逃亡中の凶悪犯と女子大生が入れ替わってしまったー。
逃亡中だった男は自由と美貌を手に入れ、
そして、ごく普通の女子大生だった彼女は”逃亡”を
強いられることになってしまうー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーここが、この女の家かー」
萌々香(宗平)は、
”天野”と書かれた家の前でそう言葉を口にすると、
少しだけ面倒臭そうに舌打ちをするー。
”一人暮らし”であれば最高だったー。
が、残念なことに萌々香は実家暮らしのようだー。
普段、萌々香がどんな風に両親と話しているのかも分からないし、
そもそも、両親と色々やり取りをするのも面倒臭いー。
できれば、一人暮らしが良かったと、
萌々香(宗平)は思わず舌打ちをしてしまったー。
「まぁ、仕方ねぇー。
逃亡生活をしてるよりマシだし、
何よりー…」
そこまで言葉を口にすると、萌々香(宗平)は
自分の身体を見下ろしながらニヤリと笑みを浮かべるー。
「何より、こんな身体が手に入ったんだー…
贅沢言っちゃいけねぇよなー」
萌々香本人が浮かべないような笑みを浮かべながら
家の前でそう言葉を口にしていると、
偶然、母親が家から出て来て、
萌々香(宗平)と目が合ってしまったー。
「ーーーあら?萌々香ー帰ってたのー?」
萌々香(宗平)がニヤニヤしているのを見たのだろうか。
少し不審そうな表情を浮かべると、
「ーそういえば今日、ニュースになってる犯人らしき男が
この辺りに来たのよー。
さっき、近所の人が通報したけど、危ないから
早く家の中に入ってー」と、そう言葉を続けるー。
その言葉を聞いた萌々香(宗平)は「ー犯人?」と、
そう聞き返すと、
萌々香の母親は、”逃亡中の龍宮寺 宗平”という男だと
そう答えたー。
「ーー!」
萌々香(宗平)はその言葉を聞いて
”俺と入れ替わったこの女”が既に1回自宅に帰ろうとしたであろうことを
悟ると同時に、
親にも信じて貰えなかったのだろうと、そう悟るー。
「クククーークククククー」
萌々香(宗平)は思わず笑みを浮かべると、
そのままゆっくりと家の中に入っていくー。
「も、萌々香ー?」
急に一人で笑い出した萌々香(宗平)を見て
少し心配そうな表情を浮かべる萌々香の母ー。
そんな母親に対して、萌々香(宗平)は
「ーいやぁー…馬鹿なやつって思ってーね?」と、
クスクス笑いながらそのまま母親に背を向けて
家の中を歩き始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ーーー」
宗平(萌々香)は眠そうな表情を浮かべながら
”朝日”を見つめたー。
結局、一晩を”外”で過ごすことになってしまったー。
しかも、凶悪犯の身体になってしまった萌々香を
身を潜めながら過ごすしかなく、
近くの雑木林の中で不安な一晩を過ごしたー。
「ーどうしようー……」
宗平(萌々香)は、”早くこのことを伝えなくちゃ”と
焦りを覚えるー。
自分自身が捕まってしまうかもしれないことも
もちろん不安だったし、
”わたしの身体”で何か悪さをされたりでもしたら大変だー。
親友の樹里や幼馴染の直幸にも危険が及ぶかもしれないー。
”もう1回ー、なんとか、お母さんに直接話をしないとー…”
宗平(萌々香)は心の中でそう呟くと、
再び身を隠しながら移動を始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「へへへーまさか俺が女子大生なんてな」
萌々香(宗平)は笑みを浮かべながら
”女子大生”として大学にやってきていたー。
いつもよりどこか派手な雰囲気の髪型に服装ー。
服は、萌々香が親戚から貰ったものの、
”派手すぎてわたしにはちょっと…”という理由で
着ていなかったものを見つけて、
それを着て大学にやってきていたー。
「ーーあれ?萌々香ー」
そんな”萌々香”の姿を見つけて、
親友の樹里がやってくると、
「今日はずいぶんおしゃれだねー?何かあったの?」と、
笑いながら言葉を口にするー。
「ーん~~?ふふーそうだね~”いいこと”はあったよ」
萌々香(宗平)は適当にそう答えながら
笑みを浮かべるー。
樹里は胸元をアピールするような服装の萌々香(宗平)に
違和感を覚えるー。
しかも、スカートもかなり短く、大胆に太腿を晒しているー。
萌々香がこんな格好をするなんて、信じられないー。
そんな風にさえ思ってしまうー。
「ーー好きな人でもできたとか?」
樹里がそう言うと、
萌々香(宗平)はチラッと樹里のほうを見つめるー。
そしてーーー
「ーー!」
先程まで、あまり樹里の顔を見ていなかった萌々香(宗平)ー
が、改めて樹里の顔を見て、
萌々香(宗平)は”あること”に気付いたー。
それはー…
”宗平の元カノ”に樹里がよく似ていたのだー。
既に、先日、宗平によって命を奪われた元カノー。
別れを告げられたあとも執着を見せ続けて
命を奪うほどまでに執念を燃やしてしまったその相手ー。
彼女に、”たまたま”樹里はよく似ていたのだー。
「ーーー奈美(なみ)ー」
思わず、元カノの名前を口にしてしまう
萌々香(宗平)ー
「ーーえ…?なみ…???誰?」
樹里がそう言葉を口にすると、
萌々香(宗平)は「ーううんー。”似てる”と思ってー」と、
そう言葉を口にすると、樹里の髪に突然手を触れて、
うっとりとした様子で樹里の髪を撫で始めたー。
「ちょ、ちょっとー…萌々香?」
樹里が困惑しながら言うー。
すると、萌々香(宗平)は、顔を赤らめながら
「ーーごめんーなんでもないよー」と、
萌々香のフリをして、そう言葉を口にしたー。
樹里と別れて、大学内を歩き始める
萌々香(宗平)ー
興奮を隠しきれない様子で笑みを浮かべると、
「ーーあの女ーーーー奈美によく似ているー」と、
そう言葉を口にしてから、不気味な笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”ダメーー近づけないー…”
宗平(萌々香)は、
自分の家に今一度足を運び、
母親に何とか事情を説明しようと、
そんな風に考えていたものの、
家の周囲を見て”それは難しい”ことを悟るー。
と、言うのも、昨日、一度
宗平(萌々香)がここに姿を現したことで、
”逃亡犯が姿を現した場所”として
警察がマークしていて、パトロールが強化されているのだー。
”この身体”では自分の家に近付くこともできないー。
「ーーーー」
”お母さんには今は会えない”
そう悟った宗平(萌々香)はその場を離れるー。
逃亡生活で緊張しているからか、妙にトイレが近く、
公園の男子トイレに駆け込むと、
そのままトイレを済ませようとするー。
「~~~~~~~~」
トイレを済ませるためとは言え、
男の人の”棒”に手を触れることに困惑の表情を浮かべる
宗平(萌々香)ー
触ってしまうのも、見るのも、
何もかもがゾワゾワする中、何とか今回もトイレを済ませると、
今度は、大学終わりに大学から出て来る樹里か、直幸のどちらかと
接触して話をしようとそう考えた宗平(萌々香)は
大学がある方角に向かって移動を始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ー天野さん、大丈夫だったー?」
一方、大学で昼休みを迎えた
萌々香(宗平)は、幼馴染の直幸から
心配そうに声を掛けられていたー。
”萌々香の家の近所に宗平が現れたー”
それはニュースにもなり、報道されていて、
直幸も萌々香の身を心配していたのだー。
が、萌々香(宗平)は興味なさそうに
自販機を見つめると、
萌々香が絶対に飲まないようなブラックコーヒーを買って
面倒臭そうにそれを開けて飲み始めたー。
がー、すぐにー
げほっ、げほっ、と咳き込み始める萌々香(宗平)
「ーーコーヒー飲んでるの始めてみたなぁー」
直幸が少し驚いた様子で言うと、
「ーって、それよりー」と、言葉を口にすると
「昨日、天野さん大丈夫だった?
ニュースでやってた犯人が現れたのって天野さんの家のすぐ側だよね?」
そう、聞きたかった本題を口にした。
萌々香(宗平)はそんな直幸を無視して缶コーヒーを見つめると
「なんか変な味だなー」とボソッと呟きながら、
缶の周りを見回し始めるー。
”いつも俺が飲んでるやつだなー。
何でこんな味がー?”
萌々香(宗平)は表情を歪めるも、
”コーヒー飲んでるの初めて見た”と、そう言っていた直幸の言葉を思い出すー。
「そうかー」
”この女の味覚だと美味しく感じねぇのかー。ったくガキだぜー”
萌々香(宗平)はそう呟くと、そのままゆっくりと歩き始めるー。
「あ、天野さんー!?」
先程からほぼ完全に無視されている直幸が
心底戸惑った様子でそう叫ぶと、
「ーほ、ホントに大丈夫?何かあったー?」と、
そんな言葉を口にしながら後を追いかけて来るー。
そんな様子に萌々香(宗平)はイラッとすると、
「ーうるせぇなクソガキ!黙ってろ!」と、
そう声を荒げたー。
普段、どこかふんわりとした雰囲気の萌々香に
いきなり怒鳴りつけられてしまった直幸は
心底驚いた様子で萌々香(宗平)の方を見つめるー。
萌々香(宗平)はまるで男のようにズカズカと歩きながら
そのまま立ち去ってしまうー。
そんな姿に、幼馴染の直幸はただ、不安を感じることしか
できなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
宗平(萌々香)は大学の周辺に身を隠して
”直幸”か、”樹里”が大学から出て来るのを待っていたー。
両親にこのことを伝えたかったけれど、
昨日失敗したせいでパトロールが強化されてしまっていて、
家に近付くこともできないー。
そんな状況で、両親に”入れ替わってしまったこと”を
伝えることはほぼ不可能に等しかったー。
”なんとかしなくちゃー……このままじゃー”
宗平(萌々香)はそう言葉を口にすると、
”また、樹里に怒られちゃうなぁ”と、心の中で苦笑いする。
樹里からはよく、マイペース過ぎることを
心配されたり、指摘されたりしていたー。
こんなことになってしまったら、また何か言われちゃうー
そんな風に思っていると、直幸が大学から出て来るのが見えたー。
「直くんー!」
宗平(萌々香)は、ちょうど直幸が一人で大学から出て来たのを見て
チャンスだと、そう思ったー。
変装したまま、直幸の背後に近付くと
「直くん!」と、そう声を掛けるー。
「ーーえ?」
直幸は困惑した様子で振り返ると、
半分強引に直幸の手を引っ張って、近くの路地に連れ込むー。
そしてー
「落ち着いて、聞いてほしいのー」
と、そう言葉を口にすると、
「ーわたし、こんな姿だけど萌々香でー」
そう続けたー。
「は、はいー…?」
直幸はそこまで言葉を口にすると、
自分に話しかけて来た”謎の男”がニュースで報道されている
逃亡犯であることに気付いて、青ざめて声を上げようとするー。
その様子に気付いた宗平(萌々香)は
「お願い!聞いて!」と、そう言葉を口にしながら
直幸の口を塞ぐと、
「ー昨日の夜、この人とぶつかっちゃってー
信じられないと思うけど、アニメとか見たいに
身体が入れ替わっちゃってー」と、
直幸に対してそう言葉を続けるー。
が、直幸は「天野さんはー今日も大学にー」と、
そう言葉を返すー。
それに対して、
「今日の”わたし”何か変じゃなかったー?」
と、慌てて宗平(萌々香)は言うー。
”この人が完全にわたしになりきれるはずないー”と、思いながらー
すると、直幸は表情を曇らせるー。
缶コーヒーを飲んでいた萌々香ー。
怒鳴り声を上げた萌々香ー
男のような歩き方をしていた萌々香ー。
それらの光景を思い出して、青ざめるー。
そして…
「ーーー僕ーー」
と、そこまで言いかけたところで、
「きゃあああああああああああ!」という悲鳴が
路地の入口の方から聞えた。
「!」
宗平(萌々香)と、直幸が気付くと、
路地の入口に萌々香(宗平)が立っていて
”わざとらしく”悲鳴を上げていた。
「ーここに…ここに、ニュースでやってた人が!」
萌々香(宗平)が周囲に助けを求めるー。
そんな状況を前に、どうすることもできなくなった
宗平(萌々香)は慌てて逃げ出すー。
大学関係者や学生らも困惑する中、
萌々香(宗平)は直幸に近付いてくると、
「ーさっき、逃げたやつから何て言われたの?」と、
そう言葉を口にするー
直幸は少し怯えた表情で萌々香(宗平)を見つめると、
「ーー”犯罪者”の言うことなんて、信じちゃだめだからね?」と、
笑顔ながら、脅すような口調でそう言い放つのだったー…
③へ続く
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コメント
次回が最終回デス~!!★
今のところ、元に戻ることが出来そうな気配は
ないですネ~…!
どうなってしまうのかドキドキデス…★!
今日もありがとうございました~!★!

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