<憑依>救世主は憑依能力者!?①~侵略~

突如として宇宙からやってきた侵略者ー。

圧倒的力を前に、各国はあっという間に
壊滅状態に陥ってしまうー。

そんな中、”救世主”として選ばれたのは、
憑依能力者だったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”憑依薬”ー。
他人の身体を乗っ取ることができる悪魔のような薬が
闇の市場に出回ったのは数か月前のことだったー。

「ーーくひひひひひひひっ♡」
今日も、身体を乗っ取られた女子高生が不気味な
笑みを浮かべながら、
本人が絶対にしないようなことをさせられて、
しかも、その本人は嬉しそうに笑っているー。

がーーー
その時だったー。

「ーーーぁ?」
胸を揉みながら笑みを浮かべていた少女が
”不自然な影”に気付き、上空を見上げると
そこにはーー

まるでSF映画のような巨大UFOの姿が見えたー。

「ーーな…な…なんだあれは!?」
胸を揉んでいた少女は驚きのあまり、
その場に尻餅をついて声を上げるー。

この日ー…
地球に”エイリアン”が、姿を現したのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

”我らは皇星ルボルからやってきたー。
 貴様たち”地球”の生命に勝ち目はないー。
 降伏すれば命までは取らぬー

 選ぶが良いー。
 降伏か、死か”

皇星ルボルからやってきたと名乗った
エイリアンたちー。

エイリアンの”女王”は、
人間のような姿でありながら、
鋭い爪のようなものや、
謎の模様のようなものが顔に浮かび上がっていて
人間とは違う種族だと伺わせるような風貌だったー。

地球側は、皇星ルボルの申し出を拒否、
相手の母船であるマザーシップへの一斉攻撃を行ったー

だがーー

「ーー愚かなー。
 
 貴様ら人類のことは調べさせてもらったぞー。
 どうやら、貴様らの技術力ではこの惑星の衛星である
 ”月”に行くのがやっとらしいではないかー」

女王は笑みを浮かべるー。

「ーーその程度の技術力しかない貴様らがー、
 遥か遠くの銀河からこの星を見つけ出し、
 やって来れるほどの技術力を持つ我らに
 勝てると思ったかー?」

その言葉は、真理だったー。

地球からは発見すらできていない遠い遠い遠い銀河から
地球に到達することができる技術力を持つ
皇星ルボルー。
もはや、最初から勝負になどならないのだー。

各国の最新戦闘機による一斉攻撃ー。
しかし、マザーシップは未知の物質によるバリアを展開ー、
全くダメージを与えることが出来ずに、
マザーシップから全方位に向かって連射された
カラフルなレーザーにより、あっという間に戦闘機は全滅したー。

”貴様らが降伏しないというのであれば、良かろう”
皇星ルボルの女王は、側近である女剣士らを地上に投入ー。
三人の女剣士は地上の人類を無差別に殺戮し始めたー。

「ーーいったい、どうすればー?」
未曽有の事態に、各国が手を握り合い結成された連合軍も
あっという間に窮地に立たされるー。

各国が保有するミサイルを一斉にマザーシップに発射する
作戦が決行されたものの、謎のバリアによって
ミサイルは跳ね返されてしまい、各国が壊滅的打撃を受けるー。

「ー止むを得ないー。最終手段だー」
連合軍は、”最終手段”として、マザーシップの頭上から
核兵器を連続して投下ー。

もちろん、”地上”にも影響が出るだろうー。
しかし、このままでは人類はエイリアンによって絶滅してしまうー。

被害が出ることを承知で、やるしかなかったー。

しかしーーー

”ーー”それ”が切り札かー?笑わせてくれるー”
皇星ルボルのマザーシップは無傷だったー。

それどころかーー

”貴様らに、一つ本当の兵器というものを見せてやろう”
女王はそう宣言するとー、
突然、”黒いブラックホール”のようなものが出現ー

地球上から、一つの大陸が5秒もしないうちに消滅したー。

「ーーーむ、無理だー」
連合軍の司令官は、それを見て呆然とするー。

5秒で、地球上の大陸の一つが”無”になったー。
爆発も何も起きず、”消えた”のだー。
その大陸にいた生命もろともー。

”次はーどこを消す?”
女王が笑みを浮かべるー。

”地球”の敗北はー、
もはや秒読み状態だったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーへへへへ…どうせ死ぬなら… えへへへっ」
一人の少女が、嬉しそうにもう一人の少女に
キスを繰り返しているー。

「ーーんふふふふ♡ マジで最高だぜー」
キスをされた方の少女も、嬉しそうにそんな言葉を口にしているー。

”憑依薬”による憑依ー。

世界では、エイリアンが出現するあの日まで、
”憑依問題”が問題視されていたー。

有効的な対策も打ち出せないまま、
各国で憑依の被害が広がり、
大問題になっていたのだー。

しかしー、
それももう、過去の話ー。
今では、地球は”皇星ルボル”を名乗るエイリアンによって
壊滅直前ー

もはや、誰も”憑依”のことなど
頭にない状態だったー。

だがーーー

「ーーー……君たちー」

「ー!?」
キスをし合っていた二人の女子高生がその声に振り返ると、
そこにはスーツを着た男がいたー。

「ーなんだなんだ?コイツの知り合いか?」
ツインテールの少女が自分を指差しながら言うと、
「ーいやー…」と、言いながらその男は名刺を差し出したー。

”連合軍 日本支部 参謀”と書かれているー。

連合軍とは宇宙人が出現後に
各国が手を結び、作られた”地球の軍隊”だー。

「ーー…あぁ?何の用だよー?」
ツインテールの少女とキスをしていたポニーテールの少女が
不満そうに言うと、
連合軍の参謀は、突然、二人の前で土下座したー。

憑依されている二人の少女は、困惑しながら
顔を見合わせるー

「はは、なんだおっさん
 俺たちと遊びたいのか?」
ツインテールの少女が笑いながらそう言うと、
「ーいや、力を貸してほしい」と、そう言葉を口にしたー。

「ーー力をー?」
ポニーテールの少女が、表情を曇らせながら言うと、
「ーー君たちの”憑依能力”ー…それがあれば、宇宙人を倒せるかもしれないー」
と、連合軍の参謀を名乗る男は、そう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーこっちだー」
連合軍の参謀・幸村(ゆきむら)は、そう言葉を口にすると、
憑依して乗っ取った身体のまま、本部にやってきた二人の少女を
”ある場所”へと案内したー。

「ーーぐぐぐぐぐぐ…殺せ!」
そこには、異形の女戦士のような風貌の”エイリアン”がいたー。

「この者は、先日、100人以上の犠牲を出して捕獲したエイリアンだー」
参謀・幸村がそう言葉を口にするー。

「ーー…うへぇ…身体つきは意外とエロイな」
ツインテールの少女が言うと、
横にいたポニーテールの少女が頷くー。

「ーー…”エイリアンにも憑依できるのかどうか”
 この者に憑依して試してほしい」
参謀・幸村の言葉に
ツインテールの少女は「なるほどねぇ」と、笑みを浮かべるー。

「ーー俺たちに”エイリアンに憑依して”どうにかしてほしいってか?」
ツインテールの少女の言葉に、参謀・幸村は頷くー。

「ーー本来、君たちのような他人に憑依する人間を放置しておくわけには
 行かないし、見過ごすことはできないー
 が、今は話は別だー」

参謀・幸村の言葉に、ポニーテールの少女は笑みを浮かべると、
「じゃあさ、この身体ー真桜(まお)って言うんだけどさー
 ”真桜様”お願いしますって言って、俺の靴を舐めろよ」と、
高圧的な態度で言葉を口にするー。

この二人組は、数々の憑依を繰り返してきた悪人ー。
どんな事情でも、そう簡単に力を貸すことはないー。

がーー

参謀・幸村は、「真桜さま、お願いしますー」とそう言い放つと、
躊躇することなく、靴の裏を舐めたー

「ーーま、マジかよ」
ポニーテールの少女・真桜は、いかにも偉そうな雰囲気の参謀の男が
プライドを捨ててまで自分たちにお願いして来るとは思っていなかったのか、
驚いたような表情を浮かべるー。

「ーくくく…情けない姿だなー」
ツインテールの少女は邪悪な笑みを浮かべながらそう呟くー。

すると、参謀の幸村は「もはやなりふり構っている状況ではないのだ」と、
そう言葉を口にするー。

「このままでは、人類は滅亡する。
 滅亡するぐらいであれば、私は何でもする」
幸村の言葉に、ツインテールの少女は少しだけ表情を歪めると、
ポニーテールの少女・真桜の方を見つめながら頷いたー。

「まぁ、いいぜー。
 俺たちだって人類滅亡になったら憑依を楽しめねぇからなー。
 それに、最近は憑依する身体も減って困ってたんだー。」
ツインテールの少女はそう言うと、
「ー俺のことは、紗友里(さゆり)って呼んでくれー。
 ま、この身体の名前だけど」と、
名を名乗りながら、言葉を口にしたー。

「ーそれで?このエイリアンに憑依すればいいってか?」
ツインテールの少女・紗友里がそう言うと、
参謀・幸村は頷いたー。

「そうだー。君たちのような”憑依薬”で、憑依の力を手に入れた人間が
 エイリアンに憑依できるのかどうか、それを確認したいー。

 もしも、君たちが憑依できるのであれば、
 今現在、憑依能力を持っている人間を招集して、
 エイリアンたちへの憑依反撃作戦を開始する」

その言葉に、
ポニーテールの少女・真桜は「なるほどねぇ」と、頷くー。

二人で、まるで女子同士の会話かのように
クスクスと笑いながら小声で何かを話すと、
ツインテールの少女・紗友里の方が「じゃあ、俺が試してやるぜ」と、
そう言葉を口にしたー。

「ーーーー頼む」
ガラス張りの部屋の方に拘束されている女エイリアンを見つめながら
参謀・幸村が頷くと、
「ーそうだー、”この女”俺が抜けても数時間は意識を取り戻さないと
 思うけど、もし意識を取り戻したら、逃がさないように頼むぜ?」
と、ツインテールの紗友里が、ポニーテールの真桜に向かって
そう言い放ったー

「任せておけ」
真桜が頷くー。

すると、紗友里は笑みを浮かべると同時にうめき声を上げて
その場に倒れ込むー。

紗友里に憑依していた男が、その身体から抜けて、
拘束されているエイリアンへの憑依を試みるー

そしてーー

「ーーうっ…」
”殺せ”と喚いていたエイリアンがうめき声を上げるーーー

「ーーーーーく… くひひひ…」
うめき声を上げた直後、笑みを浮かべるエイリアンの女戦士ー。

ニヤニヤしながら
「ーーへへへーエイリアンの身体ってのもなかなかエロイなー」と、
そんな言葉を口にしたー。

「ーーーすげぇ…マジで憑依できたのかー」
真桜が、エイリアンに憑依した友人の方を見つめながら笑うー。

「ーあぁ、ま、エイリアンだろうが何だろうが
 ”憑依”の前には無力ってことさー」
女エイリアンはそう言いながら笑うと、
「ーー…で…せっかくならコイツの胸も揉んでみたいんだけどー」と、
ニヤニヤしながら言い始めるー。

が、参謀の幸村は”憑依されたフリ”をしている可能性や、
女エイリアンに憑依した男が、裏切る可能性も考慮して
「すまんが、それはできないー君が逆に乗っ取られる可能性も0ではないからな」と、
それだけ言い放ったー。

女エイリアンに憑依した男は、
少し不満そうな表情を浮かべながらも
「まぁ、普通の判断っちゃ、そうかー」と、頷くー。

参謀・幸村から”その状態でずっと支配できるかどうかを試したい”と言われ、
1時間、エイリアンの身体に憑依したまま過ごすー。

「ーーーへへ…じゃあ、そろそろ戻るぜー」

1時間経っても、エイリアンの身体は支配されたままー。
やはり、人間と同じように支配できるようだー。

「ーー…ふぅー…やっぱこの身体だよなぁ」
ツインテールの紗友里の身体に戻ってきた男は
笑みを浮かべながら自分の胸を揉み始めるー。

「ーー協力、感謝するー。
 これで、”憑依”はエイリアンにも通用することが分かったー。
 もう少しデータを集めたいところだが、
 もう時間がないー。

 各地に生き残っている”憑依”が使える者たちを招集して
 エイリアンへの反撃作戦を開始する」

参謀・幸村がそう言うと、
ポニーテールの真桜の方が「ーあんたらが、憑依薬を飲んで憑依すればいいんじゃないか?」と、
そう言葉を口にするー。

しかしー

「ーエイリアンの攻撃により、各地が大打撃を受けているー。
 今から憑依薬を手に入れるのは困難なのだー」

と幸村はそう言い放ったー。

だからこそ、エイリアン侵攻の”前”に憑依薬を飲み
憑依能力を既に会得している者たちの力が必要なのだとー。

「ーーへへー、まぁ、確かにそれもそうかー。」
ツインテールの紗友里は笑みを浮かべながら頷くと、
「ま、俺たちも協力してやるー。
 その代わり、エイリアンどもを駆逐したあともー、
 ”俺たちの憑依のこと”には口出しすんなよ?」と、
ニヤニヤしながら言葉を口にしたー。

エイリアンを撃退するには、もはやこれしかないー。
幸村は不満そうな顔をしながらも、
渋々と、戦いが終わった後、紗友里らには関与しないことを
約束するのだったー。

②へ続く

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コメント

宇宙人の侵略に立ち向かうための方法が”憑依”…!

そんなお話デス~!

果たして上手く行くのかどうかは…
明日のお楽しみ…☆!

今日もありがとうございました~!

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