<憑依>最悪な先輩③~悲痛なお願い~(完)

”1回だけでいいからお前の妹に憑依させてほしい”

最初は、そういう約束だったはずなのにー。

エスカレートしていく先輩に、彼はついにNoを突き付けたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー円香への憑依は、前回で最後の約束だったはずですー。
 だから、すみません」

利幸は、勇気を振り絞ってそう言い放ったー
”これで憑依薬はなくなる”
そう言っていたからこそ、2度目の憑依を先輩である卓也に許可したー。

しかし、卓也は”また”憑依薬を購入したのだと言い、
妹の円香に憑依したいとそう言って来たー。

もう、これ以上憑依を許すわけにはいかないー。
このままOKを出していたら円香はこの先も
何度も、何度も憑依されることになってしまうー。

「ーーそっかーそうかそうかー
 怖がってるんじゃー…仕方ないよな」
卓也が少し残念そうにそんな言葉を口にするー

「ーすみませんー。分かっていただけて良かったです」
利幸はそう言い放つと、卓也は「ーへへーまぁ、そういうことなら仕方ねぇよ」と、
それだけ言葉を口にして、それ以上は何も言わなかったー。

”よかったー…”
もしも、先輩の卓也が
”円香が怖がっているから”と理由付けをして断っても
なおも”憑依させろよ!”としつこく言ってきたらどうしよう、と
頭の中で悩んでいたー。

しかし、それは杞憂だったようだー。
その日以降、卓也は憑依薬のことを口にしなくなりー、
そのまま憑依の件は解決ー…

したはずだったー。

だが、ある日ー。

「ーーやべっ!忘れ物した!」
大学に向かう途中で忘れ物をしたことに気付き、
家に引き返した利幸ー

がー、部屋の前にたどり着いたその時ー…

妹の円香の部屋から”喘ぎ声”が聞こえて来たー。

「ーーー…!?」
ビクッとする利幸ー。

今日は、円香はちょうど学校行事の振り替え休日で
家にいることは別におかしなことではないー。

だがーー

”ーへへへへっやっぱこの身体は最高だぜー”
そんな声が、円香の部屋から聞こえて来たー。

”ま、まさかー!?”
ハッとした利幸は後先考えずに、怒りの形相で
円香の部屋に飛び込んだー。

するとー
下着姿のまま乱れ切った円香の姿があったー。

ドキッとして目を逸らす利幸ー

「ーーわ…!?!?お、お、お兄ちゃん!?」
下着姿の円香は気まずそうにそう言葉を口にすると、
利幸は、戸惑いの表情を浮かべながら続けて口を開いたー

「ーせ、先輩ですよね!?いい加減にして下さい!」
とー。

「ーえ~~~?お兄ちゃんってば何を言ってるの?」
顔を赤らめたままニヤニヤとする円香ー

「ー部屋の外まで聞こえてましたよ!
 円香にこれ以上、憑依しないでほしいって言いましたよね!?」
利幸がそう叫ぶと、
円香はメイド服を着ながら笑みを浮かべるー

「ーーはぁぁぁ~~いいじゃねぇか少しぐらい」
雑にメイド服を着たままドサッとイスに座る円香ー。

「ーふ…ふざけないでください!円香を何だと思ってるんですか!」
利幸は、”お世話になった先輩”という感情よりも
”妹を傷つけるふざけた先輩”という感情が勝り、声を荒げるー。

「ーーへへへーお前の妹の喘ぐ声、エロイよなー
 それにー、女でイクのすっげぇ気持ちイイー」
円香の言葉に、利幸は「ま、円香に2度と憑依しないでください!」と、
声を荒げるー。

「ーーー…ーーーー」
円香はにこにこしながら何度も頷くと、
「ーケチくせぇこと言うなよ?な?」と、そう言葉を口にするー。

「ーーー………円香からー…」
ボソッと呟く利幸ー

「あ?」
円香が不満そうに表情を歪めるー。

「ー円香から、出ていけ!!!」
利幸の怒りが頂点に達してそう叫ぶと、
円香の表情から笑みが消えたー。

「ーーーお前ー先輩に向かってそういうこと言うんだなー。
 へへーそうかそうか。分かったぜ」
円香がそう呟くー。

「ーーーお、俺はー…
 俺は別に先輩と争うつもりじゃないんです!
 先輩には色々お世話になりました!

 でも、妹にこんな風に何度も憑依されたら、
 困るんですよ!!
 円香だって怖がる!
 そのぐらい、分かってくれよ!」

敬語も消えるぐらいの怒りで、利幸は叫ぶー。

元々、先輩である卓也は
多少、強引なところはあったものの悪い人間ではなかったし、
パワハラをするようなタイプでもなかったー。

けれどー、偶然出会った”憑依薬”という力を手に、
卓也は変わってしまったー。
力に溺れた人間は、壊れていくー。

「ーーうるせぇな」
円香はそう言うと、目の前で乱暴に胸を揉み始めるー

「ーーお前がその気なら俺も好きにさせてもらうぜ!」
そう言いながら、目の前で円香の身体を弄び始める卓也ー。

「や、やめろ!!やめろって!」
円香を止めようとする利幸ー。

やがてー、円香を床に押し倒すような形になり、
円香が軽くうめき声を漏らすと、
円香はニヤッと笑ったー

「そうだーこの状態で”抜けたら”ー
 お前の妹も怖がるだろうしー…どうなるかな?」

邪悪な笑みを浮かべる円香ー。

”今”この状態で解放されたらー?

”乱れたメイド服姿”ー
”汚れた部屋”ー
そこにいる兄・利幸ー

「ーー…や、やめっ…!」
利幸が叫ぶー。

このまま解放されたら”寝落ち”では誤魔化せないー。
円香が本当に怖がってしまうー。

だがーーー
円香は「うっ…」と、うめき声をあげると
そのまま意識を失ってしまったー。

”卓也”が円香から抜けてしまったー。

「ーーーお、おいっ!!
 く、くそっ!
 ど、どうすればー… どうすればー!?」
利幸が戸惑っているうちに、
円香は意識を取り戻してしまうー。

そしてーーー
乱れたメイド服姿の自分に気付いて、
円香は悲鳴を上げたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

円香は落ち込んでしまい、
怯えるようになってしまったー。

”何”があったのかは話せないー
円香をもっと怖がらせてしまうー。

が、意識が飛んでいてメイド服を着ていた自分に、
円香は酷く怯えー、体調を崩してしまっていたー。

「ーー円香…」
利幸自身が疑われることは幸い、免れたものの
円香は今日も落ち込んでいるー。

「ーーーーーーー」
暗い表情でご飯を食べている円香ー

「ーーー円香…くそっ…」
利幸はこれ以上、円香を悲しませてはいけない、
怖がらせてはいけない、と固く決意して、
バイト先に向かうー。

今日は”卓也”とシフトが同じ日だー。

利幸は休憩中に卓也に言い放ったー。

「もう2度と、円香に憑依しないでください」
とー。

円香が酷く落ち込んでいる現状を伝え、
卓也に嘆願するー。

「ーー嫌だね。俺は円香ちゃんの身体が気に入ったんだー
 これからも憑依させてもらうぜ」
そう言い放つ卓也ー。

「ーーふ…ふざけないでください!
 そんなの…そんなの許されるわけがない!」

利幸がそう言うと、
卓也は「ー先輩に対して、あんまり偉そうなこと言うんじゃねぇぞ?」と
脅すような口調で言葉を口にするー。

にらみ合う二人ー。

がー、やがて卓也は”譲歩案”を口にしたー。

「ーーまぁいいー。
 お前の気持ちも分かるし、円香ちゃんの気持ちも
 分からないでもないー。

 だからー
 そうだなー
 憑依は”1週間に1回”にしてやるー。
 それでいいだろ?」

卓也のそんな言葉に、
利幸は「ふざけるな!」と叫ぶー。

「ー何が1週間に1回だ!
 円香の身体をこれ以上使わせてたまるか!
 円香の人生をーー先輩は、お前は何だと思ってるんだ!」

利幸がそう叫ぶと、卓也は怒りの形相を浮かべたー。

「もういいー
 これ以上憑依するならー…
 店長にも、警察にも、先輩の家族にも、
 全て打ち明けますー」

そう言いながら、用意していたボイスレコーダーを利幸は手にするー。

それを見た卓也は、途端に表情を変えたー。

「ーーひ、憑依なんて法律の規定に存在しないし
 誰も信じやしない!
 んなことしたって無駄だぞ!」

と、そう叫ぶ卓也ー。

しかし、利幸は負けじと言葉を口にしたー。

「ーーそれでも、先輩は困るんじゃないですか?」
とー。

「ー親や、店長、警察ー、
 色々なところに言われればー、
 罪にならなかったとしても、先輩の人生には大きな影響が出ると思いますけど」

利幸がそう言い放つと、卓也は表情を歪めるー。

確かにー、
法律上に”憑依してはならない”などという言葉は存在していないー。

しかしー、今の会話を録音されたとなると、
卓也も不利になるのは事実だー。
最悪の場合、何らかの法律が適応されて罪に問われてしまう可能性も
完全に0とは言い切れないー。

「ーーーーーー」
悔しそうに表情を歪める卓也ー。

「ーーーーーーー俺は、先輩と争いたいんじゃないんですー。
 ただ、先輩に憑依をやめてほしいだけなんですー。
 お願いですから、分かって下さいー」

利幸がそう言い放つと、
「ー別に俺は録音した音声で先輩を脅したりする気もありませんー。
 先輩が何もしなければ俺も絶対に何もしないと誓います。

 だからー、お願いですからー」

と、そんな言葉を続けたー。

卓也は、なおも不満そうに利幸のことを見つめていたものの、
やがて「分かったよー」と、そう言葉を口にすると、
首を横に振ったー。

「ーーーもう、憑依はしないー。
 円香ちゃんにも、他のやつにも」

卓也は悔しそうにそう言い放つー。

その言葉が本当かどうかは分からないー。
それでもー、利幸は少しだけ穏やかな表情を浮かべると、
「もしも先輩が、”誰かに憑依したら”ー、この音声を店長にも
 警察にも、先輩の家族にも伝えますー」と、
そう言葉を口にするー。

がー、卓也は不満そうに
「疑い深いやつだなー」と笑うと、
「俺だって、自分の人生を賭けてまで”憑依”する気はねぇよ」と、
そんな言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日ー

卓也は憑依薬を廃棄したことを、利幸に伝えて来たー。
卓也を逆上させてしまい、利幸自身が憑依されてしまう結果に
なるリスクも当然考えたものの、
卓也の性格上”男に憑依する”可能性は低いと読んでいたし、
とにかく円香を救うためには
リスクを背負ってでもこうせざるを得なかったー。

がー、結果的にその”賭け”にも勝ちー、
卓也はそれ以降、憑依を行わなくなったー。

やがてー
利幸は就職活動を本格的に開始、バイトを卒業することにして、
先輩・卓也と共に働いていたバイト先を退職したー。

それ以降、利幸が”卓也”と会うことはなかったー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数か月後ー。

「ーー落ち着いたら、必ず連絡するからね!」

高校を卒業して、今年から大学に通い始める妹の円香は、
”一人暮らし”を始めることになったー。

「ーーーははー寂しくなったらいつでも連絡しろよ?」
笑いながら、そう言葉を口にする利幸ー。

「ーふふふー 寂しがっちゃうのはお兄ちゃんの方だったりしてー?」
揶揄うような口調の円香を前に、苦笑いする利幸ー。

「ーまぁでも、困ったことがあったらいつでも連絡してくれればー
 俺にできる範囲内のことはするからさ」

利幸が、円香のことを思いやりながらそう言葉を口にすると、
円香は「うん。ありがとうーお兄ちゃん」と、
そう微笑みながら、まとめた荷物を手に、
先に家の前で父親が用意してくれていた車の方に向かっていくー。

父親が、円香が一人暮らしを始める家まで車で送って行って
くれるようだー。

少し寂しそうにー、
けれども、妹の門出を祝おうと、笑顔を作りながら
利幸は手を振るー。

「ーーー円香ー!元気でな!」

そんな利幸の言葉に、円香も嬉しそうに手を振り返したのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーじゃあ、お父さんーありがとう」
円香が微笑むー。

円香の家に荷物を運び込んだり、手伝いを終えた父親は
笑いながら、「じゃあ、頑張れよ」と、
そう言葉を口にしながら、車に乗り込むー。

「ーうん!ありがとう!みんなも元気でね!」
円香はそう微笑みながら手を振ったー。

父親の車が見えなくなるまで、手を振る円香ー。

そしてーーーー

「ーーーーーーーー」

「ーーよし!わたしも頑張らなくちゃ!」と、
そんな前向きな言葉を口にして円香は”一人暮らし”を
スタートさせるのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なぁなぁ、”憑依”させてくれよー」

一方ー、利幸の先輩だった卓也は
あれから、別のバイトを始めて、
また、ネットで憑依薬を購入ー。
そこでも懲りずに”年下の子”に憑依させてほしいと
迫っているのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

”一人暮らしを始めた円香”が、
どうせ憑依されてるパターンでしょ?と、思わせつつ、
憑依されてない結末でした~笑

卓也先輩は、別のバイト先で
またターゲットを変えて、懲りずに欲望を楽しんでいます~!

お読み下さりありがとうございました~~!

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憑依<最悪な先輩>

コメント

  1. TSマニア より:

    無名さんの予想した

    1人暮らし始めた円香が憑依されたパターンだと自分が思いました笑

    卓也先輩が女の子に憑依してハマる気持ちよく分かります(*´艸`)笑

    無名さんも知ってるとおり

    自分の場合は入れ替わり薬と憑依薬の二刀流です笑

    目指すはTSF界の大谷翔◯デスd=(^o^)=b笑

    無名さんのカラダなってミニ履いてオシャレに着こなしやコスプレなど絶対ハマる自信あります笑

    女の子のオシャレ追及したりコスプレも少しずつ本格的になると思います笑

    女の子のお店に入って真剣に選んでお買い物してみたいのデス\(^o^)/笑

    無名さんの春物は春っぽい色が多いんですネ☆☆☆

    無名さんも服好きなのでお部屋が洋服などで溢れますネ笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~!☆

      そういう展開はよくある気がするので、
      今回はあえて引っ掛けな結末にしてみました~!笑

      憑依と入れ替わりで色々楽しむ夢…★!
      早くその手段を手に入れないと、ですネ~★笑