<憑依>憑依ヒットマン①~裁き~

”憑依能力”で、
悪人を葬り去っていく、4人組のプロのヒットマンー。

彼らは今日も、悪人を秘密裏に”処理”するために
現地へと赴いていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「な…な…なにを…なにをしてるんだー!?」

悪徳企業の社長ー、
権田 源吾(ごんだ げんご)は、
表情を歪めながらそう叫んでいたー。

「ーーふふふふふー
 見て分からないの?
 わたし、死のうとしてるのー」

そう言葉を口にしながら、
共に悪事の限りを尽くして来た妻・恵美(めぐみ)が
自らの身体を包丁で切りつけながら、その血を見て
笑みを浮かべているー。

「ーーな、な、な…ど、ど、どういうことだー!?」
権田社長は声を上げるー。

「ーーわたし、今まで散々悪いことをしてきたから、
 ”処刑”されちゃうのー。えへへー」
恵美はそう言いながら、今度は自分の手首を切って、
噴き出す血を見つめながら
「ふふふーふふふふふふー ターゲットを”解体”する瞬間ー
 たまらないー」と、嬉しそうに叫ぶー

「ーーな…な…?」
権田社長は戸惑うー。

妻である”恵美”は、今、”憑依”されていたー。
”憑依能力”を使い、悪人を裁くことを生業とした
”4人組のヒットマン”にー。

「ーえへへへへー
 このー、”死んでいく”感触ーたまらないー」
笑みを浮かべながら、血だらけで倒れ込んで
青ざめた顔のまま、不気味に笑う恵美ー。

「ーーーめ、恵美!い、今、救急車をー」
権田社長がそう叫ぶと、
恵美は青ざめた顔のまま、ニヤッと笑ったー

「ー”あんたは”自分のことを心配した方がいいと思うがなー」
とー。

「じ、自分のことー…?」
権田社長は震えるー。

それと同時に、恵美は笑みを浮かべたまま息絶えてしまうー。

権田社長には見えなかったものの、
恵美が死ぬと同時に、恵美から”霊体”のようなものが飛び出したー。

憑依能力を持つ4人のヒットマンで構成された
特殊部隊・”シャドウ”ー

その構成員の一人、コードネーム・”モルス”が、
恵美に憑依していたのだー。

モルスは、”憑依で死を味わう”ことに快感を感じる男ー。
いつも、”ミッション”の際には
ターゲットの一人に憑依して、
その身体で自ら命を絶ち、ターゲットを始末しているー。

ターゲットに憑依している間、その痛みを味わい、
さらには死んでいく感触も味わうことに快楽を感じている
危険な人物だー。

そしてー、”モルス”は今回のように
別のターゲットの前でわざと死んで、
そのターゲットが動揺するのを見るのも大好きだー。

今回は悪徳社長と共に悪事を重ねていた妻に憑依し、
メインターゲットである悪徳社長の前で自ら命を絶って、
その反応を楽しんだー

”へへー後は任せたぜー”ルプスー”
”モルス”はそう言葉を呟くと、
玄関の方から聞えた物音に、笑みを浮かべるー。

「な、なんだ!?」
権田社長は、妻・恵美の死を悲しむ暇もなく
怯え切った表情を浮かべると、
そこにはー、自分たちが住む豪邸のメイド・梨絵(りえ)の
姿があったー。

「ーー…き、き、きみはー…」
権田社長がそう言葉を口にすると、
メイドの梨絵は、恐ろしくも冷たい目で、
権田社長を見つめたー。

憑依能力を持つ4人のヒットマンの一人ー、
リーダー格の”ルプス”が、そのメイドに憑依していたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一方ー、
権田社長の会社のオフィスでは大変なことが起きていたー。

「ーーーーーー」
悪徳社長と組んでいた専務の男が、刀を手に
次々と”悪事に加担した社員”のみを選別して斬り捨てていくー。

社員たちは戸惑いながら、何とかその専務を取り押さえるー。

がー、専務は痙攣を起こすと、
その身体から”霊体”が飛び出すー。

”ーーこの僕が歩くところには、血の雨が降るー”

特殊部隊”シャドウ”の、4人のヒットマンの一人、
コードネーム”インベル”ー。
”雨”を意味するコードネームを持つ彼は、
コードネーム通り”雨”を降らせるー。

ただし、降らせる雨は水ではないー。
”血の雨”だー。

「ーーえへへへー次はわたしがー」
専務から、専務と愛人関係にあったOLに憑依すると、
近くにいた、専務と共に不正に手を染めていた
ベテラン社員を刀で斬り捨てるー。

返り血を浴びて「興奮してきた♡」と、嬉しそうにOLに憑依した
”インベル”は笑うー。

そして、意識を失ったままの専務を斬り捨てると、
その近くで恐怖のあまり座り込んで、お漏らしをしてしまっていた
OLの見つめるー。

がー、
血の雨を降らせて興奮している状態のインベルも、
”ミッション”には忠実だったー。

「ー君はターゲットじゃないー。よかったねぇ」
OLに憑依したまま、お漏らししたOLにそう言い放つと、
そのままインベルは”次”の身体に憑依するー。

きつそうな顔つきの女性課長ー。
彼女も”専務”と共に不正に加担していた女だー。

「ーーはははーーはははははははっ!
 楽しくなってきたぁ♡」

女性課長の身体で会社の悪事に加担していた人物だけを選んで
”排除”していくー。

「へへへへ ははははははっ♡」
血の雨を浴びれば浴びるほどハイテンションになっていく”インベル”ー
女性課長の顔を真っ赤に染めながら、
ゲラゲラと笑っていると、
”インベル”と、特殊な通信技術で、インベルの中に直接声が聞こえてきたー。

「あぁ、”フロース”ー
 もうすぐ終わるよー?」
女性課長の身体でそう答えると、
特殊部隊”シャドウ”の最後の一人、”フロース”の声が聞こえて来たー。

”ーーそろそろこっちも限界よー?
 さっさと終わらせて?いい?”

その言葉に”インベル”は「ははー悪いねー。血の雨を降らせてると
ついつい夢中になっちゃうんだー」と、それだけ答えると、
「ーあと一人で終わるよ」と、
今、自分が憑依している女性課長の身体を見つめるー。

女性課長以外の”悪事に加担していた人間”はみんな片付けたー

あとはー

「ー僕は、”自殺”する趣味はないからねー」
女性課長の身体でそう呟くと”インベル”は女性課長の身体から抜けるー。

そして、社長の自宅で、社長の妻・恵美を始末ー、
こっちに移動してきた”モルス”の霊体と顔を合わせると
「ーへへ、”解体”は俺に任せときなー」と、
そう言葉を口にしてから、モルスは嬉しそうに女性課長に憑依ー、
そのまま持っていた刀で自分の身体を少しずつ切り刻み始めるー。

「ーへへへへー!”インベル”
 お前も今度やってみろよ!
 憑依した身体で死ぬの、病みつきになるぜ?」
女性課長の身体で、そう叫ぶ”モルス”ー

霊体の状態の”インベル”は、
「僕は遠慮しておくよー。痛そうだし」と、そう笑うと、
「じゃ、僕は先に帰還するよ」と、
そのままその場から姿を消したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーー」
パトカーを停車させて、女性刑事がため息をつくー。

そして、また別のパトカーの運転手に憑依するとー、
そのパトカーも停車させるー。

”ふぅー”
特殊部隊・”シャドウ”に所属する4人のヒットマンの
唯一の女性”フロース”は、
憑依能力を使ったかく乱・陽動役ー。

今回は、本社で”インベル”が暴れている間、
警察が到着しないようにするため、
警察関係者に次々と憑依して到着を遅らせていたー。

基本的に、”フロース”は、ターゲットの始末はあまりしないものの、
必要とあれば”ある武器”を用いて、ターゲットを始末することもあるー。

「ーーこれで十分ねー」
女性刑事の身体でそう呟くと、”フロース”は、
そのままその身体から抜け出し、離脱したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーり、り、梨絵ちゃんー」
権田社長は、自宅でメイドの梨絵に追い詰められていたー。

メイドの梨絵は
”シャドウ”のリーダー格・”ルプス”に憑依されているー
”狼”を意味するコードネームを持つ”ルプス”は、
チームメンバーですら笑顔を見たことがない冷徹な男ー。

がー、その判断能力は本物で、
チームメンバーから強い信頼を得ているー。

”俺は、悪を葬り去るために生まれてきた”と、
そう語っており、
”悪を裁くために、俺は悪になるー”
とも、いつもそう言っていたー。

そんな、”ルプス”に憑依された梨絵に冷たい目で
睨まれながら、権田社長は
「ど、どうしたんだー…り、梨絵ちゃんー!?」と、
声を上げるー。

いつも”甘えて来る”メイドの梨絵の雰囲気が
まるで別人のようになっていることに、
権田社長は強い違和感を覚えて震えるー。

本能が、”梨絵”に近付かれてはならない、と
そう警告しているー。

「ーーま、ま、ま、待ってくれ!梨絵ちゃん!」
とても話が通じそうな”オーラ”ではない、
様子のおかしい梨絵を前に、権田社長はそう言葉を口にするー。

元々、”憑依される前”の普段の梨絵も、
”金目当てで権田社長に近付き、甘えているだけ”ではあったものの
そんなことにも気づいていない権田社長は、
「ーーわ、私と君の仲だろう?」と、そう言葉を口にするー。

「ーー権田社長ー」
梨絵が聞いたこともないような低い声で
権田社長の名前を呼ぶー。

「ー!」
ビクッとしながら権田社長が”ルプス”に憑依された梨絵のほうを見つめると、
梨絵は言ったー。

「ーー”地獄”から迎えが来たぞー」
とー。

明らかに、梨絵本人の言葉じゃないー。
身体はー、声は、”梨絵”ー。
でもーー

「ーき、き、き、君は…いったいー…?」
呆然としながら、震える声を吐き出す権田社長ー。

そんな権田社長に対して、
梨絵は冷たい口調で言ったー。

「ーそれを貴様が知る必要はないー
 貴様はこの場で裁かれて、死ぬのだからー」
梨絵はそう言い放つと同時に、
何かを取り出して、それを権田社長に向かって投げつけたー。

「ーーー!?」
反射的に、投げつけられたものを権田社長が手にするー。

「ーーお、お金ー?」
権田社長は、手にした1万円札のような物体を前に
怯えた様子で声を上げるー。

がー、そこに描かれていたのはー、
”悪魔”だったー。

「ーひっ!?」

数々の悪事を重ねて、”汚いお金”を稼ぎ続けて来た権田社長ー。

その権田社長にふさわしい最後ー。

悪魔が描かれた1万円札のような物体から、
”悪魔”が飛び出すと、
権田社長は悲鳴を上げながら発狂し始めるー。

やがて、”悪魔”に鎌のようなもので攻撃された
権田社長は、そのままその場で絶命したー。

「ーーーーー地獄で償え」
梨絵に憑依している”ルプス”は、そう言葉を口にすると、
”手”に持っていた謎の小さな針をそのまま引っ込めるー。

”ルプス”は、相手に幻覚を見せる”針”を武器に使うー。
その幻覚は相手の”悪事”に対応した内容となり、
たった今、権田社長が見たお金も、悪魔も、
幻覚によるものー。

そして、ターゲットに強い負担を与えて
心臓発作を誘発ー、仕留める手段を用いるー。

「ーーぁ…」
ミッションを達成した”ルプス”は、梨絵の身体から抜けていきー、
梨絵はその場に崩れ落ちたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”今回のミッションも無事に達成ー
 ご苦労だったなー”

小型の端末を介して、声が聞こえるー。

リーダー格の”ルプス”
血の雨を降らせる”インベル”
憑依した相手の身体で自死を楽しむ”モルス”
陽動作戦を担当する唯一の女性”フロース”

その4人が集まり、
”司令官”である、コードネーム・”デウス”からの言葉を
聞いていたー。

「ーーーーいえ。当然の裁きをしたまでです」
”ルプス”がそう答えると、
”次のミッションのターゲットの詳細は追って送信するー”と、
”デウス”はそう言葉を口にして、
通信を終了したー。

「ーへへへー今回も楽しめたぜー」
”モルス”がニヤニヤしながら言うと、
「ー相変わらず、悪趣味で僕には理解できないよー」と、
”インベル”が首を横に振ったー。

「ーへへー
 それにしても、今日も綺麗だよなぁ、フロースはー
 あんたにも1回、憑依してみたいもんだぜー」

唯一の女性メンバー・フロースに対して
モルスが笑いながら言うと、
フロースは「わたしに憑依したら、殺すわよ」と、
そう言葉を口にするー

「へへー怖い怖いー」
モルスはニヤニヤしながら、視線を逸らすと、
リーダー格のルプスは表情一つ変えずに、
「司令部から次のミッションの指令が来た」と、
そう言葉を口にしながら端末を操作するー。

「次のミッションはーー
 真柴(ましば)グループが経営する”真柴商事”と、その取引相手の抹殺ー」

ルプスの言葉に、残りの3人はその情報に目を通すと、静かに頷くー。

憑依能力を駆使するヒットマンたちー。
また、新たな”ミッション”が始まろうとしていたー。

②へ続く

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コメント

憑依能力を駆使して悪党を暗殺していく
お話デス~!!!

次回以降もぜひ楽しんでくださいネ~!!

今日もありがとうございました~~!

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憑依<憑依ヒットマン>

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