<女体化>奪われた愛③~愛の行方~(完)

女体化した”彼氏の親友”は、
彼氏に対して積極的にアピールをし始めたー。

彼女は、そんな様子に戸惑いを隠せずにー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーー」
教室に後からたどり着いた美鈴は、少し不満そうな表情を浮かべるー。

”女体化した尚樹”に、
彼氏の誠吾が、連れられて一人、置き去りに
されてしまったからだー。

「ーーーあ…わ、若松さんーさっきはごめんー」
誠吾が、教室に入ってきた美鈴に気付き、そう言葉を口にするー。

「ーー…べ、別に、わたしは大丈夫ー」
美鈴はそれだけ言うと、そのまま座席の方に向かって行くー。

”大人しい性格”の誠吾が、
ぐいぐいと来るタイプの女体化した尚樹に、
そのまま押されてしまったーー…というのは、
同じく大人しい性格の美鈴には分かるー。

だから、誠吾を責めることはしなかったー。
ただー、モヤモヤする気持ちを感じながら、
美鈴はチラッと、女体化した尚樹の方を見つめるー。

女体化した尚樹は勝ち誇った表情を浮かべているー。

「~~~~…」
しかも、女体化した尚樹はとても可愛いー。

美鈴は、自分自身も十分可愛いにも関わらず、
大人しい性格故か、”わたしじゃ全然勝てないー”と、
ネガティブな考えに支配されてしまうー。

”へへへへー…せっかく女になったんだし、
 誠吾の彼女にふさわしいのは絶対俺ー、いいや”わたし”しかいない!”

女体化した尚樹は、そう思いながら
誠吾の方を見つめたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休みー

誠吾に声をかけた女体化した尚樹は、
「ーなぁなぁ、今度の休みの日、”デート”しようぜ」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーえ…え~~~~…」
誠吾は顔を赤らめながら戸惑うと、
「ーーーあ、それとも、俺の家に来る?」と、
笑みを浮かべるー。

「ー土曜日はさ、親いないからー…
 ーーーーーーHなこともできるぜ?」

女体化した尚樹のその言葉に、
誠吾は「えぇっ!?い、いやいや僕はそんなー」と、
顔を赤らめるー。

「ーー…~~~…」
女体化した尚樹は、そんな誠吾の方をしばらく見つめると、
言葉を口にするー。

「でも誠吾さー…あれだろ?”童貞”ってやつだろー?
 美鈴ちゃんとじゃ、誠吾と、あの子の性格上ー
 絶対、ず~っと、そこまで進まないと思うんだー。

 で、最後には結局、フェードアウトする感じで
 自然に別れることになるー。

 でも、俺は違うー。
 今の俺なら誠吾の童貞だって卒業させてあげられるしー
 それにーー……

 俺ー、揶揄ってるんじゃなくて
 本気でお前の彼女になりたいんだー

 だって、今の俺なら、彼女になれるんだから!」

女体化した尚樹の言葉に、誠吾は「な…尚くんー…」と、戸惑うー

「ーーー”わたし”じゃ、だめー?」
目をうるうるさせながら、そう言ってくる女体化した尚樹ー。

「ーーで、で、でも、ぼ、僕はーー」
誠吾が、”若松さんがいるから”と、そう言い放とうとすると、
女体化した尚樹が、とても悲しそうな表情を浮かべたー。

”尚樹”が、元の姿でそういう顔をしても、
”尚くんのそんな手には乗らないぞ!”と、軽くあしらえたかもしれないー。

しかし、今の姿でそんな顔をされるとー…

「ーーーー……ーー…わ、分かったー…分かったよー
 家に行くだけだよー
 ”親友”として」

誠吾が顔を赤らめながらそう言うと、
女体化した尚樹は「やったぁ!」と、そう言葉を口にすると、
「ー少しずつ、”彼女っぽく”振る舞えるように頑張るから、期待しててねー」と、
笑みを浮かべながら言葉を口にしたー。

「え…い、いやー…い、いいよー
 尚くんは尚くんでー」
誠吾はそう言い放つー。

女体化したからと言って、無理に女子っぽく振る舞う必要はないー。
少なくとも、誠吾はそう思っていたし、
むしろ、”今まで通り”に接してほしかったー。

しかしー

「ーーーえ~~~…ほら、もう俺、”女”として
 生きて行かなくちゃいけないわけだしー
 これからはー…そうだなー

 ”尚樹”じゃなくて、”尚美”とでも思ってほしいなー」

にこっと笑う女体化した尚樹ー

「ーも…もうー僕をあまり揶揄うなよー」
誠吾がそう言うと、女体化した尚樹はケラケラと笑ったー。

そしてーーー

土曜日ーーー

「ーーえっ…!?ちょ、ちょっと待ってー!?」
女体化した尚樹の家を訪れた誠吾は、
女体化した尚樹に押し倒されていたー。

「ーー…いいじゃんー…”わたし”としよ?」
女体化した尚樹が笑うー。

「”女”としてするのは初めてだから
 お互い初めて同士ってことで、いいだろー?」

その言葉に、誠吾は「い、いやいやいやいやー…え!?ま、待って!」と、
声を上げるー。

そういうことをする心の準備も何もできていないしー、
何よりも”若松さん”がいるー。
彼女がいるのに、こんなことー

「ー”わたし”に任せておけばいいからー。ね?」

戸惑う誠吾を前に、女体化した尚樹は止まることなく、
そのまま笑みを浮かべると、強引に誠吾を”欲望の世界”へと引きずり込んだー。

そこから先は、誠吾は生まれて初めて味わう快感に
溺れて、訳が分からないまま、女体化した尚樹のされるがままになったー。

途中からは気持ちよくなりすぎて、何が何だか、ハッキリと覚えていないー。

女体化した尚樹の喘ぐ声を聞いて、
ドキドキが止まらなくなって、
やがて、女体化した尚樹に向かってたっぷりと自分の体液を
放ってしまったー。

「ーーー…ーーーえへへへへー…
 ”わたし”と付き合えば、いくらでも一緒にできるよー?」

女体化した尚樹の言葉に、誠吾は顔を赤らめながら
「ーで、でもー…」と、言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー今度の土曜日、一緒に本屋に行かない?」
彼女の美鈴が、そんな言葉を口にするー。

「え?今度の土曜日ー?」
図書室で、美鈴が借りようとしている本の手続きを
しながらそう言葉を口にする誠吾ー。

「うん!ほら、あれの新作もーー」
美鈴が嬉しそうにそう言うと、
「あ、ごめんー…土曜日は僕、予定があってー」
と、申し訳なさそうに誠吾が言葉を口にするー。

「ーーえ……あ…そ、そっかー。うんー。じゃあ、また時間のある時に」
美鈴がそう言うと、
誠吾は「ごめんねー若松さんー」と、そう言葉を口にしたー。

「ーーーー」
美鈴は、図書室で本を借りる手続きを終えると、
少し唇を噛みしめながら、図書室から立ち去っていくー。

”ーーーー……沼田くんー…最近、あの子とばっかりー…”
美鈴は嫉妬を覚えながら、それ以上に
”どんどん、彼氏が奪われていく”ような感覚に陥って、
戸惑っていたー。

”わたしみたいにー、積極性がない子はやっぱりダメなのかな…”
美鈴はそう思いつつも、”女体化した尚樹”のように
積極的に絡んでいくことはわたしにはできない”と、
悲しそうな表情を浮かべるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからも、誠吾はますます女体化した尚樹と
親密になっていったー。

「ーえへへ~可愛いでしょ?」
女体化した尚樹が、誠吾の好きな漫画の
ヒロインのコスプレを披露しながら、笑うー。

「ーうわぁ…す、すごいー…!可愛いよー!」
誠吾がそう言うと、
女体化した尚樹は「へへへーでしょでしょ!」と、
ご機嫌そうに笑うー。

そしてーー
少し間を置いてから言葉を口にしたー。

「ねぇねぇ、美鈴ちゃんと別れて”わたし”と付き合おうよー
 コスプレだって、Hなことだって、何でもしてあげられるしー
 ”元男”だったわたしなら、誠吾の気持ちもよくわかるからー」

女体化した尚樹は、誘惑するような口調で言うー。

「ーーそ…それはー…」
誠吾が困惑しながら言葉を振り絞るー。

しかしー、
「ーーじゃあ、もうHなことしてあげな~い!」と、
女体化した尚樹が拗ねた口調で言うと、
誠吾は「わ、分かったよ!わ、若松さんとは別れるから!」と、
ついに、そう言葉を口にしてしまったー

「えへへへ!やったぁ!じゃあ今日もーーヤッちゃお!」
女体化した尚樹は嬉しそうに笑うと、そのまま再び
誠吾と欲望の時間を楽しんだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーごめんー…
 僕ー…若松さんと別れたいんだー」

「ーーえ…今、なんてー?」

数日後ー
美鈴は、誠吾から別れを告げられたー。

女体化した親友・尚樹とのことは、
美鈴は気を遣ってなるべく言わないようにしていたー。

”親友”が女体化したら心配だろうし、
慣れるまでは戸惑いもあると思うー。

だからこそ、イチャイチャしているように見えても
親密そうに見えても、なるべく何も言わないようにしていたー。

親友の性別が変わって心配しているのに
嫉妬するような素振りや、束縛するような素振りを見せたら
負担になると、そう思ったからだー。

けれどーー
結果はこれだったー。

誠吾は、いつの間にか女体化した親友ー、尚樹に心を奪われて
美鈴に別れを告げるまでになってしまったー。

”ーわたしが…もっと”イヤだ”って言ってればー…
 こんなことにはならなかったのかなー…”

悲しそうな表情を浮かべる美鈴ー。

「ーごめんー本当にごめんー
 でも、僕にはーー浮気みたいなことはできないしー
 ちゃんと、別れを告げなきゃ、って思ってー」

誠吾がそう言葉を口にするー。

すでに、女体化した尚樹と身体の関係を持ってから
そんな言葉を口にするのは、自分に都合の良い
言い方かもしれないー。
しかし、誠吾自身はそう思ってはいないのかー、
只々、一見すると誠実そうな雰囲気を見せながら
謝罪の言葉を口にしたー。

「ーーーー……ーーーー……沼田くんが、そうしたいならー
 そうすればいいよー」

美鈴は暗い表情で呟くー。

「ーーわたし…やっぱり、彼氏とか作るより、
 本を読んでた方が楽しいからー」

美鈴は悲しさのあまりそう言葉を口にすると、
誠吾は「本当にごめんー」と、今一度謝罪の言葉を口にしたー。

「ーーもうーーー…彼氏とかいいかなー
 ……恋愛しない方がいいって教えてくれてありがとー」

美鈴は悲しさのあまり、そう毒を吐き出すと、
何かを言おうとした誠吾に対して、
言葉を遮って「二人とも幸せにね。ばいばい」と、それだけ言葉を
口にして立ち去って行ったー。

「ーーー…若松さんー…そ、その、僕ー」
なおも何か言い訳をしようとした誠吾ー。
けれど、美鈴はもう、その言葉を聞こうとはしてくれなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

女体化した尚樹と、正式に恋人同士となり、
連日のようにHなことを楽しんだり、
一緒に出掛けたりを繰り返す誠吾ー。

奥手な誠吾にとってはぐいぐい来てくれる”女体化した尚樹”の方が
過ごしやすかったのかもしれないー。

美鈴と付き合っていた頃よりも楽しそうな日々を送る誠吾ー。

一方の美鈴は、失恋したせいか、
本にのめり込むようになり、男子を避けるようになってしまったー。

がー、そんなある日ー

「ーーーえっ……?」
朝、目を覚ました誠吾は困惑の表情を浮かべるー。

「な、なんだこれ…!?!?」

伸びた髪ーー
膨らんだ胸ー

そしてーーー

「ーーな、ないっ!?!?!?!?!?!?」
誠吾は、悲鳴に似た声を上げたー。

この日ー、
誠吾は、親友の尚樹と同じように”女体化”してしまったのだったー。

親友である尚樹が”突然”女体化した理由ー
誠吾は以前、その理由を探ろうとして、スマホで色々調べたことがあるー。

”宇宙人の攻撃で女になってしまいました”
”女になる病気かも?兄弟そろって女体化してしまいました”
”変なモン喰ったら女になった”

ネット上では、そんなことが書かれていたー。

どれもーーー
信憑性が薄いと判断して、誠吾はそれ以上調べなかったものの、
ここに”答え”があったー。

それはー
未知のウイルスによる”女体化”ー
飛沫感染も空気感染もしないものの、
女体化した相手と直接、身体の関係を持つことで
”稀に”感染するー。

兄弟そろって女体化したという書き込みは”事実”で、
誠吾は、女体化した尚樹と何度もHなことをしたことで、
尚樹からそのウイルスが感染ー、
結果、誠吾も尚樹と同じように女体化してしまったのだー

「ーーえぇぇぇぇぇ!?!?!?!?
 な、なんで!?
 ぼ、僕、どうすればーーー!?!?」

女体化してしまった誠吾は、困惑の表情を浮かべながら
そう叫ぶことしかできなかったー。

おわり

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コメント

彼女をポイしちゃったから、
罰が当たってしまったのかも…しれませんネ~!☆

お読み下さりありがとうございました~~!☆

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女体化<奪われた愛>

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