人気歌手が悪の組織に操られてしまったー!
悪の組織の意のままに、
人間を苦しめる歌を歌い続ける彼女を前に、人々はー…?
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「ーーー」
人気歌手として活躍している冬森 恵美(ふゆもり めぐみ)は、
今日も番組の出演を終えて帰宅する最中だったー。
小さい頃から歌が大好きで、
幼少期にデビュー、その高い歌唱力と美貌で一躍人気者となり、
現在は現役女子大生でありながら、人気歌手として
活躍を続けていたー。
バラエティ番組などにも出演したりと、
活躍の幅を広げているー。
がーーー
その”高い歌唱力と人気”を、利用しようとする悪の組織に
彼女は目を付けられてしまったー。
悪の組織”ブラッドミスト”ー
”怪人”たちによって構成される秘密組織で、
最終的には人類の支配を狙っている組織だー。
過去には
警察による一掃作戦が行われたこともあり、
現在、その活動は縮小してはいるものの、
未だに健在で、人間を苦しめるための計画を
日々、練っていたー。
そしてーー
今日、その悪の組織の怪人が、
恵美の前に姿を現したー。
「ーーー…え……」
恵美は、自分の前に現れたコオロギのような姿をした怪人を見て
驚きの表情を浮かべるー
「ーークククー 冬森 恵美ー
お前の歌声は見事なものだー」
コオロギ型の怪人のその言葉に、恵美は
「ーー…え…あ、あなたは一体ー…?」と、困惑した表情を浮かべるー
夜道でハッキリとその姿が見えなかったものの、
”普通の人間ではない”ことはすぐに分かる風貌ー。
恵美は”着ぐるみ”でも着ている人間が目の前に立っているのかと、
そんな風に思いながら戸惑うー。
がー、コオロギの姿をした怪人は、そんな恵美に対して言い放ったー
「その歌声と、人気と、美貌をー、
我々のために使うのだー」
とー。
「ーーえっ…?」
恵美は戸惑うー。
しかし、そんな恵美が状況を理解する前に、
コオロギの姿をした怪人は”洗脳音波”を発し始めるー。
恵美がビクンと震えると、
目が一瞬赤く光ってからー
とろんとした虚ろな目に変わっていくー。
「ーーーーー」
その場に意思なく立ち尽くす恵美ー
そんな恵美の顔に手を触れると
コオロギ型の怪人は不気味な笑みを浮かべながら
「ー我々のために歌うが良いー」と、そう言葉を口にするー
「ーーはいー」
恵美は静かにそう答えると、
そのままコオロギ型の怪人と共にゆっくりと歩き出したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
”冬森 恵美”が、ライブ配信を行うと発表されて、
ファンたちは、突然の発表に喜んでいたー。
早速、その配信が始まるー。
真っ赤なドレスに身を包んで登場した恵美は
いつもとは違い、どこか人形のような動きで、
無表情のまま、歌を歌い始めるー。
「♪~~~~」
聞いたこともない歌を歌い始める恵美ー。
その歌声は、いつものように綺麗だったー
けれどーー
”歌声”の中に、悪の組織ブラッドミストが開発した
”死の音声”が、織り交ぜられていたー。
「ーーー♪~~~」
恵美は歌を歌いながら、ニヤリと笑みを浮かべるー。
配信でその歌を聞いていた人々が、突然頭を抱え始めるー。
「ーーな、なんだこれー…?」
「ーーーう… うあああああ…!」
苦しみ始める人々ー。
人気歌手の生配信ということで、
”大勢の人”が、それを見ている状態だったー。
パソコンでー、スマホでー、テレビでー、
色々なもので配信を見ていた人々が次々と苦しみ始めて、倒れるー
「ーーーそうだー歌えー。
人間どもを苦しませる歌をー
地獄の歌を歌えー」
コオロギ型の怪人は、恵美が歌っている姿を見つめながら
笑みを浮かべるー。
笑みを浮かべながら、死の歌を歌い続ける恵美ー。
完全に洗脳されてしまった恵美は
人々が苦しんでいる姿を想像しながら
「ははっ…ははははははははっ」と、笑い始めるー。
「ーーーあははは♡ あはははははは♡」
笑いながら歌い続ける恵美ー。
この日ー、恵美の配信を聞いていた人間のうち、
数千人が命を落とし、軽傷も含めると数万人の人間に被害が出たー。
「ーーーどうだー?お前が傷つけた人間の数だー」
コオロギ型の怪人が、テレビの映像を見せながら恵美にそう言い放つと
ボーッとしていた恵美が無表情のまま笑みを浮かべて
クスクスと笑い出すー。
「クククーそうだー。人を傷つけることにもっともっと快感を覚えるのだー
それでいいー」
コオロギ型の怪人はそう言葉を口にすると、
恵美は真っすぐとテレビの映像を見つめたまま、
再び無表情のまま笑いだしたー。
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恵美の”歌”が各地で流れー、
人々の被害は拡大していくー
やがて”悪魔の歌姫”として報道されるようになり、
配信からも、テレビからも恵美は締め出されたー。
「ー恵美ー…いったいどうしてー?」
そんな状況を前に、恵美の幼馴染で、
大学生になってからも交流が続いていた男、
雪代 零夜(ゆきしろ れいや)は、悲しそうな表情を
浮かべていたー。
「ーーー何でこんなことー」
零夜は、恵美と最後に会った日のことを思い出すー。
恵美は本当に楽しそうにしていたし、
”みんなが少しでも喜んでくれたら嬉しい”などと言っていたー。
それなのに、こんなに人を傷つけるようなことをするなんてー。
恵美の行動に違和感を感じた零夜は
”直接話を聞くしかない”と、動き出すー。
既に、恵美にLINEやメール、あらゆる方法で連絡を
取ろうとしているものの、恵美からの応答はないー。
こうなったら、直接会うしかないー。
そんな中ー、洗脳された恵美は、
テレビや配信で歌声を届けることができなくなったことで、
コオロギ型の怪人と共に各地を回って、直接歌声で人々を傷つけていたー。
紫色のドレスを見に纏い、死の歌を歌う恵美ー。
人々が傷ついていく姿を生で見て
恵美は無表情のまま、嬉しそうに笑うー。
がーー
直接歌声で人を傷つけるのは効率が悪いー。
”ブラッドミスト”上層部から
”作戦の効率化”を求められたコオロギ型の怪人は、
恵美を引き連れてテレビ局を襲撃ー、
そのまま死の歌をテレビで流そうと企てるー。
「ーーこれを使え」
コオロギ型の怪人が恵美に銃を手渡すと、
恵美は無表情のままそれを見つめるー。
「ーーー分かりましたー」
恵美はそう返事をすると、
そのままコオロギ型の怪人と共に
テレビ局の中に向かおうとしたー。
しかしー、
そこに幼馴染の零夜が駆け付けたー。
「ーー恵美!」
零夜が叫ぶと、恵美は無表情のまま
零夜のほうを見つめるー。
「ーー恵美!いったい、どういうことなんだ!」
零夜がそう言葉を口にするも、
恵美は無表情のまま反応しないー。
そしてーー
隣にいたコオロギ型の怪人が笑みを浮かべると、
「この女は、我々の操り人形ー」と、そう言葉を口にしたー
「なんだとー…」
怒りの形相を浮かべる零夜ー。
「恵美に何をした!」
零夜がそう叫ぶと、
コオロギ型の怪人は「お前にもすぐに分かるー」
と、そう言葉を口にすると、
恵美にそうしたように”洗脳音波”を放ち始めるー。
「ーーー」
零夜は表情を歪めるー。
「ークククー
この”洗脳音波”でこの女は
我らの言いなりに動く、殺人マシンとなったのだー
お前には使い道は無さそうだがー、
戦闘員ぐらいとしてなら使えるだろうー
ま、もう、俺の言葉など聞こえちゃいないだろうがなー」
コオロギ型の怪人はそう言葉を口にすると、
零夜は無表情になって、コオロギ型の怪人の方に近付いて来るー。
「ーークククーいい子だ」
コオロギ型の怪人はそう言葉を口にすると、
恵美のほうを見つめるー。
「ーさぁ、死の歌で人間をもっと傷つけようではないかー」
コオロギ型の怪人は、そう言葉を口にすると、
洗脳した恵美と共に、再びテレビ局の内部に入って行こうとするー。
「いや、待てよー
いくらただの人間相手とは言え、
俺とこの女だけでは万が一ということもあるー」
そう言葉を口にすると、ぼーっとしている零夜のほうを見つめてから、
コオロギ型の怪人は笑みを浮かべたー。
「ーそうだー人間よー
いや、戦闘員Aよー。
ちょうどいい。貴様にも手伝ってもらおうー」
コオロギ型の怪人はそう言葉を口にすると、
用意していたもう一方の銃を手にして、
それを零夜に手渡すー。
「ーーー…~~…」
ボーッとそれを見つめる零夜ー。
「ククー容赦なく邪魔者は排除しろー。
いいな?」
コオロギ型の怪人はそれだけ言うと、零夜は静かに頷いたー。
「ーよし。お前の歌声をたっぷり人間どもに聞かせてやろうではないか」
コオロギ怪人がそう言葉を口にすると、
恵美は無表情のまま「はいー」と、答えて
そのままテレビ局の方に向かおうとするー。
がー
その時、銃声が響いたー。
コオロギ型の怪人は少しだけ驚いた表情を浮かべながら
振り返ると、
そこには銃をコオロギ型の怪人に向けている零夜の姿があったー。
「ーーーア?」
コオロギ型の怪人は、ふと自分の身体を見下ろすと、
自分の腹部のあたりに穴が開いていることに気付くー。
「ーーアア???」
状況を理解できないコオロギ型の怪人ー。
洗脳したはずの零夜が自分を撃ったー
そう気づいたのは、2発目の銃弾が胸部に命中してからだったー。
その場に蹲るコオロギ型の怪人ー。
”通常の銃”では、致命傷にはならないものの、
彼が恵美と零夜に手渡したのは、
悪の組織ブラッドミストが独自に改造した”強化型”の拳銃ー。
その威力は、通常の銃を凌駕し、怪人にも致命傷を与えるものだったー。
「ーーぐ…どういうことだー…なぜ?」
コオロギ型の怪人が零夜を見つめるとー、
”洗脳されたフリ”をしていた零夜が、コオロギ型の怪人に銃を向けたー。
「ーー俺はーー小さい頃から耳が悪くてなー
”高音”が聞こえないんだー」
零夜はそう言い放つー。
零夜は小さい頃に、耳を悪くしていて、
”高い音”が聞こえなかったー。
そのため、コオロギ怪人の発したモスキート音のような
洗脳音波は、零夜には効かなかったのだー
「ば、馬鹿なー」
コオロギ型の怪人はそう言葉を口にすると、
零夜は言ったー。
「ーーーお前は人じゃないからー
俺も心を鬼にできるー」
零夜はそう言葉を口にすると、生まれて初めて持った銃を手に、
少し手を震わせながらも、
恵美を止めるためー、コオロギ怪人めがけて残りの銃弾を
数発放ちー、コオロギ型の怪人を葬り去ったー。
「ーーーーーーぁ」
恵美がその場に倒れ込むー
コオロギ型の怪人を倒したあと、洗脳された恵美が
どうなるかは分からなかったもののー、
何か影響が出たようだー。
倒れ込んで目を見開いたまま痙攣している恵美に
駆け寄ると、「恵美!」と、零夜はそんな声をかけるー。
やがてー、恵美が瞬きをし始めて
意識を取り戻すと
「あ…あれーーー?零夜ー…?」と、そう言葉を口にするー。
零夜は「ーー大丈夫ー。もう、大丈夫ー」と、
それだけ言葉を口にすると、
倒れたままのコオロギ型の怪人を見つめてから
零夜はどうすればいいのか戸惑うー。
がー、このまま立ち去れば後々さらに面倒なことになると思い
”コオロギ型の怪人の死体がある方が状況が説明しやすい”と、
そう考えて、警察に通報したー。
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駆け付けた警察官には色々疑われたし、
恵美も零夜も一度警察に連行されたー。
が、悪の組織ブラッドミストを認知している
警察上層部によって零夜は解放されたー。
しかしー
恵美は自分の歌声で多くの人を傷つけてしまったことに
絶望して、塞ぎ込んでしまったー。
現在は、警察の保護下にあるものの、
あまりにも強いショックを受けて、恵美は壊れてしまったー。
毎日のように”死にたい”と言葉を口にするようになってしまった恵美ー。
零夜は毎日、そんな恵美に会いに行っているものの、
社会復帰できるような状況ではなくー、
しかも、世間では恵美は”悪魔の歌姫”として叩かれ続けているー
「ーーーーー”悪魔”のところに毎日来なくてもいいよ」
恵美が自虐的に呟くー。
零夜は「ー恵美は何も悪くないんだー。操られていただけなんだから」と、
そう言葉を口にするも「でも、わたしがやったことだからー」と、
暗い表情を浮かべるー。
そんな恵美の姿を見て、怒りを燃やす零夜ー。
零夜は、「また明日も来るから」とそう言葉を口にすると、
一旦帰宅するー。
”許せねぇ”
零夜は、悪の組織ブラッドミストに対してそんな風に怒りを燃やすー。
いつの日かー、
恵美をこんな目に遭わせたやつらを全滅させてやるー。
そんな決意を胸に、零夜は
悪の組織ブラッドミストのことを調べ始めるのだったー
おわり
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コメント
1話完結のMCモノでした~!★
1話完結なので、
シンプルにササッと進むお話にしてあります~~!!!★
お読み下さりありがとうございました~~!★!

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