寄生虫に寄生された女子大生が搬送されてきたことを
きっかけに、”寄生”が広がる病院ー。
寄生虫の魔の手は次第に広がりを見せ、
病院中に拡大しようとしていた…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー。
女医の嘉山 梓は、笑みを浮かべながら
病院内を歩いていたー。
”寄生”されてしまった梓は
自らに電気ショックを何度も与えて、
体内で、大量に寄生虫を繁殖させることに成功したー。
急激に体内に寄生虫が増えたことー、
そして度重なる電気ショックで、梓は既に心停止してしまっていたものの、
その身体は、まだ”ダメになるまで”寄生虫に使われていたー。
「ーーこんばんはー」
高齢者が4人ほど入院している病室に姿を現した梓は、
笑みを浮かべるー。
既に、その瞳の瞳孔を開いているものの、
周囲はその異変には気づいていないー。
「ーーー嘉山先生ー…こんな時間にー…どうかしましたかー?」
入院患者の一人がそう言葉を口にすると、梓は
その患者にキスをして体内で繁殖させた”寄生虫”を植え付けていくー。
「ーーな、なにをしているのー!?」
近くのベッドのおばあさんが叫ぶと、梓は
「あなたも、わたしの仲間になるのよ」と、笑みを浮かべながら
近付いていくー。
既に死亡している梓の肉体は次第に機能が低下しているものの、
寄生虫たちが”補う”形で、”まだ”なんとか突き動かされている状態ー。
おばあさんにもキスをして寄生虫を植え付けると、
さらに3人目の、寝ている状態のおじいさんにもキスをして
この部屋にいる4人中、3人に寄生を完了させるー。
「ーーー…ひっー」
が、残りの一人はその異様な光景に気付くと、
慌ててナースコールを押して、助けを呼ぶのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーどうかしましたかー?」
夜勤の女性看護師・愛華(あいか)が、
ナースコールを聞いて駆け付けるー。
が、そこには既に梓の姿はなく、
この病室に入院している4人の高齢者たちの姿があったー。
「ーあ、すみませんー
この人が寝ぼけてナースコールを押しちゃって~」
おばあさんがそう言葉を口にしながら、
ナースコールを押したおじいさんの方を指差すー。
「すみませんー…変な夢を見て
寝ぼけている状態のまま、慌ててしまってー」
ナースコールを押した本人もそう言葉を口にするー。
愛華は、何事もなかったことにホッとしながら
「何事もなくてよかったですー」と、そう言葉を口にすると、
そのまま立ち去って行くー。
「ーーーふふ」
おばあさんの耳から”寄生虫”が顔を出すー。
他の3人の耳や鼻からも、同じく寄生虫が顔を出して、
4人とも邪悪な表情を浮かべているー。
「ーー人間は、愚かだねぇ」
おばあさんがそう言葉を口にするとー、
「まったくじゃー」と、おじいさんは笑みを浮かべるー。
元々、寄生虫たちには”個性”と言うものが
あまり存在しておらず、
寄生した人間の人格の影響を受けることが多いー。
ここにいる4人も例外なく、寄生された側の人間の
影響を受けていた。
「ーーー…あれー?嘉山先生ー。
今日、夜勤でしたっけー?」
廊下で看護師の愛華が、女医の梓とすれ違うと、
少しだけ不思議そうにそんな言葉を口にするー。
「ーーふふふー。ちょっと、やることがあってねー」
梓はそれだけ言うと、そのまま立ち去って行くー。
「ーー…?」
愛華は少しだけ不思議そうにしながらも、
そのまま、自分の持ち場に戻っていくー。
4人の高齢者たちはまだ寄生虫を植え付けられたばかりで
体内での”繁殖”が済んでいなかったことー、
”廊下”で寄生をするのは、人目につく可能性が高いために
梓にとって、望ましい状況ではなかったことから、
”この時は”愛華は寄生されずに済んだー。
けれど、それは”ほんのわずかな時間”
自分の命が伸びただけー…と言っても良いのかもしれないー。
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その後も、病院の”異変”は続き、
寄生はジワジワと入院患者らを中心に拡大していったー。
「ーーーふふふふーふふふふふー」
入院中の彼女・萌々菜(ももな)が、妙に嬉しそうにしていることに
気付いた彼氏が、心配そうに「大丈夫かー?」と、そう言葉を口にするー。
ついこの間まで、萌々菜は入院生活が辛いと、
そう漏らしていたにも関わらず、
今日はなんだか、妙に楽しそうにしているのだー。
「ーーふふー大丈夫よー
最近、”楽しいこと”がたくさんあってー」
萌々菜はニヤリと笑うー。
”楽しいこと”とは、”仲間たち”を自分の身体で繁殖させていることー
そして、先生の一人に仲間を”寄生”させたことだー。
「ーそ、そうかー、ならいいけどー
無理はするなよー?」
彼氏が心配そうに言うと、萌々菜は「うんー」と、邪悪な笑みを浮かべるー。
しかしー、そんな彼氏の想いも空しく、
萌々菜はその日の夜、既に寄生されている医師の協力を得て、
手術室に忍び込むと、”繁殖”の力となる電気を、身体に蓄積させるため、
自分の身体に何度も電気ショックを与え始めるー
「ふふっ…あははは♡」
床に横たわって痙攣しながら、笑みを浮かべる萌々菜ー。
萌々菜の身体は、電気に耐え切れずに死亡してしまうもー、
その身体は”ダメになるまで”寄生虫たちによって使われ続けるー。
一方ー、
”最初にそれをした”梓の身体は死後、時間が経過したことにより、
体内に巣食う寄生虫たちで、身体機能を意地することは
限界となっていたー。
「そろそろ、乗り換えなくちゃー」
顔色も露骨に悪くー、瞳孔も開いたままの梓はそう言葉を口にするー。
歩くのも、よろよろした感じになってしまい、
かなり、誤魔化しながら病院で生活を続けている梓ー。
「嘉山ー最近、疲れてるだろー?」
軽い性格の先輩医師・宮原 俊樹が、そんな梓に向かって
そう言うと、「ーふふーまぁ、大丈夫ですー」と、
それだけ言葉を口にすると、
「それよりー、宮原先生ー、今夜ー、空いてますかー?」と、
梓は突然、そんな言葉を口にしたー。
「ーー今夜ー?急にどうしたんだー?」
俊樹は戸惑うー。
以前、何度か、梓を食事に誘ったことはあるものの、
全て断られてきた俊樹ー。
その梓から、まさか食事に誘われるとは思わなかったー。
「ーー別に俺は構わないがー
でもお前ー、本当に体調悪そうだぞー?」
俊樹がそう言うと、梓は「食事に行けば、回復しますよー」と、
そう言葉を口にするー。
「ーーー」
俊樹は困惑しながらも、
最近、ずっと病院にいる気がする梓を
病院から引き離す意味も込めて
「わかったー。けど、無理は禁物だぞ。」と、
そう言葉を口にすると、今夜、食事をする約束をして
立ち去って行くー。
「ーーー」
一人残された梓はニヤリと笑みを浮かべるー。
もう、梓の身体は心臓も動いていないし、瞳孔も開いたままー。
体内に巣食う寄生虫たちによって、最低限の身体機能を維持し、
身体を繁殖させるための入れ物、
そして移動するための乗り物のように使っているだけー。
「ーーでも、もうこの乗り物も限界みたいー」
梓は耀きのない瞳でそう言葉を口にすると
どこか無表情のまま笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーはぁ~」
看護師の愛華がため息を吐き出すー。
「ーどうした?職場で嫌なことでもあったのかー?
ーーいや、それとも、ため息をつかれてるのは俺???」
彼氏の岡崎 俊二(おかざき しゅんじ)が、
少し不安そうな表情を浮かべながら笑うと、
愛華は「ううんー…俊二のことじゃなくてー」と、
苦笑いしながら言うー。
「最近、病院の様子がおかしくてー」
愛華がそう言うと、俊二は「おかしい?」と、
戸惑いの表情を浮かべながら言うー。
「ーーーうんー…なんか、こうー
おかしいのー」
愛華のその言葉に、俊二は戸惑うー。
愛華によれば、一人でニヤニヤしている人がいたり、
うわ言のように何かを呟いている人がいたり、
顔色の悪い人が多かったり、
人が変わったように感じる人が増えたり、
そんな”得体の知れない違和感”があるのだと言うー。
「ーーーーーん~~~~……」
そう相談された俊二は戸惑いながら考え込むー。
自分の職場である病院に愛華が違和感を感じているのだから、
何か”変”な部分はあるのだとは思う。
とは言え、だからと言って、
愛華自身も”曖昧な違和感なんだけど…”と言っている通り、
何か具体的に行動を起こしたり、対処したりー…
そういったことをするような状況ではないと、俊二はそう感じたー。
「ーーまぁ、疲れてる人も多いのかもなー…」
俊二がそう言うと、
愛華は「それだけならいいけどー」と、不安そうに呟くー。
「ーーあ~…じゃあ、今度の休みで
ちょっと病院の様子、見に行ってみるかー」
俊二はそう言うと、
「ふらふら遊びに行くだけじゃ迷惑になっちゃうからー
何か理由をつけてー」と、少しだけ笑うー。
愛華は「ーーえ?ホントにー?」と、
申し訳なさそうにしながらも言葉を口にするー。
「働いている愛華の姿もたまには見てみたいしー」
「ーあははー…それはちょっと照れるかも」
そんな会話をしながら笑う二人ー。
けれど、愛華の感じている”違和感”は
想像以上に深刻なものだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーちょー!?嘉山ー…!?何のつもりだー?!」
”食事”と偽り、強引に人の気配がない雑木林に
連れ込まれた軽い性格の男性医師・俊樹は戸惑いの声を上げるー。
すると、梓は「ー新しい身体が必要なのよー」と、
そう言葉を口にしながら、俊樹に襲い掛かって来たー。
「ーやめろっ!落ち着け!」
俊樹がそう言葉を口にしながら、梓を振り払って逃げようとするー。
しかし、街灯の下で梓に捕まってしまうと、
俊樹は「お前ー…!?」と、梓を見て困惑の表情を浮かべたー。
梓の目の瞳孔が開き切っていることにようやく気付いたのだー。
「ーー…そ、その目はー!?」
俊樹が言うと、梓は「もう、この女は死んでるのー」と、そう言葉を口にするー。
「ーー…な、なんだとー!?」
俊樹は意味が分からずに声を上げるー。
”死んでる”とはどういうことかー。
「ーわたしたちが繁殖するために電気を流すと、
人間ってすぐに死んじゃうんだもんー」
梓はそう言いながら、「今まで、わたしたちが身体機能を補って
この身体を動かして来たけど、 それも、もうー げーーごぼっ」
と、途中から泡のようなものを口から噴き出し始めるー
「ーあぁ、もう、ダメ、壊れちゃった ぐぶ ぶぶぶぶ…」
オェッ、と何かを吐き出しながら
梓の顔色が急激に悪くなっていくー。
寄生虫たちが、補っていた梓の身体機能も、
もう限界を迎えたようだー。
苦しみながら、激しく痙攣する梓の身体ー。
「おいっーー…大丈夫か!?」
俊樹がそう言葉を口にして梓に近付くと同時に、
内部にいる寄生虫が、最低限、維持していた梓の体温を維持するのも
やめたからか、とても生きている人間とは思えない顔色で、
俊樹に飛び掛かって来たー。
梓の手は今までにも増して冷たかったー。
まるで、死人のようにー。
俊樹は何が起きているのか分からないまま、
梓にキスをされて、そのまま意識を失ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー。
女性看護師の愛華は、
戸惑いの表情を浮かべていたー。
「ーえ…か、嘉山先生が亡くなったんですかー?」
呆然とする愛華ー。
女医の嘉山 梓が昨晩、死亡したと、
そう知らされたのだー。
「ーそれがねー…」
愛華の先輩にあたる看護師・百恵(ももえ)が
小声で言葉を口にするー。
「ー身体の腐敗は何故か
あまり進んでいなかったみたいなんだけどー、
死後、数週間経過していたらしくてー…」
百恵の言葉に、
愛華は「えぇ…?で、でも、昨日も院内で見ましたけどー…?」と、
戸惑いの言葉を口にするー。
「そうなのよー…どういうことなのかしらねー」
百恵はそう言葉を口にしながら、
周囲を見つめるー。
そんな話を小声でしていると、
入院患者の一人・萌々菜が偶然、
近くを通りがかったー。
「ーーーあ、おはようございますー」
愛華が萌々菜に気付いて頭を下げるー。
しかし、萌々菜はどこか顔色が悪くー、
無表情な感じだったー。
「ーーーーー」
愛華はゴクリ、と唾を飲み込むと、
先輩の看護師・百恵に向かって
「最近、うちの病院ーおかしくないですかー?」と、
不安そうに言葉を口にしたー。
③へ続く
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次回が最終回デス~!☆
いよいよ病院が地獄絵図に…?
大変なことになってしまいそうですネ~…!
改めて、9月もよろしくお願いします~!!

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