悪の組織の怪人は、
どうして人間に憑依しても”お楽しみ”をしないのかー。
その理由に興味を持ち、
悪の組織の怪人の生き残りにインタビューした
女子大生の、その後の物語…。
※悪の組織の怪人さんは、どうして身体で遊ばないの?の
後日談にあたる作品デス~!
先に本編を見て下さいネ~!
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女子大生・岡崎 咲菜(おかざき さな)は、
あることに興味を抱いていたー。
それは”悪の組織の怪人は、どうして乗っ取った人間の身体で、
色々なことを楽しんだりしないのか”と、いうことだったー。
ヒーロー系の番組などでは、時として
悪の組織の怪人が”人間”に憑依して、
その人間の身体で悪事をこなすことも多いー。
しかし、あくまでも悪の組織の怪人たちは
人間の身体を”計画の実行”のためだけに使いー、
例えば、そうー、Hなことをしたり、そういったことをする怪人は
ほとんどいないー。
現実世界にも、悪の怪人たちが存在することを知った咲菜は、
その組織の生き残りである怪人に接触、
「例えばあなたは男性の怪人だと思うのですが、
女性に憑依した時に、そのー…ドキドキしたり、興奮したりとかはしないのですか?」
などなど、インタビューを繰り返したー。
がーーー
その答えはー
”どんな怪人も”お楽しみ”はしてるぜー
人間の女の身体は特に気持ちがいいー。
”作戦中以外”に楽しんでるんだよ”
と、いう答えだったのだー。
あくまでも、”表”に出るのは”人間に憑依した怪人が仕事中”の光景ー。
怪人たちにもプライベートがあり、
プライベートな時間帯では乗っ取った人間の身体を使い、
お楽しみをすることは日常茶飯事だったのだー。
そのインタビューの最中に、咲菜はその怪人に憑依されてしまったー。
乗っ取られた咲菜は、
チャイナドレスを着て、怪人の故郷である異世界の毒蛇を
太腿に撒きつけながら、悪女へと生まれ変わってしまったー。
”女子大生”の立場を利用して、
悪の怪人が元々所属していた組織を壊滅に追いやった
ヒーロー抹殺することに成功ー、
咲菜は、満足そうに部屋の中で笑みを浮かべていたー
「ーーククククーー
さて…と、次はー」
咲菜は、本人が飲まなかったような、
不気味な色のワインを飲みながら笑みを浮かべると、
「ー”仲間”を救出してやるかー」と、静かに呟くー。
咲菜に憑依した怪人以外に生き残っている怪人は5体ー。
他の怪人たちも、咲菜からインタビューを受けたこの怪人のように、
人里離れた場所に結界で幽閉されているー。
しかしーーー
「ーークククー、人間の身体があればーーー…」
咲菜は、にやりと笑うー。
この身体があれば、他の怪人たちも救出することができるかもしれないー、と。
そしてー、
悪の組織の首領亡き今、仲間たちを救出すれば
自らが首領に変わる存在になることができるー
「ーーーククククー
俺が”頂点”に立つチャンスがこんな形で巡って来るとはなー」
咲菜はそう呟くと、
鏡を見つめながらハッとして、何度か咳払いをしてから、
「ーわたしが”女王”ー」と、笑みを浮かべるー。
せっかく”咲菜”に憑依したのだから、
”悪の女王”になってやろうと、咲菜に憑依した怪人は決め、
表面上は”女”として振る舞っているー。
が、まだまだ、男としての自分が表に出てきてしまうー。
「ーーーーそう考えると、”魔女”は凄かったんだなー」
そう呟く咲菜ー。
”魔女”とは、
そういう異名で呼ばれていた、この悪の怪人がかつて所属していた
悪の組織の女幹部だー。
たしか、あの”魔女”の中身は男で、身体は人間の女子大生だったはずー。
それなのに、あんなに色気をさらけ出して、
表面上完全に”女”として振る舞っていたー。
今の咲菜からすれば、憧れの存在とも言えるそんな”魔女”のことを思い出すー。
「ーーーま、魔女も組織が壊滅するときに倒されちまったしー
いずれにせよ、これからは俺のー
いいえ、わたしの時代ねー」
咲菜はそう呟くと、練習した”悪の女王風”の高笑いをしながら、
笑みを浮かべたー。
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「ーー咲菜ー、久しぶりー」
同じ大学の同じサークルに所属している女子大生・恵麻(えま)を
呼び出した咲菜ー。
「ー最近、あまりサークルに顔出さないじゃんーどうしたの?」
恵麻のそんな言葉に、
”普通の落ち着いた格好”をした咲菜は、笑みを浮かべながら
「わたし、色々忙しくてー」と、言葉を口にしたー
「ーねぇねぇ、それで”魔物が封印されてる”って場所、どこなの?」
恵麻は同じ”オカルト系のサークル”に所属しているー。
そんな恵麻に”嘘の都市伝説”の話を持ち掛け、今日は
一緒に調査に向かうー。
「ーーーふふー 案内してあげるー」
咲菜は、そう言いながら山奥に向かうー。
ここには、”咲菜に憑依した怪人”以外の生き残りの怪人5人のうちの
一人が”幽閉”されているー。
怪人の状態のままでは、人間側が開発した”未知の結界”の外に
出ることはできないー。
だがー、”結界の中で人間に憑依”すれば、結界を通過できることを、
咲菜に憑依したこの怪人は確認したー。
そこでーーー
幽閉されている仲間のために”身体”を連れていきー、
仲間を救出するつもりなのだー。
「ーーーこの先の洞窟の中にいるみたいー」
咲菜はそう言うと、少し困惑した表情を浮かべる恵麻に対して
「大丈夫!いっしょにいこっ!」と、そう言葉を口にしたー。
恵麻は頷き、先に洞窟の中へと入っていくー。
そんな恵麻を見つめながら、
スカートから顔を出した”異世界の毒蛇”の頭を優しく撫でるとー
「”わたし”と同じ運命にしてあげるー」と、咲菜はクスクスと笑みを浮かべるー。
程なくして、洞窟の中から悲鳴が聞こえてくると、
咲菜は笑みを浮かべながら、洞窟の中へと入っていくー。
洞窟の中には、醜い風貌のスライムのような怪人がいたー。
その怪人に拘束された恵麻が「た…たすけて…」と、
咲菜に助けを求めるー
がーーー
「ーーふふふふふふーーー」
咲菜はニヤニヤしながら笑いだすとー、
邪悪な笑みを浮かべたー
「ーー実はわたしも、”怪人さん”に憑依されてるのー」
と、そう囁く咲菜ー
「え…」
恵麻は呆然としながら咲菜を見つめるー。
咲菜は嬉しそうに、自分の身体で飼いならしている
異世界の毒蛇を腕に巻きつけると、
「ーーーこの女、俺に”悪の怪人さんは、どうして人間の身体で遊ばないんですかー?”
ってー、そう聞いて来たんだよー」と、
蛇を可愛がるような仕草をしながら、そう笑みを浮かべたー
「ーーーー!」
恵麻は表情を歪めるー。
少し前に、咲菜が”悪の怪人に会って来る”とか、
インタビューをしてくる、とかそんな話をしていたのを思い出したのだー
「う…嘘…?」
恵麻がそう言うと、「嘘じゃないよ」と、咲菜は笑ったー。
「ーーまぁ、”憑依”なんていきなり言われても
信じられないよねー。
でも大丈夫ー。
今から、恵麻も憑依されるんだからー、
自分の身体で”わたしと同じこと”体験できるよー うふふ♡」
咲菜はそれだけ言うと、
スライムの怪人のほうを見つめるー。
「ーさぁ、新しい”器”よー。
乗っ取りなさいー」
悪の”女王”らしく、高圧的にそう言い放つと、
スライムの怪人は頷きー、そのまま恵麻のスカートの中に
入り込んでいくー。
「クククッ…下から憑依かー」
腕組みをしながら笑う咲菜ー。
悲鳴を上げる恵麻ー。
やがてー、恵麻の悲鳴が笑い声に変わる頃には、
恵麻の支配は完全に”完了”していたー。
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それからも、咲菜は残り4体の怪人たちが
事実上、幽閉されている場所を突き止めー、
それぞれを解放したーー
表向きは”人間”として行動しながらーー
6人全員で再び”世界を支配しようと”暗躍し始めるー。
その中心にいるのはー、
”女王”を名乗る咲菜ー。
チャイナドレス姿で足を組みー、
邪悪な笑みを浮かべながら、
咲菜に憑依している怪人が飼いならしている毒蛇を愛でる咲菜ー。
「ーー女王ー。
”例のもの”を準備しましたー」
救出した怪人の一人の言葉に、咲菜は満足そうに
”ご苦労様ー”と、そう言葉を口にするー。
”色々な計画”が、進む中、咲菜に憑依している怪人は、
ふと、”咲菜”本人のことを思い出すー。
「ーそういえば、この娘は
俺たちがどうして、憑依した人間の身体で遊ばないのかーって、
不思議に思って、俺にインタビューしにきた娘でなー」
咲菜は、笑みを浮かべながらそう言うと、
「ーーわざわざ、怪人である俺のところにまで
インタビューしにきてくれたんだー
こうして、”俺たちの復活”のきっかけになったこの女にはー
感謝しないとなー」
と、そう言葉を口にしたー。
そしてーーー
「ーーー今から”この女”に見せてやろうと思ってなー」
咲菜はそう言うと、
他の怪人たちー…今はそれぞれ人間に憑依している他の5人が笑うー。
「ーふふー
憑依されて”生まれ変わったわたし”を、宿主に見せてあげるなんてー
趣味悪い女王様ね~?」
身体まで”改造”して、妖艶な体つきになった咲菜の友人・恵麻が
ワインを飲みながら笑うと、
咲菜は「ふふー…お前たちも楽しめー」と、
そう言葉を口にしたーー
その直後ーー…
咲菜がその場に倒れ込むー。
咲菜に憑依した”悪の怪人”が、咲菜に”あえて”
身体の主導権を返したのだー
「ーーーぅ…」
目を覚ます咲菜ー。
周囲には、友人の恵麻を含む5人の男女がいるー。
「ーーー…ーーー…???」
意識を取り戻した咲菜は、今、自分が置かれている状況を
理解できずに、目を細めるー。
「ーーー咲菜」
そんな咲菜に対して”宿主同士”は友人だった恵麻が
鏡を手に笑うー。
「ーこれが、今のあなたー
”悪の組織の女王”になった、ねー」
恵麻がクスクス笑いながら言うと、
咲菜は、チャイナドレス姿で、太腿に蛇を巻きつけている自分を見て
悲鳴を上げるー。
「ーーー…な…何これ…ど、どうなってー…」
そこまで言いかけて、咲菜は
自分が”悪の組織の怪人の生き残り”にインタビューしている最中
だったことを思い出すー。
「ーーー…ま…まさか、わたしー…?」
咲菜が震えるー。
「ーーへへへへへー」
他の男二人と女二人がニヤニヤと笑うー。
「ーーー”悪の組織の怪人に憑依される”ってことが、
どういうことか、よ~く、分かったでしょ?」
恵麻がクスクスと笑いながら、咲菜を見下ろすー。
「ーーーーー」
震えながら周囲を見渡す咲菜は、
悲鳴を上げながら、その場から逃げ出そうとしたー。
「ーーあ!待ちなさい!」
恵麻が叫ぶー。
が、怪人の一人は笑いながら「大丈夫ー問題ないさ」と、
そう言葉を口にするー。
アジトから飛び出し、森の中を、寒さに耐えながら走る咲菜ー
しかし、そんな咲菜の頭の中に、
声が響き渡るー。
”自分自身で体験できてよかっただろー?
俺たちのような悪の怪人は、
”仕事”の時はちゃんと、乗っ取った身体を仕事のためだけに使ってー、
”オフ”の時には、ちゃ~んと、遊びまくっているのさー”
怪人の言葉に、咲菜は「た、助けて下さいー!」と、
そう言葉を口にしながら、とにかくその場から
逃げようと、ここがどこなのかも分からず走るー。
”ーーふぅんー
俺のような怪人にわざわざインタビューしに来たぐらいだから、
多少は肝が据わってるのかと思ってたけどー、
自分が安全地帯にいると思い込んでた、ただの小娘かー”
怪人は、咲菜の反応に失望した様子を見せる。
インタビューを受けたあの時の反応から
”これが憑依される感触なんですね!”ぐらいのことを言う、
面白い女かと思っていたが、そうではなかったー。
”もう、お前に”器”として以外、用はない”
怪人はそう呟くと、逃げている咲菜を再び支配したー
「うっ…」
走っていた咲菜は立ち止まると、
にやりと笑みを浮かべながら、
今まで走った道を戻り始めたー。
「ーーふふふー…
乗っ取られている間の自分を見ることができるのかどうかは
分からないがー
まぁー、少しでも感じることができるなら
”悪の女王”として君臨する自分の姿を、たっぷり味わいなー」
咲菜は、そう言葉を口にすると、
怪人たちのいるアジトに戻って笑みを浮かべたー。
「ーーふふふー
さぁ、人間どもを苦しめるための計画を、また練りましょうー」
咲菜はニヤリと笑いながら、
そう言葉を口にするとー、
今日も”悪の女王”として、他の怪人たちを従えながら、
悪事に手を染めるのだったー。
おわり
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コメント
以前書いた1話完結モノのその後デス~!
”乗っ取られたその後が見たい”というコメントをSNSの方で
頂いたので、書いて見ました~~!☆!
これからも、彼女は悪の道を走り続けるのデス…!
お読み下さりありがとうございました~~!
コメント
時代は入れ活の後日談お願いします
コメントありがとうございます~!☆
続編は、結構希望のある作品がたくさんあるので、
書ける作品の場合でも、
実現するまでに時間がかかります~!☆
気長に待っていて下さいネ~!