と、今一度そう言葉を
口にするのだったー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
宿敵も、自分と同じような美男子だと思っていたら
そうじゃなかった…!
そんなお話ですネ~!
どうなってしまうのかは明日のお楽しみデス~!!

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