<憑依>歴史を壊す男③~改変の果て~(完)

タイムマシンで過去に戻り、
憑依薬で歴史を改変していく男ー。

既に、歴史は滅茶苦茶になったー。

しかし、男はさらに改変を続けていくー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

室町時代(むろまちじだい)にやってきていた
修司は、その時代の町娘の身体に憑依して、
歴史の改変を続けていたー。

「クククー…さよなら」
乗っ取った身体の”妹”を、姉のフリをして呼びつけて抹殺するー。

室町時代では”一般人”を大量に葬り去ったー。

きっと、”この時代に生きる人々”は、後の時代を生きる人たちの”誰かの”
祖先だー。
本来死ぬはずではなかったタイミングで命を奪うことで、
歴史に狂いが生じるー。

笑みを浮かべながら、”次の時代”へと向かおうとする修司ー。

だがー…
バイク型のタイムマシンを置いてある場所に周囲に
盗賊らしき男たちが集まっていたー。

「ーーー!」
町娘の身体のまま、表情を歪める修司ー。

「ーチッ…タイムマシンはステルス機能で見えないようにしてあるし、
 万が一気付かれても、特殊な防御装置がついてるから
 壊れることはねぇがー…
 厄介だなー」

そう思いながら、物陰から顔を出していた修司は
盗賊たちに見つかってしまうー。

「しまった!」
町娘の身体のまま逃げようとする修司ー。

が、町娘の身体は、走るのがとても遅く、
すぐに捕まってしまったー

盗賊たちに好き放題されていく彼女ー

”ーーーー”
修司は、そんな状況に少し興奮していたー。

”へへへー別に俺の身体じゃねぇし、こういうのも悪くねぇ”

そう思いながら
わざと「やめて~~~~!」と、叫んだりして
盗賊たちを刺激していくー。

散々遊ばれつくして、何度も何度も絶頂に達した彼女の身体ー。
修司は”すげぇ…”と呟いていると、
突然、激痛が走ったー

「うぐっ…!」
町娘の身体で血を吐く修司ー。

盗賊のリーダーらしき男が、笑みを浮かべながら
「口封じはしておかねぇとな」と、そう言葉を口にしたー。

そのまま、町娘の身体は死んでしまうー。

がー、修司は死んだ身体から追い出されるようにして
霊体になると、
そのまま盗賊のリーダーに憑依ー、
突然「お前らも全員皆殺しだぁ!」と、叫びながら
部下の盗賊たちを皆殺しにし始めたー。

全員始末すると、修司は盗賊のリーダーの身体のまま
自ら”自殺”して、そのまま盗賊のリーダーの身体からも抜け出すー。

「ー憑依してる身体が死んでも、
 俺はノーダメージなんでな」
修司は、その場で実体に戻るとバイクに跨るー。

「へへへ…一度現代がどうなったか見に行ったら、次は
 鎌倉時代(かまくらじだい)だー。」

修司はそう宣言すると、そのまま時空を切り裂いて、
現代へと戻って行ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーこれは…?」

「ーー秘密の兵器にございます」
修司は、鎌倉時代の女に憑依して、
”朝廷”と接触していたー。

鎌倉時代に起きた承久の乱(じょうきゅうのらん)ー。
鎌倉幕府と朝廷が争った戦いー。
このタイミングの時代にやってきた修司は
”未来からやってきた神の使い”を名乗り、
現代から持ち込んだ”拳銃”と、”爆弾”を、
朝廷側に手渡していたー。

本来の歴史であれば、鎌倉幕府側が勝利するその戦いー。
しかし、朝廷側にバイク型タイムマシンに積んで持ってきた
”現代の技術”を提供ー。
これを覆そうとしていたー。

「ーわたしは、これから北条家を”憑依”の力で、混乱させますー
 その隙に、決着をつけられるようー」

女の身体で、修司はそう言葉を口にすると、
朝廷側の幹部は、笑みを浮かべたー。

「ーーそなたの名はー?」
その男の言葉に、女に憑依している修司は笑みを浮かべながら
振り返ったー。

「タイムトラベラー…とでも呼んでくださいー」
ニヤリと笑う女ー。

そしてーー…
この戦いは朝廷側が勝利し、歴史は”また”変わったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おぉぉぉ…」
バイク型タイムマシンで現代に戻ってきた修司は笑うー。

「ーーすげぇ…!」

現代が”まるで未来”のように、飛躍的に進歩していたー。
恐らくは”鎌倉時代”に現代の技術を持ち込んだことで、
技術の進歩が本来よりも早くなったのだろうー。

「ーーーー」
がー…修司は、街中の光景を見つめるー。

どうやら、鎌倉時代の歴史をいじったことで
現代においても”朝廷”が強い力を持っていて
独裁国家のような状態にあるようだー。

「ー俺も、あんまりウロウロしてると捕まりそうだな」
修司は、そんな言葉を口にすると、
「ーさらばだ現代!」と、そう叫びながら
再びバイク型タイムマシンで現代から走り去っていったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

飛鳥時代(あすかじだい)へと
やってきた修司ー。

”おぉ…あれが本物の聖徳太子(しょうとくたいし)かー”

教科書にも載っている、この時代の有名な人物を
見つめながら、貴族の娘に憑依している修司は
「ーひとまず、この身体で楽しむかー」と、
自分の身体で、お楽しみを始めるー。

街中で突然、胸を揉んだり、おかしな行動をし始めた
貴族の娘を見て、周囲の人々は騒然とするー。

使用人らしき男が、止めに入って来たものの
その男を雑に突き飛ばして、
存分にそのまま、欲望の限りを尽くしたー。

”へへへー…たまにはただ単に遊ぶのもいいよなー”
貴族の娘の身体から飛び出す修司ー。

”あんま長時間、霊体のままでいると消えちまう可能性もあるからー、
 とりあえず次はー”

修司は、そう思いながら次に憑依する身体を探すー。

飛鳥時代では、聖徳太子に”未来の歴史を全て伝えよう”と、
考えているー

…と言っても、修司の知る歴史と、”変わってしまった鎌倉時代以降の歴史”は
もう異なるものだが、
この時代の聖徳太子からは、それを確認するすべはないー。

とにかく”未来から持ってきたもの”を見せて、
その上で歴史への影響を見ることにするー。

聖徳太子に近付ける人物に憑依した修司はー、
現代から持ち込んだ”スマホ”を手に、未来のことを説明していくー。

聖徳太子は、やはり歴史に名を残す人物だけあって
非常に聡明だったー。
”未来の出来事”と、突然、信じられないような情報を
突きつけられても、冷静にそれを聞き、分析していたー。

”ーークククー
 未来の出来事を知ったことによって、
 歴史が変わるかもなー”

修司は、そう言葉を口にしながら
再び現代へと戻ったー。

「な、なんだこれは…!?」
東京タワーがあったはずの場所に、
天まで上るような高さのタワーのようなものが存在するー。

「ーはははーあんた、どこから来たんだい?」
気さくな雰囲気の貴族のような格好のおばさんが言葉を口にするー

歴史がまた変わったのか、
現代でも昔のような貴族風の人が多く歩いているー。

「ーーあ、いえー、海外から」
修司がそう言うと、おばさんは言ったー。

「あれは、”スペースタワー”だよー。」
とー。

聞けば、人類は既に宇宙へと活動範囲を広めているようで、
”飛鳥時代”の時点から、既に現代技術が発展し始めたことで、
元々の現代よりも大幅に世界の技術レベルが上がっていたー。

「ーーう、宇宙に行けるんですか?」
修司が言うと、
おばさんは笑うー。

「何寝ぼけたこと言ってんだい?
 宇宙旅行なんて、100年以上前から当たり前じゃないかー」

100年以上も前ー

と、すると、1920年ぐらいからもう、それが可能だったということだろうかー。

「すげぇ…過去に技術を持ち込むと、
 その分、技術の進歩も早くなるってことかー」

そう呟きながら修司は笑みを浮かべると
「そうだー」と、言葉を口にするー。

開発した憑依薬と、”この現代”に存在するありったけの技術を
”バイク型タイムマシン”に詰め込む修司ー。

「さァ待ってろ、弥生時代(やよいじだい)ー
 現代の文明を弥生時代に持ち込んでやるぞー」

”弥生時代”から、近代的な文明を発展させたら
一体どうなるのだろうかー。
修司は、そんな風に思いながら笑みを浮かべると、
「ーお、あそこにちょうどいい女を発見」と、
”元々の現代とは少し違う”雰囲気の女子高生らしき人物に
憑依すると、”未来からやってきた神”と、この身体で名乗ることにして、
適当に高そうなものを盗んでそれを身に着けると、
そのまま弥生時代へと向かったー。

どうせ、もうこの”現代”に戻って来ることはないー。
この”現代”で罪を犯しても、また弥生時代を改変することによって
歴史は変わるー。
何も問題はないし、そもそも憑依したこの娘が罪を犯したことに
なるだけだから、修司自身には、何の影響もないー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

弥生時代にやってきた修司は、
現代で憑依した女の身体で、弥生時代の住人たちと接触していたー。

この時代では見ることもできないであろう
豪華なドレスを身に纏い、「わたしは未来からやってきた”神”」だと
名乗ったー。

弥生時代の人々は、当然戸惑っていたものの、
彼女が”現代から持ち込んだ多数の機器”を見せ付けられて、
次第に、”この人は本当に未来からやってきた女神なんだ”と、
信じ始めたー。

それもそのはずー。
スマホや、あらゆるものをこの世界に持ち込んだのだからー。

弥生時代の人間から見れば、スマホ一つだけでも、
もはや考えられないほどの、奇跡としか言いようがなかったー。

「ーーこれから、あなたたちに未来の技術を授けましょうー。
 あなたたちの生活が大幅に向上するはずですー」

”現代”で憑依して、持ち逃げ状態の女の身体で修司が
そう説明すると、
修司は、弥生時代の人々に様々な技術を授けたー。

さらにーー

「ーー”狩り”にも未来の文明を使うといいー」
修司は、女の身体でそう言うと、現代から持ち込んだ武器を、
弥生時代の人々に手渡したー。

”女神”として崇められて
当時としては立派な建物…ーと、言っても弥生時代当時の建物だけれども、
そこに案内された修司ー。

まるで”女王”のように振る舞いながら
悦に浸ると「クククーこれで歴史は大幅に変わるぞ」と、
笑みを浮かべるー。

飛鳥時代に技術を”少し”持ち込んだだけでも、
人類は1900年代には宇宙旅行が実現していたー。

そのさらに前の時代に、
飛鳥時代に技術を持ち込んだ時よりも大量の技術を持ち込んだー。

歴史は、大幅に変わるに違いないー。

「ーー…ククー…誰だか知らねぇけど、この身体は気に入った」
胸を揉みながら、嬉しそうに笑うと
「女王ぐらしも楽しいけどー…そろそろ現代に戻るか」と、
その身体のまま立ち上がるー。

「ー女神様ーどこへ…?」
弥生時代の住人が、そう言葉を口にすると、
修司は笑みを浮かべながら答えたー。

「ー現代へ一度戻るー。さらばだ弥生時代」
とー。

修司は、村から離れると現代から持ち込んだ女の身体を
弥生時代に捨てて、そのままバイク型のタイムマシンに跨るー。

「ーークククー
 さてさて、次は世界の歴史もいじりはじめるかなー…

 いやー、人類が原始人の時代にまで戻ってー
 色々するのも面白いかもなー…」

修司はバイク型タイムマシンを起動して、
現代がどうなったのか、笑みを浮かべながら考えるー。

「ー白亜紀(はくあき)あたりに行って、
 恐竜に憑依しまくって共喰いでもさせるのも楽しそうだなー

 本来、そこで”死ぬはずの無かった”恐竜が死ねば
 歴史が変わるかもしれねぇ」

修司がそう言葉を口にしながら
”現代”へと戻ったその時だったー。

時空の渦から飛び出すと同時にー、
修司の身体が空中に投げ出されたー

「!?!?!?!?」
バイク型のタイムマシンが宙に放り出されるー

”なんだーこれは!?”
呼吸ができないことに気付き、修司はすぐに自分の身体を”霊体”の
状態にして、身の安全を図るー。

がー、バイク型のタイムマシンは宙に浮かんだまま
どんどん自分から離れていくー

”ーーえ? 何で宇宙ー?”

修司は戸惑うー。

”現代の地球”に戻ったハズー。

それなのに、なぜー。

慌てて、”憑依する身体”を探そうとするも、
宇宙に人間など、いるはずがないー。

しかも、宇宙空間で”実体”に戻れば自分が死んでしまうー。
が、バイク型タイムマシンを使うには”身体”が必要だー。
霊体の状態のままでは使えないー。

さらにー、バイク型タイムマシンは宇宙空間に流されるように、
どんどん遠くに向かっている状態で、このままでは
回収できなくなるー。

”おい、いったいどうなってるんだー…”
修司は焦りながら振り返るー。

このままじゃ、タイムスリップもできなくなってしまうし、
何より自分の身がー

「ーー!!!!!!!!!!!!」
修司は、信じられないものを見たー。

それはーー
”地球の残骸”ーーー

”ーーーーぁ… ぁ…… あ…”
修司は言葉を失うー。

”現代の地球”に戻ったハズが、
宇宙空間に放り出されたー。

それはーー
”地球があった場所”に、地球がなくなっていたからー。

そしてー、
その側には”地球の破片”らしきものが漂っていたー。

”な…なんだなんだなんだ… こ…これはー”
修司は慌ててバイク型のタイムマシンの方を振り返るー。

がー、宇宙を漂うバイク型のタイムマシンは
既に遠くに流されていて、もう追い付くこともできないー。

そもそも”霊体のまま”では乗れないし、
かと言って、実体になれば宇宙空間では生きられないー。

”ーーー…ま、まさかー”
修司は、地球の残骸が漂う方向を振り返るー

”ーーー文明が発達しすぎて、地球が…滅んだのかー!?”

修司は唖然とするー。

そうー。
”弥生時代”に現代の技術を提供したことにより、
人類の発展は大幅に早まったー。

しかし、未熟なうちに発展しすぎたからだろうかー。

”なにか”が起きたー。

技術が発展しすぎて、人類同士の争いで地球が滅んだのかー。
それとも、宇宙に進出して異文明と遭遇ー、結果的に地球が攻められてしまい滅んだのかー。

それは分からないー。

だが、いずれにせよ、
”弥生時代に現代の文明を持ち込んだ”ことによって、
地球は滅亡したー。

”ぁーーー…やばい…”
”肉体がないまま”宇宙を漂い続けていた修司は”自分が消えていく”のを感じるー。

身体がないまま、ずっと漂うことはできないー。

すぐに”実体化”する修司ー。
が、今度は呼吸ができないー。

すぐに”霊体化”する修司ー。
だが、今度は消えそうになるー。

人類はもう”いない”ー。
他に憑依する身体もないー。

”う…う… うぁああああああああああああああ!!!”
修司は、誰もいない宇宙空間で、声にならない悲鳴を上げたー。

おわり

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コメント

調子に乗って歴史を変え続けた結果、大変なことに…★

やりすぎには注意ですネ~笑

お読み下さりありがとうございました~!☆!

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憑依<歴史を壊す男>

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