”憑依のサブスク”ー。
そんなサービスと出会い、
憑依を堪能していた男子高校生。
しかし、金銭的に限界になって解約しようとした彼を
待ち受けていた運命は…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”当サービスを解約したいとのことですがー、
いくつか確認があってご連絡しましたー”
洋太が最初に憑依したクラスメイトー
同じ高校に通う尚美が電話の向こうでそう言葉を口にするー。
”普段の尚美”とはまるで違う機械的な口調ー。
「ーー…え、えっとー…え…?」
妹に憑依した状態のまま洋太は困惑の表情を浮かべるー。
「ーーど、ど、どこでそれをー…?」
困惑しながらそう言葉を返すー。
尚美が憑依サブスクサービス
”ワンダーポゼッション”と関係があるとはとても思えないー。
最初に憑依したあと、学校に来ていた尚美は
”意識が飛んでいること”を心底怖がっている様子だったー。
”憑依のこと”を知っている人間ならば
あり得ない反応だー。
しかし、今、尚美はまるで
”憑依サブスク”の中の人のような、そんな口ぶりで言葉を続けているー。
「ーわ、悪いけど、い、今は忙しいからー」
妹の身体でそう答えると洋太はすぐに電話を切ろうとするー。
しかしー
”ーこのまま解約したら、大変なことになりますよ?”
とー。
「ーーー…え…」
妹の身体で困惑の表情を浮かべるー。
電話相手の尚美の機械的な口調ながら、脅すようなトーンの声に
震えながら、
「あ、あ、あ、兄はー…今、手が離せなくてー」と、
咄嗟に”妹”のフリをして言葉を口にするー
妹の身体で電話に出て良かったー、と、
洋太は心底そう思いながら妹のフリをして
一度電話を切り、やり過ごそうとする。
しかしー
”今、相沢様は妹様に憑依されていますねー?”
と、尚美からそう指摘されてしまうー。
尚美から”相沢様”とまるで客のような扱いで呼ばれたことにも
違和感を感じながら
「そ、そ、そ、そんなことー…
な、何を言ってるんですかー?」と、咄嗟に誤魔化すー。
けれどー尚美は言うー。
”ーわたしは今、”この身体”を借りてお話していますー。
わたしは”ワンダーポゼッション”の解約処理担当の人間ですー。
こちらで憑依履歴は確認できますので、
とぼけるのはおやめくださいー”
とー。
「ーー…か、身体をー…」
妹に憑依している洋太は呆然とするー。
”憑依のサブスク”を提供している会社だー。
当然、相手はその”憑依”の力を自在に使うことができるー。
今、憑依サブスクを提供している会社の社員が、
尚美に憑依して、洋太に電話をかけてきている、と、
そういうことなのだと洋太は悟るー。
「ーーー……」
妹の身体に憑依したまま、
最初はスマホを手に、片手で胸を揉んでいたのに、
いつの間にかその余裕もなくなったのか
手をピタリと止めながら
ゴクリと唾を飲み込むー。
「ーー…そ、それで、解約したら大変なことになる、というのはー…?」
妹の身体で洋太がそう確認する。
すると、電話の向こうの”憑依されている尚美”は、
少しだけ笑ったー。
”いくつかありますが、
一つは”憑依履歴”が公表されますー。
憑依されていた方に、憑依されていたことをお伝えする、
ということですねー”
尚美の言葉に、妹に憑依している洋太は
冷や汗を流し始める。
「え…え、どうしてそんなことをー…?」
妹に憑依している洋太がそう言葉を口にすると、
”弊社としては、他人の身体に憑依することは
相手の同意を得ていることが前提になっておりますので、
憑依サブスクの利用終了をお知らせするご案内を送りするだけです”
と、尚美はそう言葉を口にしたー。
確かに”相手の同意”云々は、サブスクの注意書きには書かれていた。
”どうせ、誰も守る奴はいないだろ”と、洋太は思っていたし、
注意書きもそれほど重い感じではなかったために
気にしなかったー。
「ーー……い、いやー…そ、そのー…
相手にも迷惑が掛かりますしー」
妹に憑依したまま、洋太がそう言葉を口にするー。
が、”憑依されている尚美”は、
”それと、利用終了の証明書類をご自宅に送付させていただきます”
と、そんな言葉を付け加えたー。
「ーーー~~~…」
青ざめる洋太ー。
”ーう、嘘だろー?
そんなもの送られたら、父さんと母さんに
こんなサービスで好き放題してたってことがバレちゃうじゃないかー”
そう思いつつ、
「あ、あの、書類は必要ありませんのでー
ほら、一度解約した後にまた一番低いプランで再契約しようと思っているのでー」
と、妹の身体で慌てて答える。
けれどー
”申し訳ございません。書類は1回1回お送りすることになっておりますのでー”
と、尚美は淡々と機械的にそう言葉を口にしたー。
「ーだ、だ、だから、いらないんだってば!」
妹の身体で洋太は少し怒りを交えながら叫ぶー。
そして、その上で
「ー”家族”とかに憑依のことを知られたくないーって気持ち、
憑依のサブスクを運営している会社の人ならわかりますよね?
親とか、憑依した相手に知られたくないんですよ、俺は!」
と、妹の身体でそう叫ぶー。
がーー
”規則は、規則ですので”
と、尚美は冷たい反応をしてきたー…。
「ーーそ、そ、そんなー…」
手をガクガクと震わせながら、妹の身体に憑依していることも
忘れるぐらいの焦りを覚える洋太ー。
「ど、どうにかならないですかー…?
どうにかー…」
妹の身体で、嘆願するかのようにそう言葉を口にする洋太ー。
すると、”憑依されている尚美”は、
”そうですねぇ…”と、考えるような言葉を口にした上で、
言葉を続けたー。
”解約、しなければ規則上、書類をお送りすることはありませんので、
このまま契約を続けていただければ、問題はないかとー”
とー。
「ーーーー!!」
妹の身体に憑依している洋太は震えるー。
そして、呟くー
「ーそれが、狙いなのかー?」
とー。
”はい?”
憑依されている尚美がわざとらしい口調で言うー。
”憑依サブスク”に加入させてー、
”欲望”に負けた人間がどんどん上位プランへと移動していき、
いざ、解約しようとすると解約させないー。
解約は自由と装いつつも、”解約後の手続き関係の書類”を送ると言い放ち、
”脅す”ことで、解約させないようにするー。
しかし、そうは言っても、
”ワンダーポゼッション”の業者側は”解約書類を送る”と言っているだけと
言い訳できるようになっているし、
そもそも、”憑依”などという後ろめたいことをした利用者が
”お前たちを訴えてやる!”などと言い出す可能性は低いー。
加えて、”ワンダーポゼッション”の社員は、
今は尚美の身体を借りているように、
他人の身体を使って連絡して来るだけであるため
その実態もつかめず、どうすることもできないー。
「ーこうやって、利用者からお金を巻き上げているのかー…?」
怒りの形相を浮かべながら、悔しそうに妹の身体で
言葉を吐き出す洋太ー。
”いえー。解約はお客様の自由ですー。
ただ、解約時には、ご案内を送りしないといけないことに
なっておりますのでー。
わたしたちは、解約を邪魔しようとは、一切していませんよー”
憑依された尚美の言葉に、
悔しそうにしながらも、これ以上どうすることもできずに、
妹に憑依している洋太は震えるー。
「ーーーー」
そして、緊張した様子でゴクリと唾を飲み込むと、
やっとの思いで、言葉を吐き出したー。
「もしー…
もしもー…
このまま解約せずに、憑依アプリを利用し続けて
ー俺が、月額を払えなくなったらどうなるんですかー?」
とー。
”ーーーーー”
電話相手の”憑依された尚美”は、わずかな間沈黙して見せると、
やがて、口を開いたー。
”お支払いが滞った場合には、
”ペナルティ”が与えられますのでー、
お支払いは必ずー…必ずしっかりと行うようにお願いしますー”
その口調はー
淡々としながらも、”悪魔のように”恐ろしい響きだったー。
やがてー
電話は終わり
憑依されていた尚美が意識を取り戻すと、
尚美は怯えた表情を浮かべながら
「ま、また記憶が…飛んでるー」と、そう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
洋太は、”憑依”する間もないぐらいに
バイトのシフトを増やしたー。
さらに、夜中まで家でネットを駆使して
少しでもお金を稼ごうと、在宅ワークができる環境も
整えたー。
在宅ワークとは言っているけれど、
大学とバイトの後だから、まともな収入を得られるレベルではない。
それでも、金銭的に苦しくなり、
洋太は私物の”お金になりそうなもの”を、次々と売却し始めたー。
さらには、大学も辞めて
その時間も全て仕事に注ぎ込み始めるー。
「ーねぇ、洋太ー?大丈夫ー?何かあったの?」
大学をやめてしまい、バイトまみれの日々を送る洋太を心配する母ー。
洋太は青ざめながら
「いや、だ、大丈夫ー」と、そう言葉を口にするー。
そんな生活を続けながら
妹や、尚美ー、クラスメイト、その他大勢に憑依したことが
発覚してしまうことも恐れ、
ひたすらギリギリまで働いて、月額を払い続けたー。
皮肉なことに、月額を支払うのがやっとで、
憑依サブスクの利用を継続しているのに、
憑依を楽しむことすらできないー
そんな状態になってしまっていたー。
とにかく、”月額を支払う”ために働き続ける洋太ー。
そこに、何の希望もないー。
”これがいつまで続くのか”と内心で思いつつ、
”いつかは”憑依サブスクを運営している
”ワンダーポゼッション”なる団体が警察の捜査を受けるなりして
壊滅してくれればよい、と、そんな風に思う洋太。
がー、
”そうなる前に”洋太は、あまりにも過酷な労働時間を前に、
倒れてしまったー。
病院で目を覚ました洋太は
お見舞いに来てくれていた妹を前に、
涙目で叫んだー。
「ーこ、こんなところで寝てたらー
ダメなんだー!」
とー。
「ーーお、お兄ちゃん?」
困惑した様子の妹ー。
「ダメなんだー…!は、払わなきゃー…月額をー」
怯えた様子でそう言葉を口にする洋太ー。
けれど、身体はまだ回復していない状態ー。
とても、働けるような状態ではない。
洋太は震えながら、”今月の支払い”が不可能であることを悟ると、
「ーそ、そうだー…」と笑みを浮かべるー。
自分には”憑依”の力があるー。
他人に憑依して逃亡すればいいんだー、と、
そう思った洋太は、自分の身体を捨てて
”逃亡”する道を選んだー。
洋太はー、
最初の頃に憑依した”バイト先の先輩の女子大生”一美(かずみ)に
憑依して逃亡を始めるー。
「ーへへへへ…イメチェンもしたし、これならバレないだろ」
一美に憑依した洋太はそう言葉を口にすると、
”俺の人生を捨てるのは残念だけどー”と、
そう言葉を口にして、すっかり”元の一美の面影がない”容姿のまま
歩き出すと、そのまま夜の闇へと姿を消したー。
”最初からこうすりゃよかったんだー
倒れるぐらいに働かされ続けるぐらいならー”
一美の胸を揉みながら、ニヤッと笑みを浮かべると、
洋太はそのまま自分の人生を捨てて行方を晦ますのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー」
深夜ー。
”憑依”された病院の女性看護師が
笑みを浮かべながら、
洋太が入院している病院にやってくるー。
入院中に、”憑依”を利用して逃亡した洋太の身体は
”病院で昏睡状態”のまま治療を受けている最中だったー。
洋太は”俺の身体が抜け殻になっても、病院なら安全だー”と、
そう踏んで自分の人生を捨てたー。
がーー
「ーー”ペナルティ”与えに来ましたよ」
優しそうな表情をした女性看護師が、そう言葉を口にすると
洋太の身体に何かを注射するー。
憑依された女性看護師が病室から立ち去っていくと、
やがて、洋太の身体は”心停止”してしまい、
直後、駆け付けた医師が蘇生しようとするも、
洋太が蘇生することはなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーあ…あれ…?」
洋太に”逃亡する身体”として選ばれて憑依されてしまっていた一美が
正気を取り戻すとー、
「えっ…!?何でわたし、こんな格好をー!?っていうか、ここどこー!?」と、
困惑した様子でそう叫ぶのだったー。
おわり
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コメント
洋太くんが計画的に
ずっと”一番安いプラン”で済ませられる子なら…
ずっと、楽しい憑依ライフを送ることができたかもしれませんネ~…!
お読み下さり、ありがとうございました~~!
★作品一覧★

コメント
洋太は1番安いプランで済ませるタイプじゃないですネ(*´艸`)笑
体験したり慣れてくると、また新たな欲が出てきて欲望に支配されたパターンですネ!★笑
アルコールやギャンブル依存症と同じTSF依存症ですネ!☆
自分も経験して慣れたらTSF依存症になるタイプですネ(^_-)☆笑
憑依履歴で無名さんに短時間、憑依してるのバレないように気を付けるのデス~(*´艸`)笑
TSF依存症…★!
TSマニア様も
憑依サブスクのプランがどんどん上がって行って
大変なことになりそうデス~!★笑
無名さん…自分は意外と意志固いのデス~!☆
タバコも人生で1度も吸ったことないのデス~(´∀`)b☆
ギャンブル(もちろん合法)も黒字のうちにキッパリ止めました!☆
でもTSF欲はやっぱり別ですかネ(^_-)☆笑
ふふふ…(*´艸`)笑
わわわ~~~!
強固な意志なのデス!!★!!
素敵ですネ~~~!
TSF欲は…、きっともっと病みつきになるのデス…!!
無名さんも小説を毎日、更新して意志強いですネ!☆
無名さん尊敬してますよ☆☆☆☆☆
自分はTSF欲には勝てないかも…ですネ(*´艸`)笑
無名さんのカラダにもお世話になりますネ(^_-)☆笑
わわ~!ありがとうございます~!☆
欲望をエネルギーに変えるのデス~!!
私の身体で欲望を満たされちゃうのデス…!!