<皮>お前も誰かを着てみろよ①~訪問者~

ある日ー、
親友が”女”の姿で、姿を現したー

何事かと思っていると、彼は
”人を皮にする力”を手に入れたのだというー。

「お前も誰かを着てみろよ」と嬉々としてそう語る親友を前に、彼はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーやべー…もう昼かー」
男子大学生の小野坂 勉(おのさか つとむ)は、
スマホを見つめながらそう呟いたー。

今日は休日ー。
特に用事もなかったため、ベッドの上でダラダラと
二度寝…三度寝…と、繰り返していたところ、
ついに昼になってしまったのだー。

「ーー休みの日だと、ついついこうなっちゃうよなー」

ダラダラと寝ているのは
それはそれで気持ちがイイー。

がー、いざ、起きるとなると
何だか、せっかくの休みの日をとても無駄にしたような
そんな気持ちになってしまうー。

そんなことを思いつつ、ようやくベッドから身体を起こした
その時だったー

♪~~~

インターホンが鳴るー。

一瞬”こんな朝早くからなんだよー”と、思ったものの、
すぐに自分が昼まで寝ていたことを思い出して
”あ、いや、昼だったー”と、自虐的に笑いつつ
誰が来たのかをモニター越しに確認するー。

その画面に映っていたのは、
とても可愛らしい雰囲気の女だったー

”あ~…俺、分かったぞー
 これ、絶対なんか訪問販売とかそういうやつだろ”

そう思いつつ、
「はいー」と、そう応答すると、
”ー勉くん~!久しぶり~”と、女はそう言葉を口にしたー

「ーーは…??????」
困惑の表情を浮かべる勉ー。

まるで、知り合いであるかのような女の言葉に、
勉は”え…こんな可愛い子、知り合いにいたっけー?”と、
慌てて頭をフル回転させるー。

大学ー…いや、違うー。
高校?いや、違うー。
バイト先?いや、こんな子はいないー。
親戚?いやーー…たぶん違うー。

そう思いつつ、
どうしてもカメラ越しに見える女の顔に見覚えが無かった勉は
「あ、あの、すみませんーどちら様ですかー?」と、
そう言葉を口にするー。

すると、女は
”え~~~~~…勉くん、もしかしてわたしのことー
 忘れちゃったのー?”

と、悲しそうな表情を浮かべながら言ったー。

「ーーーえ…え~~~っと」
勉は戸惑いながらそれだけ応答すると、
一度、ボタンを押して相手に声が聞こえない状態にしてから
戸惑いの言葉を口にしたー

「だ、誰だよー…」
とー。

「ーーー…あ、あれかー?
 もしかして、知り合いのフリをして玄関の扉を開けさせる
 新手の悪質な訪問販売かー?」

勉はそう思いながら、もう一度ボタンを押して
会話可能な状態にするー

「ーあ、名前を聞けば思い出せると思うのでー」
勉がそう言うと、女は”ー聡美(さとみ)”と、だけそう答えたー。

「ーーさ、聡美ーさん?」
勉はそう言葉を口にすると、さらに混乱するー。

”聡美”という名前の親しい子は少なくともいないー。

確かー、高校の同級生に真原 聡美(まはら さとみ)という子は
いた気がするが、
顔が全然違うし、そもそも彼女は長身の子で、今、ここにやってきている
”聡美”を名乗る女とは絶対に別人だー。

流石に、男子よりも長身だった真原聡美が、こんなに縮むはずはないしー、
顔も違うー。

「ーーす、すみませんー
 どこで…どこで、知り合った聡美さんですかー?」
勉は戸惑いながら、さらにそう言葉を口にするー。

親戚なら親戚ー、
中学とか、そう言う時の同級生なら同級生だと、
そう言ってくれれば思い出せるかもしれないー。

そう思っていると、
”わたしのこと、忘れちゃったのー?”
と、”聡美”は悲しそうな表情を浮かべながら
モニターの方を見つめるー。

「ーーえ…いやーその…」

”ーー今日、Hなことするって約束してたじゃんー”
聡美は、とんでもないことを部屋の前で言い始めたー。

「ーーはっ!?!?えっ!?!?!?」
勉はドキッとしながら、思わず変な声を出してしまうと、
”絶対に人違いだー彼女もいないし、Hする約束なんて絶対にしてないしー”と
心の中でそう確信するー。

「すみませんー相手を間違えてませんか?」
勉はそう言葉を続けるー。

Hする約束なんて間違ってもしていないー。
そもそも、勉にはそんな経験もないー。

恋愛とは縁がなく、”俺はたぶん生涯独身だから”などと
いつもそう言っているような勉が、誰かとそんな約束を
するはずがないのだー。

”ーー勉くんでしょー?
 なんでそんなこと言うのー!?
 今日、わたしとHする約束したのに!”

玄関の前でそう声を上げる聡美ー。

「いやいやいやー、ちょっと、玄関の前で
 そんなこと言わないでくださいよー!
 近所にも聞こえますから!」

勉が慌てて言うー。

玄関先で”Hする約束をした”とか、言わないでほしいー
近所の人に勘違いされてしまうし、
変な目で見られてしまうかもしれないー。

そんな焦りを感じつつ、そう伝えると、
”じゃあ、早く玄関を開けてよ!”
と、聡美がそう言葉を口にしたー。

「ーーえぇ……でもー」
勉は戸惑うー。

知らない女を自分の部屋の中に入れるー、と言うのも
何かイヤだったー。

もし、この女が新手の詐欺師だったり、強盗だったりした場合、
玄関を開けた瞬間、ぶん殴られて気絶させられる可能性も否定できないし、
逆に、”この人、わたしに乱暴しようとしてー!”とか、
突然の被害者モードに切り替わって、悪者扱いされるリスクもあるー。

目的が分からない以上ー、
中に入れるなんてありえないー。

”あ~~~~~もうーーさっさと開けろよ”
聡美が、急にそう言葉を口にしたー。

「ーーえ…」
勉はさらに戸惑いの表情を浮かべるー。

急に男のような口調で喋り始めた聡美ー。

”ーー勉くんにHに誘われたのに玄関あけてくれな~い!って
 大声で叫ぶぞー?”

聡美の言葉に、勉は「い、いやーま、待って下さいよー
わ、分かったからー」と、そう声を上げると、
仕方がなく玄関先に向かうー

”念のため”
近くに、殺虫剤を用意して、
万が一襲われそうになったらそれを噴きかける覚悟をした上で、
玄関の扉を開けるー。

「ーーえへへへーもっと早く開けてくれよー」
聡美はそう言うと、特に襲ってくる様子はなく、
そのまま我が物顔で家の中を歩き始めたー。

とても可愛らしい雰囲気の聡美ー
やはり、どう見てもこんな知り合いがいるとは思えないー。

「あ、あの、さ、聡美さんー?
 お、俺、覚えがないんですけどーー
 俺とはどこで?」

勉がさらに確認するー。

が、聡美はソファーに座ると、突然自分のスカートを触りながら
「はぁ~…スカートっていいよなぁ」と、訳の分からない言葉を
口にするー。

その上で、自分の足を嬉しそうに、イヤらしい手つきで
触っているのを見て、勉は
”なんなんだこの子はー?”と、心の中で思うと同時に、
ついドキッとしてしまうー。

「ーーーーーへへへー で、Hする?」
聡美の言葉に、顔を真っ赤にする勉ー。

そんな反応を見てー、
聡美はおかしそうに笑い始めたー。

そしてーー

「ーへへへーそんな顔すんなって勉ーー」
聡美が、まるで友達かのような口調でそう言うと、
勉は「ーーな、何が目的ですかー?」と、スマホを手に
”警察を呼ぶ”と言わんばかりの態度を示すー。

「ーはははー悪い悪いー
 そんな警戒すんなってー

 ”俺”だよー」

聡美は、突然そう言葉を口にするー。

「ーーお…”俺”ー?」
勉が戸惑いの表情を浮かべると、
聡美は言ったー。

「ー坂上(さかがみ)だよー。
 お前の親友の坂上 益男ー」

聡美はそう言い放ったー。

「ーさ、坂上!?
 いやいやいやいやいやーーー

 坂上は男ですけど!?!?」

勉が声を上げるー。

”坂上 益男”は、確かに親友で、
同じ大学に通う男子大学生だー。

が、坂上 益男は男だし、
女装したとしても、こんな可愛い姿になるとは思えないー。
そもそも、声も益男の声ではないー。

「へへへーまぁまぁまぁ、そんなに慌てるなよー勉」
そう言うと、目の前の”聡美”と名乗る女は
「見てろよ」と、そう言うと、足を組みながら
突然、自分の後頭部のあたりを触り始めたー。

「ーな、なにをー…?」
勉が困惑しながらそんな様子を見つめるー。

すると、次の瞬間だったー。

聡美が自分の頭を”べりっ”と、
まるでマジックテープを剥がすかのような、
そんな音が聞こえたー

「ーー!?」
勉が混乱しながら”聡美”を見つめるー

目の前で”聡美”の顔がめくれて、
ニヤリと笑みを浮かべたまま、生気を失ったかのように
その表情のまま固まってしまうー。

そしてー…
”聡美”の中から、親友である坂上 益男の顔が姿を現したのだー

まるで、”着ぐるみの頭だけを脱いだ”ー
そんなような状態でー。

「ーーさ、さ、さ、坂上ー!?」
勉は、あまりの出来事に声を上げて驚くー。

「ーはははは、そこまでビビるとは思わなかったぜー」
顔を出した益男は、さっきまでの”女”の声ではなく、
いつもの益男の声でそう言葉を口にしたー。

「ーーー…ど、ど、どうなってるんだー?
 さっきまで…完全に女の声だったけどー

 そ、その…き、着ぐるみー?
 ど、どこでー?」

勉は混乱しながらそう叫ぶー。

まさか”着ぐるみ”だとは思わなかったー
どう見ても、普通の女の子にしか見えなかったし、
声も完全に女の声だったー

いったいー…?

勉がそう思っていると、益男は
”聡美”の胸を揉みながら、
「ーへへーこれは”着ぐるみ”じゃないぜー」と、
それだけ言うと、「ーー”人を皮にして”着てるんだよー」と、
そう言葉を付け加えたー。

「ひ、人を皮にして着てるー???
 い、いったいー、どういうーー?」

さらに戸惑いの表情を浮かべる勉ー。

「ー”この女”の身体を俺が乗っ取ってるって言うと
 分かりやすいかなー?
 着ぐるみじゃなくて、”実在する人間を着てる”んだよー」

益男は、そこまで言うと”顔だけ脱いだ状態”だった”聡美”を
再び身に着けると、
「ーー全部着ればほら、完全に女になれるんだぜー」と、
聡美の声で再び言葉を口にしたー。

「ーー…い…いやー…え…ど、どういう意味だよー…え???
 本当にいる人そっくりの着ぐるみを作ったってことかー?」

勉はまだ意味が分からずに、戸惑いの言葉を口にするー。

しかし、”人を皮にして着る”などという、
あまりにも現実離れした出来事は早々起こるものではないし、
勉がこういう反応をしてしまうのも、無理はないかもしれないー。

「ーーいやいや、”本当にいる人を皮にして乗っ取った”んだよー
 だから、正真正銘、この身体は女の身体だぜ」

聡美はニヤニヤしながらそう言うと、
「ほら、ここ触って見ろよーマジでついてないからー」と、
スカートの上からアソコの辺りを指さしたー

「い…いやーー…え…?」
顔を赤らめる勉ー。

「ーーへへーいいってー
 ”きゃ~~~~!”とか叫んだりしないから、
 ほらー」

聡美が無理矢理手を掴んで、勉にアソコを触らせると、
勉は顔を真っ赤にしながら「どー…ど、どうなってー…?」と、
茫然とした表情を浮かべたー。

すると、聡美は”水鉄砲”のようなものを取り出して
笑みを浮かべたー。

「ーこれー
 ”人を皮にする”ことができる特殊な液体を発射する道具でさー
 これを相手に撃ち込むことで、
 このJKみたいに皮にすることができるんだよー

 すごいだろー?」

聡美はそう言いながら、勉を見つめるー

「ーーじ、JK…?」
混乱する勉ー。

聡美は「あぁーへへーー」と、ニヤニヤしながら言うと、
「わたし、身体を乗っ取られちゃった女子高生なの!」と、
本人っぽい口調で、そう言葉を口にしたー

その言葉にドキッとしてしまう勉ー

「い、いやいやいやーそ、そんなことしたらー…」
勉がそう言葉を口にすると、
聡美は「大丈夫大丈夫ー”乗っ取られてる間”の記憶は
残らないし、うまく”調整”されるようになってるからー、
タイミングさえ見計らって皮にすりゃ大丈夫さー」と、
自慢気に言葉を口にしたー。

「そ、そ、そういう問題なのかー…?」
勉はさらに戸惑うー。

がー、聡美はお構いなしに笑みを浮かべると、
「ー…これ、お前にも貸してやるからさー
 お前も誰かを着てみろよー」
と、そんな言葉を口にしたー…

②へ続く

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コメント

他人を乗っ取った親友の突然の来訪……!

どうなってしまうのかは、明日以降のお楽しみデス~!

今日もありがとうございました~!

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