突如として出現した謎の
”女体化ゲージ”
女体化へのカウントダウンが迫る中、
”真相”へと次第に近付いていくー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーどうなってるんだー!?」
「ーーわからない!」
学校の正門前には、警察官が2名、
やってきていたー。
学校内から生徒の一人が、警察に通報ー、
警察は”ゲージ”だとか”男子生徒が女子になってる”だとか
意味不明な通報を前に、困惑していたものの、
通報してきた生徒の慌て方や、
複数の通報があったために、こうして学校前にやってきていたー。
だがー、
学校の中に入ろうとしても、
”見えない壁”のようなものが存在していて、
中に入ることができないー。
「くそっ!どうなってるー」
年配の警察官が表情を歪めながらそう言葉を口にするー。
”中からの電話”は通じているー。
だが、中に入ることはできないー。
そうー
今、この学校は”禁断の呪術”によって外界から隔離されていて、
出入りをすることは、できないー
この”ゲーム”を止めない限りー。
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女子と、女体化した男子が中心になって、
”この事態”を打開するための方法を考えていたー。
「ーーあっ!くそっ…やべぇ!」
ゲージが”99%”まで達した男子生徒が表情を歪めるー。
やがて、そのまま100%になってしまい、
女体化してしまった彼は、恥ずかしそうに
「み、見るな!」と、顔を赤らめながら、周囲の生徒たちに言い放つー。
「ーーー…」
既にゲージが82%に達した光輝は、表情を歪めながら
なるべく”何も考えないように”成り行きを見守るー。
「ーってかさ、さっきの機械みたいな声のやつー、
校内放送してたんだから、校内にいるんだよなー?
校舎中を探し回れば、いいんじゃね?」
女体化した四郎がそう言葉を口にするー。
その言葉を聞いた光輝と昭も「確かにそうだなー」と、
そう言葉を口にするー。
何が起きているのかは分からないー。
だがー、この”頭上に出現した得体の知れないゲージ”の
原因となる何かは、この学校内に存在するはずだー。
さっきの校内放送でもそんな感じの話をしていたー。
と、なればー…
「ーーーー」
光輝が考えるような表情を浮かべていると、
女体化した男子生徒の一人が「おい、茂崎ー」と、
そう言葉を口にしたー。
さっき、女体化して喜んで自分の胸を揉んでいた男子生徒・川藤だー。
片手で胸を揉みながら、
「ーお前は女になりたくないんだろ?だったらもう考えるなー」と、
そう言葉を口にしたー。
「ーーあ、あぁ…そうだなー」
光輝のゲージは既に89%に達しているー。
あと11%上昇すれば、女体化は避けられないー。
「ー考えるのは、俺たちがやるー。
茂崎も、まだ女体化してない他のやつらも、
とにかく学校内を探し回ってくれー」
川藤の言葉に、光輝の横にいた昭は
「お前ー、エロイだけじゃなくて、意外と頼りになるんだな」と、
冗談を口にしたー。
そうこうしているうちに、教室の端っこで、
”僕たちはどうなるんだー?”と、不安になるようなことばかり
考えていた男子生徒の”ゲージ”が100%になり、女体化してしまうー
「あぁっ!?なくなってる!?」
ズボンの上から股間のあたりを触って表情を歪める男子生徒ー。
「ーうぉぉぉぉ、お、俺もやべぇ」
”98%”だった男子生徒が、たった今女体化して、股間を触って「ない!」と
叫んでいる男子を見て”Hなこと”を考えてしまい、残り2%が上昇ー、
女体化してしまうー。
「って、何でだよォォォォ!」
女体化したその男子生徒は、鏡で”女体化した自分”の姿を見て、
彼自身から見れば”ブス”な顔立ちだったことに発狂するー。
「ーへへ…どうせならわたしみたいに美少女になりたいものね?」
さっき女体化したばかりの男子の一人が、
もうすっかり女子みたいな振る舞いでそう言葉を口にするー。
混沌とした教室内ー。
そんな中で光輝と、四郎や川藤ら”女体化した男子”、
そして女子らが連絡先を改めて確認するー。
”まだ”女体化していない男子を中心に
学校内に潜む”この異変の元凶”を探り当てるー。
そしてー…既に女体化してしまった男子や、
女子を中心に”この事態を打開する方法を考える”ー
そんな役割分担をして、光輝たちはこの事態を終わらせるために
動き出したー
「わたしも行く!
側で”考える”役割も必要でしょ?」
幼馴染・麻帆の言葉に光輝は「あぁ、そうだな」と頷くと
光輝・昭・麻帆の三人は、
別の女体化していない男子たちが北校舎を中心に
探してくれるようだったため、自分たちは南校舎を中心に
捜索を始めるー。
”この異変の元凶”
そして、先ほどの校内放送を入れた”黒幕”を見つけ出すためにー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
職員室にやってきた光輝たちー。
既に、職員室の先生たちはほとんどが女体化していたー。
「ーーき、君たちはまだ大丈夫なのか?」
元は男性だった国語の教師がそう呟くと、
光輝たちは頷くー。
「ー何か、変わったことはありませんでしたかー?」
光輝たちが、先生たちと情報交換をすると、
他の生徒たちでも賑わう状況の中
近くにいた体育の先生が言葉を口にしたー。
随分、胸が大きくなってしまった体育の先生は
それを邪魔そうにしながら、
「ー校長と副校長が職員室を出たきり戻ってこない」と、
それだけ言葉を口にするー。
「ーー校長先生と副校長先生がー?」
麻帆がそう言うと、体育の先生は「あぁ」と、言葉を口にしてから、
「何かに巻き込まれたのかもしれない」と、そう言葉を口にしたー。
職員室でも、それ以外の有力な情報は得られず、
そのまま校舎内を探し回る三人ー。
そしてーーー
”視聴覚室”にたどり着き、その中に飛び込んだ光輝たちは
表情を歪めたー
黒いカーテンに覆われー、
設置されている水晶玉に、プロジェクターの光が照らされて
スクリーンに謎のマークが映し出されているー
「こ、ここかー…!」
校舎内を無差別に探し回り、偶然”元凶”の部屋にたどり着いた光輝たちー。
そこにはーー
”金倉副校長先生”が倒れていたー。
「ーーーはははー、ここにたどり着いたかー。」
奥からそんな声がして、光輝たちが声のした方向を見ると、
そこには、吉岡校長先生の姿があったー。
「ー副校長先生は、私が黒幕だと気付いてしまってねー。
処分させてもらったよー」
吉岡校長が笑うー。
副校長は、職員室から校長先生を尾行ー、
視聴覚室に入った校長先生を見て、
その中の様子に驚き、校長先生を問い詰めたものの、
逆に”謎の魔力”で処分されてしまったー。
「ーーさっきの校内放送は私だー」
吉岡校長はそう言うと、笑みを浮かべるー。
闇オークションで手に入れた
禁断の魔術が封じられた”水晶玉”を使い、
学校を外界から隔離、その中にいる男を女体化させているのだと、
吉岡校長は説明したー。
「ーだがー、ただ、”女”にするだけではつまらないー。
だから、君たちの好きな”ゲーム”風にしてみたよー?
そういう、体力ゲージみたいなやつ、好きなのだろう?」
吉岡校長の言葉に、
光輝は”95%”に達したゲージを頭上に輝かせながら
声を上げたー
「な、何のためにこんなことを!」
とー。
吉岡校長は笑うー。
「ー3年の男子たちがねー。
私のことを”ゲームに出て来る女ゴリラに似てる”と
笑うんだー。
毎日、毎日、私の顔を見るたびに馬鹿にしたような顔で笑うんだー。
そのゲームの”攻略本”とやらを読んでみたよー。
確かに、似ていたー。
でもなー、毎日毎日”女みたいだ”と、笑われるのは
ものすごく、ムカつくんだー。
君たちのようなガキに言われると、特にー、ね
だから、この学校の男を全員、女にしてやることに決めたー。
それも、君たちが好きなゲーム感覚でなー」
吉岡校長のその言葉に、
昭は「は…はぁ…そ、そんな理由でー、こんなことをー!?」と、
戸惑いの表情を浮かべるー。
「ーーふんー
私が、アニメや漫画のキャラクターのように
悲しそうな表情をしながら、回想シーンでも始めればそれで満足かね?
現実の人間が、狂気に走る理由なんて
漫画やアニメのように、10分も20分もかけて語るようなものじゃないんだよー。
毎日のように起きている犯罪を見てみろ。
くだらない理由で事件を起こしてるやつが多いだろう?
ーー私も含めてね
人は、”些細な理由”で、狂気に走るのだよ」
吉岡校長の言葉に、光輝は表情を歪めるー
そのゲージは既に98%。
だがーーー
視聴覚室に入ったあと、光輝と昭が、
校長先生に色々聞いている間にー、
幼馴染の麻帆が気付かれないようにこっそりと水晶玉の方に近付いていたー。
麻帆が何をしようとしているのかは分からないが、
水晶玉にこっそりと近づいて、奪い取るか、あるいは壊そうとしているのだと
光輝はそう判断したー。
”ーー校長が麻帆の動きに気付かないようにしないとー”
光輝は”これ以上考えてはいけない”状態だとは理解していながらも、
校長先生の気を引くための言葉を考えるー。
”まだ”ゲージが87%の
横にいる親友の昭が麻帆の動きに気付いているかは分からないし、
校長の目の前で相談すれば、麻帆の動きに気付かれてしまうー。
ここはー、光輝が考えるしかなかったー
「ーー女になった男が元に戻る方法はあるんですかー!?」
光輝がそう言うと、吉岡校長は笑みを浮かべながら言葉を口にするー。
「ーークククー それはー」
吉岡校長がそう言葉を口にした直後だったー。
光輝の”女体化ゲージ”が100%に達して、
光輝の身体に異変が起き始めるー
「お、おいっ!」
昭がそう叫ぶも、光輝はその場で女体化してしまうー。
「ーークククククー これで君もー」
吉岡校長がそんな言葉を発したその時だったー。
こっそり校長の水晶玉に近付いていた麻帆は、
水晶玉を手にすると、
「ーーこんなものー!」と、声を上げながら、
それを思いっきり床に叩きつけたー
「ーーーぁっ…! おいっ!!!!」
光輝たちの方ばかり気にしていた吉岡校長が
麻帆に気付いた直後ー、
水晶玉は床に叩きつけられて、音を立てて砕け散ったー。
「ーーーぁ… ぁ」
それと同時にーーー…
校長先生がうめき声を上げながら、その場に倒れ込むと、
まだ女体化していない昭の頭上に表示されていた”ゲージ”は消滅していくー
「ーー…よかったー…」
女体化してしまった光輝は、穏やかに笑うー。
「ーーあんたー…」
幼馴染の麻帆が、戸惑いながら光輝に近付くと、
光輝は笑いながら、言葉を口にしたー。
「麻帆が水晶玉に近付くまで、校長の気を引くには、
目の前で女体化するしかないと思ってー」
光輝は、自分のゲージがギリギリ
90パーセント台であったことを生かして
”わざと”色々考えてゲージを上げて、
校長先生の気を引いたのだったー
「ーーー…俺のゲージ、消えたのか?」
昭がそう言うと、麻帆は「うん、消えてるー」と頷くー。
がーーー
「ーー…ゲージは消えたのに、
お前は女のままってことはー…」
昭が心配そうに言うと、
光輝は膨らんだ胸を見つめながら、
少しだけ寂しそうに、
「もう、戻れないのかもなー」と、そう言葉を口にしたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水晶玉の消滅により、校長の言う”ゲーム”は終了したー。
”女体化ゲージ”が出現していた男子の頭上からゲージは消滅、
出入りが出来なくなっていた学校も、ちゃんと出入りが可能になったー。
しかし、校長先生は水晶玉の破壊と共に意識を消失ー、
警察が調べたところによると、校長が手に入れた謎の水晶玉は、
自分の魂を水晶玉に注ぎ込むことで、自分の描いた現象を引き起こす力を持つもので、
校長が昏睡状態に陥ったのは、水晶玉の破壊によるものだと分析していたー。
加えて、途中で学校から出ようとして消滅してしまった男子生徒は
戻ってこないままー。
そしてーーー
”女体化した男子たち”は、元に戻ることはできなかったー。
「ーーーなんか、だんだん可愛くなってね?」
昭がそう言葉を口にすると、
女体化してしまった光輝は苦笑いしながら、
「戻れないなら、受け入れて生きてくしかないだろ?」と、
少し前よりおしゃれになった髪を触りながらそう言葉を口にしたー。
「ーへへ…お前のそういうメンタルの強さはすごいよな」
昭がそう言葉を口にすると、
光輝の幼馴染・麻帆も笑いながら、
「ー前はなんか、毎日退屈そうにしてたけど、
最近楽しそうにしてるし、良かったんじゃない?」と、
そんな言葉を口にしたー。
”謎のゲージ”が出現するまではこのクラスの男女は半々だったー。
が、今は4分の3が女子になって、
女体化した男子は元に戻れないまま生活を続けているー。
警察や学校が、元に戻る方法を調べているものの、
まだまだ時間がかかりそうだー。
「ーーそういえばさー」
麻帆が、ふと女体化した光輝に言葉を口にするー。
「ん?」
光輝が、髪を揺らしながら麻帆の方を見つめると、
「ーもしも、この先、元に戻ることができるようになったら、どうするー?」と、
そう言葉を口にするー
「元に戻ることができるようになったらー?」
女体化した光輝は、少しだけ考えるような仕草をすると、
「ーその時はー」と、
穏やかな表情でその答えを口にしたー。
おわり
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コメント
とあるアップデートをしている時に、
進行状況を示すゲージを見ていて思いついた作品デス~笑
女体化で書くか、他のジャンルで書くか迷いましたが、
女体化が一番書きやすい気がしたので、
ゲージのお話は女体化で書きました~☆!
お読み下さりありがとうございました!☆
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