いじめっ子から息子を守ろうとしていた
心優しい母親ー。
しかし、そのいじめっ子に憑依された彼女は
次第に歪み、壊れていくー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーちょっと、ここ、本当に気持ちいいから!」
いじめを受けている洋太の母親・麻由里が
ニヤニヤしながら、やってきた隣人・白井 円花(しらい まどか)に
対して、そんな言葉を口にするー。
「ーーな、何をするんですか!?離してください!」
実家から貰ったお土産を、食べきれないから分けてあげようと
麻由里の家にやってきた隣人の円花は、
家の中に招き入れられて、突然、麻由里に襲われていたー。
「ー本当に気持ちいいんだってばぁ」
小6の昌也に憑依されている麻由里は、
子供ような口調でそう言うと、
円花の胸を無理やり触りながら、
イヤらしい手つきで「先っぽだけ触ると、ほら!うふふふ」と、
嬉しそうに笑うー。
やがて、キスをし始める麻由里ー。
”すごいー すごいー…
すごいー すごいぞー!”
女同士の快感を、まだハッキリと意味も分からないまま
”ただただ気持ちイイもの”として楽しむ昌也ー。
がー、円花に振り払われた麻由里は
バランスを崩して腰を壁に打ち付けてしまうー。
「ーーーーた、滝口さんー
な、何のつもりなんですか!?
こ、こんなことしてー!」
円花が困惑した表情でそう叫ぶー。
が、麻由里はニヤニヤしながら
円花の方を見つめていて、円花から見れば
”恐怖”すら感じるー、そんな雰囲気だったー。
「ーーそ、相談させてもらいますからー」
円花がそう言うと、
麻由里は「え~~…誰かにチクるってこと~?」と、
子供のように不満そうに頬を膨らませるー。
「ーーー…そういうの、ウザいんだよなぁ」
麻由里はそう言うと、ニヤニヤしながら
円花に近付くー。
”チクるー”
昌也は、いじめていた洋太が母親に”チクった”ことで
先生に怒られたー。
だからこそ、”チクる”という行為が
以前にも増して大っ嫌いだったー。
「ーーー…あ!そうだー
”この力”を使っちゃおうー」
麻由里はそう言葉を口にすると、
”力をくれた男”から、言われた言葉を思い出すー。
”その力は、他人の身体を乗っ取るだけではなくー、
催眠術のような力も持ってるー。
だから、乗っ取った相手を、だんだんと自分色に染めることもできちゃうんだー。
それとー…
その力を”応用”すればー…”
力をくれた男が言っていたー。
そうー、麻由里の支配を強めるために使っている力を
応用すればーー…
昌也は、麻由里の目を赤く光らせるとー、
円花の方を見て、笑みを浮かべたー
「ーねぇねぇ、わたしともっともっと楽しもうよー」
とーー。
円花はビクッと震えると
「な…何を……?」と、拒否反応を示しながらも、
それ以上抵抗せずに、麻由里のキスを受け入れたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーお母さんー…うふふふ…お母さんー」
麻由里に憑依するようになってから半月以上が経過したー。
娘の紗季は、”女同士の欲望”に夢中になり始めたー。
このぐらいの年頃の子を快感で溺れさせるのは
簡単なことだったのかもしれないー。
「ーえへへへーーーー」
ニヤニヤしながら、娘の紗季にキスをして、
身体を交らわせる麻由里ー。
一人放置された洋太は、部屋から聞えて来る
2人の喘ぐ声を聞きながら、
震えていたー。
”ーーお母さんも、お姉ちゃんもーどうしちゃったのー…”
と、そう思いながらー。
「ーーーそうだー…おばさんにも”これ”味合わせてあげなくちゃー」
麻由里に憑依している昌也は、ふとそんなことを思いつきー、
娘の紗季とのお楽しみの最中に麻由里から抜け出すー。
正気を取り戻した麻由里は驚いた表情を浮かべながらも、
訳の分からないまま、娘との女同士の欲望を楽しみ始めるー。
”ーーわたしー……おかしくなってるーー
でもーー気持ちイイー…”
麻由里が嬉しそうに声を上げるー。
その様子を霊体の状態で見つめながら
「滝口のおかあさんー、気持ちよさそうだなぁーえへへ」
と、そう言葉を口にするー。
そのまま、再び麻由里に憑依するー。
もう、麻由里は抵抗しなくなったー。
完全に、”精神が同調した”
そんな、気がしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
「ーーーー」
晩御飯を食べる三人ー
母・麻由里は笑みを浮かべながら、
洋太の方を見つめるー。
麻由里と娘の紗季は
”普通のご飯”が食卓に並んでいるー。
しかしー…
息子の洋太の前にはーーー
”ソーセージ1本”とコップに入った水道水が置かれているだけだったー。
”洋太ー、ごめんねー…”
麻由里は、そう思いながらも、
「ーー洋太は生意気だからー、晩御飯はそれだけねー」
と、邪悪な笑みを浮かべるー。
今の麻由里は憑依されていないー。
息子に対する愛情は残ってはいるー…ものの、
昌也と精神のほとんどが同調し始めていた麻由里は、
”息子をいじめること”に快感を覚えるようになってしまっていたー。
「ーあはは~洋太~!ちゃんとお母さんの言うこと聞かなくちゃだめじゃん~!」
姉の紗季が笑うー。
紗季は”何もされてはいない”もののー、
母親がそういう態度を取っているからだろうかー。
最近は一緒になって洋太をいじめるようになったー。
”なんだか、わたしおかしいー”
母・麻由里はそう思いつつも、”でもー…幸せー”と、笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
担任の雪田 和美(ゆきた かずみ)先生が、
洋太の母親・麻由里を呼び出したー。
洋太から相談を受けていた”お母さんの様子がおかしい”という話が
どうしても気になって、直接連絡してきたのだー。
放課後の教室にやってくる麻由里ー。
雪田先生は、何だか派手になった麻由里を見て
少し戸惑いながら、
言葉を口にしようとしたー。
がー
「ー先生のおっぱいって大きいですねー」
麻由里がニヤリと笑いながら言うー。
”昌也”に憑依された状態で面談にやってきた麻由里ー
今の麻由里の”身体”は激しく興奮しているー。
”えへへーおばさんも先生とキスしたくて
仕方ないって感じかなぁー”
昌也は、最初は拒否反応が出ていた麻由里の身体が
今では”早く!早く!”と女の身体を求めている様子に
変わったことにゾクゾクしながら、
「ー先生ーキスしない?」と、そう言葉を口にしたー。
「ーい…いきなり何をー…?
た、滝口さんー!?」
雪田先生は戸惑うー。
まるでーー
”男”に見られているような、そんな心地の悪さを感じながら、
言葉を続けるー。
「ーーよ、洋太くんが、お母さんの様子が変だと、
ここ最近わたしに相談んんっ!?!?」
ーー!?
言葉を遮るように、麻由里が雪田先生にキスをしたー。
「ーー先生の唇ー…イイ…」
麻由里がニヤニヤしながら、自分の唇に手を触れると、
雪田先生は「な…何をするんですか!?」と、声を荒げたー。
すっかり怯えた表情の雪田先生ー。
「ーーえへへー
この身体を使うようになってから、色々調べたんだぁ~
女同士ってレズって言うんだねぇ へへー」
ニヤニヤする麻由里ー。
「ーねぇねぇ、先生ー
わたしとレズろうよー」
覚えたての言葉をやたらと使いたがる年頃ー。
昌也は、麻由里の身体でそう言いながら雪田先生に迫るー。
「ーーあとさー、すっごい気持ち良くてヤバい瞬間があるんだけどー
あれって、”イク”って言うんだねー
すごいやー うふふふー」
麻由里の異様な振る舞いに、雪田先生は
「こ、これ以上近付いたら…け、警察呼びますよ!」と、そう叫ぶー。
「ーーえへへへへ…
どうして?気持ちイイことを教えてあげようとしてるだけなのにー」
昌也には、まだ善悪の区別が中途半端にしかつかないー。
彼は、純粋に”気持ちのいいことを教えてあげよう”と、思っているー。
「ーーーなんで逃げるの?先生ー」
ニヤニヤする麻由里ー。
「ーーー…ひっ…」
雪田先生が逃げ出そうとするのを見て、
麻由里に憑依している昌也は、”逃げちゃだめだよー先生ー”と、
小さく囁くー。
そしてー、昌也は麻由里から抜け出すと、
そのまま霊体になってー、
教室の宙を舞うー。
「ーーぁ…」
正気を取り戻した麻由里ー。
”ーーおばさんも気持ちイイことしたいだろー?
さぁ、先生を捕まえるんだー”
昌也が心の中でそう念じると、
既に、昌也の精神への同調が進んでいた麻由里は
「ーーふふふふー…もう、我慢できないー」と、
笑みを浮かべながら、雪田先生の腕を掴むー。
”えへへーーすっかり俺と同じになっちゃったなぁ”
昌也はそう思いながら、雪田先生の方を見つめるー。
「ー先生の身体ってどんな感じなんだろうー」
そう思った昌也は、今度は雪田先生の方に憑依したー
「うっー…!」
麻由里の前でビクンと震える雪田先生ー。
「ーー…せ、先生ー?」
一瞬驚く麻由里ー。
が、昌也に憑依された雪田先生は不気味な笑みを浮かべると、
「一緒に女同士で楽しみましょー ぐふふふ」と、
そう言葉を口にしながら、麻由里を見つめるー。
既に欲望に取り憑かれている麻由里は、
ここが学校であることも忘れて、
無我夢中で雪田先生と身体を交らわせるー。
息子の洋太のことを心配する、
残りわずかな気持ちも、あまりの快感を前にはじけ飛んで、
只々、欲望に身を委ねる、欲望の母と化した麻由里ー。
「ーえへへへへー先生の身体もーー
滝口のお母さんもすっげぇぇぇ」
雪田先生は髪を振り乱しながら、
先生とは思えないような歓喜の声を上げるーーー
やがてーー
他の先生が異変に気付いて教室に駆け付けると、
雪田先生に憑依している昌也は「やべっー」と、
そんな言葉を口にしたー。
そしてー、
雪田先生にその場で強い暗示をかけて、
”わたしが洋太くんの母親を襲った”と、思い込ませて
憑依から抜け出しー、
すぐに麻由里に憑依して「た、助けて下さい!」と、
駆け付けた先生に助けを求めたー。
「ーーわ、わたしーなんで…?
で…でも、我慢できなかったのー…!
急にムラムラしてー」
正気を取り戻した雪田先生は
自分の行為に激しく混乱した様子を見せながらも
”わたしがやったー”と思い込んでそのまま連行されていったー。
麻由里は”被害者”として、
その場を切り抜けー、
笑みを浮かべたー。
”えへへーこの身体は失うわけにはいかないからなー”
昌也は、麻由里の身体でそう呟くと、
そのまま姿を消したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
「ーーー部屋を片付けたりして、どうしたんだい?」
自分の部屋を突然片付け始めたいじめっ子・昌也ー。
そんな彼の元に、彼に力を授けた大柄ながら、子供っぽい雰囲気の男が
再び姿を現すー。
「ーーあー、力をくれたおじさんー久しぶり」
昌也がそう言うと、
「俺、決めたんだ」と、笑みを浮かべるー。
「ーー決めた?」
大柄な男が、笑いながら言うと、
昌也は続けたー。
「ー俺、ずっとずっと、滝口のお母さんの身体で生きていくことに
決めたんだー
だってさー…すげぇんだよ…
レズってやつー
ホント、気持ちよすぎてーー
へへー、紗季お姉ちゃんとかさ、近所の白井さんとかさーー
えへへへへーーー」
考えただけで興奮が止まらない昌也ー。
「ーずっと憑依してればもっともっと、おばさんのことも
俺に同調させられるだろうしー へへー」
昌也は、自分であることを捨てて、
麻由里と一つになる決意を固めていたー。
そうすれば、もっともっともっと、色々なことを楽しめるー。
「ーーー別に、おばさんの身体を完全に奪っても問題ないんだよな?」
昌也がそう言うと、
大柄な男は少しだけ笑いながら
「あぁ、問題ないよ。好きにするといいー」と、そう言葉を口にしたー。
部屋の片づけを終えると、
昌也は「ー母さんと父さんには悪いけどー、俺はもう忘れられないんだー」
と、笑みを浮かべながら言葉を続けたー。
”あの快感をー”
とー。
「ーーへへへー…」
大柄な男はそのまま姿を消していくー。
それを見た昌也は「そういえば、おじさんー。俺に力をくれてありがとなー」と、
そう言いながら「おじさんの名前は?」と、そう尋ねたー。
「ー僕?僕は闇.netのルークだよー。
ま、覚えても覚えなくてもいいさー。
もう、会うことはないと思うからー」
力をくれた大柄なおじさん、ルークはそう言うと、
「ーー塩沼くんだったっけー?
これから先もたっぷりレズるといいよー。欲望のままにー」と、
そう言葉を口にして、そのまま姿を消したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
麻由里を完全に支配し、麻由里本人も
完全に”俺色”に染め上げた昌也は、
今日も麻由里の身体で、娘の紗季と抱き合って
激しいキスを繰り返していたー。
帰宅した洋太は、そんな二人を見て
泣きそうな表情を浮かべるー。
洋太を完全無視する二人ー。
娘の紗季も、”お母さん”の振る舞いに影響されてか、
今ではすっかり洋太をゴミのように扱うようになってしまったー。
「ーーーーーー」
部屋に戻って頭を抱える洋太ー。
欲望に染まってしまった”お母さん”によって、
滝口家の日常は完全に崩壊してしまったー。
けれどー、もうー、
優しいお母さんはここにはいないー
そして、戻っても来ないー。
母である麻由里の意識は、
完全にいじめっ子・昌也の意識と同調してしまったのだからー…。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
♪~~~
”今度、一旦そっちに帰れることになったー”
単身赴任中の父・一輝からのそんなメッセージが、
母・麻由里のスマホに届いたー。
父・一輝は、
まだ家族の異変を知らないー…。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
「欲望ノ母」の最終回でした~!☆
いずれ、父親が帰って来る編も
登場する予定デス~!
お読み下さりありがとうございました~~!☆
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