<入れ替わり>とりかえっこ恋愛②~恋模様~

幼馴染の男子に恋する
二人の女子生徒ー。

入れ替わりのおまじないで入れ替わった二人は…!?

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「そういえば美鈴~
 今日の放課後の生徒会の話し合いなんだけどー」

良太が、美鈴(凛)に対してそんな言葉を口にするー

「ーえっ!? あっ!
 え、あ、う、うんーー…」

美鈴と入れ替わって教室に戻ってきた凛は、
”美鈴”として声を掛けられたことにドキッとしながら
そう言葉を口にするー。

”あ…”わたし”が話しかけられてるー…”
少し離れた座席の凛(美鈴)は、ドキドキした様子で
そんな光景を見つめるー。

「ーーこれは、こうでー…これはー…」
良太は生徒会の副会長で、美鈴は生徒会の書記ー…

良太が、プリントを手に真剣な表情で美鈴(凛)に
色々話をしてきているー。

”ま、真面目な良くんー…新鮮っ…!”
美鈴(凛)はドキドキしながら良太の顔の方を見ていると、
「み、美鈴ー?体調でも悪いのかー?」と、
心配そうに言葉を口にしたー

「あ、ち、ちがっー…」
顔を赤らめながら美鈴(凛)が目を逸らすと、
「熱でもあるのか?」と、心配そうにそう言葉を口にする良太ー。

「ーえ、えぇっ!?ないないっ!ない!大丈夫ー」
美鈴(凛)が慌てて言うと、
良太は笑いながら、「ならよかったー」と、優しく言葉を口にしてから
また、放課後の生徒会の話し合いに向けた相談を続けるー。

”ーーふ~~~~…
 良くんがいつもと違いすぎて、ヤバッ…!
 いつも、あたしに対してだったら絶対、
 ”凛~!顔がトマトみたいになってるぞ~!はははは”みたいな
 感じなのにー!”

真剣に心配された美鈴(凛)は、未だに顔を赤らめたまま
良太の話を聞くー。

”そういえば、美鈴が生徒会書記になったのもあたしが勧めたからだったっけー”
美鈴(凛)はそんなことを思い出すー。

生徒会副会長に良太が立候補した際にー、
生徒会書記に立候補する生徒が、同学年からは現れずに余っていたー。

そんな時に、”今立候補すれば良くんと一緒になれるよ~?”などと
凛が、冗談めいた口調で美鈴に言ったところー、
美鈴が本当に立候補して、良太と一緒に生徒会になったのだったー。

”美鈴、絶対そういうの苦手だろうし、苦労してるよね…きっと”
美鈴(凛)が、そう思っていると、
「大丈夫大丈夫ー。美鈴が困ったらいつも通り、俺がカバーするから」と、
良太は、そんな言葉を美鈴(凛)に対して言い放つー

「ーーーあぁ~~~…なんだかいつもと違って新鮮!」
”うん!あ、ありがとう”

美鈴(凛)は、心の中で考え事をしながら、そう言葉を口にするー。

「ーーえ?しんせんー?」
良太が首を傾げると、
美鈴(凛)は「あーー…ううん、なんでもないー」と、苦笑いしながら
”いけないっ!心の声と口に出す声が逆だった!”と、
自分をポカッと叩いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休みー。

「ーほら!美鈴!ファイト!
 良くんと一緒にサッカーやるチャンスだよ!」

開始早々、美鈴(凛)が、凛(美鈴)に、
そんな声をかけるー。

「ーで、でも…わたし…できるかな?」
凛(美鈴)も、”せっかく入れ替わったんだし”と、
昼休みに突入するまでは、考えていたものの
いざ、昼休みが来ると、
やっぱり”いつもの引っ込み思案な性格”が出て、
なかなか行動に出ることができなかったー

「大丈夫!できるできる!身体はあたしのなんだから、
 運動神経はいいと思うし、存分に楽しんできなよ!」

美鈴(凛)が言うと、
凛(美鈴)は「じ…じゃあ……がんばってみる」と、
そんな言葉を口にするー。

「ーーー…あ、そうだー…凛ちゃんは…?」
凛(美鈴)が、”美鈴(凛)”は昼休み、何して過ごすのかを
確認すると、
美鈴(凛)は笑いながら、
「あたしは、いつもの美鈴の真似して読書してみる!」と、
”美鈴の昼休み”を体験してみるつもりだと、言葉を口にしたー。

「ーあはは…無理しないでね?」
凛(美鈴)は少し笑うと、
そのまま勇気を出して、校庭に向かいー、
すぅっと息を吸うー。

そしてー、良太に向かって”凛のフリ”をして声をかけたー。

「ーーり、り、良くん!」

まずー、良太のことを”良くん”と、呼ぶこと自体が新鮮ー。
美鈴は、良太のことを”良太くん”と呼んでいるため、
これだけでなんだかドキドキするー

「お!凛!」
サッカーの準備をしていた良太が笑いながら
凛(美鈴)に気付くー。

「ーーよ、よ、よければわた…あたしも一緒にできればいぃn… ~~~…」
緊張のあまり、語尾になるにつれて声がどんどん小さくなっていき、
やがて、良太から聞き取れないぐらいに小さくなってしまう凛(美鈴)ー。

「ーーーえ…???」
良太が苦笑いしながら首を傾げると、
凛(美鈴)は、さらに勇気を振り絞って、
「一緒に遊んでいい…!?」と、声を発したー。

「ーははは…急にどうしたんだよー?
 いいに決まってるだろ。
 凛がいた方が俺も安心だし」
良太が、”いつものように”ポンポンと優しく肩を叩くー。

別に、良太はイヤらしい気持ちでそういうことを
しているわけではなくー、
凛とは小さい頃から”男子とセット”で遊びすぎて
もはや良太からすれば男友達のような感覚だったー。

しかしー

「~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!」

「ーーーえ…???」
良太が戸惑うー。

顔を真っ赤にした凛(美鈴)は
”り、り、り、良太くんからスキンシップ…~~~~~!?!?!?”
と、頭の中で考えを爆発させるー。

大人しい分、美鈴はちょっと脳内妄想しやすいタイプー。

色々なことを妄想しながら、
顔を真っ赤にしていると、
良太は「はははートマトみたいになってるぞ~!」と、
凛(美鈴)を揶揄うー。

”美鈴と一緒にいる良太”が、普段言わないようなことを
口にするのを見て、凛(美鈴)は、さらにドキドキしながら、
そのままサッカーの試合をするための配置についたー。

試合、と言っても良太は別にサッカー部ではないし、
遊びでサッカーをしているだけー。
サッカーのこともあれば、別の球技のこともあったりで、色々だー。

「ーーーー!」
”すごいー、身体がこんなに軽くー!”

身体が弱く、特別な運動をしているわけでもない華奢な美鈴の身体ー。

そんな美鈴の身体からしてみれば、
運動神経が良くて、健康そのものな凛の身体はとても
動かしやすかったー。

がーー

「えいっ!」
凛(美鈴)の蹴ったボールがとんでもない方向に飛んでいくー

「ーーあ、あれれ!?」
相手にあっさりとボールを奪われてしまうー。

「あわわわ~~!?!?」
途中でドサッと転んでしまうー。

いくら”凛”の身体の運動神経が良くてもー、
美鈴がそれを使いこなせるとは、限らなかったー…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーごめんなさい…」
残念そうに、凛(美鈴)がそう呟くと、
良太は「ははは、いいっていいって」と、笑いながら、
凛(美鈴)が転んだ時のことを心配そうにしつつ、
「今日は、何かあったのかー?」と、そんなことを口にするー

「え?う、ううんー…何もー」
凛(美鈴)が言うと、
良太は「いつもより、元気ないように見えたからー」と、
苦笑いするー。

「えぇ…そ、そんなことないよー?
 わたーーあたしは元気元気!」

腕をぶんぶん振って見せる凛(美鈴)ー。

美鈴からすれば”いつもよりかなりうるさくしている”つもりなのだが
それでも、”いつもの凛”より元気なく見えるようだー。
そんな言葉に、なんだかとても不思議な感覚を覚えるー。

「ーーー…」

そしてーー…
凛(美鈴)は、ふと良太の方を見つめながら
”あること”を思いつくー。

”そういえばー…良太くん…わたしのこと、どう思ってるのかなー…?”
凛(美鈴)は、そう考えながら良太を見つめるー。

”凛ちゃん”が聞くなら、何も不自然じゃない気がするー。
そう思った美鈴は、凛の身体で思い切って聞いてみたー。

「ーーね、ねぇ…!り、良くんは美鈴のこと、どう思ってるの?」

とー。

するとー、
良太は”即答”した。

「え?普通に好きだけど?」
とー。

”す、好きー??????”

「す… SUKI…」
凛(美鈴)は、そのままその場で嬉しさのあまり失神してしまったー。

「ーーえ!?!?!?え!?!?!?!?」
慌てる良太ー。

良太の”好き”は、恋愛的な意味ではなく
小さい頃からずっと一緒だった意味での”好き”ー
つまり幼馴染としての”好き”ー

小さい頃、子供同士は〇〇くんすき~! 〇〇ちゃんすき~!というような
感覚での意味ー。

急に凛(美鈴)が失神した意味もまるで分からなかった良太は
「えぇぇ…!?」と、戸惑いながらも、
すぐに意識を取り戻した凛(美鈴)を見て、心配そうに
「保健室に行った方が…」と、そう言葉を口にしたー。

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放課後ー

生徒会の話し合いが行われたー。

「ーーー……(生徒会の話し合いの良くんー…なんか新鮮)」
美鈴(凛)が、そんなことを思いながら良太を見つめるー。

やがて、生徒会の話し合いが終わると、
「そういえばさ、今日、凛の様子がなんかおかしかったんだけど
 何かあったのかなぁ」と、良太が心配そうに呟くー。

「ーーえっ!?」
美鈴(凛)は、戸惑うー。
昼休みに保健室に行った件は聞いたー。

が、良太がそんな風に言ってくるとは思わなかったー

「ーーあ、あははははー
 別に、何もないんじゃないー?
 あtーー…凛ちゃんはほら、”あたし、悩みごととか秒で忘れるから”とか、
 そう言ってるじゃん?」

美鈴(凛)がそう言うと、
良太は「いや、なんかさ~、今日…俺が話してても、なんか少し
遠慮気味だったというか、余所余所しい感じがしてー
俺、何かマズイことしたのかも」と、そう言葉を口にするー

「あ、あははははー
 ないない!ない!大丈夫!」
美鈴(凛)がそう言い切るー。

美鈴が凛のフリをしても、やっぱり中身は美鈴ー。
いつもよりも奥手な感じが良太に伝わって、
良太からすれば”いつも男友達みたいな間柄の感じの凛”に
少し違和感を感じたのだろうー。

「ーー凛ちゃん、”良くんは何も悪くないよ!今日はなんだか
 あたし、上手くいかなかっただけ!”ってさっき言ってたし!」
美鈴(凛)が慌ててそうフォローするー。

そんな会話してないけれど、”凛ちゃんが言ってたよ!”という設定で、
自分の言葉を伝える美鈴(凛)ー

「はははーならよかったー」
良太がそう言うと、
美鈴(凛)は「良ーー太くんはってば、意外と繊細なんだから!」と、
笑いながら肩をぺしぺしと叩くー

「ーーーは、はははー」
照れ臭そうに笑う良太ー。

「ーーちょっと~何赤くなってんの~?」
美鈴(凛)が笑いながらそう言うと、
その直後、”あ、美鈴はいつも良くんにスキンシップなんかしないからだ”と、
自分で気づいて、”普段と違う”良太の反応に、逆にドキッとしてしまうー。

”ふ、普段あたしがいくら触れても何も気にしてないのにー
 な、なにその可愛い反応ー???
 こっちがドキドキしちゃうじゃん!?”

美鈴(凛)が急に”美鈴の身体で良太に触れたこと”にどきどきしてしまいながら
顔を赤らめていると、
良太は「そういえば、今日、美鈴、何かいいことあったのか?」と、
”妙にハイテンションだなぁ”と、思いつつ、
そんな言葉を口にしたー。

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1日目の学校生活が終わりー、
二人はお互いに相手の家に帰宅すると、
通話をしながら、今日のことを振り返ったー。

「ーいつもあたしが触っても全然、何も反応ないのに、
 今日は良くん、なんか赤くなっててびっくりしちゃった」

美鈴(凛)が言うと、
凛(美鈴)は「ーそ、そうなんだー」と、笑いながら
そう言葉を口にするー。

昼休みの話題も二人で色々と話すー。

「そういえば、美鈴、どうして昼休み倒れちゃったの?」
美鈴(凛)がそう質問すると、
凛(美鈴)は「え~っと、それはー…」と、言葉を口にするー。

凛の身体で、”美鈴のことどう思ってるの?”と聞いたら
”好き”と言われたからー…

とは、なかなか言えないー。

”凛ちゃんも、良太くんのこと好きだから…なんだか悪いしー”
凛(美鈴)がそんな風に考えつつ、誤魔化そうとすると
「起こらないから教えてよ~!」と、何度も言われてしまい、
仕方がなく「美鈴のことどう思うって聞いたらー」と、
言葉を口にしたー

「ええええええ~~~~!?!?聞いたの?
 すっごい!やるじゃん!
 あたしも明日聞いてみよ~~っと」

美鈴(凛)はそんな言葉を口にしながら笑うー。

特に嫉妬するようなこともなく、
純粋に幼馴染の美鈴が良太から”好き”と言われたことに
祝福の言葉を口にするー。

二人は、色々と盛り上がりながら
その日1日を終えたー。

そして、翌日ー。

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朝ー、

いきなり登校してきたばかりの良太の前に姿を現した
美鈴(凛)ー。

「ーーえっ!?」

髪が邪魔なのか、いつもとは違い、髪を結んでいる美鈴の姿に、
良太は少し戸惑った様子を見せながら、

「話ってー?」
と、そう言葉を口にするー。

すると、美鈴(凛)は、早速言葉を口にしたー。

「ーねぇねぇねぇ良太くん!
 あーーー…… じゃなくて、凛ちゃんのことどう思ってる?」

美鈴(凛)の言葉に、良太は「えっ!?凛のこと?」と、
戸惑いながら「いきなりどうかしたのか?」と、笑うー。

「ーーえ、あははー
 どうもしないけど、知りたくなっちゃって!
 教えて!」

美鈴(凛)の言葉に、良太は
”昨日から美鈴、妙にぐいぐい来るなぁ”と、思いつつも、
”その答え”を口にしたー…

③へ続く

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コメント

次回が最終回デス~!

幼馴染三人の恋模様の結末を
ぜひ見届けて下さいネ~!

今日もお読み下さりありがとうございました~!★

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